企業の経営課題に対して具体的な解決策や経営戦略を提供する経営コンサルタントは、収入の高さや待遇の良さ、将来性などから多くの方にとって憧れの職業となっています。

中には、求められる専門性の高さから「資格が必要なのでは?」と思われることもありますが、経営コンサルタントになるために資格は必要ありません。しかし、持っていると有利になる資格があるのも事実です。

本記事では経営コンサルタントが保有しておくと有利な資格や、経営コンサルタントのなり方、実際の業務内容などを解説します。

経営コンサルタントとは?

経営コンサルタントとは、企業が抱える経営上の課題に対して向き合い、解決まで導く「経営の専門家」を指します。具体的には、抱えている課題がなぜ生じているかにスポットを当てて原因を見つけ、論理的な思考をもとに解決策を導き出したり、実際に施策を実行したりするのが業務内容です。

求められるスキルは多種多様で、いずれも高いレベルで備えている必要があるため、コンサルティングファームへの就職や転職を成功させたり、独立して経営コンサルの案件を獲得したりするのは難しいと言えます。

一方で、コンサルティングの内容や求められる成果は高度かつインパクトの大きなものが多く、やりがいを感じられたり、高い報酬が期待できたりと、業務の難易度を上回る魅力があるのも事実です。

下記の記事では、経営コンサルタントのやりがいや必要な能力を解説していますので宜しければぜひご覧ください。

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経営コンサルタントに資格は必要?

経営コンサルタントとして活躍する方の中には士業者も多く、一見すると「難関資格が必要なんじゃないか」「名乗るのに必要な資格があるんじゃないか」と思ってしまいがちですが、資格は必要ありません。無資格でも経営コンサルタントとして実務に当たることは可能です。

しかし、全くの無資格や未経験では経営コンサルタントとして求められる成果を上げるのは難しいと言えます。なぜなら、経営コンサルタントに依頼する時点で、その企業の中に課題を解決するリソースやノウハウがないことを意味しているためです。次の章でその理由を紐解いていきましょう。

無資格や未経験では経営コンサルタントにはなれない?

企業の経営課題は多岐にわたりますが、基本的には企業の経営者や経験豊富な役員、抱えている従業員などが対処し、順当に課題を解決していくもの。その誰もが白旗を上げるような難しい課題に直面し、初めて外部のプロフェッショナルに力を借りるのが一般的です。

つまり、経営コンサルタントはクライアント企業の誰よりも経営課題の解決に詳しく、実行力がなければなりません。そうした視点で見ると、無資格や未経験の方が経営コンサルタントとして実務に当たるのは非現実的であると言えるでしょう。

経営コンサルタントになるために資格は不要

一方で、資格が無くても経営コンサルタントとして必要な素養やスキルを身に付けていれば、実務で充分にコンサルティングを行えると言えます。実際に、無資格で入社したコンサルティングファームで実務経験を積み、無資格のまま独立・開業する方も少なくありません。

また、業務独占資格や名称独占資格があるわけでもないので、法令的にも無資格で経営コンサルタントとして働いたり、事業を興したりすることは問題ありません。

一般的に難易度の高い職業には専門の資格が用意されていることが多いですが、経営コンサルタントにはそうした縛りが存在しません。この理由として、経営コンサルタントに求められる能力は一つの難関資格で補えるタイプのものではなく、複合的なスキルが求められるためであると言えます。

例えばコミュニケーション能力やマネジメント能力、論理的思考力などが挙げられますが、これらを客観的に評価する公的な資格は存在せず、数値化して図ることも難しいと言えるでしょう。

そのため、経営コンサルタントの評価は資格よりも実務経験や知識、実績といった目に見えるものによって下されます。とはいえ、保有していると有利になる資格も存在するため、参考として覚えておくと良いでしょう。

経営コンサルタントへの転職で有利な資格はある

経営コンサルタントへ転職する際に有利になるのが「中小企業診断士」や「MBA」、「公認会計士」といった資格です。MBAは厳密に言えば資格ではありませんが、大学院レベルの高度なビジネススキルを有しているという点で評価されることがあります。

これらは実務に活かせるというよりは、あくまで一定の知識を備えていることの証明として「転職時に役に立つ」資格です。そのためこれらを持っておけば転職が成功すると言い切れないのも事実。先述したように実務経験や実績が重視される業界のため、年齢によっては、未経験だとこれらの資格だけでは転職が難しい可能性があります。

下記の記事では、経営コンサルタントになるために必要な事項や基礎知識をまとめていますので、宜しければご参照下さい。

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とはいえ、中小企業診断士は中小企業の経営に資する知識が多く学べる上、国家資格として大きなアドバンテージにもなります。MBAや公認会計士も、ビジネスに関する知識や視点の高さを証明したり、財務・会計に関する高い知識の証明になったりするので、保有しておいて損はないでしょう。

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経営コンサルタントの実務内容とは?

