2025年4月3日に公開されたCMC Researchの分析によれば、BinanceやCoinbaseなど7大取引所で過去180日間に上場されたトークンの68.82%がプラスのリターンを記録し、平均ROIは80.81%に達した。これはビットコインの59.54%や金の14.99%を大きく上回る数値であり、同期間のNYSEとNASDAQのIPO成功率(54.55%、51.46%)と比較しても明らかな優位性を示している。
ミームコインの崩壊やマクロ経済の逆風にもかかわらず、新規トークンは短期的な利益機会として市場関係者の注目を集めており、従来の投資神話に一石を投じる内容といえる。
ROI80%超の新規トークン 取引所別パフォーマンスの実態

CMC Researchが2025年4月に公表したレポートによると、Binance、Bybit、Coinbase、OKX、Bitget、Gate、KuCoinといった中央集権型取引所で新規上場された暗号資産は、平均で80.81%という投資収益率(ROI)を記録した。この数値は、同期間におけるビットコインの59.54%、さらに金の14.99%を大幅に上回っている。
また、過去180日間でこれらの大手取引所に上場されたトークンのうち、68.82%がプラスの収益を上げた。これに対し、NYSEでは54.55%、NASDAQでは51.46%にとどまり、伝統的なIPOよりも高い成功率が浮き彫りとなっている。特に規模の大きい取引所では、上場審査の厳格さと流動性の高さが成果に寄与しているとみられる。
ただし、こうした結果は一様ではなく、取引所ごとの基準や市場のタイミング、上場後の流通戦略によってばらつきも見られる。ROIの高さが即ち安定した成長を意味するわけではなく、一部の例外的な高騰が全体の平均値を押し上げている可能性もある。慎重なポートフォリオ設計が求められる理由である。
楽観ムードから一転 新規上場バブルの裏にある投資家心理
年初には金利引き下げ期待や規制の明確化を背景に、暗号通貨市場には一時的な上昇ムードが広がっていた。しかし、著名ミームコインの急落や地政学的リスクの高まりによって、状況は一変し、市場は再び弱気に傾いた。こうした不安定な環境下でも、新規上場トークンへの注目はむしろ高まり、短期的なリターンを狙う投資家の動きが加速している。
新規上場の初動では話題性と希少性が先行し、需要が一時的に集中する傾向がある。これは株式市場のIPOと類似しているが、暗号資産の流通スピードや価格形成の柔軟性が、短期リターンを後押ししている点が異なる。一方で、過度な期待が外れた際の値動きは極端であり、取引所が設定する上場基準に対する信頼性が問われる場面も増えている。
短期的な成果に目を奪われがちだが、中長期の視点で見れば、高リスク・高ボラティリティの市場において冷静な情報分析が不可欠である。ROIの数字だけで判断するのではなく、上場背景、トークンのユースケース、そしてマーケット全体の潮流を複合的に評価すべき局面が今後一層増えるだろう。
Source:Finbold