新型コロナウイルスの感染拡大により、企業ではテレワークの導入が急速に進みました。また、個人ではオンラインスマホ用ゲームアプリやPCゲームの普及が拡大し、オンラインによる仕事や友人とのコミュニケーションが日常化しています。
このような状況下で注目が集まっているのが、仮想空間でアバター(自分の分身キャラクター)による活動をする「メタバース」です。
メタバースは、5G関連の技術が進歩するとともに、今後急成長が見込まれるイノベーション分野として注目されています。「Facebook」がメタバース市場を意識して「Meta」に社名変更したことは有名です。
メタバースでは、アバターやアバターが付ける衣装やアクセサリーなどを購入する際に、指定された仮想通貨(NFT)で購入する必要があります。つまり、人気が高いメタバースサービスサイトで採用されている仮想通貨(NFT)は価値が上がり易いのです。
そこで、当記事ではメタバースのさまざまなサービスで使用されている代表的な仮想通貨(NFT)のエンジンコイン(ENJ)について、その特徴や始め方、将来性まで解説します。
メタバース エンジンコイン(ENJ)とは?
エンジンコイン(ENJ)とは、「Enjin Platform」というエンジンコイン専用のブロックチェーン上で使用できる仮想通貨になります。
エンジンコインの基本情報
ティッカーシンボル | ENJ |
現在価格(2023/1/26) | 54.16円 |
開始日 | 2017年9月 |
時価総額 | 541億円 |
発行上限数 | 1,000,000,000 |
時価総額ランキング | 89位 |
開発元 | Enjin Pte Ltd(シンガポール) |
オフィシャルサイト | https://enjin.io/ |
ホワイトペーパー | https://docs.enjin.io/enjin-documentation/enjin-docs-navigation |
公式Twitter | https://twitter.com/enjin |
エンジンコインは、主にゲーム分野でキャラクターやアイテム、報酬などで使用されているイーサリアムベースの仮想通貨です。2017年にリリースされ、日本国内では2021年に国内取引所である「コインチェック」と「GMOコイン」で上場を果たしています。
エンジンコインの現在価格
その価格は、2021年11月24日に最高値443.34円をつけて以降、翌年のロシアウクライナ戦争の影響を受けて下降トレンドに転換、2022年12月30日に直近安値30.63円をつけました。
以降は、短期間で58.31円まで反発し、現在50円台で推移しています。仮想通貨はビットコインやイーサリアムなど時価総額上位の通貨の価格変動の影響を受けやすく、エンジンコインも例外ではないようです。
エンジンクラフト(Enjin Craft)の人気が高い
エンジンクラフト(Enjin Craft)をはじめ、複数のゲームメーカーがエンジンコインを人気ゲームに採用したため、2,000万人以上のユーザーが複数のゲームで利用している実績があります。
エンジンクラフトとは、超人気ゲーム「マインクラフト」のサーバーとエンジンコインのブロックチェーンの連携を可能にしたプラグインです。
このことで、エンジンコインをNFT(非代替性仮想通貨)として利用し、マインクラフトをプレイして作ったアイテムを売買できるようになり人気を集めています。つまり、人気ゲームで遊びながら稼げる環境(Play-to-earn)が実現したのです。
メタバース エンジンコインの特徴
メタバース エンジンコインの特徴は、エンジンプラットフォーム(Enjin Platform)が提供される点です。
エンジンコインのEnjin PlatformでNFTを作成できる
エンジンプラットフォーム(Enjin Platform)とは、プレイするゲームのアイテム購入や報酬などにエンジンコインを使えるようにするオンラインゲーム環境です。
エンジンプラットフォームは、特にブロックチェーン技術の知識がなくてもNFTを発行できるため、これが2000万人規模のユーザーを獲得できている最大の要因となっています。
NFTをマーケットプレイスで売却できる
エンジンプラットフォームで作ったアイテム(商品)に値付けすると、アイテムをマーケットプレイス(取引所)に出品して売却することができます。
