最近、メディアやSNSでも取り上げられることが多くなったメタバース。「これからの時代はメタバースだ」などと言われて興味はあるものの、ネットに溢れる情報は信ぴょう性に欠けるものが多いと感じていませんか?

そこで本記事では、メタバースのことを知りたい方に向けて、おすすめのメタバース関連書籍を13冊ご紹介します。

今回ピックアップした書籍のジャンルは、以下のとおりです。

  • 完全初心者向けの網羅的に学べる入門書
  • メタバースの具体的な始め方がわかる指南書
  • メタバースが普及した未来を想像できる、ビジネスパーソンの必読書
  • メタバースとは何かを深く考えられる哲学書
  • メタバースと関連性の高い最先端領域・技術を併せて理解できる良書

紹介する書籍の中には2022年後半に発売され、最新の動向が体系的にまとめられている書籍もあります。最も興味のある書籍から、ぜひ手にとってみてください。

メタバースでできることを一通り学べる本

最初に紹介するのは、メタバースでできることを一通り学べる書籍です。前提として、現時点で「メタバース」と言っても統一的な定義がなされているわけではなく、著者の立場・立ち位置によって論調が若干異なります。

そのため、メタバース関連書籍を読むに当たっては、著者の立場とご自身の業務領域などが近しい書籍を選ぶと理解が進みやすいでしょう。まずは全体的な理解を進めたい方にとって、本章で紹介する3冊は特におすすめです。

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60分でわかる!メタバース超入門

「60分でわかる! メタバース超入門(税込1,320円)」は、メタバースとは何なのか、何を目指しているのかについて、多くの事例や実際のビジネス展開例を通して紹介しています。また、メタバースの技術的な仕組みやメタバースを支える周辺技術などにも触れている一冊です。

本書は2022年4月に武井勇樹氏によって書かれました。武井氏は、メタバース総合プラットフォームの開発及び企業向けXR技術の活用支援を行う株式会社SynamonのCOOを務めています。

見開きで1項目ずつメタバースの基本を解説する形で、イラストや図解も多く、興味のある項目から読み進められます。メタバース初心者に向けて、全貌を把握するための参考書のように使える一冊です。

メタバース 完全初心者への徹底解説:2021年 仮想世界を巡る百花繚乱時代

「メタバース 完全初心者への徹底解説:2021年仮想通貨を巡る百花繚乱時代(税込780円)」は、メタバースの具体事例を「コミュニケーション編」「ゲーム編」などと一つ一つ図解を交えて解説しています。多種多様なメタバースの形態を理解したい方におすすめしたい一冊です。

本書は2021年11月に白辺陽氏によって書かれました。白辺氏の経歴は明らかにされていないものの、本書に限らず、Web3やDAOなどの最先端領域に関する同様の書籍を出版されており、高評価を獲得しています。

電子書籍のみで発行されており、リンクも豊富に埋め込まれているため、Webメディアを読む感覚に近い点も特徴的です。本書を通じて、メタバースの台頭により何が起ころうとしているのかについて、概要を網羅的に把握できます。

図解ポケット メタバースがよくわかる本

「図解ポケット メタバースがよくわかる本(税込1,210円)」は、メタバースの基礎知識はもちろん、特にビジネスへの活用事例を多く取り上げている一冊です。書籍名にもあるように、豊富な図解を用いて分かりやすくまとめられています。

本書は2022年5月に松村雄太氏によって書かれました。松村氏はメディア系ベンチャー企業に所属し、大企業向けにスタートアップやテクノロジートレンドのリサーチを行うなどしています。

国内外のメタバース事業を数多く取り上げ、「お金儲け」につながるポイントを紹介している本書は、メタバース事業への新規参入を検討している人におすすめしたい一冊です。

メタバースをやるには?始め方がわかりやすい本

続いて紹介するのは、「メタバースの始め方」が分かりやすい書籍です。メタバースが何なのか概要は分かったものの、いざ始めようと思うと、VRChatやClusterなど、色んなサービスが出てきます。正直言って、何をしたらいいのかよく分からないですよね。

この章では、そんな方におすすめしたい、メタバースを始めるにはどうすれば良いか具体的に書かれた書籍を2冊紹介します。先ほど紹介した書籍で概要を把握し、本章でおすすめする2冊から、メタバースの始め方を理解しましょう。

メタバースの歩き方

「メタバースの歩き方(税込500円)」は、VRChatなどのメタバース関連サービスを10種類以上取り上げ、それぞれの始め方や楽しみ方をひとつずつ丁寧に解説しています。

本書は2022年1月に株式会社往来、武者良太氏によって電子書籍で出版された一冊。株式会社往来は、XR技術が持つ可能性を多角的に研究し、社会実装に取り組む企業です。武者氏は出版社を経験した後、フリーのライターとして活躍しています。

