「新規事業のアイディアが思い浮かばない…」

このようなお悩みを抱えている経営者・担当者の方、少なくないと思います。実際、初めて新規事業を行うとなると良いアイディアが浮かばないのが実情です。

本記事では上記のお悩みを解決するべく、新規事業のアイディアを考える方法や、成功した新規事業の事例について詳しく解説します。新規事業のアイディア創出でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

新規事業アイディアを作る6つの方法

新規事業のアイディアを作る方法として、下記の6つが挙げられます。

・理想の将来像を思い描く
・消費者のニーズを把握する
・世の中の課題を分析する
・事業の組み合わせを考えてみる
・既存事業を重視しすぎない
・社外の意見も集めてみる

それぞれ詳しく見ていきます。

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理想の将来像を思い描く

まずは理想の将来像を思い浮かべましょう。新規事業をとおしてどのような姿になりたいか、何を達成したいのかを明確にします。将来像がイメージできれば新規事業へのモチベーションを高めやすく、他の従業員にも新規事業の将来像を共有しやすくなります。

将来像はなるべく具体的に思い描きましょう。事業内容や規模感、展開手法、社会への貢献度合といった情報を具体的に設定し、将来像を明確にします。現段階における「仮の将来像」で問題なく、アイディアを煮詰める中で変更や追加が生じたら調整しましょう。

消費者のニーズを把握する

消費者ニーズの把握も新規事業のアイディア作りには不可欠。消費者のニーズを満たす事業であれば結果は自ずと表れます。反対に消費者ニーズを無視した新規事業は成果を得にくいでしょう。消費者が抱えるニーズについて、事前に調査・分析する必要があります。

消費者ニーズを把握するには、市場調査が有効です。市場調査の方法としては、アンケート調査やネットリサーチ、SNSなどの活用がおすすめ。メディアやサイト上の情報は信頼度の面で不安が残るため、あくまでも自社で調査し、手に入れた情報に基づいて新規事業を検討するのが良いでしょう。

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世の中の課題を分析する

新規事業のアイディア創出では、世の中の課題を分析することも重要です。消費者ニーズという観点よりも広い視野で世の中の課題を分析します。たとえば現在であればインバウンドの需要が高まっているので、外国人観光客に対するサービスはトレンドと言えるでしょう。

また、より長期的な課題として、日本社会は高齢化が進んでいるためシニア向けの商品・サービスは創出しやすいと言えます。このような社会情勢にも目を向けると、新規事業のアイディアが生み出しやすくなるでしょう。

世の中の課題に応えることで、結果的に多くの消費者ニーズに応えているとも言えます。消費者の視点に加えて、世の中の課題を広い視野で見直し、新規事業のアイディアを考えましょう。

事業の組み合わせを考えてみる

既存の事業を組み合わせて新規事業のアイディアを生み出すのもおすすめです。既存のサービスを組み合わせただけのものであっても、実はまだ世に出ていない革新的な新規事業へ変貌を遂げた、というケースもあります。

たとえば自社で「翻訳・通訳サービス」と「飲食店経営」を展開しているとします。この2つの事業を組み合わせて「常駐通訳付きの飲食店」をオープンすれば、海外企業との会食の場として利用してもらえるでしょう。またインバウンドによる外国人観光客の店舗利用も促せますね。

一見すると関連のない事業であるほど、組み合わせた際に他社と差別化できるサービスになりやすいです。もちろん何でも適当に組み合わせれば良いわけではありませんが、事業ごとのプラス面・マイナス面を補える組み合わせであれば期待大です。

自社で行っている事業内容を整理して、事業の組み合わせを考えていきましょう。

既存事業を重視しすぎない

先ほどの事業組み合わせの観点とは反対になりますが、既存事業を重視しすぎない姿勢も大切です。事業の組み合わせはあくまで一つの手段。既存事業のみを重視すると、展開できる事業の領域が限られてしまうでしょう。

既存事業にこだわりすぎず柔軟に新しいアイディアを取り込んでいくのも重要です。既存事業の組み合わせと、新規事業のアイディア創出を並行して進めると良いでしょう。

社外の意見も集めてみる

新規事業の創出で社外の意見を集めるのもおすすめです。社内の意見だと、どうしても自社視点でのアイディアが多くなります。社外から意見を集めれば、自社を客観的に見た上で生まれたアイディアを収集できます。

社外から意見を取り入れるには、コンサルティング会社やリサーチ会社、取引先企業などに意見を仰ぐことが肝心です。業種を問わずに幅広い企業から意見を取り入れると、独創的なアイディア創出に繋げやすいですね。

社外の意見のみを取り入れる必要はありませんが、社内と社外の視点をバランスよく取り入れられれば、より広い視野で新規事業を検討できるでしょう。

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事例に学ぶ!新規事業のアイディア6選

ここからは、実際に成功した新規事業のアイディアについて、事例とともに紹介します。今回取り上げる事例は下記の6事例です。

・ビックカメラ:「テイクアウトレンタル」
・ホンダ:「ホンダジェット」
・三井物産:「ボイスタート」
・日立:「Lumada」
・ダイハツ工業:「らくたび送迎」
・日本郵政・Yper:「OKIPPA」

それぞれ詳しく見ていきます。

ビックカメラ:「テイクアウトレンタル」

(引用元:https://www.biccamera.com/bc/c/super/sonota/camerarental/index.jsp

大手家電量販店のビックカメラでは、カメラのレンタルサービス「テイクアウトレンタル」を提供しています。高品質なカメラは高価格になりやすく、購入後に「使い勝手が悪い!」と気付いて失敗するリスクも大きい商品でした。

