サムスンの次期フラッグシップ「Galaxy S26」シリーズに関する情報が、公式ファームウェア流出や認証データベース、海外有力メディアの取材を通じて徐々に明らかになってきた。
今回のリーク群では、従来の無印モデルを廃し「Pro」を投入、Plusを「Edge」に置き換えるというラインナップ再編が有力視されている。また、UltraモデルはSnapdragon 8 Elite 2を搭載し、ついに60Wの高速有線充電に対応する見込みだ。

デザイン面では、Edgeが約5.5mm、Ultraも7mm台と、過去最薄クラスの筐体を実現するとの報道が相次ぐ。加えて、反射低減ガラスや新しいディスプレイ構造「CoEデポラライザ」の採用により、屋外での視認性向上が期待される。
さらに、Bloombergが報じたAI検索サービス「Perplexity」との提携が進めば、検索や要約の体験が大きく変わる可能性がある。

本記事では、確度の高いリーク情報をもとに、S26のデザイン・性能・AI体験まで徹底解剖する。次世代Galaxyがどのような進化を遂げるのか、その全貌を紐解いていく。

発表時期と価格予想:S26はいつ、いくらで登場するのか

Samsungの次期フラッグシップ「Galaxy S26」シリーズは、2026年初頭の発表が有力視されている。Tom’s GuideやAndroid Centralなど複数の有力海外メディアは、例年通り1〜2月の「Galaxy Unpacked」で発表され、その直後にグローバル販売が開始されると報じている。過去のSシリーズの傾向を見ると、日本市場向けモデルは発表から1〜2カ月以内にNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイルを通じて発売される可能性が高い。

価格については、大幅値上げは回避される可能性が高いとの観測が主流だ。これはSoC(システムオンチップ)の製造効率改善や、部材調達の最適化が進んでいるためだ。ただし、為替レートや日本向けモデル特有のFeliCa搭載などによるコスト上昇は残っており、販売価格はS25シリーズとほぼ同水準か、わずかな上昇にとどまると見られる。

国内市場では、Galaxy Sシリーズは高価格帯ながら安定した需要を維持している。特にUltraモデルは、ドコモやauの上位プラン契約者を中心に人気が高く、予約段階から品薄になるケースも珍しくない。過去の事例では、S23 Ultraは発売初週で販売台数ランキング上位に入り、S24 Ultraも同様の動きを見せた。

こうした背景から、S26シリーズでも発売初期は供給不足が発生する可能性がある。特に、Snapdragon 8 Elite 2を搭載するUltraモデルは、パフォーマンス面の期待値が高く、早期に入手したいユーザーが多いため、予約段階での確保が重要になるだろう。


3モデル体制へ再編:Pro/Edge/Ultraの違いと狙い

S26シリーズでは、従来の「無印」「Plus」「Ultra」という3モデル構成が刷新され、**「Pro」「Edge」「Ultra」**という新たなラインナップになる見込みだ。SamMobileや9to5Googleの報道によれば、これはユーザーの用途別により明確な差別化を図る狙いがある。

Proモデルは、従来の無印モデルに相当し、6.27インチディスプレイと4,300mAhバッテリーを搭載。片手操作性を重視するユーザーや、価格と性能のバランスを求める層をターゲットとしている。Edgeモデルは旧Plusの後継で、約5.5mmという極薄ボディ4,200mAhのバッテリーを両立。軽量性とデザイン性を重視した層に訴求する。

最上位のUltraは、6.8〜6.9インチディスプレイ5,000mAhバッテリーを搭載し、Snapdragon 8 Elite 2専用モデルとなる見込みだ。また、60W高速有線充電やカメラの望遠性能強化など、ハイエンド志向のユーザーが求める機能をすべて備える。

この再編は単なる名称変更にとどまらず、マーケティング戦略の見直しを示唆している。特にEdgeは薄型化によって他社のデザイン重視モデル(例:Xiaomi CIVIシリーズやOppo Renoシリーズ)と直接競合する立ち位置になり、ProはiPhone 16無印に対抗する存在として訴求される可能性が高い。

