SOMPOホールディングスは今、創業以来最大の転換点に立っている。中古車販売大手ビッグモーターによる保険金不正請求問題は、損害保険ジャパンのガバナンスと企業文化の根幹を揺るがし、金融庁が親会社であるSOMPO本体にまで業務改善命令を発出する異例の事態を招いた。この危機は、単なるコンプライアンス違反ではなく、同社が築いてきた「利益優先」「上意下達」の企業風土を白日の下に晒した。
しかし同時に、この危機は変革の契機でもある。櫻田前CEOの退任を経て新体制が始動し、「SJ-R(Sompo Japan-Reformation)」を軸とした全社改革を推進。パーパス「安心・安全・健康のテーマパーク」を掲げ、保険会社の枠を超えたデータ駆動型ウェルビーイング企業へと再定義を試みている。
国内では信頼回復と文化改革に挑む一方、海外ではアスペン買収を通じて再保険事業を拡大し、グローバル市場での地位を確立。さらに介護×テクノロジーを融合したリアルデータプラットフォーム(RDP)構想では、Palantirとの連携によるAI分析を活用し、高齢社会の課題解決に挑む。SOMPOの未来は、改革の実効性とグローバル統合の成功にかかっている。
信頼の危機と再生の岐路:SOMPOが直面する二重の挑戦

SOMPOホールディングスは、いま企業としての存立を左右する二つの課題に直面している。
一つは、ビッグモーターによる保険金不正請求問題を契機に顕在化したガバナンス危機と企業文化の崩壊。もう一つは、同時並行で進めるグローバル成長戦略とデータ駆動型ウェルビーイング事業への転換である。
この二重構造の課題は、単なる経営再建ではなく、「企業の再定義」を迫る試練である。損害保険ジャパンに対して2024年1月、金融庁は異例の業務改善命令を発出した。しかも対象は子会社に留まらず、親会社であるSOMPOホールディングス本体にも及んだ。これは、問題が一部門の不正に留まらず、グループ全体の統治構造に深く根差していたことを意味する。
金融庁の報告書は、「顧客よりも営業利益を優先する文化」や「上意下達による異議封殺」を厳しく指摘した。結果として、櫻田謙悟CEOが辞任し、奥村隆社長の新体制が発足した。この経営交代は単なる人事刷新ではなく、企業文化そのものを再構築する覚悟の表れである。
SOMPOがこの危機にどう応えるかは、日本企業全体のガバナンス改革にも影響を及ぼす。特に、同社が立ち上げた「SJ-R(Sompo Japan-Reformation)」は、組織構造・倫理観・経営哲学を同時に変革する試みとして注目される。
他方で、SOMPOは改革の渦中にありながら、海外では大胆なM&Aを断行している。2025年8月には米再保険大手アスペンを**約35億ドル(約5,200億円)**で買収し、世界の再保険市場トップ10に躍り出た。内に向かって信頼を再構築しながら、外に向かって規模と収益性を追求する——この二重戦略の両立は、並の企業には到底不可能である。
この挑戦を支えるのが、同社の長期ビジョン「時価総額6兆円・修正利益5,000億円」という2030年目標である。危機を起点に企業を進化させ、**“失敗を糧に変革を遂げる日本企業の新しいモデルケース”**となれるかどうか。今後3年間の歩みが、その答えを決定づけることになる。
「テーマパーク」構想に込められたパーパス経営の本質
SOMPOが掲げる企業理念「安心・安全・健康のテーマパーク」は、単なるスローガンではない。
それは、保険という枠組みを超え、人生全体のリスクとウェルビーイングを包括的に支える“総合生活支援産業”への変貌宣言である。
この構想は、損害保険・生命保険・介護・デジタルサービスといった多様な事業を一つのストーリーで結びつけ、グループ間のシナジーを最大化するための「統合物語(ナラティブ経営)」として設計されている。
以下の3つのコアバリューがその中核を成す。
コアバリュー | 意味 | 現在の課題 |
---|---|---|
誠実 | 顧客本位の徹底 | ガバナンス危機で再検証が必要 |