これまでゲームのアイテムやキャラクターなどの商品は、ゲームを開発したメーカーだけがプレーヤーに販売し収入を得ていました。
しかし、NFTゲームではエンジンプラットフォームとマーケットプレイスを利用してプレイヤーが他のプレイヤーに商品を出品して売買できるのです。
このことで、文字通り「ゲームをプレイすることで収入を得る」ことが実現しています。
メルティング機能がある
エンジンコインのトークン規格ERC-1155には、メルティング機能が備わっています。このメルティング機能により、次のことが可能です。
- ブロックチェーン上にあるNFTデーターをバーン(焼却)できる
- バーンしたNFTを取り出せる
- 取り出したNFTをエンジンコイン戻せる
メルティング機能は、例えばマーケットプレイスに出品したアイテムやキャラクターが売れずに在庫に残ってしまった場合、エンジンコインに戻して無駄を省けるというものです。
この機能は、エンジンウォレット(Enjin Wallet)という専用のウォレットから実行可能ですが、別途手数料はかかります。そのため、アイテムなどの売り出し価格とメルティング手数料を比較して判断できるので便利です。
エンジンコインのメリットとデメリット
エンジンコインのメリットとデメリットをまとめましたので、参照してください。
エンジンコインのメリット7つ
- マーケットプレイスでは、QRコードで簡単に取引できる。
マーケットプレイスではQRコードでアイテムを簡単に売買できるので、その分買いやすく売れやすいと言えます。
- エンジンプラットフォームで誰でも簡単にNFTトークンを作成でき、メタバースアプリやゲームと統合できる。
先述したとおり、エンジンコインは誰でも簡単にNFTトークンが作成できます。 - 独自のエンジンウォレットにより、NFT取引を処理できる。
エンジンウォレットの機能を使って、在庫などの無駄を省けます。 - マーケットプレイスでは100万以上のアイテムが出品されており、既に500万ENJの取引実績をもつ大きな市場がある。
- エンジンコインは、マイクロソフト(Microsoft)、サムスン(Samsugn)、ユニティ(unity)といった大手企業のバックアップを受けており安全性が高い。
今後も大手企業の参入が噂されていますので、価格が高騰する可能性があります。 - 2023年1月現在、高騰前の価格付近で推移しており「最低500円から投資」できる。
サムスンが「Galaxy S10」搭載の仮想通貨ウォレットにエンジンコインがラインナップされることが発表された翌月に、前月比800%も価格が高騰した実績があります。 - エンジンコインは、発行上限10億ENJが設定されており、数億人がプレイしたり利用するゲームやメタバースサービスで利用が増えると高騰する可能性がある。
エンジンコインデメリット3つ
- 仮想通貨は、資産性の裏付けがない。
ドルや円などの法定通貨には通貨を扱う国の経済力(供給力)という裏付けがありますが、仮想通貨にはありません。 - 短期的なボラティリティ(値動き)が大きい。
数週間で数倍というボラティリティがあり、その分リスクがあります。 - 専用ウォレットのハッキングリスクはゼロではない。
ハッキングによる仮想通貨の盗難事件は以前よりも減少傾向にあるものの、オンラインウォレットである以上、ハッキングが発生しない保証はありません。
メタバース エンジンコインの始め方と入手方法
エンジンコイン(ENJ)の入手方法について、解説します。
エンジンコインの入手方法
エンジンコインを入手する際は、以下の手順で準備しましょう。
- エンジンウォレットをダウンロードする
エンジンコインを保管する「エンジンウォレット」を、Google PlayまたはApp Storeでダウンロードします。なお。エンジンコインはメタマスクには対応していません。 - エンジンコインを購入する
エンジンコイン対応のゲームは無料で利用できるものが殆どです。しかし、ゲーム内で課金する可能性がある場合は、事前にエンジンコインを購入する必要があります。
- エンジンコインをウォレットに送金する
購入したエンジンコインを次の手順で送金します。
①エンジンウォレットを開く
②ウォレットアドレスをコピーする