さらに、Ultraは性能・カメラ・充電速度のすべてで差別化を強化し、AppleのPro MaxやGoogle Pixel Proシリーズとの真っ向勝負に挑む布陣だ。これにより、S26シリーズ全体で幅広いユーザー層をカバーしつつ、ブランド全体の存在感をさらに高める戦略が透けて見える。

前例のない薄型化と筐体設計の進化

Galaxy S26シリーズの中でも特に注目を集めているのが、過去最薄クラスの筐体設計だ。リーク情報によれば、S26 Edgeは約5.5mmという驚異的な薄さを実現し、前世代S25 Edge(約5.8mm)からさらに0.3mm削減される見込みだ。Ultraも7mm台へとシェイプアップされ、従来の8.2mmから大幅にスリム化される。この薄型化は単なるデザイン面の進化ではなく、持ちやすさや重量バランスの改善、ポケットやバッグへの収まりの良さといった実用性にも直結する。

特筆すべきは、薄型化と同時にバッテリー容量を維持または拡大している点だ。S26 Edgeは前世代から+300mAh増の4,200mAhを搭載予定で、長時間利用への対応力を高めている。一方、薄型化による筐体内部の空間制約は厳しく、冷却機構やアンテナ配置の最適化が重要になる。業界関係者によれば、新しい積層型PCB(プリント基板)や小型化された放熱シートを採用することで、発熱対策と内部スペース確保を両立している可能性が高い。

さらに、Ultraでは第3世代反射低減ガラスCoE(Color-on-Encapsulation)デポラライザ技術の採用が噂されており、筐体全体のデザイン性と屋外視認性の向上を狙っている。こうしたガラスやディスプレイ構造の改良は、薄型化に伴う光学的な課題—例えば映り込みやコントラスト低下—を克服するための重要な技術となる。

こうした設計思想は、他社競合製品の動きとも呼応している。XiaomiやOppoなども6mm台以下の薄型モデルを展開しており、デザイン性と携帯性を重視する層を狙った競争は激化している。S26の薄型化は単なる話題作りではなく、グローバル市場でのポジショニングを意識した戦略的な一手といえるだろう。


ディスプレイと表示品質:反射低減と視認性改善の新技術

Galaxy S26シリーズでは、ディスプレイ品質の向上も大きな注目ポイントとなっている。サイズ面では、S26 Proが6.27インチ、Edgeが6.6〜6.7インチ級、Ultraが6.8〜6.9インチ級と、前世代とほぼ同等のラインナップが維持される。しかし、その内部構造やパネル技術には大きな進化が盛り込まれている。

まず挙げられるのが、第3世代の反射低減ガラスの採用だ。これにより、直射日光下でも画面の視認性が向上し、反射や映り込みによる視覚的ストレスが軽減される。特に日本市場では、通勤や外出時に屋外でスマートフォンを利用する頻度が高いため、この改善はユーザー体験の向上に直結する。

さらに、CoE(Color-on-Encapsulation)デポラライザ技術が導入される可能性が高い。これは有機ELパネル上に特殊な層を形成し、色再現性やコントラストを高めると同時に、パネルの厚みを抑える効果がある。結果として、薄型化と高画質化を同時に実現できる。この技術は、既にGalaxy Z Foldシリーズの一部で試験的に導入されており、Sシリーズへの本格採用は初となる可能性がある。

なお、画面下カメラ(UDC)の搭載については、一部で噂があるものの、主要リーク情報ではパンチホール型のフロントカメラが継続される見込みだ。現状のUDCは画質面で課題が残っており、サムスンがフラッグシップSシリーズで採用に踏み切るには、もう一段階の技術成熟が必要と見られている。

これらのディスプレイ改良は、単なるスペック向上ではなく、ユーザーの利用環境や視覚的快適性を重視した進化だ。薄型化との相乗効果により、S26シリーズはデザイン性と実用性の両立というテーマを一層強く打ち出すことになるだろう。

