Meta PlatformsはAIインフラ強化に向け、2024年の資本支出予測を従来の上限650億ドルから一気に720億ドルへ引き上げた。この動きは、データセンター需要の飛躍的な増加を反映しており、高性能計算に特化したApplied Digital(APLD)に市場の関心が集まっている。

APLDは北米でAIおよびHPC向けデータセンターを運用しており、過去1年で株価は54%上昇、S&P 500を大きく上回る成果を見せている。一方で直近の決算は市場予想に届かず、株価は一時35%下落。しかし、クラウド事業の成長やREIT転換構想など、中長期的な戦略には注目すべき余地がある。アナリストの多くが買いを継続しており、現在の株価に対する上昇余地もなお大きいとされている。

MetaのAI関連支出拡大が示すデータセンター市場の成長加速

Meta Platformsは、2024年の資本的支出予測を従来の最大650億ドルから720億ドルへと大幅に引き上げた。この決定は、同社がAI関連事業の拡張に向けて本格的な投資フェーズに突入したことを意味する。増額された資金の多くは、AIワークロードに最適化されたデータセンター構築に充てられる予定であり、これは単なる設備投資ではなく、AIエコシステムの長期的な基盤形成に直結する戦略と位置づけられる。

Metaのこの方針は、クラウドサービスと高性能コンピューティング(HPC)の重要性が高まるなか、他のテクノロジー大手にも波及効果を及ぼす可能性がある。

一方で、こうした巨額投資が短期的な業績に即時の利益をもたらすとは限らない。AI関連需要の爆発的成長を背景に、各社の設備投資競争が過熱することは、資本効率や収益性への圧力となり得る。市場全体にとっては、データセンターを核とするインフラ関連株への関心が高まり、業界全体の資金流入を促進する契機となるが、長期的なリターンには選別眼が問われる局面が続くだろう。Metaの動向は、AIバブルと現実の成長基盤構築との境界線を見極める指標として注視される。

Applied Digitalに対する評価と今後の展望の交錯

Metaをはじめとする巨大テック企業のAI支出拡大は、インフラ支援企業にとって大きな追い風である。中でもApplied Digital(ティッカー:APLD)は、AIおよびHPCに特化したデータセンター運営を北米で展開し、クラウドサービスやホスティング分野において一定の存在感を確立している。過去1年間の株価リターンは54%と堅調であり、S&P 500の上昇率を大きく上回った。この点からは、市場が将来的な成長余地を高く評価していることがうかがえる。

しかし、同社が4月に発表した2025年度第3四半期決算は期待外れの内容であった。売上高は前年比で増加したものの、アナリスト予想には届かず、株価は決算発表翌日に35%以上下落した。また、クラウドサービス部門の急成長とは対照的に、主力のデータセンターホスティング部門は売上減少を記録しており、事業ポートフォリオの再構築が課題となっている。

将来的にはREIT化を視野に入れるなど新たな事業形態への転換を模索しているが、その成否は外部需要の継続性と社内実行力に依存する。アナリストの多くは依然として強気姿勢を維持しているが、市場は同社の収益性改善と構造改革の実効性を慎重に見極めようとしている。

Source: Barchart.com