市場調査を行う際にぜひ活用して欲しいのが市場調査ツール。ツールを活用すれば市場調査を効率よく実施でき、初めて市場調査を実施する方であっても有用なデータが得られるでしょう。
本記事では市場調査で役立つツールについて、厳選した10個のツールを中心に紹介。これから市場調査を実施する方や、市場調査のツールについて興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
市場調査とは
市場調査のツールについて見ていく前に、市場調査の概要について確認していきましょう。
市場調査とは企業が抱える課題の解決、マーケティング戦略の構築などを目的に商品・顧客・競合他社など各種情報を調査することです。市場調査を行えば、顧客が抱えているニーズや自社商品の強み・弱みなどを客観的に把握できます。
大企業はもちろんのこと、近年は中小企業やベンチャー企業も市場調査を積極的に実施し
ており、とくに経営においてはデータドリブンな意思決定が求められるようになりました。
また、新規事業を行う上でも市場調査は重要です。市場調査を実施して顧客のニーズを把握し、アタる新規事業を創出するのがセオリーと言えます。
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市場調査の代表的な手法
市場調査は大きく以下の2つの調査方法に分類されます。
・定量調査
・定性調査
それぞれ特長やメリット・デメリットがあるため、あらかじめ把握しておきましょう。
定量調査
定量調査とは収集するデータが「具体的な数値や量で表される状態」での調査を指します。調査内容を客観的に把握しやすく、統計や分析を行う際にも扱いやすいのが定量調査のメリット。
例えばサービスの認知度や購入頻度、顧客満足度は数値で表しやすく、定量調査によって収集されるデータの代表例です。しかし、求める機能や改善点といったデータは数値で表せないため、定量調査では収集できません。このように、「言語データ」を集められないデメリットがあります。
定量調査の具体的な実施方法は下記の通りです。
・インターネット調査:インターネットのアンケートサイト・SNSなどで調査する
・会場調査:オフィスや公共施設に会場を設け、参加者から直接情報を収集する
・訪問調査:対象となる消費者の自宅を訪問し、インタビュー・アンケート調査を行う
企業が直接調査を実施することもあれば、専門の市場調査会社に依頼するケースもあります。特に大企業の場合は商品・サービスを販売する前に調査会社に依頼し、情報収取することもあります。
定性調査
定性調査は数値化できないデータを収集する際に用いられる市場調査の手法です。消費者の意見や感情を表す回答を得たいときに用い、定量調査のように「そのまま統計や分析にかけられる状態」でデータを集めるのではなく、「消費者の生の声」を丁寧に拾い上げたいときに重宝する調査方法と言えます。
メリットとしては、数値には現れない消費者の感情を正確に拾い上げられることです。その反面、調査にかかる期間や費用が大きくなりやすいため、コストがかかります。しかし、消費者の意見を反映したい場面では積極的に取り入れたい調査方法と言えるでしょう。
定性調査の具体的な手法は下記の通りです。
・グループインタビュー:複数人の対象者を集めてディスカッション形式で意見を収集
・デプスインタビュー:調査者・対象者が1対1でインタビューして意見・回答を収集
・訪問観察調査:対象の商品を使用している家庭を訪問して、商品の使用状況を観察
実際に参加者一人一人から意見・回答を集める分、定量調査と比較してサンプルが集めにくい点が定性調査の弱みです。質の高い情報を収集するためにも、定性調査の対象者を事前アンケートなどで絞り込むとより効果的な市場調査が行えるでしょう。
市場調査で役立つツール10選
それでは市場調査で役立つツールを見ていきましょう。
今回紹介するツールは下記になります。
・総務省統計局:「e-Start」
・経済産業省:「統計ページ」
・国立国会図書館:「リサーチ・ナビ」
・マクロミル:「市場調査レポート」
・ITメディア:「調査の力」
・博報堂生活総合研究所:「生活定点 1992-2020」
・クロス・マーケティング:「無料調査レポート」
・リクルート:「調査・データ」
・ニッセイ基礎研究所:「研究領域 レポート」
・東京商工リサーチ:「データを読む」
総務省統計局:「e-Start」
総務省統計局では「e-Start」と呼ばれる政府統計の総合窓口サイトを運営しています。e-Startでは総務省を含めた各省庁が公表している統計データを閲覧可能です。省庁の公式データであるので、情報の信ぴょう性・正確性は申し分ありません。
各データの閲覧はすべて無料なので、費用を抑えてデータを集めたい際におすすめの調査ツールです。また、公的なデータを活用して市場調査を実施したい際にも、総務省統計局のe-Startは最適でしょう。
経経済産業省:「統計ページ」
