クレジットカードの利便性と普及は、今日のグローバルな経済活動において不可欠な要素となっています。2023年の現在でも、クレジットカードは消費者にとって重要な決済ツールであり、企業にとっても重要な収益源であり続けています。しかし、世界のどのクレジットカード会社が最も大きな影響力を持っているのでしょうか?

そこで本稿では、2023年最新版となる「世界のクレジットカード会社ランキング時価総額TOP35」をご紹介します。ランキングは各社の時価総額に基づいて作成されており、それぞれの企業の規模と市場での影響力を客観的に把握することができます。

世界のクレジットカード会社ランキング:時価総額TOP35

下記の世界のクレジットカード会社ランキング一覧は、本メディアReinforz Insightが各社の公表情報を元に集計している時価総額ランキングです。時価総額は、各企業の株式時価に基づいて算定されており、企業の実質的な価値を示す指標となります。

このランキングを元に分析すると、以下が特徴として見えてきます。

  • 地域の分布: アメリカ、タイ、日本、ベトナム、インドネシア、マレーシアなど、複数の国からの企業がランキング内に存在します。アメリカの企業が特に上位に多く、タイや日本の企業もランキング内に複数存在します。

  • 時価総額の規模: 時価総額には大きな格差が見られ、1位のVisa Inc.の時価総額は722,314億円で、一方で35位のBright Kindle Resources & Investments Incの時価総額は49億円となっています。このことから、一部の企業が業界を牽引していることがわかります。

  • 業種の特徴: リストされた企業は主に金融業界に属しており、具体的にはクレジットカード会社、銀行、財務会社が中心です。これらの企業は、消費者の購買活動や貸付業務に深く関与しており、そのビジネスモデルは経済全体の健全性や成長に大きく影響します。

  • トップ企業の特徴: トップの企業(Visa Inc., Mastercard Inc.など)はすべてアメリカに本社を置くクレジットカード関連企業であり、この分野で世界的にリーディングカンパニーとなっています。

  • アジアの特徴: アジアの企業(特にタイやベトナム、インドネシアの銀行)は、比較的小規模ながらもランキングに名を連ねています。これはこれらの国々の経済成長と金融業界の発展を反映していると言えます。

以下は、ランキングトップ5にランクインしている企業です。

1位:Visa Inc.(アメリカ)

Visaは、世界最大級の決済ネットワークを運営するアメリカの多国籍企業です。クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードの発行に関与し、その決済インフラは世界中の広範なエリアで利用されています。

Visaの決済ネットワークは非常に広範で、事実上全世界の電子決済市場に影響力を持つため、その時価総額が高いです。加えて、電子決済の需要が高まる中、そのポジションはより強化されています。

2位:Mastercard Inc.(アメリカ)

Mastercardは、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなど、様々な決済ソリューションを提供しているアメリカの多国籍企業です。Visa同様、Mastercardの決済ネットワークも世界的に広範に利用されています。

Mastercardの決済ネットワークも非常に広範で、全世界の多くの店舗やオンライン商取引で使用されています。また、Mastercardは革新的な決済技術の開発にも力を入れており、これが時価総額を押し上げています。

3位:Visa International Service Association(アメリカ)

Visa International Service AssociationはVisa Inc.の一部で、国際的な金融取引の処理を担当しています。これには、クロスボーダーの決済処理やデータ管理などが含まれます。

Visaの広範なネットワークとその国際的な決済処理の能力により、Visa International Service Associationの時価総額は非常に高いです。

4位:American Express Co(アメリカ)

American Expressは、クレジットカード、デビットカード、旅行関連サービスを提供するアメリカの多国籍企業です。特に、高所得者向けの高級クレジットカードで知られています。

American Expressのブランド力と顧客の忠誠心は、その高い時価総額に貢献しています。また、同社のカードメンバーは一般的に高い消費を行うため、収益性が高いとされています。

5位:Capital One Financial Corp(アメリカ)

Capital Oneは、クレジットカード、預金口座、自動車ローンなど、様々な金融商品とサービスを提供するアメリカの銀行持株会社です。また、デジタル技術への早期の投資で知られています。

Capital Oneはデジタル化とデータ分析への取り組みにより、高い顧客満足度とロイヤリティを獲得しています。また、多様な金融商品の提供により、安定した収益源を持つことができ、これが高い時価総額を支えています。

【世界の世界のクレジットカード会社ランキング:時価総額TOP35リスト】

※対象となる世界のクレジットカード会社として「上場企業」かつ「世界のクレジットカード会社を展開している企業」
※対象決算期はデータ入手が可能な直近決算期を採用
※時価総額は記事執筆時点(2023年7月20日)の株価および為替レートで算出

