編集部
映像のパワーが今やビジネスやエンターテインメントのフロントランナーとして位置づけられる中、その背後にある映像制作会社の影響力はますます増してきています。高画質化の進展、新しい映像技術の導入、ストーリーテリングの革命…。これらは映像制作の現場で日々進行中の変革です。そこで、2023年の最新データをもとに、世界の映像制作会社ランキング時価総額TOP82をご紹介します。これらの企業は、技術の最前線での挑戦やクリエイティブな質を追求し、業界全体をリードする存在として注目されています。
世界の映像制作会社ランキング：時価総額TOP82
下記の世界の映像制作会社ランキング一覧は、本メディアReinforz Insightが各社の公表情報を元に集計している時価総額ランキングです。時価総額は、各企業の株式時価に基づいて算定されており、企業の実質的な価値を示す指標となります。
このランキングを元に分析すると、以下が特徴として見えてきます。
- 地域の分布:
- 中国: 中国の企業はリスト内で大きな存在感を持っており、多数の企業がランキング内に名を連ねています。
- インド: インドの企業も多く、特にランキングの下位には多数のインド企業が位置しています。
- アメリカ: リストの上位にはアメリカの大企業が位置しています。特にComcast Corpは他を圧倒する時価総額を持っています。
- 他にも、日本、大韓民国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、フランス、台湾、タイ、香港などの企業がランキング内に含まれています。
- 時価総額の格差:
- 上位の企業、特に1位のComcast Corpの時価総額は他と比較して非常に高いです。これに対して、ランキング下位の多くの企業は時価総額が非常に低く、いくつかの企業は0となっています。これは、メディア業界における市場の支配的な地位やブランドの力、規模の経済などが影響している可能性が考えられます。
- 企業の規模:
- このリストには、大手グローバル企業から地域に特化した小規模企業まで、さまざまな規模の企業が含まれています。特にランキングの上位には大手企業が多く、下位には小規模企業が多いことが見受けられます。
総括すると、この時価総額ランキングは、メディア業界における企業の規模や影響力、地域的な特徴などを示しています。大手企業が市場をリードしている一方で、多数の小規模企業も存在しており、彼らもまた独自の価値を市場に提供しています。
以下は、ランキングトップ5にランクインしている企業です。
1位：Comcast Corp（アメリカ）
アメリカを拠点とする、巨大なマルチメディア企業。ケーブルテレビ、インターネット、電話サービスの提供を主としています。さらに、映画やテレビ番組の制作・配信も行っています。
Comcastは、アメリカ国内のメディア業界における最大手の一つであり、大規模な顧客ベースと業界における強固な地位を保持しています。そのため、高い時価総額を維持しています。
2位：Hasbro Inc（アメリカ）
世界的に知名度のある玩具・ボードゲームメーカー。TransformersやMy Little Ponyなどのブランドを所有しています。
Hasbroは、多数の人気キャラクターや商品を持つことから、グローバルな市場での高い売上を持続しています。また、エンターテインメント部門も強化しており、その事業展開が時価総額を押し上げていると思われます。
3位：Oriental Pearl Group Co Ltd（中国）
中国を拠点とする大手メディア・エンターテインメント企業。
中国の急速な経済成長と中産階級の拡大に伴い、エンターテインメント需要が増大。Oriental Pearlはその中で頭角を現し、多様なメディアプラットフォームを展開しています。
4位：Zee Entertainment Enterprises Ltd（インド）
インドを拠点とする大手放送・メディア企業。多数のテレビチャンネルや映画の制作・配信を行っています。
インドは人口が多く、テレビや映画の消費が非常に活発。Zeeはその中でリーダー的な位置を占めており、その事業の多角化とブランド力が高い時価総額の要因となっています。
5位：Zhejiang Huace Film & TV Co Ltd（中国）
中国の映画・テレビ番組の制作・配信を行う企業。
近年の中国映画市場の急成長に伴い、国内外での需要増加。Zhejiang Huaceは高品質なコンテンツ制作で知られ、その成功が時価総額の増加を引き起こしていると考えられます。
このような分析は、時価総額だけでなく、各企業の戦略、市場環境、競合状況などの多角的な要因を考慮して行うことが重要です。上記は簡単な概要に過ぎませんので、より詳細な分析や最新の情報を求める場合は専門のリサーチ業者や情報源にアクセスすることをおすすめします。
【世界の映像制作会社ランキング：時価総額TOP82リスト】
※対象となる映像制作会社として「上場企業」かつ「映像制作業を展開している企業」
※対象決算期はデータ入手が可能な直近決算期を採用
※時価総額は記事執筆時点（2023年7月27日）の株価および為替レートで算出
