新型コロナウイルス蔓延が一つのきっかけとなり、オンラインでコミュニケーションをとる機会が急激に増加し、働き方の見直しも余儀なくされました。こうした生活環境の変化に伴い、現在注目を集めているのがメタバースです。

今回は、メタバースについて理解を深め、自身のビジネスにも活用できるアイデアを得られるような初心者におすすめのメタバースセミナーを5つ厳選して紹介します。

メタバース関連事業・サービスに関して、世界中の企業が積極的に開発を進めており、市場の拡大が期待されています。しかし、メタバースがどのようなものかよくわかっていない方も多いのではないでしょうか。

今回紹介するセミナーを通じて専門家から情報を収集し、メタバースの活用事例を学ぶきっかけにしましょう。

メタバースとは何か?わかりやすく解説!

本章ではメタバースとは何かについて、以下のテーマからわかりやすく解説します。

  • メタバースの語源
  • メタバースが注目を集める理由
  • メタバースの身近な具体例

なお、メタバースについてもっと詳しく知りたい方は、【具体例つき】メタバースとは?メリット・デメリットもわかりやすく解説をご覧ください。

語源は「超越(Meta)」と「世界(Universe)」

メタバースを一言で表すと「仮想空間」で、インターネット上に構築される3DCGの仮想空間や技術の総称をいいます。

メタバースの語源は、超越を表す「Meta」と世界を表す「Universe」を掛け合わせた造語です。なお、メタバースという言葉自体は、アメリカの作家であるニール・スティーヴンスンが1992年に発表した小説に登場するインターネット上の仮想世界が起源とされています。

5つの理由で注目度が上昇している

インターネット上に構築される仮想空間であるメタバースは、以下の5つの理由で注目度が上昇しています。

  1. 新型コロナウイルスの感染防止対策
  2. Facebookの社名変更と本格参入
  3. オンラインコミュニケーションの進化
  4. VR機器の普及
  5. NFTなどの関連技術の実用化

Facebookが社名を「Meta」に変更したのはとくに印象深く、2021年後半から「メタバース」が一種のバズワードとして注目を集めるようになりました。

また、次世代高速通信規格である5Gの導入により、ストレスなくオンラインのコミュニケーションを快適に行える環境構築が進められています。

技術開発速度が飛躍的に向上する中、社会情勢の変化にいち早く対応することで、新たなビジネスチャンスを掴める可能性があるメタバースへの関心が高まっています。

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ゲームなどですでに身近にあるものも

メタバースと聞くと、VRヘッドセットなどの専用機器を使った没入型のコンテンツを想像するかもしれませんが、ゲームなどではすでにメタバースの世界が再現されています。

  • サマーウォーズ
  • SAO(ソードアート・オンライン)
  • あつまれどうぶつの森

上記はいずれも映画やゲームのタイトルですが、映画「サマーウォーズ」では、全世界で10億人が利用しているインターネット上の仮想空間が描かれています。

その仮想空間では、ゲームやショッピング以外にも、行政手続きや交通システムなどのインフラまで支えており、メタバースが普及した未来を想像できるような作品です。

「あつまれどうぶつの森」は、島を自分好みに開拓し、気の赴くままにプレイして遊べるゲームです。ゲーム自体にゴールはなく、ゲーム内でのんびりとした生活を疑似体験できる要素も、一種のメタバースといえます。

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メタバースとVRとの違い

メタバースと同様の技術・概念として登場するのが、「VR:Virtual Relity(仮想現実)」です。

VRは仮想現実のことで「実際に起きていない事象を仮想的に体験する」ための手段や技術の総称をいいます。MetaSONYなどが手がけるVRヘッドセットを装着し、ゲームの世界に迷い込んだかのような没入感のある体験ができ、視覚だけでなく聴覚にも訴えかける仕組みが大きな特徴です。

一方メタバースは没入感の有無などに関係なく、インターネット上に構築された空間でコミュニケーションなどをとる点に重きを置いています。

メタバースはスマホで楽しめるものも多く、必ずしもVRヘッドセットなどが必要なわけではありません。。メタバースとVRは決して対立する概念ではなく、メタバース空間をより楽しむためにVRが用意されていると考えると理解しやすいでしょう。

