クライアントと「一度きりの関係」になっていませんか?

フリーランスコンサルタントとして独立後、知人からの紹介や自身の営業によって案件を獲得することはできたものの、一度、仕事を請け負った「後」が続かない――そんな声をよく聞きます。つまり、依頼された案件が終了した後、続けて、もしくはコンスタントに仕事の依頼が来ることもなく、最悪の場合「たった一度の関係」で終わってしまうのだと。

筆者も10年以上フリーランスとして活動を続けてきましたが、間違いなく「新たなクライアントや案件の獲得」よりも、一度仕事を依頼されたクライアントから「また次も仕事をお願いしたいと思ってもらう」ことの方が数倍難しいのではないかと感じています。

「次の仕事」が依頼されない理由の中には、そもそもクライアント側が依頼する案件を複数持っていない、方針の変更で外注への依頼を取りやめる…など、仕事を受けるフリーランス側ではどうにもならないものもあります。しかし「クライアントには案件があると思われるのに依頼が来ない」という場合には、自分が業務を請け、遂行した時の「何か」にご満足いただけなかった可能性が高いと考えるべきであり、その考えられる「原因」を早急に探り、改善する必要があります。

ただ、筆者同様フリーランスで活動する友人や知人の経験などに鑑みると、「一度きりで仕事の依頼が来ない」というケースが続く場合、その原因は、能力面というよりは、仕事への向き合い方、マナーといった部分にある可能性の方が高め。耳の痛い話かもしれませんが、心がけ次第ですぐに改善できる部分でもあるので、まずは一度、自分の姿を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

そこで今回は「クライアントとの関係が長続きしない」「コンスタントに仕事を依頼してくれるクライアントと出会いたい」とお悩みの方に、仕事を請け負う際に心がけたい、見直したい5つのポイントをご紹介。どれも明日からすぐに取り組めるような簡単なものばかりなので、ぜひ実践し、クライアントから選ばれるフリーランスコンサルタントをめざしましょう!

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ポイント1:時間厳守!常に5~10分前行動を心掛けよう

クライアントとの打ち合わせや、クライアントと同行しての会議への参加など、コンサルタントとして活動するうえでは多くの「約束」や「待ち合わせ」をする場面があります。ではその時に、あなたは何分前に現地に到着するようにしているでしょうか。

もちろん、待ち合わせの時間までに到着していれば基本は問題ありません。しかし、例えばクライアントの担当者との待ち合わせの時に、相手は10分以上前から現地で待機しているのに、自分はいつもギリギリになって駆け込むように到着――ということが続いているような場合は、ちょっと考えもの。通常、約束の時間が決まっている場合、その時間から逆算して「何時までに家を出る」といった計画を立てて行動するのが社会人としても人間としても当たり前のマナーです。厳しい言い方ですが、そんな当たり前の時間管理すらできないコンサルタントに重要な案件を頼もうと考える企業はいないでしょう。

そしてそれは今、増えているオンライン会議の場でも同じこと。「14時に会議スタート」でも、14時になってからアクセスするのではなく、少なくとも5分くらい前には入室しておくように心がけましょう。

ちなみに業種は違いますが、筆者は独立する前、フリーランスの先輩から「待ち合わせの場所に30分前には到着するつもりで行動すべき」だとよく言われていました。実際、今もできる限り守るよう心がけていますが、そのおかげで事故等による電車遅延に巻き込まれ、別ルートを使うことになった場合でも、ほぼ約束の時間までに到着することができるので焦らずに済みます。また、予定通り早く着いた時には、近くのカフェ等でその日の取材や打ち合わせの資料の見直しをしたり、メールや電話をするといった簡単な仕事を済ませることもできますので、正直、早め早めの行動には「メリットしかない」と感じています。

たかが5分、されど5分。時間ギリギリの行動、遅刻は自分の評価を自分で下げてしまう行為でもあります。時間厳守・早めの行動を心がけ、待ち合わせの場では「常に自分が相手を待つ」くらいの気持ちで行動しましょう。

ポイント2:連絡は密に!メールやSlackには即レスを!

