消費者庁が副業の不当勧誘を行う事業者名を公表！

在宅やフリーランスで働く人が増えている中、副業を行う人も増加している。

多くの事業者が正当な表示を行っているが、中には副業で稼げるとの誇大広告を行い、高額な費用を請求する悪徳業者もいるようだ。

長引くコロナ禍で被害者も増えており、全国各地の消費生活センターに相談が寄せられているため、事態を重く見た消費者庁は、注意喚起のために事業者名の公表に至った。

消費者庁では過去にも事業者名の公表を行っており、今回で3度目となる。

副業を不当勧誘した事業者名を公表

仕事を探していた10代～20代の若者を中心に、「稼げる副業がある」「スマホだけで簡単に月収100万円を目指せる」などと甘い言葉で副業に勧誘し、高額なマニュアル購入や有料プランを契約させる悪質な被害が増加している。

消費者庁は、2022年4月と9月にも同様の手口で勧誘していた事業者8社を公表していたが、今回も新たに2社の事業者名が公表された。

在宅時間の増加や物価高の影響で副業ニーズが高まっている

長引くコロナ禍や物価高の影響で、副業のニーズは高まりを見せている。

そうした状況に目を付けた悪徳業者が、「誰にでも簡単にできる」内容で高額収入が得られると虚偽広告を行っていた。

副業を不当勧誘する被害は、2021年5月ごろから徐々に増えており、過去にもこうした悪質な被害は消費者庁に報告されていた。今回も10代～20代の若い世代を中心に被害が増えていたようだ。

被害者の増加を受け、消費者庁は事業者名の公表に踏み切り、これ以上被害が増加しないよう注意喚起を行っている。

消費者庁が行った注意喚起

2022年11月17日に消費者庁は、「スマホで月収100万円が稼げる」や「一日最短15分で月収100万円が目指せる」などと消費者を巧みに誘い、副業の不当勧誘を行った事業者名を公表している。

今回新たに公表されたのは「株式会社クレヴァー」と「株式会社カーマイン」。

公表された事業者の詳細は以下の通りだ。

※いずれも、現在は解散している。

〈株式会社クレヴァー〉

所在地：東京都中野区一丁目22番12－303号
代表者：田村　翔一
解散日：2022年7月8日

〈株式会社カーマイン〉

所在地：東京都新宿区西新宿七丁目7番26号
代表者：竹畑　嘉則
解散日：2022年4月12日

両社は、副業希望者にLINEアカウントの登録を促し、副業を始めるためのマニュアルを購入させていた。さらに、高額なサポートプランを契約させていたようだ。

このサポートプランには、副業を行った際の見込み収益が「収益シミュレーション」として設定されており、「収益シミュレーションは必ず儲かる」などと言葉巧みに誘導し、有料のサポートプランを契約させていた。

しかし実際には、この収益シミュレーションの金額を達成した者はおらず、事業者側が意図的に誇大・虚偽の表示をしていたことが分かっている。

以前にも、2022年4月と9月に同様の手口で不当勧誘していた事業者8社を公表しているため、誇大・虚偽表示をしていたとして事業者名が公表されたのは計10社となった。

消費者庁は事業者名の公表とともに、消費者に対して、「簡単に高収入を得られる副業はありません。」「一旦、LINEや電話から離れて冷静になり、家族などの周りの人にも相談するなどし、広告や勧誘の内容を吟味しましょう」「被害にあったら、188（いやや！）に電話しましょう」などと、具体的なアドバイスを発信している。

事業者らが解散した後も、手口が似ている被害が全国の消費生活センターで報告されているため、まだまだ注意が必要だ。

こういった被害を防ぐためにも、少しでも違和感があれば、一度立ち止まって周囲に相談すべきだろう。