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メタバースとNFTとの違い

2021年後半から、世界で突如として話題になった「NFT」。NFTの特徴は、画像や音声などの電子データに、一点ものの価値を証明する仕組みを備えられる点です。

たとえば、土地の権利に関する証明は、登記簿を見ると明らかになります。世界限定100本のシリアルナンバー入り高級時計は、そのシリアルナンバーが本物の証です。

このように物理世界で証明できた所有関係・本物の確からしさについて、デジタルデータで実現させたのがNFTで、メタバースとNFTは非常に相性が良いとされます。

メタバースで開発が進んでいるブロックチェーン技術を活用した「The Sandbox」などのゲームでは、専用アイテムがNFT化され、プレミアを担保できるようになりました。

仮想空間であるメタバースをより充実したコンテンツにするための技術として、NFTが活用されつつあります。

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メタバースをビジネスに活用するメリット

インターネット上の仮想空間であるメタバースについてビジネスに活用するメリットは大きく3つあります。

  • コミュニケーションを効率化できる
  • 新しい商品PR・販売手法として利用可能
  • 大勢が同時接続して参加するオンラインイベントが開催できる

インターネットが普及したことで、オンラインでのコミュニケーションや、各種やりとりをできるようになりました。そこからさらにメタバースを活用することで、あらゆるビジネスチャンスにつながる可能性を秘めています。

メタバースをビジネスに活用することで、自宅にいながら、よりリアルに近いコミュニケーションや、さまざまな体験価値を提供できるチャンスが広がっています。

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メタバースのビジネス活用事例

メタバースは、コミュニケーションの選択肢が増えるだけでなく、マーケティングツールとしても活用できます。本章では、メタバースのビジネス活用事例を3パターンで解説します。

メタバースのビジネスメリットやデメリットなどを詳しく知りたい方は「メタバースはビジネスチャンスの宝庫?活用事例やメリット・デメリットを紹介」をご覧ください。

バーチャルイベント

バーチャルイベントの開催でよく利用されるのが、「クラスター株式会社」が提供するメタバースプラットフォーム「cluster」です。

clusterには「ワールド」と呼ばれる仮想空間を構築でき、個人だけでなく企業なども独自のワールドを開発しています。そのワールドを使って、さまざまなバーチャルイベントが開催されています。

渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」はclusterのワールドで開発されました。バーチャル渋谷で開催されたハロウィーンイベントは、2020年・2021年の2回で延べ100万人に近い参加者を集めるほどの熱狂ぶり。

VRヘッドセットを使用することで、よりリアルな没入感を味わえる一方で、スマホにアプリをダウンロードするだけで利用できるコンテンツも。このようにイベントの新しい開催方法として、バーチャルイベントを企画するケースが増えています。

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バーチャルショップ

オンラインでバーチャルショップを構築することで、今までにない商品のPR・販売手法としてメタバースを利用できます。ECサイトでは提供できなかった自宅にいながらリアル店舗にいるかのような体験を、メタバースを活用することで実現しました。

メタバースプラットフォーム「REV WORLDS(レヴワールズ)」では、仮想伊勢丹新宿店を営業しており、仮想店舗内は実際に販売されている商品が並んでいます。

ほかにも、NTTドコモは仮想空間でのイベント開催やショールーム展開を支援するBtoB向けのサービス「NTT XR Space APP」を提供。

NTTドコモに限らず、さまざまな企業がプラットフォーム開発に力を入れているため、今後バーチャルショップでの購入体験は一般化していくでしょう。

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バーチャルオフィス

メタバースを活用して、バーチャルオフィス・ミーティングスペースの提供が着々と進められています。Metaは「Horizon Workrooms」というプラットフォームを開発し、Microsoftは「Mesh for Microsoft Teams」の開発を進めており、2022年中の公開を予定。

GAFAMと呼ばれるビックテック企業が、それぞれのノウハウなどを活かしてバーチャルオフィスを独自開発し、メタバース市場の覇権争いを繰り広げています。なお、いずれのサービスもVRヘッドセットなしで、スマホやPCから容易にアクセス可能です。

オンラインコミュニケーションをよりリアルに近づけることができるバーチャルオフィスは、ウィズコロナの働き方を支えるコミュニケーションツールとして、利用者の拡大が期待されます。

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【2022年開催】初心者におすすめのメタバースセミナー5選

メタバースについての基本的な理解ができた上で、本章では初心者におすすめしたいメタバースセミナーを5つ紹介します。

  • 実際にVRヘッドセットを装着してメタバースを使ってみたい
  • 業界の最先端で活躍する専門家から豊富な実例を聞きたい
  • 新たなビジネス創出のヒントを探したい

各セミナーに参加することで、上記の悩みなどの解決に役立つでしょう。

【初心者向け】メタバース「VRChat」体験会

本セミナーに参加することで、「メタバースの今」を座学と体験会の形式で体験できます。

VRヘッドセットを実際に装着して、ソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」にアクセスし、メタバースの世界に触れられる体験会です。