Snapdragon 8 Elite 2とExynos 2600:地域別SoC戦略

Galaxy S26シリーズでは、SoC(システムオンチップ)の採用戦略が明確に分かれる見込みだ。最上位のUltraは、Snapdragon 8 Elite 2を全地域で搭載すると見られており、性能面での妥協を許さないフラッグシップとしての位置づけが強調される。一方、ProとEdgeはSnapdragon 8 Elite 2Exynos 2600を地域ごとに使い分ける「デュアルSoC戦略」が継続される可能性が高い。

過去のGalaxy Sシリーズでも、欧州や韓国では自社開発のExynos、米国や一部アジアではSnapdragonが採用されてきた。今回のリークによれば、Exynos 2600は5nmプロセスをベースに設計され、AI演算性能と電力効率が向上しているとされる。特に生成AI機能のローカル処理能力が強化されており、クラウド接続なしでも高度な要約や翻訳、画像生成が可能になる可能性がある。

一方、Snapdragon 8 Elite 2はTSMCの4nmプロセスで製造され、CPUとGPUの両面で性能が強化される。Geekbenchの初期スコアではシングル約3,400、マルチ約11,500を記録し、GPUは最新のAdreno 840を搭載。ゲームや高負荷処理において安定したフレームレートを実現できると予想される。

この地域別戦略の背景には、調達コストやサプライチェーンの多様化だけでなく、地域市場のブランド認知や販売戦略も影響している。米国市場ではQualcommブランドの信頼性が高く、欧州市場ではSamsungの自社技術アピールが有効に働く。日本市場は過去の傾向からSnapdragon搭載モデルが投入される可能性が高いが、正式な発表を待つ必要がある。


カメラシステムの刷新ポイント:望遠強化と画質最適化

カメラはGalaxy Sシリーズの差別化要因の一つであり、S26でも望遠性能の強化が大きな焦点となっている。Ultraモデルでは、3倍望遠レンズが従来の10MPから12MPセンサーへと刷新される見込みだ。これにより、ポートレートや中距離撮影における解像感が向上し、AIによる超解像処理との組み合わせでディテール再現力が高まる。

また、5倍望遠は50MPセンサーを継続採用し、遠距離撮影での画質維持を重視する構成となる。メインカメラは200MPセンサーを継承しつつ、レンズの開口やソフトウェア処理アルゴリズムを改良することで、夜景や低照度撮影の画質改善が期待される。

AI処理面では、被写体認識やシーン最適化の精度が向上し、動体撮影や逆光環境でも自然な発色と階調表現が可能になるとされる。特に動画撮影では、手ブレ補正機構(OIS)の改良とAIによる補正アルゴリズムの進化が組み合わさり、4Kや8K撮影時の安定性が向上する見込みだ。

フロントカメラについては、画面下カメラ(UDC)の採用は見送られ、パンチホール式を継続する方向が有力。これは、現状のUDC技術が高画質なセルフィー用途においてまだ課題を抱えているためだ。Samsungは折りたたみ端末でのUDC実装経験を持つが、フラッグシップSシリーズに導入するにはさらなる改良が必要と判断しているとみられる。

総じてS26のカメラは、センサーの刷新とソフトウェアの進化を組み合わせることで、幅広い撮影距離とシーンに対応する総合力の強化が図られている。これは、AppleのiPhone ProシリーズやGoogle Pixelの計算写真技術と正面から競り合うための重要なアップデートになるだろう。

充電とバッテリー性能:Ultraの60W化とQi2対応の可能性

Galaxy S26シリーズのバッテリー周りでは、Ultraモデルの60W有線充電対応が最大の進化点となる。これは、One UI 8.5の流出ファームウェア内で確認された仕様で、従来の45Wから大幅な高速化が実現する見込みだ。45Wから60Wへの進化は、一見15Wの差に見えるが、実際には充電完了までの時間短縮や、短時間での急速充電性能向上が期待できる。例えば、30分間での充電量が従来より約20〜25%増加すると推定されており、外出前の短時間充電がより実用的になる。

