Microsoftが提出していた特許によれば、同社はソニーのPS VR2と競合する独自の仮想現実技術を開発中である可能性がある。
参考:HEAD-MOUNTED DISPLAY WITH EYE-TRACKING SYSTEM
参考:USER-SPECIFIC EYE TRACKING CALIBRATION FOR NEAR-EYE-DISPLAY (NED) DEVICES
Microsoft、VRヘッドセット関連の技術特許を提出
Microsoftは、将来のVRヘッドセットに関連する可能性のある新しい特許を提出した。同社は直近、Microsoft社長がCMAによる取引のブロックを批判したActivision Blizzard買収が話題となっているが、Activision Blizzard取引が多くの時間と労力を費やしているように見えるにもかかわらず、舞台裏で他の多くのことが進行中である。
現時点では、PlayStationがPS VR2を通じてVR互換性を誇る唯一の家庭用ゲーム機である。任天堂も、Switch用の組み立て式ケースが含まれたLaboキットを使って、より小規模ながらVRに手を出している。しかし残念ながら、任天堂のLaboはプレイヤーに受け入れられなかった、と言える。
さらに、ソニーのPS VR2も、売上面で同社の期待に応えられていない。MicrosoftはVRにあまり関心を示しておらず、その分野はソニー、Meta、Valveなどが支配していると言える。
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Microsoftの新しい特許である強化されたアイ・トラッキング・システムは、将来のVRヘッドセットの一部として使用される可能性がある。特許には、自己校正機能を持ち、デバイスの変形やその他の変更に対応するシステムが記載されている。
この特許は、自己校正ができ、変形に対応できる堅牢なアイ・トラッキング・システムは、直感的で使いやすいVRシステムの一部を形成する可能性がある。この特許は、米国軍をはじめとする組織が使用している拡張現実技術であるMicrosoft Hololensの改良にすぎないかもしれない。
Microsoftは、Xboxゲームプラットフォームを競争力のあるものにするために最善を尽くしているようである。XboxブランドのVRヘッドセットはまだ実現までには時間がかかるかもしれないが、Microsoftはメインストリームのゲーム市場でVR分野が広がるにつれて競争力を持ちたいと考えるだろう。
Microsoftは最近、Steam DeckのようなデバイスでWindowsを快適に使用できるハンドヘルドモードの実験も行っていたが、これは開発者によると、「あまり進展がなかった」という。
特許が必ずしも消費者向け製品に結びつくわけではないが、強化されたアイ・トラッキング・システムは、時々提出されるより奇抜な特許よりも、消費者向け製品に組み込まれる可能性が高い合理的な技術である。
Microsoft独自のVRデバイス開発は競争力強化につながるか
Microsoftが独自のVRデバイスを開発することで、仮想現実市場での競争力を高めようとしている可能性がある。現在、ソニー、Meta、ValveなどがVR市場をリードしているため、この市場で勝つためにはMicrosoftもこの分野での競争力を向上させることが重要となる。
また、Microsoftが強化されたアイ・トラッキング・システムの特許を取得していることは、同社がユーザーフレンドリーで直感的なVRシステムを開発することに注力している可能性を示唆している。先述の通り、この技術は、拡張現実(AR)技術であるMicrosoft Hololensの改良にもつながる可能性がある。
さらに、Microsoftがハンドヘルドモードの開発を試みていることは、同社がさまざまなデバイスやプラットフォームでの利用を促進しようとしていることを示しているだろう。このような取り組みは、市場の多様化に対応し、Microsoft製品の利用範囲を広げることにつながる。
ただし、特許が必ずしも製品のローンチや既存プロダクトの改良に結びつくわけではないため、MicrosoftのVRデバイス開発がどの程度進むかは未知数だ。今後のMicrosoftの動向に注目したい。