Appleは2025年5月、USB-CモデルのAirPods Max向けに新たなファームウェア「7E108」をリリースした。アップデートにより、24bit/48kHzのロスレスオーディオ再生や空間オーディオとの併用が可能となり、音源の忠実な再現と没入感のある視聴体験が実現される。

本アップデートは従来の「7E101」からの更新であり、ロスレス再生時には付属のUSB-Cケーブルを使用する必要がある。Appleは本機能により、音楽鑑賞だけでなく、ゲームやライブ配信などでも低遅延かつ高信頼のオーディオ体験を提供するとしている。

AirPods Maxに新ファームウェア「7E108」配信 高音質再生と空間オーディオ対応が実現

Appleは2025年5月、AirPods Max(USB-Cモデル)向けに新しいファームウェア「7E108」をリリースした。今回のアップデートでは、最大24bit/48kHzでのロスレスオーディオ再生が可能となり、Apple Musicなどの対応音源を高解像度のまま楽しめる仕様へと進化した。また、空間オーディオ機能との併用にも対応しており、立体的な音場表現と高音質を両立できるようになっている。

このファームウェアは、前バージョン「7E101」からの更新として配信されており、現時点ではAirPods Max USB-C版のみに限定されている。Appleはロスレス機能を活用するためには、iPhoneやMacに同梱されているUSB-Cケーブルを使用し、有線接続を行う必要があると説明している。これによりワイヤレス接続では実現できない高音質と低遅延が同時に提供される点が特徴である。

Appleは過去に一度、AirPods Max向けの同様のファームウェア更新を取り下げた経緯があり、今回は慎重な展開がうかがえる。なお、ソフトウェアの更新内容は正式には公開されていないが、今後の機能拡張を見据えた基盤となる可能性も考えられる。

低遅延オーディオがゲームと配信体験を変える可能性

今回のファームウェア「7E108」によってもたらされる超低遅延オーディオは、音楽鑑賞にとどまらず、ゲームやライブ配信などリアルタイム性が求められる用途においても大きな意味を持つ。Appleは「レスポンスの遅れがなく、より信頼性の高い体験が可能」としており、音と映像のズレがパフォーマンスに影響するゲーマーにとっては見逃せない進化である。

とくに有線接続によるロスレス再生は、Bluetoothの圧縮や遅延による制限を回避し、忠実な音質と即時性を両立させることができる。これにより、視覚と聴覚の同期が重視されるeスポーツや、配信時のリアルタイムモニタリングにおいて利点が明確になる。

ただし、AirPods Maxはそもそも高価格帯の製品であり、一般的なゲーミングデバイスとは異なる方向性を持っている。そのため、広範なユーザーに普及するかは不透明だが、プロ用途やこだわりの強い層には歓迎される要素といえる。今後のアップデートでさらなる低遅延機能が拡張されるかにも注目したい。

Source:BGR