③エンジンコインを購入した取引所の「資産の送金」「仮想通貨の送金」などを選択する
④送金先欄にコピーしたウォレットアドレスを貼り付けて送金する
国内でエンジンコインを購入できる取引所は次の2社です。
コインチェック(CoinCheck)
取引所名 | コインチェック(CoinCheck) |
仮想通貨取扱銘柄数 | 19銘柄 |
取引手数料 | 無料(但し販売所はスプレッドあり、出金手数料あり) |
最低取引額 | 500円 |
公式サイト | https://coincheck.com/ja/ |
国内の暗号資産取引アプリダウンロード数が、3年連続1位の仮想通貨取引所です。マネックス証券の子会社で取引画面や操作性が好評のPC版は、ユーザー間でビットコインを直接手数料完全無料で売買できる取引所サービスもあります。(スマホ版は販売所のみ)
仮想通貨を貸し出して手数料がもらえる貸仮想通貨サービスやコインチェック積立機能で計画的にエンジンコインを貯めていくモードなどもあります。このように初心者にも分かり易いサービスがあるのが特徴です。
また、コインチェックにはコインチェックNFT(マーケットプレイス)があるので、エンジンコインの売買だけでなく、NFTの相場を確認したり売買するのも便利です。
DMM Bitcoin
取引所名 | DMM Bitcoin |
仮想通貨取扱銘柄数 | 24銘柄(レバレッジ取引を含む) |
取引手数料 | 無料(入出金共無料、販売所はスプレッドあり) |
最低取引額 | 0.0001BTC(現物) |
公式サイト | https://bitcoin.dmm.com/ |
エンジンコインが日本国内でもう一つ上場を果たしたのが、DMM Bitcoin。現物取引だけではなく、最大2倍のレバレッジ取引もできるのがDMM Bitcoinの特徴です。
ただし、レバレッジ取引ではエンジンコインの現物を入手することはできないので、レバレッジ取引の説明は割愛します。
DMM Bitcoinは、現物の取引手数料は無料ではあるものの、取引方法は販売所方式のみでスプレッド(売値と買値の差額)が広いのがデメリットと言われています。
つまり、売るときは市場価格よりも安く、買うときは高くなってしまうので具体的な条件をよく確認して選択しましょう。
GMOグループには、「Adam byGMO」というNFTマーケットプレイスがありますので、NFTを売買する際は便利です。
エンジンコインで遊べるゲーム5選
エンジンコインで遊べるゲームをご紹介します。
EnjinCraft(エンジンクラフト)
Enjin Craft(エンジンクラフト)は、マインクラフトで獲得した土地やアイテムをNFT化することで、マーケットプレイスで売買できます。
マインクラフトと基本操作は同じものの、キャラクターの職業選択やレベル上げが異なるため、マインクラフトプレイヤーも新たなスタンスで楽しめるでしょう。
Crystal of Fate(クリスタル オブ フェイト)
Crystal of Fate(クリスタル オブ フェイト)は、トレーディングカードゲームです。1ゲームあたり2分から5分程度で対戦が完了するため、勝敗が速くカードを勝ち取るまたは失うのも早いので注意が必要です。
ゲームの利用は無料でアプリにも対応しているので、スマホでも楽しめます。レアなカードを獲得すると、マーケットプレイスに売り出すと高値で売れることもあります。
Lost Relics(ロストレリクス)
Lost Relics(ロストレリクス)は、ダンジョンに隠されたNFTアイテムを見つけ出すアドベンチャーゲームです。
基本操作は、「移動・攻撃・アイテムを使用」とシンプルで、PCゲームのキーボード操作に慣れていない人でも楽しめるゲームと言えます。
「Enjin Multiverse」で紹介されている他のゲームとのコラボレーションも行われているため、他のゲームで獲得したアイテムもロストレリクス内で使用できるところが面白い点です。
これら獲得したアイテムは、マーケットプレイスで売買できますので、レアなアイテムを見つけた際は、良い価格で売ることもできます。
The Six Dragons(ザ・シックスドラゴンズ)
The Six Dragons(ザ・シックスドラゴンズ)は、ドラゴンに制圧された土地の奪還と解放を目指すファンタジーRPGゲームです。ゲーム内の土地の広さは256㎡で、なんと10億種以上のダンジョンがあります。
