編集部
世界を舞台にしたビジネス戦略を立てる上で、業界の動向を正確に把握することは不可欠です。この記事では、2023年の世界のコンビニエンスストア運営会社ランキング時価総額TOP37をご紹介します。このランキングは、世界各国の大手から中小企業まで、幅広いスペクトラムのコンビニエンスストア運営企業を対象にしており、その企業価値を反映したものとなっています。メキシコのFomento Economico Mexicano SAB de CVから日本のセブン&アイ・ホールディングス、そしてインドのTaaza International Ltdまで、多種多様な企業がランクインしています。
世界のコンビニエンスストア運営会社ランキング：時価総額TOP37
下記の世界のコンビニエンスストア運営会社ランキング一覧は、本メディアReinforz Insightが各社の公表情報を元に集計している時価総額ランキングです。時価総額は、各企業の株式時価に基づいて算定されており、企業の実質的な価値を示す指標となります。
このランキングを元に分析すると、以下が特徴として見えてきます。
- 地域的な広がり: リストには、世界中の多様な国々からの企業が含まれており、それぞれの地域経済の特性が反映されています。メキシコ、カナダ、日本、オーストラリア、タイ、台湾、フランス、アメリカ、インドネシアなど多くの国が含まれています。
- 時価総額の範囲: 時価総額は非常に広い範囲をカバーしています。最も高いものは1位のFomento Economico Mexicano SAB de CVで101,030億円、最も低いものは37位のTaaza International Ltdで2億円です。
- インドネシア、日本、台湾の複数の企業: これらの国はランキングに複数の企業を持っており、それぞれの国内での小売業の競争状況が反映されている可能性があります。
- アジアの存在感: アジアからの企業がリストに多く含まれており、特に日本、台湾、インドネシアからの企業が目立ちます。これはアジアが世界の小売業において重要な役割を果たしていることを示しています。
- メキシコの優位性: 1位の企業はメキシコのFomento Economico Mexicano SAB de CVで、その時価総額は2位の企業の約1.5倍となっています。これは同社が特に強固な地位を確立していることを示しています。
以上のような特性を通じて、これらの企業の時価総額ランキングは、各地域の経済状況、競争環境、および小売業の発展状況を反映しています。
以下は、ランキングトップ5にランクインしている企業です。
1位：Fomento Economico Mexicano SAB de CV（メキシコ）
メキシコを拠点とする多国籍ビバレッジとリテール会社で、ラテンアメリカ最大のコカ・コーラボトラーであることでも知られています。ランキング上位に入っている理由は、大規模な市場（メキシコとラテンアメリカ全体）での強固な地位と、飲料と小売業の統合ビジネスモデルが挙げられます。
2位：Alimentation Couche-Tard Inc（カナダ）
コンビニエンスストア、ディスカウント、ロードショップの運営で世界的に知られています。ブランドは”Couche-Tard”, “Mac’s”, “Circle K”など。全球展開と多様な事業モデルが、高い時価総額を持つ主な理由です。
3位：セブン&アイ・ホールディングス（日本）
Elevenという世界最大のコンビニエンスストアチェーンを所有しています。その広範で絶えず成長するネットワークと、強力なブランドイメージがランキング上位の要因です。
4位：Coles Group Ltd（オーストラリア）
オーストラリアの大手スーパーマーケットチェーンであり、食品、アルコール、燃料、一般商品の幅広い範囲を提供しています。オーストラリア国内での強固な市場地位と、広範な商品ラインアップがランキング上位の要因となっています。
5位：CP All PCL（タイ）
タイの大手小売業者であり、7-Elevenフランチャイズの唯一のオペレーターとして知られています。市場地位と7-Elevenの強力なブランドイメージ、そしてタイという高成長可能性を秘めた市場へのアクセスが、ランキング上位の主な理由です。
【世界のコンビニエンスストア運営会社ランキング：時価総額TOP37リスト】
※対象となるコンビニエンスストア運営会社として「上場企業」かつ「コンビニエンスストア運営業を展開している企業」
※対象決算期はデータ入手が可能な直近決算期を採用
※時価総額は記事執筆時点（2023年7月19日）の株価および為替レートで算出
| ランキング | 企業名 | 所在国 | 決算期 (決算期) | 時価総額（億円） |
| 1 | Fomento Economico Mexicano SAB de CV | メキシコ | 2022/12 | 101,030 |
| 2 | Alimentation Couche-Tard Inc | カナダ | 2023/04 | 64,264 |
| 3 | セブン&アイ・ホールディングス | 日本 | 2023/02 | 54,729 |
| 4 | Coles Group Ltd | オーストラリア | 2022/06 | 22,395 |
| 5 | CP All PCL | タイ | 2022/12 | 21,505 |
| 6 | Uni-President Enterprises Corp. | 台湾 | 2022/12 | 18,668 |
| 7 | Carrefour | フランス | 2022/12 | 16,951 |
| 8 | President Chain Store Corporation | 台湾 | 2022/12 | 12,915 |
| 9 | Casey’s General Stores Inc | アメリカ | 2023/04 | 12,125 |
| 10 | PT Sumber Alfaria Trijaya Tbk | インドネシア | 2022/12 | 9,565 |
| 11 | Central Retail Corp PCL | タイ | 2022/12 | 8,938 |
| 12 | Murphy USA Inc | アメリカ | 2022/12 | 8,789 |
| 13 | Magnit PJSC | ロシア連邦 | 2021/12 | 7,379 |
| 14 | ローソン | 日本 | 2023/02 | 7,283 |
| 15 | DFI Retail Group Holdings Ltd | 香港 | 2022/12 | 5,101 |
| 16 | GS Holdings Corp | 大韓民国 | 2022/12 | 3,596 |