自律 | 現場主導の判断と行動 | 上意下達文化の打破が鍵 |
多様性 | 異なる価値観の共存 | 海外事業との融合に必須 |
この「テーマパーク」型経営の狙いは、顧客のライフステージに応じた多層的サービスを一社内で完結させ、「一生涯にわたる顧客接点」を構築することにある。たとえば、若年層には自動車保険と健康アプリを、老年層には介護・医療サービスを提供することで、人生全体の安心を一括して支援する。
さらに、SOMPOはこのビジョンを実現するため、**リアルデータプラットフォーム(RDP)**を構築。Palantirとの提携を通じ、保険契約・健康・介護などのデータを統合し、顧客ごとに最適なサービスを提案するAIモデルを開発している。
このデータ戦略は、従来の「保険金支払い型モデル」から脱却し、“予防と支援”を中心としたウェルビーイング経営への転換を加速させている。
また、同社のパーパス経営は、ESGの「S(社会)」と「G(ガバナンス)」を融合させる点でも特筆に値する。高齢化社会における介護人材不足の解消や、AIを活用したリスク管理など、社会課題の解決を自社成長と結びつけるモデルを提示しているからだ。
この「テーマパーク」構想の成否は、SOMPOが企業ブランドを“保険会社”から“ウェルビーイング・プラットフォーマー”へと進化させられるかにかかっている。危機を原動力に変え、**「信頼を科学で再構築する企業」**へと進化できるか——それがSOMPOの未来を決める分岐点である。
新中期経営計画(2024~2026年度)に見るターンアラウンド戦略

SOMPOホールディングスが2024年5月に発表した新中期経営計画は、単なる成長戦略ではなく、**企業再生のための「信頼回復ロードマップ」**として位置づけられている。テーマは「レジリエンスのさらなる向上」と「つなぐ・つながる」の実現。これは、外部環境の不確実性と内部の構造的課題の双方に対応するための、攻守一体型の経営構想である。
特筆すべきは、同社がこの計画を重大な不祥事の渦中で策定した点にある。通常、企業は危機対応に集中する局面で成長戦略を同時に描くことは稀だが、SOMPOは例外だった。これは、改革を「守り」ではなく「攻め」と捉え、企業価値の再定義を進める姿勢の表れである。
計画の骨子は、以下の3本柱で構成されている。
改革・成長の柱 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
ガバナンス再構築 | グループ横断の監督体制を強化、執行と監督の分離 | 信頼回復と透明性確保 |
グローバル成長加速 | 海外M&A(アスペン買収)による収益基盤拡大 | ROE・EPS向上 |
データドリブン経営 | Palantir連携によるリアルデータプラットフォーム構築 | 生産性・顧客満足度の向上 |
財務目標では、2026年度に連結修正ROE13~15%、EPS年率12%以上の成長を掲げる。2025年度からは国際会計基準(IFRS)を全面採用し、グローバルピア(海外大手保険会社)と比較可能な水準の経営指標を目指す。
さらに、株主還元方針も明確化された。政策保有株式を3年間で6,000億円削減し、売却益の50%を株主に還元する「成長とリターンの両立戦略」を採用。2025年度の配当は前年比14%増の150円とし、12期連続の増配を見込む。
ただし、この中期計画の本質は数字ではない。SOMPOが真に目指すのは、ガバナンス文化を刷新し、持続的な収益力を支える“倫理的資本主義”への転換である。その意味で本計画は、企業の倫理的再生と経済的成長を両立させる挑戦の書ともいえる。
今後の焦点は、このビジョンが現場レベルでどこまで浸透するかである。経営理念が単なる「掲げる言葉」から「行動規範」へと昇華できるか。これこそが、SOMPO再生の試金石となる。
「SJ-R」改革が問うガバナンスの真価と企業文化の再生
