「スクウェア・エニックスのメタバース事業はどんなもの?」
「スクウェア・エニックスがメタバースに進出したのはなぜ?」
あなたはこのような疑問を抱えていませんか?
スクウェア・エニックスは、日本の大手企業として初めて本格的にブロックチェーンゲームに進出しました。
2023年の年頭所感でも意欲を示しており、今後どのような事業が開始されるか注目されています。
スクウェア・エニックスのメタバース事業については、具体的にどのようなものなのか、なぜ進出したのかなど、気になっていることも多いでしょう。
そこでこの記事では、スクウェア・エニックスのメタバース事業について解説します。
スクウェア・エニックスのメタバース事業の概要
まず最初に、スクウェア・エニックスのメタバース事業がどのようなものかを解説します。事業が発足した経緯、メタバースによってどんなものが実現するのかを見ていきましょう。
「The Sandbox」と提携しメタバースを提供
スクウェア・エニックスのメタバース事業は、ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」との提携で提供されています。
2022年2月2日にThe Sandbox社は、スクウェア・エニックスと提携し、RPG「ダンジョン シージ(Dungeon Siege)」のIPを用いたメタバースを提供すると発表しました。
ダンジョン シージは、アメリカのゲームメーカー「Gas Powered Games」が手がけたRPGです。
マイクロソフト社によって販売されましたが、のちにスクウェア・エニックスがその権利を買収しました。
シリーズとして発売されているのは、2011年の『ダンジョン シージ 3』までです。
この事業で提携しているThe Sandboxは、スクウェア・エニックス以外にもさまざまな企業がメタバース構築に利用しています。
adidasやエイベックスとも提携しているため、メタバース事業にとって欠かせない企業と言えるでしょう。
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「The Sandbox」との提携で実現するもの
スクウェア・エニックスとThe Sandboxの提携により、プレイヤーは『ダンジョン シージ』の世界観をオンライン上での双方向のコミュニケーションを通して楽しめるようになります。
スクウェア・エニックスは「ダンジョン シージ」のボクセルキャラクターやアイテムを、The Sandboxのツール「VoxEdit」「Game Maker」向けにも提供する予定です。
VoxEditは、ボクセルベースのNFT(非代替性トークン)コンテンツを作成できます。制作したコンテンツは「The Sandbox」のマーケットプレイスで販売可能です。
もう一方のGame Makerでは、プログラミングの知識なしで3Dゲームを制作できます。
こういったツールを活用することで「ダンジョン シージ」のコンテンツを利用し、利益をあげることもできるのです。
サービスの提供開始はまだ未定で、ユーザーにどのような評価を受けるのか注目されています。
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スクウェア・エニックスがメタバースに進出した理由と経緯
スクウェア・エニックスがメタバースに進出する意欲を示したのは、2022年からです。
どういった理由と経緯でメタバースに進出したのか、詳しく解説します。
2022年の年頭所感でブロックチェーンゲームへの進出を表明
スクウェア・エニックスのメタバース事業は、2022年1月の年頭所感でブロックチェーンを基盤とする分散型ゲームを取り込んでいく意向を示したのが始まりです。
2023年の年頭所感でも同様に、ブロックチェーンゲームの開発と国内外企業への投資に力を入れることを表明しています。
(引用:CoinPost|スクエニ年頭所感「ブロックチェーンゲームにさらに注力」|CoinPost編集部)
日本で本格的にブロックチェーンゲームに乗り出す大手企業は、スクウェア・エニックスが初めてです。
スクウェア・エニックスは多数の人気ゲームを開発していることから、ブロックチェーンゲームにも注目が集まっています。
今後メタバース関連で具体的な製品・サービスが登場すると、スクウェア・エニックスの事業にも大きな影響を及ぼすかもしれません。
ブロックチェーンによる分散型ゲームの将来性を評価した
スクウェア・エニックスの松田社長は、NFTについて「デジタル財の取引に関する流動性が高まった結果、さまざまなデジタル財が高額で取引され、世界中で話題を呼んだ」との見解を示しました。
ブロックチェーンを基盤とする分散型ゲームの将来性を評価しており、それによりメタバース関連の事業を進める方針となったのです。