総務省に加えて経済産業省も統計情報を公開しています。経済産業省の統計情報は、経済・産業関連のデータが中心です。市場の成長動向や生産品目ごとの生産量や出荷量など、経済・産業関連のデータを集めたい際に経産省の統計ページは最適です。
総務省の統計ページと同様に経産省の統計ページも無料で利用できます。また経産省のメールマガジンに登録すると統計の最新情報が配信されるので、最新情報を漏れなく確認したい際にもおすすめです。
国立国会図書館:「リサーチ・ナビ」
国立国会図書館には日本で出版されたすべての出版物が保管されています。専門書から一般書まで網羅しており、それらの出版物の中から、調査用資料として有用と判断された出版物は「リサーチ・ナビ」で検索可能です。
本サービスは国会図書館が運営する資料検索サービスで、国会図書館が保管する資料をネット上で手軽に検索できます。ただしリサーチナビ上では資料・出版物の中身を閲覧できないので注意してください。
マクロミル:「市場調査レポート」
大手リサーチ会社のマクロミルは市場調査に役立つデータを無料で公開しています。政府が提供する統計情報よりも消費者の回答を詳細に反映している点がポイント。大手リサーチ会社が提供するデータなので、情報の質についても安心です。
マクロミルの市場調査レポートは無料でダウンロードできます。調査時期別にレポートを選択できるので、古いデータを誤って使用する心配もありません。
ITメディア:「調査の力」
IT関連のポータルメディアであるITmediaは「調査の力」というサイトを運営しています。同サイトでは民間のデータに加え、政府・省庁が公開するデータまで一元管理されており、ワンストップで閲覧・検索が可能。
IT関連のメディアではありますが、公開されている情報の種類は多岐に渡ります。求めているデータが絞り込めていない場合にも有用なので、ぜひ市場調査に活用したいツールですね。
博報堂生活総合研究所:「生活定点 1992-2020」
大手広告代理店の博報堂が運営する博報堂生活総合研究所では「生活定点 1992-2020」を公開しています。こちらのサイトでは博報堂が2年ごとに実施している調査データを無料で閲覧可能です。
データ内容は生活に関連した21のカテゴリーに分かれており、収集したいデータをピンポイントで確認できます。また各種データに加え、データに関する調査内容・意見が記載されている点も特徴。
数値データからは読み取れない補足情報も踏まえた適切な市場調査が実施できるでしょう。また、本調査前の予備調査としても非常に有用なので、ぜひ活用してみてください。
クロス・マーケティング:「無料調査レポート」
大手調査会社のクロス・マーケティングは「無料調査レポート」を公開しています。同社が調査したデータを無料で閲覧でき、飲食・飲料や美容・ファッション、旅行といった様々なカテゴリーの中からレポートを選べるのが魅力的。
クロス・マーケティングの無料調査レポートを閲覧するには、サイト上での会員登録が必要です。会員限定のセミナーに無料参加できるのもメリット。市場調査を行う方におすすめのサービスと言えるでしょう。
リクルート:「調査・データ」
大手人材会社のリクルートは公式サイトの「調査・データ」ページで統計データを公開しています。特にリクルートは消費者動向のデータを豊富に公開している点が特徴です。
同社の主力産業でもある外食産業や宿泊業など、様々な業種における消費者動向の変化を把握できます。中には月単位で推移を公開しているデータも。無料で得られる情報としては非常に高品質と言えます。
ニッセイ基礎研究所:「研究領域 レポート」
ニッセイ基礎研究所が公開している「研究領域 レポート」では、経済・経営・医療・暮らしなど各ジャンルの研究データが閲覧可能。ニッセイ基礎研究所は領域ごとに専門の研究員が在籍しており、専門知識を活かして質の高い調査レポートを作成しています。
データを閲覧するだけでなく、調査結果に対する考察や分析が知りたい方に最適ですね。研究員のプロフィール・専門領域もサイト上で公開されています。自社業界に精通した研究員をピックアップしてレポートを読むのもおすすめですよ。
東京商工リサーチ:「データを読む」
東京工商リサーチは企業の信用調査・市場調査を実施している大手シンクタンクです。東京商工リサーチのサイトでは、「データを読む」のページで企業の詳しい情報にアクセスできます。
また、企業の倒産情報を確認すれば、業界ごとの好景気・不景気を把握できるでしょう。企業の実情や景気変動といった観点で市場調査を進めたい際に、東京商工リサーチは最適です。
市場調査ツールを活用して効率よく調査を実施しよう!
市場調査を実施する際は各種ツールを活用して行うのがおすすめです。ツールを活用すれば自社で収集しきれないデータも満遍なく収集できます。
今回紹介した市場調査ツールは無料で利用できるものが多数です。費用を抑えて市場調査を行うという面でもツールの活用は最適でしょう。
本記事の内容を参考にして頂き、市場調査ツールを有効活用して頂けると幸いです。
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