Google Pixel 6aにおいて、非純正の充電器使用中に発火する事例が複数確認されている。報告は2024年12月以降に相次ぎ、いずれも夜間の充電時に発生している点が共通しており、端末は衝撃吸収ケースに収められていたという。

Pixel Aシリーズは、Pixel 4aでの過熱問題やPixel 7aでのバッテリー膨張、さらにPixel 9aの充電制御仕様や過剰な接着剤によるバッテリー固定など、モデルごとにバッテリーに関連した不具合が継続的に報告されている。

Pixel 6aで複数の発火報告 非純正充電器と夜間充電の共通点

Pixel 6aを巡って、RedditやGoogleサポートフォーラム上において複数の発火事例が報告されている。最初の報告は2024年12月で、非純正充電器を用いた夜間の充電中に端末が発火したという内容だった。その後も似た状況下での事故が相次ぎ、耐衝撃ケースの使用などにより熱が逃げにくい条件が重なっていた可能性が指摘されている。投稿者のひとりは1年以上使用していた充電器を使っており、急な異常は予期しがたいと語っている。

こうした発火事故は、スマートフォンにとって重大な安全上の問題であり、原因がバッテリー本体、充電制御回路、外部アクセサリのいずれにあるのかを慎重に見極める必要がある。バッテリーが膨張や破損によって発火するリスクは他メーカー製品でも知られているが、Pixel Aシリーズでは今回の6aに限らず、バッテリー関連の事故が継続的に報告されてきた経緯がある点は見過ごせない。

一方で、非純正充電器を使用していたという共通点が複数の事例で見られることから、アクセサリの信頼性に加え、端末側の異常を早期に検知・遮断する安全設計の充実も不可欠といえる。

Pixel Aシリーズ全体に広がるバッテリー品質への不信

Pixel 6aでの発火事例は単発の事故ではなく、Pixel Aシリーズ全体におけるバッテリー不安を再燃させる契機となっている。過去にはPixel 4aで過熱によるリコール、Pixel 7aでのバッテリー膨張、そしてPixel 9aでは分解調査によりバッテリーが強力な接着剤で固定されていることが判明した。これらはいずれもバッテリーの安全性や交換性に関わる問題であり、Aシリーズが直面する構造的課題を浮き彫りにしている。

Pixel 9aには、時間の経過とともに充電速度やバッテリー容量を意図的に抑制する「バッテリー健康機能」が実装されているが、これは過去のトラブルから逆算された保守的な対策とも捉えられる。JerryRigEverythingのZac氏が指摘したように、過剰な接着固定は端末の修理性を大きく損ない、長期利用を阻む要因となり得る。ユーザーが自ら交換するのが難しい構造は、バッテリー劣化時の選択肢を狭め、結果として製品寿命そのものにも影響を与える。

これらの背景を踏まえると、Aシリーズにおけるバッテリー管理の方針は、安価な価格設定とのトレードオフとして性能や安全性に負荷がかかっている可能性も否定できない。信頼性とメンテナンス性の両立を今後どう図るかが、シリーズ全体の評価を左右することになりそうだ。

Source:Android Authority