2024年3月、SOMPOは金融庁の業務改善命令を受け、「SJ-R(Sompo Japan-Reformation)」と名付けた大規模改革プロジェクトを始動した。これは、単なる制度改修ではなく、企業文化そのものを再構築する全社的変革である。
この改革は三層構造で設計されている。
- ガバナンス改革
取締役会の独立性を高め、社外取締役比率を拡大。親会社による子会社モニタリングの厳格化を進めた。さらに、執行役員と議長職の兼務を廃止し、監督と実行の分離を徹底した。 - コンプライアンス改革
新たにCCO(最高コンプライアンス責任者)とCQO(最高品質責任者)を設置。営業部門から独立した「第2線」の牽制機能を強化し、顧客保護を営業目標より優先する仕組みを構築した。 - 企業文化改革
象徴的なのは、CCuO(最高カルチャー責任者)の新設である。組織内の心理的安全性を高め、「上意下達」文化を打破し、自律的な意思決定を促す文化改革を進めている。
これらの改革により、損保ジャパン内部では業務改善計画が四半期ごとに公開され、透明性が飛躍的に向上した。加えて、顧客対応窓口「ビッグモーターお客さま対応室」を設置し、不正請求による過払い保険料の返還や安全点検費用の補償を実施している。
しかし、文化改革の難易度は高い。企業文化はシステムや報酬制度では変わらず、日々の意思決定と現場行動の積み重ねでのみ変化する。金融庁も、SOMPOが改革を形式的に終わらせるのではなく、実質的にガバナンスを機能させるまで監視を続ける姿勢を示している。
一方で、国内損保市場は東京海上・MS&AD・SOMPOの3社で約8割を占める寡占構造にあり、SOMPOには時間的猶予がある。この安定基盤を活かし、文化改革を長期的に推進できるかが鍵だ。
「利益より信頼」へ、そして「管理より共創」へ。
SOMPOがこのパラダイム転換を実現できれば、単なるガバナンス改善を超え、日本企業の倫理的リーダーシップを象徴する存在となる可能性を秘めている。
グローバル保険事業が牽引する成長の第二ステージ

SOMPOホールディングスの成長エンジンは、もはや国内損保ではなく、海外事業へとシフトしている。2017年に米エンデュランス社を約6,300億円で買収して以来、同社は着実に国際的プレゼンスを高めてきた。そして2025年には、再保険大手アスペンを約35億ドル(約5,200億円)で買収するという大胆な決断を下した。これにより、SOMPOは世界の再保険市場トップ10入りを目指す「第二のグローバル拡張期」に突入したといえる。
アスペン買収の狙いは単なる規模拡大ではない。
その戦略的意義は以下の3点に集約される。
- ロイズ市場への本格参入による国際競争力の強化
- 再保険事業の拡大による収益の安定化
- アスペン・キャピタル・マーケッツを活用したフィービジネスモデルの強化
SOMPOの海外事業中核を担う「Sompo International」は、2024年度において**修正利益13.8億ドル(前年比20%増)**を記録。総収入保険料は164.5億ドル、コンバインド・レシオ(損害率+事業費率)は96.3%と改善を続け、収益性は米AIGやChubbといったメガインシュアラーにも引けを取らない水準に達している。
特に注目されるのは、グローバルPMI(統合プロセス)の成功率である。日本企業による海外M&Aの多くが文化の衝突や統合失敗に苦しむ中、SOMPOはエンデュランス買収以降、現地経営陣に高い自律性を付与する「分権型統治」を採用。日本的な中央集権モデルではなく、**“Trust and Empowerment(信頼と権限移譲)”**を核に据えたマネジメントを徹底している。
また、海外で培ったアンダーライティング技術やデータ分析手法を、国内事業の再生プロジェクト「SJ-R」に逆輸入している点も見逃せない。これにより、SOMPOはグローバル知見を国内の収益構造改革に活用するという、他の日本損保にはない循環型成長モデルを確立しつつある。
ただし、課題も存在する。
