「新規事業を開発したいけれど、開発プロセスがわからない」このような悩みを解決するのが、新規事業コンサルです。企業の新しい悩みや課題に対して向き合うコンサルティング業務であるため、面白味のある仕事と言えるでしょう。

そこで今回は、新規事業コンサルの具体的な業務内容や、なるためのスキルや資格について解説します。企業の課題に一丸となって取り組んでいきたい人や、面白味のあるコンサルティング業をやりたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

新規事業コンサルの業務内容

新規事業コンサルの業務内容は、大まかに言えば新規事業開発に関する業務全般です。新規事業のテーマやコンセプト設計、計画書の作成から事業の立ち上げまでをサポートします。

コンサルティング業であるため、実務は行いませんが、新規事業を軌道に乗せるまでの業務全般を担っていかなければいけません。ただし、流れの一部のみを任せられるケースもあれば、0から始めるケースなど、企業によってコンサルを行う部分は異なります。

新規事業コンサル会社の支援事例

実際に新規事業コンサルを行っている会社がどのような業務を行っているのか、について紹介します。以下では、3社の事例を見ていきましょう。

  • 株式会社Relic
  • アスタミューゼ株式会社
  • 株式会社ドリームインキュベータ

新規事業コンサルの具体的な業務内容を知るための、参考としてください。

株式会社Relic

株式会社Relicは、これまでに500社以上の新規事業を支援している会社です。

主要事業として、以下の3つがあります。

  • 新規事業開発やオープンイノベーションの戦略立案〜実装・実行まで支援する事業プロデュース事業
  • 新規事業開発やオープンイノベーションの支援に特化したSaaS型のプラットフォームやテクノロジーを提供するインキュベーションテック/プラットフォーム事業
  • オープンイノベーション事業

業務に限定されず、どのような新規事業もサポートできるようなコンサルティングを行っています。

アスタミューゼ株式会社

アスタミューゼ株式会社は、成長市場や未来を創る技術分野を独自に定義し、それを元に新規事業のサポートを行っています。

具体的な分野は、以下のとおりです。

  • 新規事業アイデア
  • 市場分析
  • 技術活用
  • M&A
  • 事業化支援
  • 経営の意思決定

さらに、新規事業に挑戦する企業や人材を紹介する「astamuse.com」「astavision.com」といった自社メディアを運営しています。

株式会社ドリームインキュベータ

株式会社ドリームインキュベータは「未来のホンダやソニーを100社創る」といった理念を掲げている会社です。

主な事業内容は、以下の2つ。

  • 戦略コンサルティング事業……ビジネスプロデュース支援・事業戦略・成長戦略支援・M&A支援
  • インキュベーション事業……成長企業への投資、育成

2つの事業内容を融合させ、新規事業創造に取り組んでいる会社です。

新規事業コンサルの業務プロセス

新規事業コンサルを行う具体的な流れについて知っていきましょう。「新規事業を生み出し計画する」と言えば簡単に聞こえますが、具体的なプロセスは、主に以下の8つに分かれます。

  1. コンセプト設計
  2. ターゲット調査・分析
  3. SWOT分析
  4. ロングリスト作成
  5. ショートリスト作成
  6. 新規事業案の選定
  7. アクション計画立案
  8. 体制構築

それぞれのプロセスでどのようなことを行うのか、以下で解説していきます。

1.コンセプト設計

コンセプト設計では、目的とターゲットの選定を行います。主に以下の3つを整理しなければいけません。

  • 目的
  • ターゲット
  • 価値

新規事業を始めるにしても、目的によって方向性は大きく異なります。「新規顧客を獲得したい」「既存顧客へ新たな価値を提供したい」などをハッキリ整理し、社内で共通認識を持つ所から始めていかなければいけません。

2.ターゲット調査・分析

ターゲットが決まったら、どのようにターゲットに満足してもらうのか、調査や分析を行わなければいけません。分析をしておかなければ、事業として成り立たない可能性があります。