  • 日程:2022年10月6日(木)19時から21時
  • 参加費:無料
  • 対象者:自社ビジネスとの結びつきを考えたい方、メタバースに興味があって、体験してみたい方など

体験会の具体的な内容は下記のとおりです。

  • アバターを使ったコミュニケーション
  • 仮想空間でのコミュニケーション体験
  • 日常・非日常体験(観光、旅行、学術利用、音楽鑑賞、法人利用事例)
  • VR飲み会体験

VRヘッドセットを使った没入型体験を味わえる機会は少ないため、メタバースを実際に触れてみたい方は、ぜひ【初心者向け】メタバース「VRChat」体験会に参加してみましょう。

kintone Café メタバース Vol.1

本セミナーはメタバースに興味がある方に向けて、どんなことができるか気軽に体験できる、いわゆる「異業種交流会」です。

kintone(キントーン)は、システム会社「Cybozu(サイボウズ)」が提供するクラウドサービスで、同社におけるメタバース事業の一環として開催されます。

オンラインで気軽に参加でき、講演を聞きつつ、Metaが提供するHorizon Workroomsに触れてみるきっかけとしてもおすすめできるセミナーです。

XRの全貌:メタバースから人間拡張まで

本セミナーは、XR業界の最新動向や導入事例などに関して、たくさんの事例を交えながら理解できます。

XR(Cross Reality)とは、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの技術を総称したものです。現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを知覚できる技術をさします。

  • 日程:2022年11月22日(火)15時から18時
  • 料金:正会員11,000円、一般非会員15,000円
  • 対象者:企業の戦略担当者や起業家など、新たなビジネス創出のヒントを得たい方

本セミナーは、「一般社団法人情報処理学会」が主催しており、全12回にわたる連続セミナーの一環(第10回)として開催されます。

メタバースに限らず、AIやロボットなどの情報技術を網羅的に活用した、持続可能な未来に向けたビジネス展開を考えるきっかけになるでしょう。

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Web3 Week Tokyo

本セミナーは、メタバースやブロックチェーンなどのWeb3分野に特化した大規模セミナーです。業界の最先端でビジネスを展開する企業と来場者をマッチングさせる展示会の色合いが強く、メタバースを含め、以下4つの分野で構成されています。

  • メタバース World
  • ブロックチェーン World
  • DAO・Defi World
  • AI World

セミナーの概要は以下のとおりです。

  • 日程:2023年9月26日から28日
  • 料金:無料
  • 対象者:メタバースに興味がある方、メタバースを含めたWeb3領域で新規ビジネスを創出したい方など

分散型インターネットであるWeb3が注目を集めており、本セミナーはWeb3を構成する重要な技術に関して、具体的な活用事例を一挙に学べます。新規ビジネスの創出に限らず、出展企業とマッチングできる数少ない機会を見逃さないよう、ぜひ足を運んでみてください。

メタバースビジネスで最初に考えるべきUI/UXの話

本セミナーは、メタバースで何が実現可能なのか、国内外におけるビジネスへの活用事例などを理解できるセミナーです。

  • 日程:2022年9月29日(木)17時から18時
  • 料金:無料
  • 対象者:メタバースを利用したビジネス展開を検討している方、メタバース活用の他社事例を知りたい方など

本セミナーは、XR関連アプリ、メタバースでの価値体験デザインを手掛ける「ソリッドスフィア株式会社」が主催しています。本セミナーは、以下の2つがテーマです。

  • そもそもメタバースとは(世界の各社が仕掛けるプラットフォームの特徴も紹介)
  • メタバースにおけるUI/UXはどうあるべきか

同社が培ったノウハウをもとに、メタバースにおけるUI/UX(操作性・デザイン性)を主題にした数少ないセミナーです。メタバース領域のビジネス展開に関して、これから考えていきたい人はとくに参考になるでしょう。

メタバースセミナーをうまく活用しよう

コロナウイルス蔓延や通信速度の改善などにより、メタバースの実用化に向けたプラットフォームやVR機器の開発が急ピッチで行われています。

メタバースを活用したビジネスチャンスは数多く存在し、メタバースに関して専門家の意見を聞けるセミナーも開催されるようになりました。今回紹介した5つのセミナーの多くは無料で参加でき、実際にVR機器やサービスに触れながらメタバースを体感できます。

メタバース事業を立ち上げるなら、まずはご自身で触れてみるのが一番。気になるセミナーがあればぜひ参加しましょう。

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