株式会社リクルート(以下リクルート)は、兼業・副業に関する動向についてインターネット調査を実施。対象は、働く個人および企業人事担当者だ。兼業・副業の実施状況や、企業の制度の状況、社外人材の受け入れなどを約60ページにわたってまとめている。調査の実施期間は2022年1月14日~2022年1月17日。

企業と働く個人の出会いの場「サンカク」を提供

この動向調査の背景には、リクルートが運営する「サンカク」というサービスの存在がある。「サンカク」とは、社会人インターンシップや副業のプラットフォームだ。

企業に対し、正社員の採用や、副業という新しい働き方も推進しながら事業の成長に必要な人材の獲得をサポート。リモートワークで副業にあたる人材で地方の企業をサポートするなどしている。

働く個人にとっては、これまで通りの会社で仕事を続けながら、自分のキャリアの可能性を新たに発見するなど、自分に合った新たな働き方と出会う場となっている。

既存の採用活動では獲得が難しい人材を、新しい切り口で獲得する人材獲得活動だ。

サンカク現場からのレポート「兼業・副業の実施意向がある人は過半数に達する」

出典:株式会社リクルート

調査時点(2022年1月)で、兼業や副業を実施中の人は9.4%。まだまだ少ないように見えるが、これまで兼業や副業の経験はないものの「今後実施したい」と回答した人が40.9%、「過去に兼業・副業経験があり今後実施意向あり」が5.6%だ。

兼業や副業の実施意向がある人の割合は過半数に達していることになる。特に20代~30代で意向が強いようだ。

実施意向の割合は2021年1月の調査結果からほとんど変わっていないものの、始めるきっかけや目的、仕事選びの基準、などに関しては、この1年で変化が見られるという。

企業側の兼業・副業への関心が高く制度が充実しつつある

出典:株式会社リクルート

上記の図は、「兼業・副業実施中」と「過去に兼業・副業の実施経験があり、今後再開予定」の人を対象に調査した「兼業・副業実施のきっかけ」だ。ブルーのグラフが2020年、ピンクのグラフが2021年の調査結果。

「すでに兼業・副業している人が身近にいた」という回答の割合は2020年とほぼ変わらない。注目したいのは、2020年から割合が増えた「会社から兼業・副業制度の説明があった」(16.5%→22.5%で6%アップ)と「会社から兼業・副業のやり方等のアドバイスがあった」(14.8%→18.5%で3.7%アップ)である。

この結果から、企業側の兼業や副業に対する関心の高さや制度を充実させようという動向が見えてくる。

実際に、人事制度の導入状況についての調査データもある。兼業・副業を認める人事制度が「ある」と回答したのは50.5%。過半数に達している。

出典:株式会社リクルート

上記の図は、「制度がない」と回答した人事担当者を対象とした導入予定の調査結果。3割以上の人事担当者が「制度の導入を検討している」と、積極的な姿勢がうかがえる。

調査概要

調査方法:インターネット調査
調査対象:企業に勤める正社員
有効回答数:企業人事担当者1648名/個人2072名
調査機関:インターネット調査会社

会社概要:株式会社リクルート

  • 会社名:株式会社リクルート
  • 会社解説:人と情報をつなぐマッチング&ソリューションカンパニー
  • 設立年月:2012年10月 株式会社リクルートホールディングス設立時の分社化により設立/2018年 4月 株式会社リクルートに商号変更
  • 事業概要:日本国内のHR・販促事業及びグローバル斡旋・販促事業/教育事業
  • URL: https://www.recruit.co.jp/