また、時間厳守と共に心がけたいのが「連絡をこまめに取れるようにする」こと。コンサルタントとして契約した後、依頼をしたクライアント側としてはやはりプロに相談したいこと、確認したいことなども多く、マメに電話やメールで連絡を入れる場合があります。そんな時に「ほとんど電話に出てくれないうえに、折り返しもない」「メールで送った質問が翌日になっても帰ってこない」という状況が続くと、徐々に「この人に任せて大丈夫なのだろうか」と不安になってしまいます。

また、今はメール以外にもSlackやチャットワークなど、迅速な連絡を可能にしたアプリなどもあるのですが…それすら返信が来るまでに数日かかる、既読にもならないという人も実際に(筆者のまわりにも)います。正直、そこまでくると、「真剣に仕事と向き合っているのかな?」と不信感がわいてくるレベルであり、クライアントも重要なビジネスをおまかせする気持ちにはないでしょう。

もちろん、夜中や休日に送られてきたメールにまで即時対応する必要はありません。ただし今はさまざまな連絡手段が発達し「即レス」が基本の時代。フリーランスコンサルタントとして活動する筆者の知人は、これまでの経験を振り返って「スマホは仕事や新たな出会いと繋がっている打ち出の小槌のようなもの。かかってきた電話やメールにすぐに対応しないのは、自らチャンスを放棄しているのと一緒」だと言い切ります。信頼性・誠実性が求められるコンサルタントにとって「連絡が密に取れるかどうか」は、やはりその評価を大きく左右するポイントなのでしょう。

送られてきたメールにはできる限り早く対応し、即答できるような内容でない場合も、「調べて後日連絡する」旨を早めに伝えるように心がけましょう。また、地方へ出張する、長時間の会議に出席するなど、連絡が取りにくくなる日がある場合は、あらかじめその旨をクライアントに伝えておくようにすると、印象もさらにアップするはずです。

ポイント3:感謝や誉め言葉は必ず伝えるようにしよう!

普段、クライアントや担当者と会話する時、メールなどでやり取りする時、意識して「感謝の気持ち」を伝えるようにしているでしょうか。

「ありがとう」など、感謝をきちんと言葉や文字で伝えることは、ビジネスの現場においても非常に大切なことです。実際、感謝の気持ちを伝えられると、相手の気持ちに「自分が必要とされているという気持ちになる」「気持ちが前向きになる」といった変化が見られ、その結果、「難しい局面にも対応できる強い絆が生まれる」など、さまざまな研究結果も発表されています。メールを送る際、「お世話になっております」の一文の後にすぐに用件のみ伝えて終わらせていないでしょうか。また、打ち合わせなどで直接顔を合わせた時など、そのまま淡々と話しを進めていないでしょうか。心当たりがあるようなら、ぜひ今後は、積極的に感謝の言葉を入れるようにしてください。

例えばメールやSlackで寄せられた質問に答える時、文頭に一言「お問い合わせいただきましてありがとうございます」と伝える、ほかにも電話がかかってきたら「お電話ありがとうございます」、打ち合わせの最後に「お時間をいただきましてありがとうございました」といったように、常に感謝の気持ちを伝えるようにしてはいかがでしょうか。前向きな言葉は前向きな気持ちを生み出すもの。クライアントとの関係強化、強固な信頼関係を構築するためにもぜひ実践してみてください。

ポイント4:チーム外の一員に徹する=馴れ合いの関係にならないこと

一般的に、コンサルタントがひとつのプロジェクトを任される期間は数ヶ月から1年。その間、クライアントの内部に入り、情報収集や分析、検証から、実行支援まで求められることも少なくありません。短い期間の中でしっかりと成果を求められることになりますので、クライアントとも密にコミュニケーションを取り、連携を取ることが必要となります。

