「新規事業を始めたいけど、どうやって事業を考えれば良いか分からない…」

「新規事業を考える際のおすすめの方法を知りたい!」

上記のようなお悩みを抱えている方は少なくないと思います。実際、新規事業のアイディアを考えるのは想定以上に難しいケースが多いです。そこでぜひ活用して欲しいのが、新規事業の創出に使える「フレームワーク」です。

本記事では新規事業関連のフレームワークについて詳しく解説していきます。新規事業のアイディア創出でお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

新規事業におけるフレームワークとは?

フレームワークとは、ビジネス上の課題解決や目標設定、市場分析などで情報を整理していくツールです。フレームワークごとに枠組みが設定されている点、また複雑な情報を整理して情報を可視化できる点がフレームワークの特長になります。

新規事業のアイディアを生み出したり、事業内容を分析する際にフレームワークは非常に役立ちます。フレームワークには様々な種類がありますので、自社が抱えている課題や新規事業の方針に合わせて選択することが可能です。

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新規事業を成功へ導く!おすすめフレームワーク11選

それでは早速、新規事業でおすすめのフレームワークについて紹介していきます。

今回紹介するフレームワークは下記の通りです。

  • ペルソナ分析
  • SCAMPER法
  • 6W2H
  • アナロジー分析
  • ロジックツリー
  • MVV
  • ビジネスモデルキャンパス
  • 3C分析
  • SWOT分析
  • VRIO分析
  • アドバンテージマトリックス

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ペルソナ分析

ペルソナ分析とは、商品・サービスの顧客像を具体的かつ詳細に設定して、ターゲット層のニーズを分析していくフレームワークです。実在する1人のユーザーのプロフィールを作っていくイメージで、たとえば、「28歳・東京都内在住・IT企業勤務・独身」といった具合に、架空の人物のプロフィールを作り込みます。

また、性格や行動パターン、発言内容なども設定し、より詳細に顧客像を想定するケースも多いです。ペルソナを作成すれば、実在の顧客をイメージしながら商品・サービスの企画、販売戦略を組み立てられます。

ただし、ペルソナを作成する際はあくまでも「実在する顧客像」を踏まえて作成することが重要です。現実的でないペルソナを設定してしまうと、実際のニーズからかけ離れた商品・サービスを提供してしまう可能性があるので注意してください。

SCAMPER法

SCAMPER法(スキャンパー法)とは、下記に挙げる7項目からアイディアを生み出していくフレームワーク。じっくり考えるというよりも、反射的に考えてアイディアをどんどん書き連ねていくのが、SCAMPER法のポイントです。

SCAMPER法の項目は、下記の7つ。既存のアイディアや競合他社の事業を軸とし、それぞれの思考法で改良してみるイメージです。

  • Substitute(代える)
  • Combine(組み合わせる)
  • Adapt(適応させる)
  • Modify(修正する)
  • Put to other uses(他の使い道)
  • Eliminate(削減する)
  • Reverse・Rearrange(逆転・再編成)

上記の項目をもとにしてアイディアを多く書き連ね、最終的に整理しながら事業案へ落とし込みましょう。すでにある程度のアイディアが出ている中で、精査しきれていなかったり、より差別化された事業案を生み出したかったりする際にはSCAMPER法がおすすめです。

6W2H

6W2Hでは、下記の8つの項目をもとにして新規事業のテーマや内容を明確にしていくフレームワークになります。6W2Hの内容は下記の通りです。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どうやって)
  • How much(いくらで)

6W2Hの項目をそれぞれ定義していくことで、新規事業の商品・サービスの生産・販売シナリオを具体的に描いていくことが可能です。

アナロジー分析

アナロジー分析とは、他業種の成功事例を自社用に置き換えて取り入れていくフレームワークです。自社業界の視点に固執せず、他の業界の成功事例を柔軟に活用して、自社の新規事業に生かしていきます。同業他社が思いもつかないようなイノベーションを起こしたい際に、アナロジー分析は最適です。

ロジックツリー

ロジックツリーとは、課題やアイディアなどを論理的に繋げて、階層ごとに整理していくフレームワークです。樹木のように課題・アイディアが枝分かれしていく形から、「論理の樹木(ロジックツリー)と呼ばれています。

ロジックツリーは、新規事業の課題・アイディアを深く考えたい際に最適。階層に沿って深く掘り下げていくため、課題・アイディアを漏れなく書き連ねられます。

MVV

MVVとは、「Mission(ミッション)」「Vision(ビジョン)」「Value(バリュー)」に沿って新規事業の理念を決めていくフレームワークです。MVVの各項目の内容は下記の通りです。

  • Mission(ミッション):企業が果たすべき使命、達成したい目標
  • Vision(ビジョン):企業が目指すべき理想の姿、実現したい未来
  • Value(バリュー):社内で共有したい企業内での価値観、行動指針

本来は企業の理念を決定する際に策定するMVVですが、新規事業を立ち上げる際にも「事業単位のMVV」を設定すれば、新規事業の方向性を明確にメンバー間や外部ステークホルダー共有できます。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネス構造を可視化できるフレームワーク。項目ごとにビジネスの内容や特長を書き並べる手法で、新規事業の具体案・構造を把握できます

