McKinseyの調査研究によれば、メタバースの市場規模は2030年には5兆ドルに達する可能性を秘めています。様々なプラットフォームが産まれ、継続的なレベルアップとアップデートが繰り返されています。

メタバースという概念は実は、数十年前からありましたが、技術の進化により、バーチャルリアリティ、ブロックチェーン、5Gなど、以前よりも進化しアクセスしやすくなりました。メタバースの人気が急速に高まっている主な要因の1つです。

これらの技術により、ユーザーは没入型でリアルなバーチャルワールドを体験できるため、Decentraland、The Sandbox、Cryptovoxelsなど、幅広いメタバースプラットフォームの開発が進みユーザーの間で人気が高まっています。

この記事では、グローバルで最も有力な11のメタバースプラットフォームをご紹介します。

メタバースプラットフォーム選定基準

注目のメタバースプラットフォームを選定する際に以下8つの基準を設けています。

  • ユーザーベース:アクティブなユーザー数、日々の利用者数など
  • 開発者数/開発元:開発者によるアプリケーションやサービスの数、開発元のプラットフォーマーの魅力度
  • コミュニティ:開発者やユーザーによるコミュニティの活性度
  • パートナーシップ:ゲームやエンターテイメント業界とのパートナーシップ
  • 技術:VR/AR技術やブロックチェーン技術など
  • 収益:収益化の方法や実績
  • ユーザーエクスペリエンス:ユーザーによるプラットフォームの使用感や満足度
  • 法的問題:プラットフォームが適切な規制や法律に準拠しているか

注目のメタバースプラットフォーム世界最高峰11選

Meta Horizon Worlds

Metaは、言わずもがな、メタバースの先駆者として世界的に有名です。彼らのHorizon Worldsバーチャルプラットフォームは、ユーザーに対して分散型で没入型のオンライン体験を提供することを目指しています。

このプラットフォームは、ブロックチェーン技術を採用して、セキュアで透明なバーチャルワールドを作成し、ユーザーはバーチャルアセットや不動産を所有し、買い売りをすることができ、他の人と共有バーチャルスペースで互動することができます。

Meta Horizon WorldsはEthereumブロックチェーン上で構築され、開発者やクリエイターのコミュニティが成長しています。また、このプラットフォームはユーザーが作成したコンテンツを重視し、ユーザーが自分自身の体験を作成し共有することを奨励しています。

Meta Horizon Worldsは、バーチャルアセットの売買などを通じて収益を上げています。また、開発者やクリエイターが利用するAPIやツールのライセンス販売も収益源としています。

さらに、ユーザーが作成したコンテンツに対して広告収入を得ています。多様な収益源を持つことで、プラットフォームの運営維持や開発に必要な資金を調達することができます。

Microsoft Mesh

Microsoft Meshは、Microsoftが開発したプラットフォームで、デバイスや場所を問わずMRに接続し協力することができます。このプラットフォームは、ユーザーが共有されたVRやARの環境を作成し体験することを可能にし、より自然で直感的な方法で他の人やデジタルコンテンツとの対話をすることができます。

Microsoft Meshの主要な機能の1つは、VRやMRのヘッドセット、スマートフォン、PCなどの複数のデバイスやプラットフォームを接続することができることです。これにより、場所を問わずプロジェクトに協力することができ、開発時間やコストを削減することができます。

複数のデバイスやプラットフォームを接続して、混合現実環境での共同作業やコラボレーションを可能にするため、ビジネスやプロジェクトチーム、開発者などが使うことでメリットがあります。 

▼関連記事▼
マイクロソフトのメタバース戦略とは?開発が進むツールや参入理由を紹介

NVIDIA Omniverse

NVIDIA Omniverseは、コンピュータグラフィックスやAIの分野で業界を牽引するテクノロジー企業であるNVIDIAが開発したVRやシミュレーションプラットフォームです。映画、ゲーム、製品デザイン、建築など様々な業界を結びつけるために設計され、ユーザーがプロジェクトを作成しシミュレーションするための協力的で没入型の環境を提供します。

プラットフォームはNVIDIAのハードウェアやソフトウェア技術、例えばレイトレーシングやAIを使用し、現実的で高品質な視覚体験を提供します。NVIDIA Omniverseはまた、ユーザーが自分のバーチャルワールドや体験を作成しカスタマイズするのを簡単にするための様々なツールや機能を提供します。また、プラットフォームを使って新しい方法を開発し実験する開発者やクリエイターのコミュニティも成長しています。