具体的に行う内容としては、想定顧客へのアンケートやインタビューなどです。ただアンケートをとるだけではなく、仮説検証のための質問をして、深掘りする必要があるため、質問力も求められます。

3.SWOT分析

調査や分析ができたら、次に企業の強みや弱みを整理していきます。多くの場合、この段階で使われるのはSWOT分析というフレームワークです。

  • Strength……強み
  • Weakness……弱み
  • Opportunity……機会
  • Threat……脅威

自社の強みを活かすのか、自社の弱みを補うのかによっても新規事業内容は異なります。もし自社の弱みを補うような事業の場合は、本当に自社でやるべきどうかも見直さなければいけません。SWOT分析を元に「新規事業を始めるべきか」や「新規事業のアイデア」などの課題について、リードしていきます。

4.ロングリスト作成

企業の分析ができたら、ロングリストを作成します。ロングリストというのは、大まかなアイデア出しと考えて良いでしょう。

ロングリスト作成で重要なのは、アイデアの多さです。実現性のないアイデアやリスクの高いようなアイデアでも受け入れ、とにかく多くの提案を社内全体から引き出します。出た案に対して批判的にならずに、想像力を伸ばした意見も大事にすると、新しい発想が生まれやすいです。

5.ショートリスト作成

ショートリストの作成では、ロングリストで出た案を絞り込んでいきます。たとえば、ロングリストで100個の案が出たら、10個に絞り込んでいかなければいけません。

ただし、あくまで大まかな振り分けです。ショートリスト作成の時点で細かく話し合いをすると先に進まなくなるので、ある程度大まかに案を絞り込んでいきます。

6.新規事業案の選定

ショートリストとして残った案については、新規事業案として詳細な評価を行っていきます。ロングリストやショートリストとは異なり、ビジネスモデルや収益性など、以下の観点から評価を行っていくのです。

  • ビジネスモデル
  • 市場性
  • 収益性
  • 競争性
  • リスク

なかでも有望な案については、実現に向けた調査やインタビューを行います。

7.アクション計画立案

新規事業案が選定できたら、実現するためのアクション計画の作成です。多くの場合、マルイストンの検討から始まります。

マルイストンというのは、プロジェクトの中で遅延の許されないような大きな節目です。企業で言うと、ローンチやプロジェクトの始動のタイミングなど。マルイストンに向けて何をすべきかを考え、計画を立てます。

8.体制構築

アクション計画の立案までいき、最後にプロジェクト体制の構築です。プロジェクトメンバーの選定も、新規事業コンサルが行います。

メンバーの選定については、経験や知見の高い人を中心に選んでいくのが一般的です。また、各メンバーの役割や責任の明確化まで行わなければいけません。細かく決めておかなければ、プロジェクト始動後に、工数の過不足が発生する可能性があります。さらに、モチベーション維持のための何かしらの対策も考えておくと良いでしょう。

新規事業コンサルに有利なスキル

新規事業コンサルを行うために、有利なスキルについて紹介します。新規事業コンサルを行う上で、必須の資格などはありません。しかし、企業の新規事業を計画するにあたっては、以下のスキルが必要と言えます。

  • 幅広い市場動向への知見
  • 実務経験
  • 資金調達の知見
  • マーケティングスキル

以下で、それぞれのスキルがどのように役に立つのかを解説します。現職や前職の経験で活かせるスキルがあるならば、新規事業コンサルとして活躍できるかもしれません。

幅広い市場動向への知見

新規事業コンサルを行う上で重要なのは、情報収集力です。企業が考える新しい新規事業は、どのようなものかわかりません。しかし、新規事業コンサルは、企業のどのような新規事業もサポートしていく必要があります。そのため、幅広い市場動向について知見をもっていなければいけません。

元々持っている知見と合わせながら、常に幅広い視野で新しい情報を理解しておくスキルも、新規事業コンサルとして重要なスキルになってくるでしょう。

実務経験

必須の資格ではありませんが、実務の経験も求められる傾向にあります。前職などで新規事業の立ち上げなどに携わっていなければ、どのようなプロセスで進めていいのかわからないからです。

