世界中の誰もが知る即席麺。その背後には数多くのメーカーが存在し、製品開発やマーケティングにおいて激しい競争を繰り広げています。即席麺市場は各企業の戦略が結実し、それぞれが独自のブランド力を築く場となっています。

本日は、そんな即席麺業界の最前線をお伝えするべく、2023年最新版の世界の即席麺会社ランキング時価総額TOP25をご紹介します。国別、決算期、そして時価総額を元にしたランキングは、企業の競争力だけでなく、即席麺市場の最新の動向をつかむのに役立つことでしょう。

世界の即席めん会社ランキング:時価総額TOP25

下記の世界の即席めん会社ランキング一覧は、本メディアReinforz Insightが各社の公表情報を元に集計している時価総額ランキングです。時価総額は、各企業の株式時価に基づいて算定されており、企業の実質的な価値を示す指標となります。

このランキングを元に分析すると、以下が特徴として見えてきます。

  • 地域分布:アジア全体で分散していますが、特に中国、日本、インドネシア、大韓民国が複数の企業をリストに載せています。これは、これらの国が人口規模が大きく、食品企業のビジネス規模がそれぞれの国内市場規模に影響を受ける傾向があることを反映しているかもしれません。

  • 企業規模:時価総額は非常に広範囲にわたります。Nestle India Ltdが最大で35,539億円で、一方でWealth Glory Holdings LtdとOCB Bhdが最小で21億円です。この広範な時価総額の範囲は、企業間の大きな規模の違いを示しています。

  • ネスレのインドとマレーシアにおける強力な存在感:ランキング1位と5位の企業は、ネスレの子会社です。これは、ネスレがこれらの市場で強力なブランドと大規模なビジネスを持っていることを示しています。

  • 中国と大韓民国には、それぞれ3社ずつの企業がランクインしています。これはこれらの国が、アジアでの食品製造業の主要プレーヤーであることを示しています。

  • 中国とインドネシアの企業はそれぞれ2社ずつランキング内に入っていますが、時価総額では大きく差があります。これは、同じ国内でも業績には大きなバラつきがあることを示しています。

これらの特徴は、アジアの食品製造業における企業の規模、地域分布、業績の違いを示しています。これは、異なる市場条件、人口動態、消費者の好み、ビジネスモデルが、各企業の時価総額にどのように影響を与えるかを理解するための有用な情報を提供しています。

以下は、ランキングトップ5にランクインしている企業です。

1位:Nestle India Ltd(ネスレインド)(インド)

インドの大手食品会社で、グローバル企業であるネスレの子会社。インスタント食品、飲料、乳製品など幅広い製品群を持つ。

インドは人口が非常に多く、高い経済成長を達成している市場であるため、ネスレインドは大きな市場規模とブランド力を活用して大きな時価総額を達成している。

2位:日清食品ホールディングス(日本)

日本を代表する食品会社で、特にインスタントラーメンの製造で知られる。世界各地に拠点を持ち、国内外で幅広い製品を提供。

日清食品は、高い製品開発力とブランド力、そして国内外での強固な販売網により、高い売上と利益を確保し、大きな時価総額を持っている。

3位:Tingyi (Cayman Islands) Holding Corp(康師傅控股)(中国)

中国の大手飲食品メーカーで、インスタント麺や飲料などを生産。広範な製品ポートフォリオと広範な流通網を持つ。

康師傅は、巨大な中国市場での強固な地位、強力なブランド力、広範な製品群により、大きな時価総額を持っている。

4位:PT Indofood CBP Sukses Makmur Tbk(インドネシア)

インドネシア最大の食品会社の一つで、インスタント麺、調味料、乳製品などの製造を手掛ける。

インドネシアは人口が非常に多く、市場規模が大きい。PT Indofoodは、その市場での強力な地位と広範な製品群により、大きな時価総額を持っている。

5位:Nestle Malaysia Bhd(ネスレマレーシア)(マレーシア)

マレーシアの大手食品会社で、グローバル企業であるネスレの子会社。様々な食品と飲料の製造を行っている。

ネスレの強力なグローバルブランド力と製品開発力、そしてマレーシア市場での強固な地位を活用して、大きな時価総額を持っている。

これらの企業は、それぞれが活動する市場の規模、ブランド力、製品ポートフォリオ、販売網などを活用し、大きな時価総額を達成しています。

【世界の即席めん会社ランキング:時価総額TOP25リスト】

※対象となる即席めん会社として「上場企業」かつ「即席めん業を展開している企業」
※対象決算期はデータ入手が可能な直近決算期を採用
※時価総額は記事執筆時点(2023年7月7日)の株価および為替レートで算出