| ランキング | 企業名 | 所在国 | 決算期 (決算期) | 時価総額（億円） |
| 1 | Comcast Corp | アメリカ | 2022/12 | 237,269 |
| 2 | Hasbro Inc | アメリカ | 2022/12 | 11,764 |
| 3 | Oriental Pearl Group Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 5,198 |
| 4 | Zee Entertainment Enterprises Ltd | インド | 2023/03 | 3,476 |
| 5 | Zhejiang Huace Film & TV Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 2,452 |
| 6 | Lions Gate Entertainment Corp | カナダ | 2023/03 | 2,153 |
| 7 | StudioDragon Corp | 大韓民国 | 2022/12 | 1,624 |
| 8 | Huayi Brothers Media Corp | 中国 | 2022/12 | 1,549 |
| 9 | Saregama India Ltd | インド | 2023/03 | 1,396 |
| 10 | Beijing Baination Pictures Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 1,201 |
| 11 | China Television Media Ltd | 中国 | 2022/12 | 1,087 |
| 12 | Hengxin Shambala Culture Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 1,047 |
| 13 | Omnijoi Media Corp | 中国 | 2022/12 | 978 |
| 14 | PT Surya Citra Media Tbk | インドネシア | 2022/12 | 908 |
| 15 | Astro Malaysia Holdings Bhd | マレーシア | 2023/01 | 825 |
| 16 | GMA Network Inc | フィリピン | 2022/12 | 727 |
| 17 | PT Media Nusantara Citra Tbk | インドネシア | 2022/12 | 725 |
| 18 | TIPS Industries Ltd | インド | 2023/03 | 618 |
| 19 | Prime Focus Ltd | インド | 2023/03 | 571 |
| 20 | Silkroad Vision Technology Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 500 |
| 21 | PT Global Mediacom Tbk | インドネシア | 2022/12 | 495 |
| 22 | 東北新社 | 日本 | 2023/03 | 481 |
| 23 | Gaumont | フランス | 2022/12 | 430 |
| 24 | Dinglong Culture Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 426 |
| 25 | Wuhan DDMC Culture & Sports Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 328 |
| 26 | IMAGICA GROUP | 日本 | 2023/03 | 288 |
| 27 | Shanghai LongYun Cultural Creation & Technology Group Co Ltd | 中国 | 2022/12 | 281 |
| 28 | SM Culture & Contents Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 247 |
| 29 | Workpoint Entertainment PCL | タイ | 2022/12 | 245 |
| 30 | Jストリーム | 日本 | 2023/03 | 156 |
| 31 | Media Prima Bhd | マレーシア | 2021/12 | 136 |
| 32 | ABS-CBN Corp | フィリピン | 2022/12 | 124 |
| 33 | Chorokbaem Media Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 124 |
| 34 | SBS Contents Hub Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 120 |
| 35 | Pan Entertainment Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 118 |
