中国テック企業であるSenseTimeグループが、OpenAIのChatGPTに対抗するジェネレーティブAIについて発表したとBloombergが伝えた。SenseTimeは、ChatGPTに類する対話型AIを開発しているとの噂があり、株価が急騰していた。
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SenseTimeが対話型AI領域に参入
SenseTime(中国語:商汤科技)は、香港を本拠地とするAI企業で、中国、インドネシア、日本をはじめとしてアジア各国にオフィスを構えている。同社は、顔認識、画像認識、物体検出、光学式文字認識、医用画像解析、ビデオ解析、自動運転、リモートセンシングなどのAI技術を開発している。中国でもAI分野で指折りのテック企業とされており、ソフトバンクグループも出資している。
SenseTimeグループのCEOであるシュー・リー・チェン氏は、4/10の同社プレゼンテーションでSenseChatを公表。AIが猫の物語を語り、一連の質問に答えた後、コードを書くように求められる様子がBloombergによって報じられた。
中国企業では、中国の検索大手企業であるBaiduが、対話型AIである「Ernie Bot」を公表している。中国では、OpenAIが提供するChatGPTは、「不都合な情報を回答する懸念がある」として当局によって利用禁止されているため、SenseChatの主な競合はErnie Botということになるだろう。
SenseChatの評価と影響
OpenAIが2022年11月にChatGPTを一般公開して以来、ジェネレーティブAIの開発競争は激しくなる一方だ。中国企業のみならず、GAFAMを始めとするあらゆるテックジャイアントがリソースを配賦し、次々に注目のAIサービスをリリースしている。
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SenseTimeが開発したSenseChatは、Ernie BotやChatGPTに対抗する新しいチャットボットとして注目に値するだろう。一方で、全貌が明らかにはなっていないものの、正確性や倫理面で、ChatGPTと同様の課題があると想定されるため、利用や今後の普及には慎重な評価が必要となるだろう。
大きなポテンシャルとインパクトが想定されるジェネレーティブAI領域において、巨大な人口を抱える中国国内での覇権争いは、今後のテクノロジー業界の構図を書き換えかねない。その動向が注目される。