厚さわずか5.5mmと噂されるiPhone 17 Airに、従来比15%のエネルギー増を実現するTDKのシリコンアノードバッテリーが初搭載される可能性が浮上している。Bloombergによると、この次世代セルは従来のグラファイト型と同サイズながら蓄電量が高く、6月末にも出荷が始まる見通しだ。

Galaxy S25 Edgeでは薄型化の代償としてバッテリー駆動時間が短くなる傾向が確認されているが、iPhone 17 AirはAIによるiOS 19の省電力最適化も併用し、実使用時間の改善が図られるとされる。AIが使用傾向に応じた電力配分を行うことで、さらなる効率性向上が期待されている。

TDK製シリコンアノード電池がもたらす超薄型スマホの設計革新

iPhone 17 Airに搭載される可能性があるTDKのシリコンアノードバッテリーは、従来のグラファイトベースのバッテリーに比べて約15%多くのエネルギーを同じスペース内に蓄えることができるとされる。これは1グラムあたりに保持できるリチウムイオン量がシリコンの方が圧倒的に多いためで、厚みを抑えつつも十分なバッテリー容量を確保できる点が大きな利点である。TDKの斎藤昇CEOは「大きな進展があり、まもなく出荷を開始する」と発言しており、iPhone 17 Airがこの次世代セルの最初の採用例になる可能性があるという。

特に注目すべきは、このバッテリーが6月末から出荷される見通しである点で、9月発表と予想されるiPhone 17 Airの生産スケジュールと整合している。これにより、5.5mmという極限の薄さでも実用的な駆動時間が確保されるとすれば、従来の「薄型=電池持ちが悪い」という構図が大きく揺らぐことになる。ただし、これらの技術が製品の全ロットに搭載されるかは明言されておらず、量産体制や歩留まりが今後の焦点となる。

iOS 19のAI電力制御が支えるバッテリー最適化戦略

バッテリーセルそのものの進化に加え、iPhone 17 AirではiOS 19によるAI駆動のバッテリー管理システムの導入も予告されている。BloombergのMark Gurman氏によると、この新機能は端末の使用傾向をリアルタイムで学習し、どの機能にどのタイミングで電力を配分するかを自動調整するものだという。例えば、頻繁に使用するアプリや時間帯を認識し、それに応じてバックグラウンド処理の抑制や輝度調整などを行うことで、体感的な電池持ちを延ばす設計となる。

これは、薄型化によって物理的なバッテリー容量が制限される中で、ソフトウェア側からのアプローチによって持続時間を稼ぐ手法といえる。Galaxy S25 Edgeが12時間38分という短めのバッテリーテスト結果を記録したことを踏まえると、iPhone 17 AirがAIと新バッテリーの併用でこれを超える可能性は十分にある。もっとも、AIによる制御がすべての利用スタイルにおいて均等に効果を発揮するとは限らず、個々の使い方によっては恩恵が薄いケースも想定される点には留意が必要である。

Source:Tom’s Guide