ランキング企業名所在国決算期 (決算期)時価総額(億円)
1Nestle India Ltdインド2022/1235,539
2日清食品ホールディングス日本2023/0312,251
3Tingyi (Cayman Islands) Holding Corp中国2022/1212,108
4PT Indofood CBP Sukses Makmur Tbkインドネシア2022/1211,226
5Nestle Malaysia Bhdマレーシア2022/129,208
6東洋水産日本2023/037,211
7Universal Robina Corpフィリピン2022/127,189
8Ma San Group Corpベトナム2022/126,010
9PT Indofood Sukses Makmur Tbkインドネシア2022/125,486
10Uni-President China Holdings Ltd中国2022/125,030
11Monde Nissin Corpフィリピン2022/123,454
12Sanquan Food Co Ltd中国2022/122,610
13Nongshim Co Ltd大韓民国2022/122,428
14Thai President Foods PCLタイ2022/122,380
15Ottogi Corp大韓民国2022/121,547
16Yantai Shuangta Food Co Ltd中国2022/121,048
17KIDO Group Corpベトナム2022/12904
18Sam Yang Foods Co Ltd大韓民国2022/12842
19Chen Ke Ming Food Manufacturing Co Ltd中国2022/12709
20Ve Wong Corporation台湾2022/12471
21Nongshim Holdings Co Ltd大韓民国2022/12332
22ユタカフーズ日本2023/03168
23マルタイ日本2023/0366
24Wealth Glory Holdings Ltd香港2022/0321
25OCB Bhdマレーシア2022/1221

出典:各社プレスリリースなど

世界の即席めん会社ランキングの有用性

即席麺会社のランキングは、多くの観点から見て有用です。以下にそのいくつかを述べてみます。

  • 市場動向の理解:ランキングは市場の動向や成長を理解するための一助となります。どの企業がトップに立っているか、またそれがどの地域に所在しているかを把握することで、市場のリーダーや主要な地域を識別することが可能です。

  • 業界分析:企業の時価総額や売上などの業績を比較することで、各企業のパフォーマンスを評価することができます。また、それらの業績を基に業界全体のトレンドや挑戦、成功の要因を分析することが可能です。

  • 競争環境の把握:ランキングは特定の業界における競争状況を理解するための一つの手がかりとなります。企業の相対的な位置を知ることで、競争優位性を持つ企業や挑戦が必要な企業を把握することができます。

  • 投資の判断基準:投資家にとって、即席麺会社のランキングは投資判断の一助となります。時価総額や成長率などの財務指標をもとに、どの企業が投資の対象として適しているかを判断することができます。

  • ベンチマーキング:他の企業と自社のパフォーマンスを比較することで、自社の強みや弱み、改善の余地を見つけることができます。ランキングは、企業が市場における自分たちの位置を理解し、戦略的な意思決定を行うための一つのツールとなります。

  • 消費者の選択基準:即席麺会社のランキングは、消費者が製品を選ぶ際の参考情報ともなります。企業の名声や信頼性は、消費者の製品選択に影響を与え、ランキングはその一助となることでしょう。

世界の即席めん会社ランキング:変化を与える要素

世界の即席めん会社ランキングに変化を与える要素は、以下の通りです。

経済成長

ランキング上位の企業は、多くが高速成長市場に位置しています。これらの市場での経済成長が持続するかどうかは、消費者の購買力や需要に直接影響を与え、企業の売上や利益に反映されます。

技術革新

製品の品質や利便性を改善する新技術の導入は、企業の競争力を高め、売上を増加させます。たとえば、より健康的な製品を提供する新たな製造技術や、より短時間で料理ができるような革新的なパッケージデザインなどです。

製品開発

新製品の開発や既存製品の改良は、市場の需要に応え、消費者の関心を引きつけることができます。これにより、企業は新たな顧客を獲得し、市場シェアを拡大することができます。

ブランド力

強力なブランドイメージは、消費者の購入決定に大きな影響を与えます。優れたブランド戦略を持つ企業は、市場での競争優位性を保つことができます。

供給チェーン管理

効率的な供給チェーン管理は、生産コストを削減し、製品の価格競争力を保つ上で重要です。また、確実な製品供給を維持することで、顧客満足度を高めることができます。

為替レート

世界各地で事業を展開している企業にとって、為替レートの変動は収益に大きな影響を与えます。通貨の価値が上昇すると、その国の企業の時価総額も上昇し、逆も同様です。

社会的・環境的要因

健康志向の高まりや環境問題への意識の高まりなど、社会的・環境的な変化も企業の業績に影響を与えます。これらの変化に対応した製品や戦略を展開する企業は、市場での競争力を強化することができます。

これらの要素が組み合わさることで、即席麺会社ランキングは大きく変動する可能性があります。

まとめ

ランキングを通して、即席麺業界がいかに多様で競争的な市場であるかを改めて感じていただけたことでしょう。特にインドのNestle India Ltdや日本の日清食品ホールディングスなどは、そのブランド力と製品開発能力を活かし、他を大きくリードしています。そして、各企業がそれぞれの地域で巧みにビジネスを展開しており、その地域性が反映された製品展開は、消費者に多様な選択肢を提供しています。

このランキングは、企業の経済状況、技術革新、製品開発、ブランド力、供給チェーン管理、為替レート、そして社会的・環境的要因など、多種多様な要素が組み合わさる結果と言えます。それぞれの企業がこれらの要素にどのように対応し、市場での競争力を維持、もしくは向上させるかが、今後のランキングに影響を与えることでしょう。今後も即席麺業界の動向に注目しつつ、この刻一刻と変わる市場の動きを追いかけてまいります。

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