バッテリー容量はUltraが5,000mAh据え置き、Proが4,300mAh、Edgeが4,200mAhとされる。特にEdgeは筐体厚5.5mmという極薄設計でありながら、前世代より300mAhの容量増を達成しており、内部構造の効率化が進んでいることがうかがえる。業界関係者によれば、高密度セルの採用や、内部レイアウトの最適化が寄与しているという。

もう一つの注目点が、Qi2ワイヤレス充電規格への対応可能性だ。Qi2はマグネット位置合わせによる充電効率向上と、最大15Wの安定供給を特徴とする。リーク情報では、Samsungがユーザー調査を通じてQi2対応の需要を確認しており、特にUltraではSペンデジタイザの内部設計を見直すことで実装スペースを確保する案が浮上している。ただし、実装はまだ確定しておらず、最終仕様発表まで不透明な部分も残る。

総合的に見ると、S26シリーズの充電・バッテリー面は、容量の大幅増加こそないものの、実際の使い勝手を向上させる充電速度の進化新規格対応の可能性が魅力となる。特に日本市場では、短時間充電の利便性とワイヤレス充電の安定性が購買動機になりやすく、この改善はユーザー層の拡大につながるだろう。


AI体験の刷新:Perplexity連携がもたらすユーザー体験の変化

Galaxy S26シリーズのもう一つの大きな進化は、生成AIの中核としてPerplexityを統合する可能性だ。BloombergやTechCrunchの報道によれば、SamsungはPerplexityとの広範な提携を進めており、S26世代でのデフォルトAIアシスタントとしての採用が検討されている。これにより、従来のGoogle GeminiやBixby主体の構成から大きく舵を切ることになる。

Perplexityは、自然言語処理による高度な検索・要約機能を強みとしており、ユーザーの質問に対して複数ソースからの情報を統合し、簡潔かつ正確な回答を生成する。これがS26にプリインストールされることで、ユーザーはウェブ検索とAI要約をシームレスに行える新しい体験を手に入れることになる。例えば、旅行先の情報を調べる際に、検索結果から直接スケジュール案を提案したり、ニュース記事を要点だけに整理するなど、従来のスマホ操作を大幅に効率化できる。

さらに、SamsungはBixbyやSamsung Internetブラウザとの連携強化も検討中だ。これにより、音声操作でのAI検索や、ブラウザ上での即時要約・翻訳などが実現する可能性が高い。また、Perplexity・Gemini・ChatGPTといった複数AIをユーザーが選択可能にする構想も一部メディアで報じられており、AIの多様性と選択肢の広がりもS26の魅力になるだろう。

日本市場では、AIアシスタントの日本語精度やローカル情報対応が購入判断の鍵になる。もしPerplexityが日本語に最適化され、ニュースや地図、ECサイトなどのローカルサービスとの連携が進めば、日常利用での利便性は飛躍的に高まる。こうしたAI体験の刷新は、単なるスペック競争を超え、スマートフォンの使い方そのものを変える転換点になり得る。

まとめ

Galaxy S26シリーズは、薄型化・高速充電・AI体験刷新という3つの軸で進化を遂げる可能性が高い。筐体はEdgeで約5.5mm、Ultraで7mm台と過去最薄クラスを実現しつつ、バッテリー容量を維持・増加させる設計を採用。Ultraの60W有線充電は、日常的な使い勝手を大きく変える要素となるだろう。

また、Snapdragon 8 Elite 2とExynos 2600を地域別に使い分ける戦略は、性能と供給のバランスを取りながら市場ごとのニーズに対応する形だ。特に日本市場では、Snapdragon搭載モデル投入の可能性が高く、パフォーマンス面での期待値は大きい。

カメラ面では、3倍望遠の画素数向上やソフトウェア処理の進化により、中距離撮影の質が向上。AI面では、Perplexityの統合がもたらす新しい検索・要約体験が、スマートフォンの活用スタイルそのものを変える可能性を秘めている。

総じてS26は、スペックの進化だけでなく、実用性と体験価値を同時に高める戦略モデルとして位置づけられる。正式発表までの数カ月間、リーク情報の精度がさらに高まる中で、ユーザーの期待も一層膨らんでいくことは間違いない。


出典一覧