本書では、VRChatで多くの時間を過ごすユーザーの取材記事やコラム記事も掲載されています。通常では知ることのできない、メタバースに触れている人の日常を垣間見えるのも、本書ならではのポイントといえるでしょう。

これからメタバースを始めたい人、ひとまずメタバースの世界に触れてみたい人は、本書が特におすすめです。

VRChatガイドブック〜ゼロからはじめるメタバース

「VRChatガイドブック〜ゼロからはじめるメタバース(税込1,980円)」は、ソーシャルVRアプリ「VRChat」の楽しみ方や、操作方法などについて解説する、タイトルどおりの「VRChatガイドブック」です。

本書は2022年2月に岩佐琢磨氏、まつゆう氏によって書かれました。岩佐氏はメタバースやVRを軸に事業を展開するShiftall(シフトール)の代表取締役社長を務めています。まつゆう氏はVRディレクターやメタバースDJとして活躍し、Twitterのフォロワー数は20万人を超えるソーシャルメディアインフルエンサーです。

本書は、アプリの既存ユーザーへの取材を通したVRChatの魅力に迫り、VRChatヘビーユーザーの高度な楽しみ方についても紹介しています。VRChatでメタバースを始めたい方は、本書が必読書になるでしょう。

なぜ今メタバースが注目されるのか?ビジネスの動向を知れる本

GAFAMと呼ばれる世界のビッグテック企業をはじめ、世界でメタバースビジネスが盛り上がっています。この章では、なぜ今メタバースが注目されるのか、ビジネスの最新動向を知れるおすすめ書籍を2冊ピックアップしました。

急成長が期待されるメタバース市場において、海外のトレンドを把握しておくことは、自社ビジネスの展開などをする上でも非常に重要です。時代の流れに乗り遅れないよう、本章で紹介する書籍で知識をアップデートしましょう。

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メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」

「メタバースとは何か ネット上の『もう一つの世界』(税込902円)」は、GAFAMがメタバースに対してどのようなビジネスを仕掛けようとしているのかなどを理解できる一冊です。

本書は2022年1月に岡嶋裕史氏によって書かれました。岡嶋氏は、中央大学国際情報学部教授を務める情報学の研究者として活躍しています。

本書では、フォートナイトやどうぶつの森などの具体的事例を挙げながら、メタバースの歴史や、なぜ今のタイミングで注目されているのかを解説しています。また、フェイスブックはなぜ「メタ(Meta)」に社名変更したのかなどについても触れており、学びの多い一冊です。

本書を読めば、メタバース市場のおおまかな流れや傾向を理解できるでしょう。

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メタバースビジネス覇権戦争

「メタバースビジネス覇権戦争(税込968円)」は、メタバースビジネスのプラットフォーマーの座をめぐった覇権争いについて、先行する各企業の具体的な戦略などが分かる一冊です。

本書は2022年8月に新清士氏によって書かれました。本記事執筆時点において、出版から日が浅いものの、メタバース市場の最新動向を知れるとして話題の一冊です。新氏はデジタルハリウッド大学大学院教授を務め、VRゲーム開発会社の「よむネコ(Thirdverseに社名変更)」を設立しています。

本書では、メタバースビジネスを先行する各企業の具体的な戦略を踏まえ、未来の「メタバース経済圏」の姿も紹介しています。

本書を通じ、メタバースについての理解が深まることはもちろん、新しく広がるメタバースビジネスの可能性を肌で感じられるでしょう。

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メタバースとは?その意味と本質を深く学べる本

冒頭でも紹介したように、メタバースの解釈は、著者の立場などによって解釈や論調が若干異なります。本章では「メタバースとは何か」について、その意味や本質を深く学べる書籍を3冊ピックアップしました。

現にメタバースや最新テクノロジーに深く関わってきた著者が考えるメタバースの世界。それぞれの著者が思い描くメタバースのさまざまな考え方に触れ、メタバースについて思考を深めたい方におすすめの書籍を紹介します。

メタバース進化論ーー仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界

「メタバース進化論ーー仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界(税込1,980円)」は、メタバース(ソーシャルVR)の現在と未来について触れた上で、メタバースが人間の在り方を劇的に進化させる可能性を考察した一冊です。

本書は2022年3月に、ソーシャルVRの原住民である「バーチャル美少女ねむ」氏によって書かれました。

本書は特にソーシャルVRに焦点を当て、ソーシャルVRサービスの概要や簡単な技術を紹介しています。その知識・前提を踏まえ、アバターをまとうことによるアイデンティティやコミュニケーションの変化を考察している点も特徴的です。

ソーシャルVRの原住民である著者ならでは視点で、メタバース(ソーシャルVR)の現在と未来について書かれています。VR装置をつけた上でのコミュニケーションについて深く切り込んだ一冊です。

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メタバース さよならアトムの時代

「メタバース さよならアトムの時代(税込1,650円)」は、メタバースの発展・発達により、人類が物質(アトム)の束縛から解き放たれる未来を考察できる一冊です。

本書は2022年4月にクラスター株式会社代表取締役社長の加藤直人氏によって書かれました。クラスターは、国内の有名なメタバースプラットフォームである「Cluster」を手がけています。