円安が利益を押し上げる一方で、為替変動リスクは依然として大きく、また各国規制対応や気候変動リスクの高まりも経営の不確実性を増している。特に再保険市場は、巨大災害や地政学的リスクの影響を直接受けやすく、収益の安定性を確保するには緻密なリスク分散戦略が不可欠である。
それでもSOMPOの海外展開は、危機に直面した日本企業が再生するための有力モデルを示している。**「ガバナンス改革×グローバル統合」**という二軸経営が、同社を真の国際保険グループへと押し上げる可能性を秘めている。
ウェルビーイング×テクノロジー:Palantirと描く未来の介護モデル
SOMPOホールディングスの国内成長の核は、単なる介護事業ではなく、テクノロジーを駆使した「ウェルビーイング産業化」構想にある。介護事業を担うSOMPOケアは、すでに売上高で業界第2位の規模を誇るが、その強みは施設運営の数ではなく、データとAIによる次世代ケアモデルの構築にある。
その中核となるのが、米Palantir Technologiesとの提携で開発された**リアルデータプラットフォーム(RDP)**である。RDPは、介護施設や在宅サービスで得られる膨大なデータをリアルタイムで統合・分析する「神経網」のような存在である。睡眠センサー、バイタルデータ、食事摂取量などを一元管理し、異常兆候を自動検知することで、転倒や体調変化を未然に防ぐ。
介護現場では、従来「何か起きてから対応する」リアクティブな介護が主流だった。
しかしRDPの導入により、**「予測して先回りするプロアクティブ介護」**へと転換が進んでいる。これにより、職員1人あたりの業務負荷は平均15~20%軽減し、利用者の満足度も向上しているという。
SOMPOはこのRDPを介護領域にとどめず、生命保険や自動車保険など他事業のデータと統合することで、**「人生全体を見守るデータエコシステム」の構築を目指している。
Insurhealth(インシュアヘルス)による健康データ、自動車保険のテレマティクスデータ、介護の生活データが連携すれば、個人単位でのリスク予測や健康支援サービスを提供できる。これは、SOMPOが掲げる「安心・安全・健康のテーマパーク」構想の中核であり、“保険会社からウェルビーイング・テクノロジー企業へ”**という転換を象徴する動きである。
さらにこのRDPは、ESG投資家からも高い注目を集めている。介護の効率化と人材不足の解消に寄与しながら、社会的インパクトを生む仕組みであるため、**「社会課題を利益に転換する新しい経営モデル」**として評価されている。
SOMPOケアの取り組みは、超高齢社会日本が直面する構造的課題に対する企業の答えであり、**“テクノロジーで介護を再定義する”**挑戦である。このウェルビーイング戦略が成功すれば、SOMPOは単なる金融グループの枠を超え、「人の生活と健康をデータで守る社会インフラ企業」へと進化するだろう。
東京海上との評価ギャップを埋める資本戦略と市場の信頼回復

SOMPOホールディングスが今、直面している最大の経営課題は、**東京海上ホールディングスとの「市場評価格差」**をどう埋めるかである。日本の損害保険業界は3メガ体制(東京海上・MS&AD・SOMPO)による寡占構造だが、投資家の評価には明確な差がある。
あるアナリスト調査によれば、東京海上の修正PBRは0.97倍、SOMPOは0.62倍、MS&ADは0.44倍に留まる。これは単に財務指標の違いではなく、市場が**「経営の信頼性」「M&Aの成功確度」「統合後のガバナンス」**に対して下した総合的な判断の結果である。
特に海外M&Aにおける評価差は顕著である。東京海上がチャブやデルファイといった買収を通じ、統合後も高い収益性とシナジーを実現してきたのに対し、SOMPOはエンデュランス買収後の統合こそ成功したものの、その後のガバナンス問題が市場信頼を削いだ。「成長力が高いのに、リスクプレミアムが重く乗っている」――これがSOMPOの現状である。
