メタバースが広まりつつある中で、注目を集めているプラットフォーム「サンドボックス」。サンドボックスとはどんなものであるのかや、どうすれば始められるのかなど、気になる人も多いでしょう。
この記事では、サンドボックスの概要や、実際の始め方について徹底解説。サンドボックスへ参入を進めている有名企業の事例や、サンドボックスのおすすめできる進め方・遊び方についても紹介します。
この記事を読めば、サンドボックスに関する理解を深められます。サンドボックスに興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
メタバース「サンドボックス(The Sandbox)」とは?
世界的に人気のNFTゲームプラットフォーム
サンドボックスとは、世界的に人気を集めているNFTゲームプラットフォームです。イーサリアムのブロックチェーン上で提供されています。
NFTやメタバースに注目が集まる中、サンドボックスには大きな期待が寄せられており、ピーク時の月間アクティブユーザー数は100万人超え。「世界で最も期待されているブロックチェーンゲームトップ50」の13位に選ばれた実績もあります。
ゲームの公平性についても、サンドボックスの場合は心配不要です。サンドボックスにはブロックチェーンが導入されているため、改ざんや不正ができません。全取引をユーザーが相互に監視しているため、不正があっても他ユーザーと比べればすぐに見つかるからです。
アイテムやゲームを制作したり売買したりできる
サンドボックス内では、以下のようなコンテンツを利用すれば、アイテムやゲームの制作・売買が可能です。
- Game Maker
- VoxEdit
- アバター
「Game Maker」では、オリジナルの3Dゲームを作成できます。プログラミングが不要であるため、誰でも作成しやすい点がメリットです。
「VoxEdit」では、オリジナルのボクセルモデルを作成可能。ボクセルアーティストという職業も存在します。
「アバター」では、オリジナルのアバターを作成可能です。VoxEditで作成した装備品の着用もできます。
アイテム・装備・アートなどのアセットは、全てNFTとなっています。価格相場はアイテムによりますが、基本的には数ドル~数十ドルから購入可能です。
独自の仮想通貨はSAND
サンドボックスでは、独自の仮想通貨である「SAND」が使われています。SANDはイーサリアムチェーン上のトークンです。発行上限の30億枚のうち、50%にあたる約15億枚が既に発行されています。
SANDの主な用途は以下の3つです。
- ガバナンストークン
- ステーキング
- NFTの調達
SANDの保有者は、その量に応じた投票権を持つとともに、報酬も獲得可能です。さらに、NFTの調達時にもSANDは利用されています。
土地(LAND)の売買や賃貸も可能
サンドボックスで提供されている土地「LAND」も、現実世界のように売買・賃貸が可能です。LANDもアセットと同様に、全てNFTとなっています。
LANDの最低価格はドル換算で2021年末から2022年6月頃まで下落傾向が続いていました。6月頃から現在までは横ばい状態が続いています。1区画の価格相場は数万〜数百万ドルと、中にはかなり高額なLANDも。
LANDを購入すると、その場所を自由にアレンジ可能です。自分のLANDにゲームを用意したり、イベントを開催したりなどもできます。
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2022年もサンドボックスに有名企業が続々参入!最近の事例を紹介
サンドボックスに期待を寄せているのは個人だけにとどまらず、多くの有名企業もサンドボックスに続々と参入。サンドボックスに参入した企業のうち、多くの企業は独自にLANDを購入しており、購入したLANDにてサービスを運用しています。
サンドボックスに参入を果たしている企業は、海外企業から国内企業までさまざまです。代表的な参入企業について、どのような事業をしているのか紹介します。
海外企業の参入事例
以下のような海外企業が、サンドボックスに参入しています。
- TIME
- GUCCI
- ワーナー・ミュージック・グループ
それぞれの企業について詳しく解説します。
TIME
アメリカの著名なニュース誌であるTIMEは、バーチャル版「タイムズ・スクエア」の再現を計画しています。この壮大な計画は、ニューヨークで開催されたNFTのイベントにて発表されました。
TIMEは既に、サンドボックス内にLANDを持っています。保有するLANDにバーチャル版のタイムズ・スクエアを構築し、ユーザーを集めたり、芸術・商業の集積地としたりする計画です。
GUCCI
GUCCIとは、イタリアを拠点とする高級ファッションブランドです。一見メタバースとの親和性は低くみえますが、サンドボックス内のLANDを購入しています。
