GitHubは、Microsoft傘下のプラットフォームであるGitHubは、次世代のAIパワードソフトウェア開発の新たなステップとしてCopilot Xを発表している。コード補完のためのジェネレーティブAIを利用する最高のプラットフォームの1つとして知られているGitHubは、OpenAIとの協力をさらに進め、新たなGPT-4モデルを採用して、開発プロセスのさらなる段階でツールの機能を拡大している。

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新しいソフトウェアはVS StudioVS Codeに接続し、AIペアプログラマにチャットと音声インターフェースを導入している。これにより、開発者はより効率的で革新的な方法でコーディングプロセスに取り組むことができる。

Copilot Xの目標とアップデート全体像【これまでとの違い】

元々のCopilotは、2021年に登場したシンプルなAIパワードツールであり、開発者のエディタウィンドウ内で動作し、プログラマがコードの行やセクションを自動補完するのを助けるためのものだった。これは、GPT-3モデルをベースにしており、その学習データには、自然言語やGitHubリポジトリから選択された何十億ものコード行が含まれている。

その登場以降、コーディングプロセスを次のレベルに高める大きな変革をもたらした。同社のCEOであるThomas Dohmkeによれば、このソフトウェアはすでに「コードの46%を書いており、開発者が最大55%速くコードを書くのを助けている」という。

コードを自動補完し、大量の時間を節約することで、開発者の集中力を維持し、生産性を高めるAIペアプログラマとして機能する。Copilot Xでは、AIパワード自動補完ツールとしての機能を超えることを目指している。エディタを超えて開発ライフサイクル全体で利用できるAIツールにソフトウェアを変えることを目的として開発されている。

さらなる機能として、GitHubはCopilot Xが、各コーディングプロジェクト、チーム、リポジトリごとのカスタマイズを開発者に提供することを明らかにしている。ツールには、コードエディタ用のCopilot Chatというチャットインターフェースがある。これは、VS CodeとVisual Studioにネイティブで統合されている。これにより、プログラマが入力したコードの種類や表示されるエラーメッセージを特定し、統合開発環境に埋め込まれる。また、チャットインターフェースには、GitHubの音声コーディングAI技術拡張であるCopilot Voiceも搭載されている。これにより、開発者は口頭で自然言語のプロンプトを提供して、コード内で質問に回答したり、提案を行うことができる。

Copilot Xの主要機能と主な使い方

Copilot ChatとCopilot Voiceによる対話型コーディング

Copilot Xは、対話型コーディングを実現するために、Copilot ChatCopilot Voiceという2つの新しいインターフェースを導入している。Copilot Chatは、先述の通り、コードエディタ用のチャットインターフェースであり、VS CodeやVisual Studioにネイティブに統合されている。このチャットインターフェースを利用することで、開発者はプログラムの入力やエラーに関する質問に対して、AIによる助言をリアルタイムで受けることができる。これにより、開発者はコーディングの途中で解決策を検索したり、他のメンバーに質問する手間を省くことができる。

一方、Copilot VoiceはGitHubの音声コーディングAI技術を拡張し、開発者が自然言語での口頭プロンプトを提供することができる機能である。これにより、開発者はキーボードを使わずにコードの質問に回答したり、提案を行うことができる。音声入力により、開発者はより効率的にコードを生成し、編集することができる。

Copilot ChatとCopilot Voiceを組み合わせることで、開発者はさまざまな状況でAIの助けを借りることができる。例えば、チームでのコラボレーションの中で、特定のコードの修正や機能の追加に関するアイデアを共有する際に、AIの助言を得ることができる。また、開発者が複雑な問題に直面した際にも、Copilot ChatやCopilot Voiceを使用して、解決策を見つけることができる。

これらの対話型コーディング機能は、開発者の生産性を向上させるだけでなく、コーディングの質にも寄与する。AIによる助言を得ることで、開発者はより効率的かつ正確なコードを作成することが可能となり、プロジェクト全体の品質向上につながる。