ビジネスモデルキャンバスは、下記の9項目によって構成されています。

  • 顧客(Customer):誰が顧客となるか
  • 価値(Value):顧客へ提供できる価値
  • 販路(Channel):商品・サービスの提供方法
  • 関係(Relation):顧客と関係を構築する方法
  • 収益(Revenue):マネタイズのプラン
  • 資源(Resources):価値を提供するためのリソース
  • 活動(Activities):価値を提供するために行うこと
  • 協力者(Partners):事業を共に提供してくれるパートナー
  • コスト(Cost):価値を提供する際にかかるコスト

上記の項目に沿ってビジネスモデルキャンバスを作成すれば、「誰に対して」「どのような商品・サービス・価値」を提供するのかを明確に把握できます。ビジネスモデルキャンバスは視覚的に情報を整理でき、事業計画書などを何十枚も書いて作成するよりも情報をシンプルにまとめられます。

3C分析

3C分析とはマーケティング環境を分析するフレームワークの1つです。3C分析では下記の3項目をもとにしてマーケティング環境の分析を行います。

  • Customer:市場・顧客→市場環境、顧客ニーズ など
  • Competitor:競合→競合他社の強み・弱み、市場シェア など
  • Company:自社→自社の強み・弱み、顧客から受けている評価 など

上記3項目の頭文字をとって「3C分析」と名付けられています。

3C分析を行えば、新規事業の方向性を把握できます。市場環境や競合他社の状況、自社の強み・弱みなどの情報を視覚的に整理できるため、どのような新規事業であれば成功しやすいか客観的に把握しやすくなります

SWOT分析

SWOT分析とは、自社の外部環境・内部環境を分析する際に役立つフレームワークです。SWOT分析では下記の4項目を軸にして分析を行います。

  • Strength(強み):自社(自社商品・サービス)の強み・長所→内部環境におけるプラス要素
  • Weakness(弱み):自社(自社商品・サービス)の弱み・短所→内部環境におけるマイナス要素
  • Opportunity(機会):社会や市場変化によって生じるプラス方向の外部環境の変化
  • Threat(脅威):社会や市場変化によって生じるマイナス方向の外部環境の変化

SWOT分析を実施することで、自社商品・サービスの強み・弱みなどの内部環境と、市場や競合他社などの外部要因を比較して自社を取り巻く環境を分析できます。自社の内側と外側をバランスよく把握できる点、SWOT分析のメリットといって良いでしょう。

VRIO分析

VRIO分析は、先ほど紹介した3C分析における「Company(自社)」の項目を詳細に分析したい際に用いるフレームワークです。VRIO分析では、下記の4項目を軸にして自社の分析を進めていきます。

  • Value(経済価値):市場に対いて提供できる付加価値(金銭的な価値ではない)
  • Rarity(希少性):他社が有していない経営資源
  • Inimitability(模倣困難性):他社が模倣できない経営資源
  • Organization(組織):経営資源を有効に活用できる組織体制

上記に挙げた項目順に分析を行っていき、自社の強み・弱み、特長などの情報を整理していきます。自社に関する正しい認識は、新規事業を生み出す際の前提条件です。新規事業のアイディアが浮かばない場合は、まずはVRIO分析によって自社の特長を正しく把握しましょう。

アドバンテージマトリックス

アドバンテージマトリックスとは、「業界の競争要因の数」と「優位性構築の可能性」の2軸で事業タイプを分析していくフレームワークです。

業界の競争要因の数は、競争の優位性を確保するための手段の数を表します。優位性を確保する手段の数が多ければ、それだけ企業間の競争が複雑な要因によって決まりますが、反対に競争要因の数が少なければ競争の優劣が比較的単純な要因で決まると言えるでしょう。

優位性構築の可能性とは、他社が簡単に追いつけないような手段を構築できる可能性を示します。優位性構築の可能性が高ければ、他社と差別化した事業を構築しやすいです。

アドバンテージマトリックスでは、上記2つの軸を基にして下記の4タイプに事業が分類されます。

業界の競争要因優位性構築の可能性事業タイプ
多い大きい特化型事業
多い少ない分散型事業
少ない大きい規模型事業
少ない小さい手詰まり型事業
  • 特化型事業:特定の分野を極めることで、規模の大小を問わずに優位性を構築できる事業
  • 分散型事業:構造的に規模を拡大するのが難しい事業(事業が小規模であるほど旨味がある)
  • 規模型事業:規模の経済(シェア拡大)を目指すことで優位性を構築しやすい事業
  • 手詰まり型事業:小規模企業が淘汰されている状態で、優位性の構築が難しい事業

アドバンテージマトリックスを活用することで、自社の新規事業をタイプ分けして把握できるので、事業の方向性や戦略を構築しやすくなります。

フレームワークを活用して新規事業を成功させる

新規事業のアイディアを創出したり、事業の戦略を考える際にフレームワークの活用は非常におすすめ。漠然と新規事業のアイディア・戦略を考えるよりも、フレームワークを活用して考えた方が効率よくアイディア・戦略を立案できます。

まずは本記事で紹介したフレームワークを活用して頂き、新規事業に関する情報を整理してみてください。フレームワークを用い、魅力的な新規事業を立ち上げましょう。

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