GUCCIがサンドボックス内で行う事業は、現時点で明確には公表されていません。GUCCIのデザイナーにより作られたアイテムを、サンドボックスで購入したり使ったりなどが期待されています。
ワーナー・ミュージック・グループ
ワーナー・ミュージック・グループは、アメリカに本拠を置くレコード会社です。ユニバーサルミュージックやソニー・ミュージックエンタテインメントとともに、世界三大レーベルと言われています。
ワーナー・ミュージック・グループはサンドボックスと提携し、音楽テーマパーク・コンサート会場の作成を発表しました。ワーナー・ミュージック・グループに所属するアーティストの登場が期待されています。
日本企業の参入事例
以下のような日本企業が、サンドボックスに参入しています。
- 渋谷109
- エイベックス・テクノロジーズ
- スクウェア・エニックス(スクエニ)
それぞれの企業について詳しく解説します。
渋谷109
渋谷109はサンドボックスと提携し、「SHIBUYA109 LAND」の開設を進めています。SHIBUYA109 LANDの開設に先駆けて、オリジナルのグッズもサンドボックス内で発売されました。
SHIBUYA109 LANDでは、さまざまなイベントやオリジナルのNFT、ミニゲームや広告発信などが予定されています。渋谷109のネットワークを活用したアーティスト・キャラクターとのコラボにも注目です。
エイベックス・テクノロジーズ
エイベックス・テクノロジーズは、サンドボックスとパートナーシップ体制を構築しています。目的は、サンドボックス内のテーマパーク「エイベックスランド(仮称)」の作成です。
エイベックスランドでは、アーティストのライブやファンミーティングなど、アーティストとファンの交流が期待されています。NFTアイテムの販売も検討されており、今後の進展が注目されるテーマパークです。
スクウェア・エニックス(スクエニ)
スクウェア・エニックスはサンドボックスと提携し、知的財産権を意味する、ゲームIPの導入を発表しています。スクウェア・エニックスは大手ゲームソフトメーカーであるため、メタバースとの親和性は高いでしょう。
スクウェア・エニックスは、既にサンドボックス内にLANDを保有しています。今後は、RPGゲームである「ダンジョン シージ」の展開をLANDにて予定しており、実現すれば双方向的な体験が可能です。
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サンドボックスの始め方をやさしく解説
サンドボックスを実際に始める方法についてやさしく解説します。始め方に難しい箇所は特になく、誰でも簡単に始められるでしょう。
対応PCとウォレットがあれば始められる
サンドボックスは、対応PCとウォレットがあればすぐに始められます。WindowsとMacには対応していますが、スマートフォンやChromebookなどには非対応ですので、注意が必要です。
以下の4つのウォレットが、サンドボックスに対応しています。
- MetaMask
- Coinbase
- Bitski
- Venly
以上4つの中でも、特にMetaMaskがおすすめのウォレットです。
サンドボックスの始め方
サンドボックスは、以下のステップで始められます。
- MetaMaskウォレットを作成する
- MetaMaskにSANDを入金する(後でもOK)
- サンドボックスアカウントを作成する
それぞれのステップについて詳しく解説します。
1.MetaMaskウォレットを作成する
サンドボックスを始めるにあたり、MetaMaskのウォレット作成が必要です。サンドボックスは日本人向けに、MetaMaskを推奨しています。
MetaMaskをインストールするには、MetaMaskの公式サイトにアクセス。サイトにアクセスしたら、「Download Now」をクリックします。対応しているブラウザーは、以下の4つです。
- Google Chrome
- Firefox
- Brave
- Microsoft Edge
MetaMaskの拡張機能を追加したら、「ウォレットの作成」を選択してセットアップを開始します。続いてパスワードを作成し、利用規約の内容に同意すれば、MetaMaskウォレットの作成は完了です。
2.MetaMaskにSANDを入金する(後でもOK)
サンドボックスを利用するためには、MetaMaskにSANDを入金する必要があります。SANDの入金は、必ずしもこのタイミングで行う必要はなく、後からでも問題ありません。
日本でSANDを購入できるのは、Coincheckのみです。Coincheckを利用するには、Coincheckの口座を開設する必要があります。口座開設時には、本人確認書類が必要です。