開発者の効率向上に貢献するCopilot CLI

Copilot Xは、開発者の効率向上を目指し、コマンドラインインターフェース(CLI)の形で提供されるCopilot CLIを導入している。Copilot CLIは、開発者がターミナル上でAIを活用し、コーディング作業を効率化することを目的としている。開発者は、CLIを使用して、すばやくコードスニペットを生成したり、関数やライブラリの検索を行うことができる。

Copilot CLIは、開発者が手動でコードを検索し、適切なリソースを見つける手間を大幅に減らすことができる。例えば、APIのドキュメントや利用方法に関する質問をするだけで、Copilot CLIが適切な回答やサンプルコードを提供する。これにより、開発者はタスクの実装に専念し、コーディングの速度を向上させることができる。

さらに、Copilot CLIは、開発者が新しい技術やフレームワークを学習する際にも役立つ。例えば、新しいプログラミング言語の構文やライブラリの使用方法を習得する際、Copilot CLIを活用することで、効率的に学習を進めることが可能である。これにより、開発者は短期間で新たなスキルを習得し、プロジェクトに適用することができる。

Copilot CLIの導入により、開発者はコーディング作業全体が効率化され、生産性が向上することが期待される。ターミナル上でのAIの活用は、開発者の作業をさらにスムーズに進めるための強力なツールとなるであろう。

Copilot Xの料金・価格体系は?

Copilotの料金・価格体系は、GitGubのウェブページに記載がある。

GitHub Copilotは、個人アカウント向けの「GitHub Copilot for Individuals」と組織アカウント向けの「GitHub Copilot for Business」の2つのプランで利用できる。個人アカウントでは、60日間の試用版が提供され、試用期間終了後は月額10ドルまたは年額100ドルで利用可能だ。ただし、2021年7月から2022年6月までの無料のテクニカルプレビュー期間中に参加していた場合、30日間の試用版の対象にはならない。

GitHub Copilot for Businessプランは、ユーザーあたり月額19ドルで提供され、請求は各請求期間の終わりに処理される。割り当てられたシート数に基づいて請求され、途中で割り当てられたシートは日割り計算される。

学生、教師、および一般的なオープンソースリポジトリの保守担当者には、無料のGitHub Copilotサブスクリプションが提供される。オープンソース保守担当者は条件を満たすと自動的に通知され、学生はGitHub Student Developer Packを受け取っている場合、無料のサブスクリプションが提供される。

尚、Copilot Xに関する料金・価格体系は公には触れられてcいないため、問い合わせる必要がある。

GitHub Copilot Xを利用するには?いつ正式リリースなのか

https://twitter.com/ashtom/status/1638541096702603267?s=20

GitHub Copilot Xは現在テクニカルプレビューの状況であるため、利用するにはCopilot Xのサイトから登録しておくと良い。一般公開された段階で、利用できるようになるはずだ。エンジニアにとっては、開発体験が大きく変わるプロダクトであることは間違いなく、忘れずに登録しておきたい。

GitHub Copilot X:生産性向上の一方でリスク抑制も重要

GitHub Copilotは、AI技術を活用したコード補完ツールとして開発者の生産性向上に大きく貢献しています。Copilot Xの新機能、Copilot ChatとCopilot Voiceが追加されることで、対話型コーディングが実現され、さらなる効率化が期待できます。また、Copilot CLIを使用することで、さまざまな開発環境やプラットフォームに対応し、多くの開発者にとって便利なツールとなるでしょう。

しかしながら、GitHub Copilotの普及に伴い、著作権や知的財産権の問題が懸念されることがあります。適切なソースコードの引用や著作権者への配慮が求められる場面もあるでしょう。また、AIによるコード生成が完璧でないため、開発者は自動生成されたコードの品質やセキュリティを確認する責任があります。

総じて、GitHub Copilotは革新的な開発支援ツールであり、開発者の生産性向上に大いに役立つと考えられますが、その利用にあたっては、著作権や知的財産権の問題や生成されたコードの品質管理に十分注意することが重要です。

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