NVIDIA Omniverseは、映画、ゲーム、製品デザイン、建築などさまざまな業界に利用されることができる仮想現実とシミュレーションプラットフォームです。NVIDIAのハードウェアやソフトウェア技術(レイトレーシングやAI)を活用し、リアルで高品質な視覚体験を提供することができます。

 また、ユーザーが自分のバーチャルワールドや体験を簡単に作成、カスタマイズできるようにするための多くのツールや機能も提供しています。開発者やクリエイターも活発にプラットフォームを活用し、新しい使い方を模索しています。

Fortnite

Fortniteは、Epic Gamesによって開発された人気のあるバトルロイヤルゲームであり、世界中で高いプレイヤー数を誇っています。Fortniteではプレイヤーが自分の試合の戦略を組み立てることができるという特徴があります。

また、Fortniteは、イベントやスペシャルなミッションなどを定期的に開催し、ゲーム内でのコミュニケーションを促進しています。さらに、プレイヤーが自分のアバターや装備をカスタマイズすることができ、自分だけのスタイルを楽しむことができるという特徴もあります。

これらの特徴により、Fortniteは、ゲームプレイだけでなく、コミュニケーションやカスタマイズなどの要素を持つメタバースプラットフォームとしても支持されています。

Fortniteは、ゲーム内課金やシーズンパスなどの収益化手段を通じて収益を上げています。ゲームは無料でプレイできますが、ゲーム内課金システムがあり、プレイヤーはゲーム内のアイテムやスキンなどを購入することができます。また、シーズンパスを購入することで、特別なミッションやアイテムを入手することができます。

Google Starline

Google Starlineは、異なる場所にいる人々の間でリアルタイムの3Dコミュニケーションを可能にすることを目的としています。これは、コンピュータービジョン、機械学習、空間音響を組み合わせて、人々が同じ部屋にいるように感じる共有された没入体験を作り出すことで実現します。

このテクノロジーはカメラ、マイク、ディスプレイの組み合わせに基づいていて、それらのコンポーネントが搭載された専用のブースで使用されるように設計されています。Google Starlineはまだ研究開発段階にあり、商用利用はできません。同社はリリース日や、技術の利用可能性や価格に関する詳細な情報を発表していません。

しかしあのGoogleが提供するメタバースプラットフォームとあって、今後の動向は注目せざるを得ないでしょう。

Minecraft

Minecraftは、世界を自由自在に構築することができるサンドボックスゲームであり、それがメタバースプラットフォームとしての魅力です。プレイヤーはブロックを置いて、建物を建て、道を作って、自分だけの世界を作ることができます。また、それらの世界を他のプレイヤーと共有して、協力して建設することもできます。

Minecraftは、様々なプラットフォームでプレイできるため、多くの人々に利用されています。さらに、Minecraftは、Modを使ってゲームをカスタマイズすることができるため、プレイヤーが自分だけのゲームを楽しむことができます。

また、Minecraftは教育にも利用されており、プログラミングや建築、数学などを学ぶことができる教材として使用されています。Minecraftは、自由自在な創作性、コミュニケーション、学習の三つの特徴があり、それらがメタバースプラットフォームとしての魅力となっています。

Decentraland

Decentralandは、ブロックチェーン技術を使用して分散型で没入型のオンラインワールドを作成する仮想現実プラットフォームです。このプラットフォームでは、ユーザーは自分自身のコンテンツを作成し、収益化することができます。

また、仮想不動産やアセットをNFTとしてMANAの暗号通貨を使用して買い、売りすることができます。Decentralandは2020年2月に一般公開され、Ethereumブロックチェーンを使用しています。

これにより、仮想ワールド内の取引が安全かつ透明になり、ユーザーは仮想アセットや土地が本当に自分のものであることが確認でき、中央権限なしで買い売りすることができるようになります。

Cryptovoxels

Cryptovoxelsは、ユーザーが暗号通貨を使用してバーチャルランドを購入、売買、所有することができるメタバースプラットフォームです。イーサリアムブロックチェーン上に構築されており、クリエイターや開発者のコミュニティが成長しています。

メタバースプラットフォームはパーセルのグリッドで構成されており、それぞれが個人や組織によって購入や所有することができます。そして、これらのパーセルを使用して、ゲーム、アートインスタレーション、社交スペースなどのバーチャル体験を構築し作成することができます。