Coincheckの口座を開設したら、指定の口座に入金した上で、SANDを購入します。Coincheckには「販売所」と「取引所」がありますが、SANDが取り扱われているのは販売所です。最後に、購入したSANDをMetaMaskに入金して完了となります。
3.サンドボックスアカウントを作成する
MetaMaskウォレットの準備が完了したら、サンドボックスのアカウントを作成します。サンドボックスのトップページが表示されたら、右上にある「サインイン」をクリックしてください。
サインインをクリックすると、「ログインまたはアカウントの作成」と表示されます。キツネマークのMetaMaskを選択し、既に登録したパスワードを入力すると、ロック解除が可能です。
ロックが解除できたら、サンドボックスで使うMetaMaskアカウントを選択し、「次へ」をクリック。続いて、サンドボックスがMetaMaskアカウントを操作する許可を行ってください。
最後に、メールアドレスとニックネームを入力します。「Game Maker」で使うパスワードを設定すれば、サンドボックスのアカウント作成は完了です。
サンドボックスおすすめの進め方や遊び方を紹介
サンドボックスには、多くの進め方や遊び方が用意されています。自分が楽しめる進め方・遊び方を見つけられれば、サンドボックスを長く続けられるでしょう。
おすすめの進め方・遊び方
サンドボックスのおすすめできる進め方・遊び方として、以下の4つが挙げられます。
- クエストをクリアする
- アイテムやゲームを制作する
- アイテムや土地を売買する
- アバターをカスタマイズする
それぞれの進め方・遊び方について詳しく解説します。
クエストをクリアする
サンドボックス内には、いくつものクエストが用意されています。クエストをクリアすれば、NFTが貰える企画の抽選券を獲得可能です。
クエストがある場所には、!マークが存在します。クエストをしたい時は!マークがある場所へ行き、そこで会話を聞きましょう。
サンドボックス内では、以下のようなクエストを楽しめます。
- 青い結晶を集める
- 指定されたエリアに行く
- パルクールコースをクリアする
- 困っている人を助ける
- 人探しをする
- 4択クイズに正解する
- 数字を順番に回答してコードを完成させる
- 敵を倒す
- ストーリーを進める
多種多様なクエストがあるので、飽きずに長く楽しめるでしょう。
アイテムやゲームを制作する
サンドボックスでは、用意されたものを楽しむだけでなく、自分でアイテムやゲームを制作できます。その際に使用するのが、VoxEditとGame Makerです。
VoxEditとは、メタバースで利用可能なボクセルNFTを作成できる、無料のソフトウェアのこと。ダウンロードしクリエイターファンドのアーティスト登録を行えば、誰でも使えます。モデルが完成したら、簡単にマーケットプレイスへエクスポート可能です。
Game Makerとは、プログラミング不要のゲーム制作ツール。VoxEditと同様に、誰でも無料で使えます。Game Makerで作成したゲームは、ギャラリーにて友人などとのシェアが可能です。
アイテムや土地を売買する
サンドボックス内では、アイテムや土地(LAND)の売買が可能です。売買はNFTショップという市場で行われており、NFTショップではSANDが利用されています。
SANDで購入されたアセットは、自分のLANDへの取り込みが可能です。お気に入りのアセットが購入できれば、自分のLANDがより楽しい場所になるでしょう。
土地を購入すれば、そこでさまざまな活動が可能です。Game Makerで作成した自分のゲームを、自分のLANDに用意すると面白いかもしれません。
アバターをカスタマイズする
サンドボックスでさまざまな活動を楽しむにあたり、アバターは欠かせない存在です。アバターは自分で作成もできます。
アバターには、自分で制作したり市場で購入したりした、さまざまなアイテムを装備可能です。アイテムを装備すると、アバターの持つ属性が強化されます。VoxEditを利用すれば、自分で装備品を作成可能。
アバターのカスタマイズ機能も搭載される見込みです。衣装やヘアスタイルを自分好みに組み合わせて、オリジナルのアバターを作れます。自分だけのアバターができれば、サンドボックス内での交流がより楽しくなるでしょう。
まとめ
サンドボックスとは、世界的に人気を集めているNFTゲームプラットフォームであり、独自の仮想通貨SANDが使われています。世界中の有名企業も続々と参入しており、今後の規模拡大も期待できるでしょう。
サンドボックスは、対応しているPCとウォレットがあれば、誰でも簡単に始められます。クエストのクリアを目指したり、アイテムやゲームを制作し売買したりなど、多くの楽しみ方がサンドボックスでは可能です。
サンドボックスに興味を持った人は、ぜひサンドボックスのアカウントを作成し、プレイしてみましょう。
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