TechCrunchによると、AIスタートアップAnthropicは、OpenAIと競合し、12以上の主要な業界に参入するために、今後2年間で最大50億ドル(約6,500億円)を調達することを目指しているという。

参考:Anthropic’s $5B, 4-year plan to take on OpenAI

Anthropicが大規模な資金調達を計画

Anthropicは、元OpenAI研究者によって設立されたAIスタートアップ。元OpenAIの上級スタッフによって2021年に設立された。AnthropicのCEOであるダリオ・アモデイは、OpenAIの元研究副社長。ダニエラ・アモデイは、「方向性の違い」を理由にOpenAIを去ったと言われている。

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AnthropicのシリーズCの資金調達ラウンドのピッチデッキで長期目標および資金調達計画が明らかになった。同社は、「Claude-Next」と呼ばれるフロンティアモデルを構築する計画で、現在の最先端のAIの10倍の性能を持つとしているが、これには今後18か月間で1,000億円の投資が必要になるとされている。

TechCrunchが入手したピッチデッキでは、同社が4兆1000億円の企業価値で300億円を調達しようとしており、「機密投資家」から半額が調達されていたとされている。また記事によると、Anthropicは資金調達と開発目標について前向きに考えており、「開発するAIモデルは経済活動の大部分を自動化することができ、2025/26年にモデルを開発する企業は、その後追いつくことができない」と記載されていたという。

Anthropic”虎の子”「Claude-next」

Claude-nextモデルは、今年3月にリリースされたAnthropicのチャットボットClaudeの後継モデル。現在、Claudeは法的文書の要約と分析、カスタマーサービスのメールやチャット、コーディング、自然言語検索などのタスクに使用されている。Anthropicは、自社の憲法AIトレーニングアプローチがOpenAIのChatGPTよりも有害性が低く、操作性が高いと主張している。

このモデルは、「AI自己学習の次世代アルゴリズム」と説明され、Anthropicが開発した「憲法型AI」と呼ばれるAIトレーニング技術が参照されている。このモデルは、仮想アシスタントを構築し、メールへの返信、リサーチ、アートや書籍の生成などが可能になるという。

Anthropicの成長戦略

Anthropicの成長戦略は、より高性能で人間の意図に沿ったAIモデルの開発に焦点を当てることだ。その主要なプロジェクトである「Claude-Next」は、ピッチの内容ではあるものの、現在の最先端のAIモデルよりも10倍の性能を持つとしている。

ジェネレーティブAIの競合環境は激化の一途を辿っている。AnthropicはOpenAICohereAI21 Labsなどのスタートアップと競合しているが、これらの企業も独自のテキスト生成や画像生成AIシステムを開発・商品化を進めている。また当然ながらGoogle、Meta、AdobeといったITジャイアントも競合となる。

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OpenAIは、Microsoftを味方につけ資本調達の面で圧倒的なリードを築いているものの、Anthropicは「Claude-Next」の開発や彼らが謳っている憲法型AIの技術的優位性をプロモーションして、競合相手に対抗する必要がある。

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また、Anthropicは複数の主要業界への参入を計画しており、法律文書の要約分析、顧客サポート、プログラミング、自然言語検索などの分野で多岐にわたる業界で展開していくことが予想される。これにより、特化型したソリューションで多様な顧客層へのアプローチが可能となれば、市場シェアの獲得が加速される可能性はある。

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