仮想通貨市場では、メタバースやNFTの要素を備えた「Decentraland」「The Sandbox」などのブロックチェーンゲームが流行しています。
日本国内でも、メタバース技術や関連サービスの普及への貢献を目指す「一般社団法人日本メタバース協会」が立ち上げられるなど、業界の動きをバックアップする体制も整ってきました。
今後スクウェア・エニックス以外の日本企業でも、メタバースへの進出が増えてくるかもしれません。
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スクウェア・エニックスが考えるブロックチェーンゲームの可能性
スクウェア・エニックスはブロックチェーンゲームについて、以下のような可能性を秘めていると考えています。
- GameFiによるさらなる発展
- 「遊んで稼ぐ」「遊んで貢献する」ゲームの楽しみ方に変化
- 分散型ゲームによる新たな事業の開始
順番に見ていきましょう。
GameFiによるさらなる発展
スクウェア・エニックスは、デジタル通貨による新しい経済圏がゲームの在り方を変える可能性があるとの考えを示しています。
従来のゲームは、クリエーターによって完成品となっており、ユーザーはそれを提供してもらうことしかできませんでした。
しかしブロックチェーンゲームは、より自律的に拡大していく可能性があるのです。
ブロックチェーンゲームの分野では、GameFiという新しい経済圏が実現しています。
GameFiとは、GameとFinance(ファイナンス)を掛け合わせた造語です。NFTと親密な関係にあることが多く、ゲーム内アイテムを資産として活用できます。
つまりGameFiによって、ゲーム内アイテムの売買や土地の所有から、ユーザーが報酬を得られるようになっているのです。
デジタル通貨による経済圏が拡大し、ユーザーに明確な報酬が与えられることで、クリエーターやユーザーを含めたゲーム業界の発展につながるとの考えを示しています。
「遊んで稼ぐ」「遊んで貢献する」ゲームの楽しみ方に変化
ブロックチェーンゲームの発展により、ゲームは楽しむことを目的とした「Play-to-Have Fun(遊んで楽しむ)」から以下に変化するかもしれません。
- 「Play-to-Earn(遊んで稼ぐ)」
- 「Play-to-Contribute(遊んで貢献する)」
実際に2021年に大ヒットしたブロックチェーンゲームの「Decentraland」では「MANA」と呼ばれる独自仮想通貨や、NFTマーケットプレイス(NFTを取引する市場)を軸に独自の経済圏が発展しています。
メタバース内で、ユーザーによる都市開発が活発に進められているのです。
スクウェア・エニックスも近年台頭してきたブロックチェーンゲームのように「Play-to-Earn」「Play-to-Contribute」のユーザー層をうまく取り込める形を検討していると思われます。
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分散型ゲームによる新たな事業の開始
スクウェア・エニックスは、ブロックチェーンゲームのような分散型ゲームで新たな事業も検討中です。
具体的な方法は不明ですが、スクウェア・エニックスが独自仮想通貨を発行するかもしれません。
ブロックチェーンゲームでの事業に強い意欲を示していることから、早い段階での事業化が期待されます。
メタバース・ブロックチェーンゲームの将来性
2023年3月時点では、メタバースやブロックチェーンゲームの将来性は不透明です。
メタバースの定義自体も乱立しており、仮想空間に没入することだと考える人もいれば、暗号資産を始めとしたWeb3.0の思想を汲んでいることだという人もいます。
どちらもまだ明確な形ができていないため、今後さらに発展する可能性もあれば一過性のブームで終わる恐れもあるのです。
ただ現状日本でもNFTの高額取引事例が多数で、柴犬のかぼすちゃんの写真を集めたNFTは約4億7000万円で取引されています。
(引用:@DIME|NFTが4.7億円落札!コラ画像や暗号資産ドージコインで世界を熱狂させた柴犬、かぼすちゃんの飼い主が思うこと|株式会社小学館)
大きなお金が動くようになっていることから、現状はさらなる発展が期待できるでしょう。
日本のゲーム会社でのメタバース・NFT関連の動き
日本のゲーム関連企業でも、メタバースやNFTに注目する動きがあります。
- カプコン
- ブシロード
- コロプラ
- DeNA
- SONY
順番に見ていきましょう。
カプコン|早期参入は予定していない
大手ゲーム会社のカプコンもメタバースやNFTに注目し、将来的な参入を検討中です。
ただ早期参入による先行者利益を得るよりも、クオリティの高いものを提供することを重要視しています。
