2025年5月配信のGalaxy A56向けソフトウェアアップデート(ビルド番号:A566BXXU3AYDK)により、電源ボタン長押しでGoogle Gemini AIが起動可能となったが、一部ユーザーの間でブートループによる端末の文鎮化が報告されている。特に影響が集中しているのはヨーロッパ地域で、再起動を繰り返す症状により端末が使用不能となる深刻な不具合である。

SIMカードの抜き差しによる一時的な回避策は存在するものの、恒久的な修正には至っていない。現時点ではA36やA26など他モデルへの影響は報告されておらず、今後のアップデート対応が注目される。

Gemini AIボタンの統合で進化したGalaxy A56の操作性とAI活用環境

Galaxy A56の2025年5月アップデートにより、Google Gemini AIを物理ボタンから直接起動できる機能が新たに搭載された。これにより、サイドボタンの長押しで即座にAIアシスタントが立ち上がり、メモやスケジュール管理といった日常的な操作へのアクセスが一層効率化されている。Geminiの呼び出し先は設定変更も可能で、Bixbyなど他のアシスタントを選ぶ柔軟性も保持されている点は、既存の利用習慣に配慮した設計といえる。また、このアップデートには2025年5月のセキュリティパッチも含まれており、機能面だけでなく端末の安全性も強化されている。

こうした機能追加は、AI機能の積極的な活用を促す一方で、ボタン操作への依存が高まることによる誤動作の懸念も生まれる。例えば、電源オフの操作が煩雑になることや、誤タップによる起動が日常のストレス要因となる可能性も否定できない。便利さと同時に、物理操作の再定義を受け入れられるかどうかは利用者によって意見が分かれそうだ。便利な進化か、慣れへの挑戦か。これは単なる機能追加ではなく、スマートフォン操作体系に対する小さくも大きな変化である。

一部Galaxy A56端末で文鎮化が発生 利用不能に陥る深刻な不具合

今回のアップデート後、主にヨーロッパのGalaxy A56ユーザーから複数報告されたのが、端末がブートループに陥るという不具合である。これは、起動画面から先へ進まず再起動を繰り返す現象で、OSが立ち上がらない状態となり、実質的にスマートフォンが使用できなくなる。報告によると、ビルド番号「A566BXXU3AYDK」をインストールした後に発生しており、正常なファームウェア更新が裏目に出た形となっている。これはミッドレンジモデルにとっては深刻な信頼性の問題であり、普段使いの端末に不具合が出ることは多くの利用者にとって大きな損失となる。

応急処置として、SIMカードを一時的に抜いて起動後に再挿入する方法が紹介されているが、根本的な解決とは言い難い。一方で、同様のアップデートを受けたGalaxy A36やA26では同様の問題は確認されておらず、不具合の発生条件や対象範囲にはまだ不明な点が多い。アップデートによる機能強化は歓迎されるべきだが、安定性を犠牲にするリスクがあってはならない。公式の修正対応が急がれる状況である。

Source:Android Headlines