無限に広がる土地を探索しながら貴重なアイテム素材を見つけて、300以上もあるアイテムを作ることができます。
複数の素材とアイテムを組み合わせてオリジナルNFTアイテムを作成できるため、クリエイティビティの高いアイテムが生まれるかもしれません。
当然、レアなアイテムはマーケットプレイスで高く売れる可能性があります。
Age of Rust(エイジオブラスト)
Age of Rust(エイジオブラスト)は、ストーリー性の高いアドベンチャーパズルゲームです。AIが銀河系を支配した未来という設定で、謎解きと戦闘要素も含まれています。
ミッションをクリアするとNFTが報酬として付与されますが、クイズの難度はかなり高いのでチームで取り組む人が多いようです。
難度が高い分、獲得できるNFTアイテムは価値が高い傾向なので、やりがいを感じる人も多いと言われます。報酬はエンジンコインだけでなく、ビットコインが付与されることもあります。
以上、エンジンコインをNFT化し稼げるゲームを一部ご紹介しました。エンジンコインの探索プロジェクトでは、これら以外にも続々と興味深いゲームがリリースされているので、メタバースの世界を体験してみてはいかがでしょうか。
メタバース エンジンコインと仮想通貨全体の将来性
エンジンコインの将来性について、予測しているサイトが目立ちます。その中で、当サイトでも先述したとおり、エンジンコインが大手企業と提携すると高騰するという見解が多いですが、実際はどうなのでしょう。
仮想通貨で時価総額、人気共にNo1のビットコイン(BTC)とエンジンコインを比較してみました。
ビットコインは、2021年年初より急上昇し、2021年11月に最高値をつけた後、下降トレンドに転換し2022年12月に直近安値をつけています。
一方、エンジンコインも同様であることが分かります。つまり、原則仮想通貨はビットコインやイーサリアム(ETH)と同様の動きをする訳です。
また、ビットコインは米国ナスダック平均株価と同様の動きをすると言われており、ナスダックが下落するとビットコインも下落します。
つまり、ナスダック平均株価と仮想通貨は殆ど連動しているのです。
加えてビットコインが、これまで高騰する際には以下のマイニングの報酬半減期を迎えることをきっかけとした周期で高騰してきました。
半減期 | マイニング報酬の推移 | 回数 |
2012年 | 50BTC→25BTC | 1回目 |
2016年 | 25BTC→12.5BTC | 2回目 |
2020年 | 12.5BTC→6.25BTC | 3回目 |
2024年(予想) | 6.25BTC→3.125BTC | 4回目 |
次の半減期は2024年になりますから、次は2024年後半か2025年の年初より高騰する可能性があります。
どうも、マイニングの半減期を目安とした方が大手企業との提携を待つよりも可能性が高いように思えないでしょうか?
株式相場環境をみても、アメリカ政策金利のかつてないピッチの0.75%の利上げをFRBが繰り返した影響はこれから出てくるのではないかと言われています。アメリカのインフレも現状は高止まりしており、決して見通しが良い環境ではありません。
ということは、もう一段仮想通貨相場が下げてもおかしくないとゆったりと構え、一度に大きく購入しなくても良いのではないでしょうか。
2024年後半か2025年年初から回復するというのは、まんざらでもないと考えるのが自然かもしれません。
まとめ
メタバース エンジンコインをテーマに、その特徴と始め方、NFTゲームや将来性まで解説しました。
仮想通貨は、ナスダック株市場と連動し、ビットコインやイーサリアムの値動きに影響されることを説明しました。勿論、100%株式相場に連動する訳ではないものの、相場の大きな流れとして影響されることがチャートから見て取れました。
ただ、NFTゲームの良いところは遊びながら稼げるPlay-to-earnを実現している点です。現在、エンジンコインはかなり安くなっていますが、次の仮想通貨が高騰するまでに必要な分だけ購入して、Play-to-earnでゲームを楽しみながら貯蓄して備えましょう。
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