そのため将来的には参入する見込みですが、当面予定はされていません。
ブシロード|プロレス動画アーカイブのNFT化を検討
ブシロードは、ライブ配信ストリーミングプラットフォームを手がける「SHOWROOM」と業務提携しました。
女子プロレス団体「スターダム」の動画アーカイブを活用し、動画アーカイブのNFT化を検討・推進するためです。
ブシロードでは近年のメタバース・NFTの流行によって、新たなエンタメの楽しみ方が生まれるのではないかと予想しています。
他にもSHOWROOM様との間でライブ配信から着想を得て、オーディション企画の実施も検討中です。
コロプラ|3D空間「Webメタバースシステム」を軸に展開
コロプラでは、3D空間「Webメタバースシステム」を軸にメタバース事業を展開しています。
Webメタバースシステムは、高品質な3D空間で高い操作性を有する独自のWebサービスです。
登録やログイン、アプリインストールは不要で、誰でも利用可能となっています。
また同社が積み上げてきたノウハウにより、メタバース運用で懸念されているVR酔いの対策がされているのも特徴です。
Webメタバースシステム以外でもメタバース領域の取り組みを加速する予定で、別事業の展開も予想されます。
DeNA|自宅で観戦体験ができる「バーチャルハマスタ」を構築
DeNAでは、メタバース空間上にもうひとつの横浜スタジアムである「バーチャルハマスタ」を構築しました。
自宅でスマートフォンやパソコン、VRデバイスを使って、空間内を自由に動き回っての観戦ができるシステムです。
特定の選手を追ったり、グラウンドに立っているような状態で観戦したりと、通常はできない方法での観戦体験が可能となっています。
2021年までに3回実施されており、今後どのような動きがあるのか注目です。
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SONY|仮想空間でスポーツ観戦できる『Hawk-Eye(ホークアイ)』
SONYでは、スポーツの試合をリアルタイムで仮想空間に再現できるHawk-Eyeを構築しました。
試合中のグラウンド内に入り込んで、直近で選手のプレイを見ているかのような感覚を味わえるサービスです。
現状は今は審判の補助や試合データの可視化での利用がメインですが、今後スポーツ観戦にも使われる可能性があります。
音楽ライブに応用すれば、観客全員が最前列での鑑賞が可能です。
現実では難しい楽しみ方を実現できるため、新しいエンターテイメントのあり方を生み出すかもしれません。
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海外のゲーム会社でのメタバース・NFT関連の動き
海外のゲーム会社でも、以下のようにメタバース・NFT関連の動きがあります。
- アクティビジョン・ブリザード|マイクロソフトによる8兆円で買収
- Dapper Labs|NFT マーケットプレイス「Golazos」を開設
順番に見ていきましょう。
アクティビジョン・ブリザード|マイクロソフトによる8兆円で買収
米ゲーム大手企業アクティビジョン・ブリザードは、米マイクロソフトが687億ドル(約7.8兆円)で買収しました。
これはブロックチェーンゲームを始めとするメタバース事業や、ゲーム事業の成長を加速させることが狙いです。
この買収を通して、マイクロソフトは収益が世界3位のゲーム企業になっています。
具体的な事業はまだ不明で、今後の発表が待たれている状態です。
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Dapper Labs|NFT マーケットプレイス「Golazos」を開設
カナダの企業であるDapper Labsは、サッカーファン向けのNFT マーケットプレイス「Golazos」を開設しました。
ユーザーは選手のパフォーマンスの詳細や試合の統計を調べたり、英語とスペイン語で表すサッカー関連のコレクション カードを販売・交換したりできます。
カードには2005年から今日までのサッカーのシーンが描かれており、歴史を感じられるサービスとなっています。
まとめ
大手であるスクウェア・エニックスがメタバースに進出したことは、日本企業にとって大きな影響をもたらしました。
他のゲーム関連企業でもメタバース進出の動きがあり、今後さらに関連事業が増えていくと予想されます。
特にゲームはメタバース・NFTとの親和性が高く、今後の発展が期待される分野です。
自社でゲーム関連事業をしている場合は、メタバースへの進出を検討してみると良いでしょう。
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