ランキング企業名所在国決算期 (決算期)時価総額(億円)
1Visa Incアメリカ2022/09722,314
2Mastercard Incアメリカ2022/12493,143
3Visa International Service Associationアメリカ2022/09420,616
4American Express Coアメリカ2022/12169,354
5Capital One Financial Corpアメリカ2022/1255,454
6Discover Financial Servicesアメリカ2022/1239,930
7Synchrony Financialアメリカ2022/1219,308
8Hong Leong Bank Bhdマレーシア2022/0612,192
9Kasikornbank Public Co Ltdタイ2022/1211,749
10Bangkok Bank PCLタイ2022/1211,352
11Krung Thai Bank PCLタイ2022/1210,250
12Bank Of Ayudhya PCLタイ2022/128,455
13Viet Nam Joint Stock Commercial Bank For Industry And Tradeベトナム2022/128,012
14TMBThanachart Bank PCLタイ2022/125,669
15丸井グループ日本2023/035,126
16Asia Commercial Joint Stock Bankベトナム2022/124,786
17Krungthai Card PCLタイ2022/124,580
18クレディセゾン日本2023/034,146
19PT Bank CIMB Niaga Tbkインドネシア2022/123,370
20Samsung Card Co Ltd大韓民国2022/123,254
21イオンフィナンシャルサービス日本2023/022,593
22オリエントコーポレーション日本2023/031,968
23PT Bank KB Bukopin Tbkインドネシア2022/121,769
24ジャックス日本2023/031,768
25Aeon Thana Sinsap (Thailand) PCLタイ2023/021,678
26Alliance Bank Malaysia Bhdマレーシア2023/031,556
27PT Bank Sinarmas Tbkインドネシア2022/121,492
28Affin Bank Bhdマレーシア2022/121,268
29Tamilnad Mercantile Bank Ltdインド2023/031,121
30TCS Group Holding PLCキプロス2022/121,033
31AEON Credit Service (M) Bhdマレーシア2023/02877
32Jトラスト日本2022/12647
33Aeon Credit Service (Asia) Co Ltd香港2023/02392
34PT Bank QNB Indonesia Tbkインドネシア2022/12276
35Bright Kindle Resources & Investments Incフィリピン2022/1249

出典:各社プレスリリースなど

世界のクレジットカード会社ランキングの有用性

クレジットカード会社のランキングは、様々な観点から見て非常に有用です。以下にその理由をいくつか挙げてみましょう。

  • 消費者視点: 消費者にとって、クレジットカード会社のランキングは、どのカードが信頼できるもので、どのカードが最も広範囲のサービスや利益を提供しているかを判断する一助となります。例えば、一部の消費者はトップランクの会社からカードを取得することで安心感を得るかもしれません。また、特定の利益(旅行保険、ポイント制度など)を求める消費者は、それらの提供に優れた会社を選ぶことができます。

  • 投資家視点: クレジットカード会社のランキングは、投資家にとって重要な情報源となります。これにより投資家は、企業の規模、成長率、市場占有率などの重要な指標を理解し、投資判断に活用することができます。

  • 企業戦略視点: 企業自体もまた、自社がどの程度競争力を持っているかを評価するために、ランキングを活用することができます。この情報を使って、企業は自社の強みや弱みを評価し、戦略的な意思決定を行うことができます。

  • 市場分析視点: クレジットカード会社のランキングは、市場全体の動向やトレンドを理解するのにも役立ちます。例えば、特定の地域やセクターの企業がランキング上位に集中している場合、その地域やセクターが競争力を持っていることを示しているかもしれません。

これらの要素を考慮すると、世界のフードデリバリー会社のランキングは、多くの利害関係者にとって多面的な価値を提供するツールと言えるでしょう。

世界のクレジットカード会社ランキング:変化を与える要素

世界のクレジットカード会社ランキングに変化を与える要素は、以下の通りです。

金利政策

中央銀行の金利政策は、クレジットカードの金利に大きく影響を与えます。金利が上昇すると、消費者のクレジットカードの利息負担が増大し、その結果、カード使用量や新規顧客獲得が難しくなる可能性があります。

経済環境

一般的な経済環境も大きく影響を与えます。経済が好調な時期は、消費者の支出が増え、結果的にクレジットカードの使用も増えます。これはクレジットカード会社の利益となります。

規制変更

クレジットカード業界は規制が厳しく、法改正や新たな規制が導入されると、業界のランキングに変動が生じる可能性があります。

技術革新

最近では、デジタル決済やモバイル決済が普及し、これに対応したクレジットカード会社は顧客を増やし、ランキングを上昇させることができます。

マーケティング戦略

新規顧客獲得や既存顧客の利用継続に向けたマーケティング戦略もランキングに影響を与えます。これには、リワードプログラムの提供、キャッシュバックの提供、パートナーシップを通じた特典の提供などがあります。

企業の信頼性

企業の信用度や評判は、新規顧客の獲得や既存顧客の保持に直結します。大規模なデータ漏洩や不正行為などが明らかになった場合、ランキングは大きく下落する可能性があります。

これらの要素はすべて、クレジットカード会社の売上、利益、顧客数など、ランキングに影響を与える主要な指標に直接的または間接的に影響を与えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。世界のクレジットカード会社ランキング時価総額TOP35を見てきましたが、各企業の規模と影響力の差は歴然としています。アメリカ企業が圧倒的なシェアを持つ一方で、アジア各国からも力強くランキングに名を連ねている企業があることが分かりました。

ランキングの変動要因としては、金利政策、経済環境、規制変更、技術革新、マーケティング戦略、そして企業の信頼性などが大きな影響を及ぼしています。今後もこれらの要素が、クレジットカード業界のランキングを動かすキーファクターとなるでしょう。

これらの要素に目を光らせつつ、今後のクレジットカード業界の動向を注視してまいりましょう。このランキングが、皆様の経済活動や投資判断の一助となることを願っています。

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