この状況を打破するため、SOMPOは新中期経営計画の中で明確な資本政策を打ち出している。最大の柱は「政策保有株式のゼロ化」であり、2024~2026年度の3年間で6,000億円を超える削減を実施する。これにより、グループの資本効率を向上させると同時に、投資家へのリターンを拡大する戦略である。
さらに注目すべきは、株主還元方針の透明化である。売却益の50%を追加還元する明確なルールを設定し、2025年度には配当150円(14%増)を予定。自己株式取得を含めた総還元性向は70%に達する見通しであり、国内保険業界では異例の高水準だ。
この資本戦略を通じて、SOMPOは「日本的持ち合い資本」からの脱却を図るだけでなく、グローバル投資家が評価する資本規律への転換を進めている。政策株の削減は、単なる資産の売却ではなく、旧来の企業文化の象徴を断ち切る決意の表れでもある。
市場はすでに反応を示しつつある。2025年時点でSOMPO株の目標株価は5,770円と、現行水準から14%の上昇余地を見込むアナリスト評価が多数派となっている。PBR0.8倍台への回復は現実的な水準と見られ、今後3年間で東京海上との評価格差が縮小する可能性もある。
信頼の再構築は数字で示すものではなく、姿勢で示すもの。
SOMPOの資本戦略は、投資家に対する「約束の履行」であり、その実行こそが企業価値再評価の最大の鍵となる。
ESGの虚と実:形式から実践への転換が問われるSOMPOの真価
SOMPOホールディングスは、MSCIやFTSEなど主要なESG評価機関から長年にわたり最高評価「AAA」を獲得してきた。さらに「Dow Jones Sustainability Index Asia Pacific」などのESG指数にも継続的に選定されている。形式上は、日本企業の中でも最もESGに先進的な企業の一つに見える。
しかし、2023年のビッグモーター問題を契機に、このESG評価と現実との乖離が露呈した。金融庁の指摘によれば、損保ジャパンでは「営業至上主義」「上意下達」「親会社からの圧力」といった構造的欠陥が存在し、**「ガバナンスのG」が実効的に機能していなかった」**ことが明らかになった。
つまり、ESGの枠組みや開示体制は整っていても、実際の経営判断や現場文化に落とし込まれていなかったという構造的問題である。この乖離こそが、SOMPOの真価を問う最大の論点である。
ESG経営の本質は、単なる指標ではなく「行動の一貫性」にある。櫻田前CEOの退任後に発足した新経営体制では、ESG統括部門とコンプライアンス部門を一体化し、実践重視の枠組みへ転換を進めている。さらに、**「倫理×テクノロジー」**を軸にしたガバナンス強化策として、AIを活用した不正検知システムの導入や、データドリブンな監査体制の構築も始まっている。
また、ESGの「S(社会)」においては、ウェルビーイング事業を通じた社会貢献が進展している。介護領域ではPalantirとの共同開発によるRDP(リアルデータプラットフォーム)が本格稼働し、高齢者のQOL向上と介護人材の生産性向上を同時に実現している。社会的インパクトと経済的成果を両立するビジネスモデルとして、欧州のESG投資家から高く評価されている。
下表は、SOMPOのESG各領域での評価状況と課題を整理したものである。
領域 | 主な取り組み | 現状の課題 |
---|---|---|
E(環境) | 脱炭素投資・気候リスク開示(TCFD対応) | 保険引受における環境リスク評価の深化 |
S(社会) | 介護・健康支援サービスの拡充 | データプライバシー管理の強化 |
G(ガバナンス) | SJ-R改革による体制刷新 | 現場レベルでの文化浸透の遅れ |
このように、SOMPOのESG経営は**「形式的優等生」から「実践的リーダー」への進化段階**にある。今後は、ガバナンス改革の成果を定量化し、ESG評価の“中身”を裏付ける行動データの開示が求められる。
真のESG企業とは、信頼を制度でなく日常の意思決定で体現する企業である。
SOMPOがこの定義を自ら証明できたとき、形式と実質のギャップは完全に埋まるだろう。