AIチャットボット「Perplexity AI」がWindows向けアプリをリリースした。これまでWebブラウザで利用されていた機能をそのまま搭載しつつ、音声入力にも対応。テキスト入力の手間を省き、より直感的な操作が可能になった。

Perplexity AIは、異なるAIモデルや情報源を選択できる柔軟性が特徴。無料でも基本機能を利用できるが、月額20ドルのProバージョンでは高度なAIモデルや画像生成機能が解放される。

Perplexity AIのWindowsアプリが提供する新機能と特徴

Perplexity AIのWindowsアプリは、Web版の機能をそのまま継承しつつ、独自の改善が施されている。最大の特徴は音声入力機能の追加であり、マイクアイコンをクリックするだけで、キーボードを使わずに質問を送信できる。これにより、ハンズフリーでの検索や調査が可能になった。

また、AIモデルや検索範囲をカスタマイズできる点も強みだ。ユーザーは「Auto」「Pro」「Reasoning」「Deep Research」といった異なるモードを選択でき、求める情報の精度や深さに応じた検索が可能となる。加えて、ProバージョンではGPT-4.5やClaude 3.7 Sonnet、Gemini 2.0 Flashなどの高度なAIモデルも選択できるため、より高度な分析を求める場合にも対応できる。

さらに、「Discover」ページを活用すれば、テクノロジーや科学、エンターテインメントなどの最新情報を簡単にチェックできる。AIによる自動リサーチ機能を備え、関心のある分野の情報を整理しやすくなっている。これにより、単なるチャットボットとしての利用にとどまらず、情報収集ツールとしての側面も強化されている。

既存のAIツールとどう違うのか Perplexity AIの独自性

Perplexity AIが他のAIチャットボットと異なるのは、情報の透明性にある。ChatGPTやGoogle Geminiが回答を生成する際に情報源を明示しないことが多いのに対し、Perplexity AIは参照元を表示する機能を持つ。これにより、回答の信頼性をユーザーが直接判断できる。特に学術的な調査やビジネス用途において、情報の出典を確認できる点は重要だ。

また、検索対象を自由に選択できるのもユニークな特徴だ。デフォルトではインターネット全体を検索するが、学術論文を優先する「Academic」やSNS上の議論を拾う「Social」などのオプションも用意されている。これにより、目的に応じた情報収集が可能となる。

さらに、Perplexity AIはファイル解析機能も提供しており、PDFやWord、CSV、画像など多様な形式のファイルをアップロードし、AIによる解析を行える。これにより、レポート作成やデータ整理にも活用できる。こうした機能を備えたAIツールは他にも存在するが、直感的な操作性と多様なカスタマイズ性を両立している点がPerplexity AIの強みといえる。

Windowsアプリの登場でAI活用の幅がさらに広がる

これまでPerplexity AIはWebブラウザやスマートフォンアプリを通じて提供されていたが、Windowsアプリの登場により、PCでの利用が格段に向上した。アプリを開くだけで即座にAI検索を開始できるため、ブラウザを立ち上げる手間が省け、作業効率が向上する。

特に、ショートカットキー「Ctrl+I」でアプリを即座に開ける点は、頻繁にAIを利用するユーザーにとって大きなメリットだ。ただし、このショートカットはWindowsの既存機能と競合するため、今後のアップデートで調整が行われる可能性もある。

さらに、アカウントを作成することで、より多くの機能が解放される。無料ユーザーでも基本的な検索やチャット機能は利用できるが、有料版では高性能なAIモデルや無制限のファイルアップロードなどの特典が得られる。

Windows版の提供により、Perplexity AIの活用シーンはさらに広がった。仕事や学習、情報収集を効率化するツールとして、今後の進化にも期待が集まる。

Source:ZDNET