| 36 | RaemongRaein Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 109 |
| 37 | ディー・エル・イー | 日本 | 2023/03 | 108 |
| 38 | イマジニア | 日本 | 2023/03 | 108 |
| 39 | Victory Contents Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 101 |
| 40 | Taiwan Television Enterprise Co Ltd | 台湾 | 2022/12 | 96 |
| 41 | SAMHWA NETWORKS Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 89 |
| 42 | iMBC Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 78 |
| 43 | Creative China Holdings Ltd | 中国 | 2022/12 | 76 |
| 44 | Balaji Telefilms Ltd | インド | 2023/03 | 73 |
| 45 | Shemaroo Entertainment Ltd | インド | 2023/03 | 64 |
| 46 | レイ | 日本 | 2023/02 | 59 |
| 47 | Pili International Multimedia Co Ltd | 台湾 | 2022/12 | 57 |
| 48 | Wave Exponential PCL | タイ | 2022/12 | 56 |
| 49 | Studio Santa Claus Entertainment Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 48 |
| 50 | Channel Nine Entertainment Ltd | インド | 2022/03 | 46 |
| 51 | Thinkink Picturez Ltd | インド | 2023/03 | 46 |
| 52 | e-STARCO Co Ltd | 大韓民国 | 2022/12 | 33 |
| 53 | Transmit Entertainment Ltd | 香港 | 2022/06 | 29 |
| 54 | YOOSONN Entertainment Co Ltd | 台湾 | 2022/12 | 27 |
| 55 | Cineverse Corp | アメリカ | 2023/03 | 24 |
| 56 | Wisdom Sports Group | 中国 | 2022/12 | 23 |
| 57 | アマナ | 日本 | 2022/12 | 17 |
| 58 | B.A.G. Films & Media Ltd | インド | 2023/03 | 15 |
| 59 | Shenghua Entertainment Communication Co Ltd | 台湾 | 2021/12 | 14 |
| 60 | Cinevista Ltd | インド | 2023/03 | 13 |
| 61 | TV Thunder PCL | タイ | 2022/12 | 12 |
| 62 | Pritish Nandy Communications Ltd | インド | 2023/03 | 9 |
| 63 | Sadhna Broadcast Ltd | インド | 2023/03 | 8 |
| 64 | Unistar Multimedia Ltd | インド | 2023/03 | 7 |
| 65 | Sahara One Media & Entertainment Ltd | インド | 2023/03 | 6 |
| 66 | China Digital Video Holdings Ltd | 中国 | 2023/03 | 5 |
| 67 | Gradiente Infotainment Ltd | インド | 2023/03 | 3 |
| 68 | Sagar Productions Ltd | インド | 2023/03 | 2 |
| 69 | Nouveau Global Ventures Ltd | インド | 2023/03 | 1 |
| 70 | Creative Eye Ltd | インド | 2023/03 | 1 |
| 71 | SDC Techmedia Ltd | インド | 2023/03 | 1 |
| 72 | Quantum Digital Vision (India) Ltd | インド | 2023/03 | 1 |
| 73 | 52 Weeks Entertainment Ltd | インド | 2023/03 | 1 |
| 74 | Kome On Communication Ltd | インド | 2023/03 | 1 |
| 75 | Vision Corp Ltd | インド | 2023/03 | 1 |
