Acerは、自社のPredator NitroシリーズにNvidiaの未発表モバイルGPU「GeForce RTX 5050」を搭載する新型ノートパソコンの投入を予定している。今回明らかとなった情報によれば、RTX 5050は50Wから100WのTGP範囲を持ち、最上位モデルでは最大115W・2,550MHzに達する構成が確認された。Acerの公式サイトでは、3モデルにおけるTGPおよびクロック速度の構成差が示されており、下位機から順に「Nitro V 14 AI」「Nitro V 15」「Nitro 16/18 AI」に搭載される予定である。
Nvidiaは未だこのGPUに関する正式な仕様を公表していないが、VRAMは8GB、ノート向けにはGDDR7が採用される可能性が高いとされている。デスクトップ版はGDDR6を搭載するとの見方もあり、RTX 5060との明確な性能階層の構築を意図していると考えられる。Acerの発表はこれまでのリークよりも信頼性が高く、エントリー向けGPUにおける戦略転換の一端を示すものと見られる。
RTX 5050のクロックと電力仕様が明示 Acerが公開した3モデルのスペック比較

Acerは、次期Predator Nitroシリーズに搭載予定のGeForce RTX 5050モバイルGPUに関し、複数構成のクロック速度およびTGP(Total Graphics Power)仕様を公式に開示した。ラインアップは「Nitro V 14 AI」「Nitro V 15」「Nitro 16/18 AI」の3モデルで、下位から上位にかけて順に処理性能と消費電力が段階的に強化されている。
最小構成であるNitro V 14 AIでは、クロックが1,500 MHz、TGPは標準50W、ダイナミックブースト時には60Wに達する。中位のNitro V 15ではクロックが1,902 MHzに向上し、TGPは60〜75Wとなる。そして最上位のNitro 16 AIおよび18 AIでは、最大2,550 MHzの高クロックに加え、100〜115Wという大きな電力枠が設定されている。
これらの仕様は、これまでリーク情報として一部示唆されていた構成を裏付けるものであり、Acerによる正式な仕様公開は信頼性を高める重要な指標となる。注目すべきは、RTX 5050が同じシャーシ内でRTX 5070 TiまでのGPUとも選択的に共存可能である点であり、製品ライン全体での拡張性を担保していることが窺える。処理能力の選択肢が広がることで、ユーザーの用途や価格帯に応じた柔軟な導入が可能となる。TGPやクロックの明示は、エントリーモデルのパフォーマンス管理における透明性と信頼性を向上させる一歩といえる。
モバイル向けRTX 5050の位置づけと今後の展開に対する示唆
RTX 5050は、Nvidiaがデスクトップ版の詳細を依然として伏せている中、モバイル用途においてのみ段階的に姿を現している。今回のAcerによる公表は、同GPUの性能階層および搭載計画を外部から初めて公式に可視化した事例であり、Nvidiaのローエンド市場戦略を読み解く手がかりともなり得る。
とりわけ、TGP上限が115Wに達する仕様や、最大2,550 MHzという高い動作周波数が明示された点は、エントリー向けGPUとしては異例の性能設定といえる。加えて、VRAMが8GB構成であるとの先行リークや、GDDR7メモリが採用される可能性が指摘されている点も、将来的な機能強化を前提とした製品設計の一環であることを示している。
一方で、RTX 5050の位置づけは明確にミッドレンジ以下に属し、RTX 5060との性能差やコスト差を際立たせる役割を担うものと見られる。仮にGDDR7が採用される場合でも、帯域幅の差異がパフォーマンス全体に与える影響は限定的であり、ブランド階層の区分けに沿った最適化が図られていると判断できる。デスクトップ版が未発表であることからも、モバイル市場における需要先行の投入であり、主に薄型ノートPC向けの戦略的配置が意図されている可能性が高い。Acerが先行してその構成を公表した意義は、製品開発におけるOEM主導の影響力が強まっている現状を象徴するものでもある。
Source: NotebookCheck