また、実際に「BIZREACH」で新規事業コンサルの求人を検索したところ、以下のような条件がありました。

  • 企画立案・提案経験のごお持ちの方
  • 新規事業の立ち上げ経験
  • 自身で企画した戦略や施策において、高い成果を創出した経験

多くのコンサルティング会社は、必須条件として実務経験のある人を求めています。必ずしも実務経験がなければいけないわけではないものの、実務経験がないと不利になってしまうでしょう。

資金調達の知見

新規事業コンサルでは、資金調達の知見も必要になります。なぜなら、新規事業を立ち上げたい企業に資金があると限らないからです。

企業のなかには「新規事業を立ち上げたいけど資金がない」と相談するケースもあります。そこで必要になるのが、新規事業コンサルの資金調達の知見なのです。新規事業を立ち上げるには資金計画も必要になってくるので、資金調達の知見は重宝されます。

マーケティングスキル

新規事業コンサルでは、マーケティングスキルも必ず必要になります。新規事業計画では、コンセプト設計からターゲット選定、調査や分析まで行わなければいけません。SWOT分析なども、マーケティングのフレームワークとして多く知られています。そのため、マーケティングスキルはほぼ必須と言っても過言ではありません。

新規事業コンサルの仕事は、ただ新規事業を企画するだけではなく、軌道に乗るまでのサポートです。新規事業をしっかり形にして利益を出すために、マーケティングスキルを身につけておかなければいけません。

新規事業コンサルになるための資格は?

新規事業コンサルになるための必須資格はありません。しかし、資格があるとないでは、当然資格を保有している方が信用されます。コンサルタントとしても、信頼される存在になれるでしょう。

そのため、以下の資格を取得しておくと良いです。

  • 中小企業診断士
  • MBA

新規事業コンサルとして働くのであれば、2つの資格いずれかの取得を検討してみてください。以下では、それぞれの資格の特徴や概要、資格取得の方法について解説します。

中小企業診断士

中小企業診断士の業務内容は幅広くあります。なぜなら、中小企業診断士は、独占業務が定められていないからです。

基本的には以下の業務を行います。

  • 企業の経営状況の判断
  • 企業の経営状況の分析
  • より良い経営に導くアドバイス

つまり中小企業診断士とは、経営のコンサルティングと言っても過言ではありません。主に経営課題と向き合い、企業を成長させていきます。企業をコンサルティングするといった点では、新規事業コンサルに活かせる資格と言えるでしょう。

中小企業診断士の資格概要については、以下のとおりです。

受験資格・一次試験はなし
・二次試験:一次試験の合格
合格率・一次試験:36.4%
・二次試験:18.3%
(参照元:J-SMECA
受検手数料・一次試験:13,000円
・二次試験:17,200円
目安学習時間1,000時間

MBA

MBAとは「Master of BusinessAdministration」の略称で、経営学修士号または経営管理修士号と呼ばれる学位です。経営学の大学院修士課程を修了して授与されます。

資格として紹介していますが、MBAはあくまで学位です。しかし、MBAで学ぶ内容は経営に重要なものばかりであるため、新規事業コンサルとして役にたちます。

  • 経営戦略
  • 財務会計
  • マーケティング
  • コミュニケーション

経営資源の三要素と言われている「ヒト・モノ・カネ」について学ぶため、経営に関する幅広い知識が得られます。

MBAの取得方法は、以下のとおりです。

取得方法ビジネススクールで履修期間を修了
取得率ビジネススクールによって異なる
MBAの学費相場100~370万円
目安学習時間約3年

企業の未来を切り拓く新規事業コンサル

新規事業コンサルは、企業にとって、とても重要な役割を担います。そのため、スキルや資格、実務経験が重要です。

また、新規事業コンサルを目指すのであれば、まずは実務経験やスキルを積んでから挑む道も検討してみましょう。

さまざまな企業の新規事業を成功させるために、ぜひ新規事業コンサルを目指してみてください。

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