| 76 | Padmalaya Telefilms Ltd | インド | 2023/03 | 1 |
| 77 | Filmcity Media Ltd | インド | 2023/03 | 0 |
| 78 | Cinerad Communications Ltd | インド | 2023/03 | 0 |
| 79 | Universal Arts Ltd | インド | 2023/03 | 0 |
| 80 | Veronica Production Ltd | インド | 2022/03 | 0 |
| 81 | BMB Music & Magnetics Ltd | インド | 2022/03 | 0 |
| 82 | Khyati Multimedia-Entertainment Ltd | インド | 2023/03 | 0 |
出典：各社プレスリリースなど
世界の映像制作会社ランキングの有用性
映像制作会社のランキングは、業界の動向や企業の競争力を一目で捉えるための有用なツールとなり得ます。以下に、その有用性に関連する要点を詳しく考察します。
- 市場の理解:ランキングは、特定の市場やセグメントにおける主要なプレイヤーを特定するのに役立ちます。これにより、新しいビジネスチャンスや競合関係を正確に把握することができる。
- 投資判断:投資家やアナリストは、ランキングを基にして企業の健全性や将来の展望を評価することができる。高いランキングを持つ企業は、安定した運営や市場での強固な地位を示す可能性が高い。
- ビジネス戦略の策定:企業はランキングを参考に、自社の位置付けや競合との関係を再評価し、戦略の調整や新たな市場への参入を検討することができる。
- ブランド力の評価:高いランキングを持つ企業は、ブランドの知名度や信頼性が高いと見なされる可能性があり、これは広告やマーケティング活動において有利に働く。
- 業界のトレンドの把握:ランキングの変動や新たな参入企業の動向を追うことで、業界のトレンドや新しい技術・サービスの出現を早期に捉えることができる。
- ベンチマーキングのツールとして:企業は、ランキングをベンチマークとして活用し、自社の業績や運営の効率性を他社と比較して評価することができる。
- 消費者の信頼の獲得:消費者は、ランキングを参考にして信頼性のある映像制作会社を選択することができる。高いランキングは、高品質のサービスや製品を提供していることの証となる。
ただし、ランキングは一つの指標に過ぎません。実際の企業の業績や競争力を評価する際には、他の多くの要因（財務状況、経営陣の質、戦略の有効性など）も考慮する必要があります。ランキングの背後にある基準や評価方法を理解し、それを補完する他の情報と併せて使用することが重要です。
世界の映像制作会社ランキング：変化を与える要素
世界の映像制作会社ランキングに変化を与える要素は、以下の通りです。
技術の進化
映像技術の進化（例: 4K、8K、VR、AR、360度動画など）は、制作会社がどれだけ最新の技術を取り入れているかによって、その競争力が大きく変わり得ます。
クリエイティブな質
映像のクオリティや独自性、ストーリーテリングの能力は、制作会社の評価を大きく左右します。
受賞歴
映画祭や賞での受賞やノミネートは、制作会社の知名度や評価を高める要因となります。
財務状況
安定した財務基盤は、大規模なプロジェクトの受注や技術的な投資を可能にし、ランキング上昇の要因となることがあります。
グローバルな展開
国際的な市場での成功や、複数の国での事業展開は、制作会社の影響力を高めます。
業界のトレンドとの整合性
時流に合ったコンテンツや、社会的なトレンドを取り入れた制作は、ポジティブな評価を受ける可能性があります。
顧客の評価
顧客からのポジティブなフィードバックや長期的な関係の構築は、ビジネスの安定性や信頼性を示す要因となります。
マーケティング戦略
効果的なマーケティングやブランド戦略は、制作会社の知名度や市場での評価を向上させる要因となります。
人材の質
優れたクリエイターや技術者の採用・育成は、制作会社の品質や競争力を高める要因となります。
業務提携や買収
他の企業や制作会社との提携、あるいは買収によって、リソースや技術、クリエイティブな能力を強化することが可能となります。
これらの要因は、映像制作会社が持続的に高いランキングを保持するために考慮すべきポイントとなります。市場や業界の変化に柔軟に対応し、これらの要因をバランスよく取り入れることが、成功の鍵と言えるでしょう。
まとめ
世界の映像制作業界は、技術の進化や市場の変動に柔軟に対応しつつ、常に新しい価値を提供し続ける必要があります。このランキングは、その中で最も影響力のある企業を示していますが、彼らの成功は技術だけでなく、人材の質やマーケティング戦略、そして顧客との関係構築によるものです。映像制作会社のランキングは、その時々の業界のトレンドや技術の変化に影響を受けるため、常に変動するものとなります。今後も目が離せない業界の動向となることでしょう。これらの企業から学ぶことは多く、今後のビジネスやエンターテインメントの方向性を予測する手がかりとして、ランキングの動向を注視していきたいと思います。