同社の社長が執筆しているだけあって、前半パートでは、さまざまな事例を豊富に交えたメタバースの基本を分かりやすく紹介しています。。本書の後半は毛色がガラッと変わり、加藤氏が思い描くメタバースの未来について、かなり尖った主張を展開する一冊です。

メタバースの基礎から応用・想像される未来までを一気に学びたい方は、ぜひ本書を手に取ってみましょう。

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世界2.0 メタバースの歩き方と創り方

「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方(税込1,650円)」は、メタバースを一種の哲学として、本質を深く学べる一冊です。

本書は2022年3月に佐藤航陽(かつあき)氏によって書かれました。佐藤氏は、大学在学中に株式会社メタップスを設立した実業家です。

本書はメタバースの時代に起きる変化として、以下の3点を挙げています。

  • 物理世界より仮想世界で生きる時間が長くなる
  • 仮想世界を作るのが新しい仕事になる
  • “個人”という概念が変わる

本書では、メタバースとは「神の民主化」であると主張し、哲学的要素も交えながら、メタバースにより生まれる新たな世界を俯瞰的に捉えています。

メタバースに留まらず、今後のテクノロジーの進歩も含めた壮大なテーマを扱う本書。これからメタバース事業を立ち上げたいと思っているビジネスパーソンにとって、本書は必読書といえるでしょう。

メタバースとNFTやWeb3との関わりについて学べる本

メタバースに並んで注目されるワードとして、NFTやWeb3などがあります。電子データに一点ものの価値を証明できるNFTや、中央集権的なWeb2のインターネット社会に対するアンチテーゼとして生まれた、分散型ネットワークのWeb3。

この章では、メタバースとNFTやWeb3との関わりについて学べる書籍を3冊紹介します。

本章で紹介する3冊を通して先端領域の各主要技術をまとめて理解し、時代の流れに波乗りしましょう。

メタバースとWeb3

「メタバースとWeb3(税込1,650円)」は、メタバースやNFT、Web3、暗号資産のつながりや、それぞれの役割について解説しています。

本書は2022年3月に、メタバース事業などを扱う株式会社gumiを設立した國光宏尚氏によって書かれました。

2022年に入り、世界では大きなゲームチェンジが起きています。その中心を担うのがタイトルにある通り「メタバースとWeb3」です。

本書を通じて、世界で起きる大きな変化である「バーチャルファースト」への移行に向けて、私たちが知っておくべきことは何か、時代の波に乗るためのヒントを手にすることができます。

メタバース事業に限らず、新たなビジネスチャンスを探したい方には特におすすめの一冊です。

NFTの教科書

「NFTの教科書(税込1,980円)」は、NFTの各ジャンルで活躍する総勢28人の執筆者から、各分野の最前線を学べる一冊です。

本書は2021年10月に天羽健介氏、増田雅史氏によって書かれました。天羽氏はコインチェック株式会社の執行役員を務め、増田氏はNFTやメタバースをはじめとするWeb3領域で多くの情報発信を行う弁護士です。

本書では、アート、国内外ゲーム、メタバース、スポーツなど、NFTの各ジャンルにおける第一人者が、各分野の現状を紹介しています。

NFTが持つ「電子データに一点ものの価値を証明できる」という特性は、メタバースにおけるバーチャル空間を、より楽しく、没頭できる世界に昇華させる役割を果たします。

NFTという、メタバースに匹敵するバズワードの理解を深めることで、これから起こるゲームチェンジに対する理解もより一層進むでしょう。

テクノロジーが予測する未来

「テクノロジーが予測する未来(税込990円)」は、Web3、メタバース、NFTといった最先端テクノロジーが、私たちの社会や経済、個人の在り方にどのような変化をもたらすかを解説している一冊です。

本書は2022年6月に伊藤穰一氏によって書かれました。伊藤氏は、ベンチャーキャピタリスト、起業家などで活躍されています。

各章ごとに、働き方、文化、アイデンティティ、教育、民主主義を取り上げ、最終章で日本がこれからの時代に向けてどのように備えるべきか解説しています。

本書を通じ、激動の時代といわれる現代において、最新のテクノロジーがもたらす未来を把握しましょう。

メタバースは自分にあった良質な本で学ぼう!

メタバースをテーマにした書籍は数多く出版されており、特徴や切り口は著者によってさまざまです。テーマ別で取り上げた書籍から一冊ずつ手にとってもらうと、メタバースに関する体系的な知識は十分身につくでしょう。

また、ご自身の事業領域と著者の立ち位置を重ね合わせることで、良書に巡り合える可能性はグッと高まるはずです。

本記事で紹介した書籍は、メタバースを学ぶ入門書としてどれもおすすめです。ご自身にあった良質な本から、メタバースについて学びを深めましょう。

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