| 17 | Vincom Retail JSC | ベトナム | 2022/12 | 3,482 |
| 18 | WH Smith PLC | イギリス | 2022/08 | 3,427 |
| 19 | GS Retail Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 2,339 |
| 20 | Taiwan FamilyMart Co Ltd | 台湾 | 2022/12 | 2,064 |
| 21 | Robinsons Retail Holdings Inc | フィリピン | 2022/12 | 2,015 |
| 22 | Delek US Holdings Inc | アメリカ | 2022/12 | 2,001 |
| 23 | Philippine Seven Corp | フィリピン | 2022/12 | 1,525 |
| 24 | Chengdu Hongqi Chain Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 1,518 |
| 25 | PT Midi Utama Indonesia Tbk | インドネシア | 2022/12 | 1,055 |
| 26 | 7-Eleven Malaysia Holdings Bhd | マレーシア | 2022/12 | 662 |
| 27 | PT Hero Supermarket Tbk | インドネシア | 2022/12 | 480 |
| 28 | ミニストップ | 日本 | 2023/02 | 435 |
| 29 | BGF Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 368 |
| 30 | X5 Retail Group NV | オランダ | 2022/12 | 234 |
| 31 | Golden Resources Development International Ltd | 香港 | 2023/03 | 205 |
| 32 | Mynews Holdings Bhd | マレーシア | 2022/10 | 96 |
| 33 | ポプラ | 日本 | 2023/02 | 26 |
| 34 | スリーエフ | 日本 | 2023/02 | 26 |
| 35 | PT Modern Internasional Tbk | インドネシア | 2022/12 | 8 |
| 36 | R T C L Ltd | インド | 2023/03 | 3 |
| 37 | Taaza International Ltd | インド | 2023/03 | 2 |
出典：各社プレスリリースなど
世界のコンビニエンスストア運営会社ランキングの有用性
世界のコンビニエンスストア運営会社ランキングは、投資家、業界研究者、マーケティングプロフェッショナル、そしてその他のステークホルダーにとって非常に有用な情報源となり得ます。以下にその主な理由を挙げます：
- 業界の理解: ランキングを通じて、どの企業が業界をリードしているか、そしてその規模を把握することができます。これは業界の現状や動向を理解する上で非常に重要な情報です。
- 競争状況の把握: 各企業の市場地位を確認することで、その業界における競争状況を理解することが可能になります。どの企業が大手で、どの企業が追随者であるかを把握することは、市場戦略を練る上で重要な要素です。
- 投資判断: 投資家にとっては、各企業の時価総額や成長率、業界内での地位などは、投資判断をする上での重要な基準となります。ランキングはこのような情報を簡潔に提供するため、投資の指針として役立ちます。
- 市場動向の予測: ランキングは、特定の企業や業界のパフォーマンスを時間を通じて追跡する一助となります。これは市場の動向を予測し、将来のビジネス戦略を策定するための有用な情報源となります。
- ビジネスパートナー選定: ビジネスを拡大したい企業やサプライヤーにとって、ランキングはパートナーシップを結ぶ可能性のある企業を探す上で役立ちます。強力なパートナーを持つことは、ビジネスの成功にとって重要な要素です。
ただし、ランキング情報は一部の視点からしか市場を評価しないため、全体像を把握するためには他の資料や情報と併せて使用することが重要です。また、ランキングが提供する情報の正確性や最新性を確認することも重要なポイントとなります。
世界のコンビニエンスストア運営会社ランキングに変化を与える要素は、以下の通りです。
経済環境
国内外の経済環境が企業の売上や利益に大きな影響を与えます。経済成長がある場合、消費者の購買力が上がり、それが売上げに反映されます。逆に、経済が停滞または衰退すると、消費が減少し、企業の収益も落ち込む可能性があります。
企業の業績
企業の財務状況や業績が良好であれば、その時価総額も上昇し、ランキング上位に位置する可能性が高まります。
業界内の競争
新規参入企業や、革新的なビジネスモデルを持つ企業が現れると、既存の企業との競争が激化します。これにより、ランキングに変動が生じる可能性があります。
法規制の変化
営業時間、アルコールやタバコの販売など、コンビニエンスストア業界に影響を与える法律の変更は、各企業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。
消費者の行動や嗜好の変化
例えば、ヘルシーな商品への需要増加や、オンラインでの購入へのシフトなど、消費者の行動や嗜好が変化すると、それに対応した企業が成功し、ランキング上位に上がることがあります。
M&A活動
大手企業が他の企業を買収すると、その時価総額は一気に増え、ランキングに大きな影響を与えることがあります。
これらの要素が組み合わさり、それぞれの企業がどのように対応していくかによって、ランキングは変動します。したがって、ランキングの変化を予測するためには、これらの要素を総合的に考慮する必要があります。
まとめ
ランキングを見ることで、現在の世界のコンビニエンスストア業界の動向を一目で把握することができます。このランキングからは、各国の経済状況、業績、業界内の競争、法規制、消費者の嗜好の変化など、さまざまな要素が影響を及ぼしていることが見て取れます。今後のコンビニエンスストア業界の動向を予測するためにも、これらの要素を考慮することが重要です。
これらの情報は、新たなビジネス戦略を立てるための有益な情報源となります。特に、異なる市場に進出を検討している企業にとっては、各国のコンビニエンスストア運営会社の現状や展望を把握するうえで貴重な情報となります。今後も世界のコンビニエンスストア業界の動向を見守り、最新の情報を提供していきます。