数カ月の間、チームとしてプロジェクトに向き合うことになりますから、当然、チームメンバーの間には「仲間意識」も生まれるはずです。時には打ち合わせを兼ねて一緒にランチに行く…なんてこともあるでしょう。

しかし、ここでたまに見られるのが、仲間意識が強くなるあまり馴れ合いの関係になってしまうこと。そうなると、チーム内で「公私の区別がつかない」「まじめな意見効果などがしにくい雰囲気になる」など、いわゆる“なあなあの関係”となり、プロジェクトそのものの成功が危うくなる恐れも。それではクライアントとしても「何のためにコンサルタントを起用したのかわからない」となってしまいます。

どんなに職場内の込み入った相談を持ち掛けられたとしても、チーム内の距離が縮まり、団結力が強くなっていたとしても、クライアントとフリーランスコンサルタントとしての関係までが変わるわけではありません。もちろん「自分は社内の人間ではないから…」と常に一歩引いた態度をとる必要は全くありませんが、他のメンバーが馴れ合いの関係になってしまった時にもそれに流されるのではなく、逆にその状態を改善し、成長に向かって導く努力をすることがコンサルタントとしての正しい役割だと理解しましょう。

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ポイント5:自らが持つノウハウや知識を「押し付けて」いませんか?

コンサルティングとは、企業や個人に対して最適な解決案を示すことで、その発展・業績の向上へと導く業務・・・と聞くと、コンサルタントとは専門分野の知識や経験を活かして問題解決のための「答えを教える」仕事だと考える人もいるのではないでしょうか。

そのため、コンサルタントの中には、一方的に「こうした方がいい」「これに取り組むべき」と一般的な手法をアドバイスし、それに従った行動を促すといった行動に出る人も多数見受けられます。しかし、今、目の前に起きている課題の「原因」はその企業、人によってさまざまであり、自分の知識の中から一般的な手法を提示し、実践してもらえば必ず成功につながる――となるほど、世間は単純ではありません。また、クライアントの現状を正確に把握することなく、一方的に指示だけ出されれば、本人としては良かれと思ってのアドバイスでも「ずいぶん上から目線の人だな」と煙たがられ、敬遠されてしまうでしょう。

目の前にある問題を「根本から」解決するためには、その問題がなぜ発生しているのか、徹底的に要因を探り、理解する必要があります。そして自分で提示した解決法をただクライアントに提示し、それを実践させるのではなく、大切なのは、今ある問題の原因をクライアントと共に考え、問題解決のための手段、手順をアドバイスし、クライアントが前向きに取り組めるよう導くこと。コンサルタントとは、「自らのノウハウや方法を伝授してクライアントを動かす」ことではなく、「クライアントが問題に気づき、改善のための行動を起こせるようにサポートする」ことだと心得ましょう。

また、かつて美容系企業を経営する筆者の友人は、SNSを活用した集客や広告法についてアドバイスをもらいたいと、ITコンサルタントの採用を検討したことがあるそうです。しかし、「採用面談を兼ねた最初の打ち合わせの時に、コンサル用語を連発する人が多く、嫌になって採用自体を取りやめた」といいます。実はこうしたコンサル用語の多用も、「何を言っているのかわからない」「ちょっと鼻につく」と敬遠されてしまう理由のひとつ。一度、ご自身の普段の会話、提案を客観的に振り返り、「コンサル用語が多すぎないか」「相手に伝わりにくい言葉を使っていないか」をチェックしてみることもお勧めです。

・・・いかがでしょうか。

クライアントが何よりもコンサルタントに求めるものが「目に見える成果」であることは間違いありません。しかし、「長くパートナーとしてプロジェクトをお任せしたい」と考える時に選ばれるコンサルタントを目指すのであれば、ここまで述べてきたようなマナーや心遣いを身に付けることも必要です。自分の知識や経験を無駄にしないためにも、一度自分の「普段の姿」を振り返ってみましょう。

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