Cryptovoxelsはイーサリアムブロックチェーン上に構築されているため、購入、売買、所有されるバーチャルランドがトークンとして管理されます。これにより、所有者は自分のバーチャルランドに対して独自のアイデアを実現することができます。Cryptovoxelsのユーザーはランドの販売により収益を上げることができます。

The Sandbox

The Sandboxは、Ethereumブロックチェーン上でNFTを使用して、自分自身の仮想世界や経験を創造し、収益化することができるメタバースプラットフォームです。ユーザーは、安全で透明な方法で仮想不動産やアセットを買い、売り、取引することができます。

The Sandboxはまた、ユーザーが自分自身の仮想世界、経験、ゲームを簡単に作成し、カスタマイズするための創造的なツールを提供しており、Atari、Binance、Square Enixなどのゲームやエンターテインメント業界の主要プレーヤーとの強力なパートナーシップを持っています。

The Sandboxはブロックチェーン上で自分自身の経験やゲームを作成、共有、収益化できます。ユーザーはSANDという独自の仮想通貨を使用して購入し、そこでゲームを開発し、アイデアを共有することができます。

The Sandboxは、自分自身のゲームを作成して収益化することができる幅広い機能を提供することによって競争上の優位性を獲得しています。さらに、ブロックチェーンを活用することで、ゲームアイテムのオーナーシップや交換などのトランザクションを安全に処理することができ、ユーザーにとっても安全で信頼性の高いプラットフォームを提供しています。

▼関連記事▼
メタバース「サンドボックス」とは?参入した企業や始め方・進め方も解説

Roblox

Robloxは、グローバルなオンラインゲームプラットフォームであり、またメタバースゲーム体験の開発においても先駆者です。Robloxを通じて、ユーザーは自分自身のゲームや体験を作成し、共有し、自分自身でゲームをプログラミングし、他のユーザーが開発したゲームをプレイすることができます。

このプラットフォームは2006年にRoblox Corporationによって作られ、PC、モバイル、ゲーム機など様々なプラットフォームで利用可能です。大きな活用者数を持ち、月間アクティブユーザー数は150万人以上であり、ゲーム業界での主要なプレイヤーとなっています。

▼関連記事▼
ロブロックスがメタバース広告事業に参入!企業活用事例も紹介

Unity Technologies

Unity Technologiesのプラットフォームを使用することで、開発者はUnity Engineを使用してメタバースを開発することができます。2021年11月、UnityはデジタルVFX会社のWeta Digitalを1.6 billionドル以上で買収しました。

この買収により、WetaのVFXツールに焦点を当てることで、Unityはリアルタイム3Dテクノロジーの開発を加速し、メタバースにおける展開を目指しています。

Unity Technologiesは次のような特徴があります。

  • 幅広いプラットフォームへの対応: Unityは多くのプラットフォームに対応しており、iOS、Android、Windows、macOS、WebGL、VRなどに対応しています。これにより、開発者は単一のコードベースから複数のプラットフォームに対応することができ、ターゲットデバイスに合わせた最適なゲームを提供可能
  • 強力な開発ツール: Unityは、ビジュアルスクリプティング、アニメーション、物理演算、AIなどの強力な開発ツールを提供しており、開発者はより高品質なゲームを迅速に開発可能
  • 広い開発者コミュニティ: Unityは広い開発者コミュニティを持っており、開発者はオンラインフォーラムやチャットルームなどでアイデアや知識を共有することができます。また、Unityはアセットストアを持っており、開発者はアセット、スクリプト、その他の開発リソースを入手可能
  • 商用利用に対応: Unityは商用利用に対応しており、開発者はUnityを使用して商用ゲームを開発することができます。また、Unityは豊富なドキュメントやトレーニングリソースを提供しており、開発者はスムーズにゲーム開発を進めることが可能

メタバースプラットフォームで競争優位性を獲得するための要素

こうした世界の主要なメタバースプラットフォームを見ると、競争優位性を獲得するために以下の様な要素が必要であることが見えてきます。

  • 技術力: VRやAR技術などにより、高い没入感を実現することができるプラットフォームが有利
  • ユーザーエクスペリエンス: ユーザーが楽しめる、カスタマイズ性の高い体験を提供することが重要
  • コミュニティー: 開発者やクリエイターが集うコミュニティーを持つことで、新しいアイデアやアプリケーションが生まれやすくなる
  • パートナーシップ: ゲームやエンターテインメント業界とのパートナーシップを組むことで、プラットフォームの広がりや普及が促進される
  • セキュリティー: ブロックチェーンなどの技術を活用し、ユーザーが安全に取引を行えるようにすることが重要