そこで、購入前にカメラのレンタルをとおして使い心地や機能を確認してもらい、その上で納得した場合は購入をしてもらう、というクッション的な役割を果たすサービスが考案されました。それが「テイクアウトレンタル」です。もちろんレンタルのみで終了することも可能です。

ビックカメラはテイクアウトレンタルによって「カメラ購入に迷っている顧客」のニーズを捉え、顧客の囲い込みに成功。人気メーカーのカメラ購入にハードルを感じていた人に対しても、テイクアウトレンタルによってカメラを購入しやすい環境を提供しています。

商品の利用機会を提供しつつ、販売促進をも両立する施策として、ビッグカメラのテイクアウトサービスは非常に参考になりますね。特に高額商品を扱う事業者は、ビッグカメラをロールモデルにしてレンタルサービスを行うのも良いでしょう。

ホンダ:「ホンダジェット」

(引用元:https://www.honda.co.jp/jet/

大手自動車メーカーのホンダは小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」を開発・販売しています。ホンダは自動車メーカーで培ったエンジン開発の技術を活かし、他社が真似できない小型ジェット機の生産に成功しました。

日本では小型ジェット機の需要はそこまで高くありませんが、海外ではビジネス用の小型ジェット機の需要が多く、国外にまで目を向けて需要を掴んでいる点も、グローバル展開するホンダならではといえるでしょう。

ホンダジェットの事例から、「自社の技術を欲するニーズはどこにあるのか」についてグローバルな視点で見直したり、技術を何か別のサービスに転用できないか検討したりする重要性が学べますね。新規事業のアイディア創出における重要なポイントです。

三井物産:「ボイスタート」

(引用元:https://www.mitsui.com/jp/ja/

大手総合商社の三井物産は社内ベンチャーとして「ボイスタート」をリリース。ボイスタートはシニア世代を対象としたAIコミュニティサービスです。

若者の音楽用として使用されているAIスピーカーを活用し、シニア世代が遠隔で地域コミュニティとコンタクトを取れるようサポートを実施します。孤独感を抱えているシニア世代を支援する事業として位置づけられているのも大きな特長。

社会的にも意義のある事業であり、既存のテクノロジーを別の視点から捉え、新たな活用方法を提示している点が魅力的です。既存サービスの要素を抽出し、別の使い道を提示しつつ新規事業と結びつける観点はぜひ取り入れたいものですね。

日立:「Lumada」

(引用元:https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/about/index.html

大手家電・電気機器メーカーの日立はIoTプラットフォーム「Lumada」を2016年にリリース。Lumadaでは顧客から集めたデータを集計・分析して、新たな価値やデジタルイノベーションを加速させるデジタルソリューションです。

様々な業種の企業がLumadaを活用しており、データ統合・分析を通して既存ビジネスの深化や新規事業の創出に成功しています。「日立」というネームバリューを活かして、多くの企業からデータを集めて共有している点がLumadaの強みですね。

多種多用なデータを活用して新規事業アイディアの創出に取り組みたい際に、Lumandaの利用は最適といえるでしょう。

ダイハツ工業:「らくたび送迎」

(引用元:https://www.daihatsu.co.jp/rakupita/

大手自動車メーカーのダイハツ工業は、通所介護施設(デイサービス)向けに「らくたび送迎」と呼ばれる送迎システムを開発。らくたび送迎では利用者のリスト・車両情報を登録することで、送迎の最適ルートを自動で表示してくれます。

通常のカーナビと異なり、システムに搭載されたAIが最適なルートを表示してくれる点がらくたび送迎の特長です。利用者同士の相性や出席人数といった詳細な条件も送迎ルートに反映でき、より人間的な判断を肩代わりしてくれる面がらくたび送迎の強みと言えます。

介護業界の多忙な業務を解消する一つのサービスとして、らくたび送迎は優れたロールモデルになるでしょう。こうした「AI」×「非IT業界」の新規事業はこれからも数多く登場すると見られ、トレンドを捉えた新規事業を展開したい方はぜひ参考にしたいところです。

日本郵政・Yper:「OKIPPA」

(引用元:https://www.post.japanpost.jp/service/okihai/index.html

日本郵政はYper株式会社と連携して郵便物の不在時受け取りサービス「OKIPPA」を提供しています。OKIPPAはユーザーが自宅の玄関前に専用の置き配バッグを設置しておくだけのサービスですが、このバッグにIoT技術を搭載している点がポイントです。

ユーザーは郵便物の配送状況を確認したり、バッグに搭載された盗難防止のシステムによって盗難を防止したりと、IoT化されたバッグによって置き配のリスクであった「荷物の紛失」というデメリットを完全にカバーできるのです。

OKIPPAを利用すれば不在時でも手軽に郵便物を受け取れるため、不在が多い単身世帯から人気を博しています。また、再配達の手配を取る必要がないため、物流サイドの負担軽減にも貢献しているのが魅力的な新規事業です。

新規事業のアイディア事例を参考にして事業をスタートしよう!

新規事業のアイディアを創出するためには、ポイントを押さえて事業創出に取り組む必要があります。特に顧客ニーズを満たせる事業であるか、事前の分析・設計が必須です。また世の中の課題を踏まえて顧客ニーズを分析することも重要ですね。

既存事業の組み合わせが新規事業のアイディア創出に繋がるケースもあります。複数事業を展開している場合は、既存事業の組み合わせも考えてみてください。

他社の新規事業のアイディア事例も参考にしましょう。同業でなくても新規事業のヒントが他社事例に含まれる可能性は高いです。

本記事で紹介した新規事業のアイディア創出のポイント・事例を参考にして頂き、新規事業をスタートして頂けると幸いです。

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