Intelの次世代グラフィックカード「Battlemage Arc B770」に関する新たな噂が再び浮上している。オランダの技術系メディア「Tweakers」によれば、同社はB770の投入を2025年末に見込んでおり、Computex 2025では沈黙を保ったものの、開発計画自体は依然として継続中とされる。報道によれば、Arc B770は32基のXe2コア、16GBのVRAM、256ビットメモリバスを備えるとされ、B580やB570といった現行中位モデルの上位互換として位置付けられる見込みである。
他方で、製品仕様の公式発表がない現状は、開発段階が初期である可能性や、投入時期のさらなる流動性を示唆する。NVIDIAやAMDの中価格帯製品と比較し、より高コストパフォーマンスな選択肢として市場に打って出ることができるかは、今後の開発と供給戦略に大きく依存すると考えられる。
B770は32基のXe2コアと16GB VRAMを搭載か 中位帯から上位帯への転換点

Intelの次世代GPU「Battlemage Arc B770」に関して、複数の技術系メディアが一致して報じているのは、32基のXe2コアと16GBのVRAM、さらに256ビットメモリバスという構成である。これは現在のArcシリーズ中位モデルであるB580およびB570とは一線を画す仕様であり、従来は価格重視だったIntelのGPU戦略に変化が見られる点が注目される。
これまでのArcシリーズは、ローエンドからミッドレンジ市場での価格性能比を武器にしてきたが、今回のスペックが事実であれば、NVIDIAのRTX 4060やAMDのRX 7600シリーズと正面から競合する可能性がある。
ただし、スペックはあくまで過去のリーク情報に基づいており、公式からの発表は一切ない。現時点では、開発が初期段階にあるとの見方も出ており、搭載されるコア数やメモリ容量も調整の余地が残されている可能性がある。
また、Intelがどの価格帯に本モデルを配置するかによって、競合各社に与える影響も大きく異なるだろう。仮に中位帯価格のまま、上位クラスに相当する性能を提供するのであれば、消費者にとっては大きな選択肢となるが、その実現には相応の技術的・製造的な裏付けが求められる。
B770投入時期は2025年第4四半期との観測 発表なき沈黙に市場は不信感も
今回の情報源であるオランダの技術メディア「Tweakers」は、Computex 2025の期間中にIntelの内部事情に精通する複数の情報源と接触し、Arc B770が依然として計画中であることを確認したと報じている。投入時期は2025年第4四半期が現実的とされるが、現段階ではIntelからの公式な言及や製品披露が一切行われていない。こうした沈黙は、計画が想定通りに進行していない可能性や、スペックおよび市場投入戦略の再考が行われていることを示唆する。
B770に関しては、2024年から断続的に噂が流れていたにもかかわらず、今回のComputexで発表されなかった点が特に市場関係者の関心を集めている。これにより、プロジェクトの進行そのものに疑念を抱く声も一部で上がっている。
IntelはこれまでにもGPU市場参入に際し複数の延期を経験しており、今回のケースでも同様の遅延リスクが再び浮上している格好だ。期待される投入時期が約半年後であるにもかかわらず、仕様・価格・発売時期いずれも不透明なままであることは、競争力あるプロダクトとして成立するかどうかの判断材料としては不十分である。
市場投入成功の鍵は価格戦略と競合回避 ポジショニング次第で評価は分かれる
IntelがB770で狙う市場ポジションは、価格対性能比を武器にしたミッドハイ帯と見られるが、現行のArcシリーズに対する信頼性の低さや供給体制の不確実性を踏まえると、NVIDIAやAMDに比べて依然として不利な立場にあるのは否めない。
とりわけRTX 4060やRX 7600が既に安定したパフォーマンスとソフトウェア最適化を背景に市場シェアを確保している中で、B770がそれらを上回る価格設定あるいはVRAM容量で勝負に出ることは、一つの戦略的焦点となる。
ただし、Intelの過去のGPUリリースでは、初期ドライバの成熟不足やマーケティング不足が指摘されており、同様の課題が今回も繰り返される場合、市場からの信頼を得るのは困難である。また、価格を攻め過ぎれば製造コストや利益率に影響が生じ、長期的なラインナップ維持にも支障を来す可能性がある。仮にB770が従来モデルの延長線上としてではなく、新たなフラッグシップとしての存在感を示すのであれば、性能だけでなく、価格・サポート体制・供給のいずれにも戦略的整合性が求められる局面にある。
Source:TweakTown