メタバースプラットフォームが顧客を獲得するためには、高いユーザーエクスペリエンスを提供することが重要です。高品質のグラフィックス、高い没入感、リアルタイムのインタラクション、高度なカスタマイズ性、そして豊富なコンテンツを提供することが含まれます。

また、セキュリティやプライバシーの保護も重要であり、ブロックチェーンなどの新しい技術を活用し、データを安全に保護することが望まれます。さらに、強力な開発者コミュニティやパートナーシップ、持続可能なビジネスモデルも重要です。

メタバースプラットフォームで鍵となる技術

競争優位を構築する鍵の一つは技術力です。メタバースプラットフォームでは主に以下の様な技術がユーザー獲得の如何を左右します。

  • VR/AR技術: VRやAR技術を使用することで、ユーザーがより没入感ある、リアルなバーチャルワールドを体験できるようになり、より高品質なメタバースプラットフォームを提供することができる
  • ブロックチェーン技術: ブロックチェーン技術を活用することで、メタバースプラットフォーム上でのアセットの買い占めや取引が安全かつ透明に行える
  • ゲーム開発技術: ゲーム開発技術に熟練したチームがいることで、高品質なゲームや体験を提供することができる
  • コミュニティー: メタバースプラットフォームに対して高い関心を持つコミュニティーを持っていることで、魅力的なコンテンツやアイデアを提供することができ、長期的な成功を収めることができる
  • 提携やパートナーシップ: ゲームやエンターテイメント業界などの大手プレイヤーとの提携やパートナーシップを結ぶことで、より高品質なコンテンツやサービスを提供することができる

特に差別化の要素となり得るVR/AR技術は、具体的には以下のような要素が強みとなります。

  • 高い画質: VR/AR技術は、リアルな3Dグラフィックスを提供することで、ユーザーにリアルな体験を提供することができる
  • 高い没入感: VR/AR技術は、空間を操作し、仮想世界に没入することができるため、ユーザーにより深い没入感を提供できる
  • 高い互動性: VR/AR技術は、ユーザーが仮想世界内で自由に操作し、互動することができるため、より豊富な体験を提供できる
  • 追加のセンサー: VR/AR技術は、加速度センサーやジャイロセンサーなどの追加センサーを活用し、ユーザーが仮想世界内での行動をより自然に再現することができる
  • 位置トラッキング: VR/AR技術は、ユーザーの位置を追跡し、仮想世界内での位置に応じた振る舞いをすることができる

メタバースプラットフォームで収益を獲得する方法

グローバル最高峰の事例を紐解くと、メタバースプラットフォームのマネタイズ手法は主に以下の様な形態が存在します。

  1. 広告収入:メタバースプラットフォーム上で広告を掲載し、それに対する収入を獲得
  2. 参加費:メタバースプラットフォームへのアクセスに対する課金
  3. コンテンツ収益:ユーザーが作成したコンテンツを販売することで収益を獲得
  4. 開発者からの収益:ゲーム等のコンテンツを開発者が作成した場合に得る手数料収益
  5. NFT (Non-Fungible Token)売買:メタバースプラットフォーム上に存在する仮想財産や仮想土地などを、NFTとして販売することで収益を獲得
  6. ゲーム内課金:メタバースプラットフォーム上で遊ぶゲームにおいて、アイテムやアップグレードなどを購入するための課金を行うことで収益を獲得

メタバースプラットフォームで収益を獲得するために重要なことは、顧客にとって魅力的なコンテンツやサービスを提供することです。仮想空間内でのゲーム、エンターテイメント、販売などが代表的です。

仮想空間内での不動産やアセットの購入、売買、トレードなどによる収益も可能です。また、仮想空間内でのアドバタイジングやブランドプロモーションなどの収益源もあります。

▼関連記事▼
メタバース事業とは?市場規模、ビジネスモデルと実例、土地(不動産)まで解説
メタバースのビジネスモデルとは|事例と収益化のポイントを徹底解説
メタバースの市場規模(2021〜2030予測)と今後伸びる業界ランキング
メタバースはビジネスチャンスの宝庫?活用事例やメリット・デメリットを紹介
メタバースは日本でも急成長している?現状や将来性を徹底解説

Reinforz Insight
ニュースレター登録フォーム

最先端のビジネス情報をお届け
詳しくはこちら

プライバシーポリシーに同意のうえ