ここからは、経営コンサルタントの具体的な実務内容について解説します。実際の業務のなかで必要になる能力も紹介するので、業務の流れをイメージしながら読み進めてみましょう。

クライアント企業にヒアリング

まずはクライアント企業にヒアリングを行い、どのような課題を抱えているのか、課題の本質は何なのかを探ります。

ただ「どんな課題があるのですか?」と尋ねるだけでは、企業側が把握している内容しか聞き出せません。質問の仕方を工夫したり、洞察力を磨いたりして、クライアント企業が把握していない深さにある問題の本質を捉えましょう。

ここで重要になるのが「質問力」や「洞察力」です。

課題の分析や把握

課題が把握できたら、その課題を分析したり、具体的に捉えて把握したりします。

例えば「利益が伸び悩んでいる」という課題を掘り下げ、「売上ではなく費用が原因の本質だろう」というアタリを付け、「このサービスAをやめれば費用が減少して利益が増える」といった形で課題の姿をリアルにしていきます。

ここで必要になるのが「論理的思考力」です。

課題が生じている原因の究明

課題の形を捉えたうえで、「どうしてその課題が生じているのか」を検討します。上記の例で言えば、「サービスAを存続させる理由は何なのか」「なぜサービスAは費用がかかりすぎているのか」を検討する、といったイメージです。

課題が生じる背景には必ず理由や原因があります。この理由や原因を掘り下げずにクライアントへ「サービスAをとりやめましょう」と提案しても、企業側は理由や原因を既に理解しているため「それはできない」と却下されてしまうでしょう。

例えば将来的な市場の成熟を見越し、「投資的な位置づけとしてサービスAを展開し続けたい」という理由があった場合、サービスAにかける費用はクライアント企業にとって必要経費という扱いになります。とりやめるのは得策ではないでしょう。

こうした理由や原因を把握した上で、最善の解決策を提示することが求められます。ここで必要になるのが「論理的思考力」です。

因果関係をもとに解決策を立案

理由や原因が分かったら、解決策の立案に移ります。

例えば、「サービスAを取りやめない代わりに削れる予算を削る」「他のサービスで売上が最大化するよう各サービスでマーケティング施策を練り直す」といった解決策を立案し、実現可能性の高さや成功時のインパクトの高さも加味してプランを絞ります。

最適な解決策が見つかったら、次のフェーズに移行しましょう。ここで求められる能力も「論理的思考力」です。場合によっては市場や経営に対する知見なども求められるでしょう。

具体的な実行プランを作成し、提案

見つかった最適なプランを具体的な施策に落とし込み、クライアント企業に提案します。

例えば、「他のサービスで売上が最大化するよう各サービスでマーケティング施策を練り直す」というプランを提案する場合、各サービスの現状と改善後の予測を数値で示し、それらの根拠や具体的な改善内容も含めて提案する、というイメージです。

ここでは「論理的思考力」と「プレゼンテーション能力」「コミュニケーション能力」などが求められます。

同意のもと施策の実行と効果の測定

クライアント企業が提案に同意してくれたら、さっそく施策の実行に移ります。施策を実行して一定期間が経過したら、効果はどれくらいあったのか、成功なのか失敗なのかを判断するために効果の測定を行いましょう。

経営コンサルティングは実際に施策を実行する場合と、プランを練るだけの場合とに分かれますが、近年は実際に施策の実行まで伴走するケースが増えています。その場合はクライアント企業のメンバーと協働しながら、自分の立てたプランに沿ってプロジェクトを進めなければなりません。

求められるスキルは「コミュニケーション能力」や「マネジメント能力」「責任感」「精神力」、場合によっては長時間の勤務に耐える「体力」も求められます。

これらの業務をこなす上で、資格が必要になる場面はそう多くありません。経営コンサルタントの実務に活かせる資格は一概には言えず、どちらかと言えばコンサルタントのスキルや実績、経験などが成否を分けると言えます。

経営コンサルタントに求められるスキルについては、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

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経営コンサルタントになって企業の未来を担う

経営コンサルタントは企業が抱える経営上の課題を解決するプロフェッショナル。その双肩に企業の未来が懸かっていると言っても過言ではありません。

そのため、大きな裁量を持っていたり、給与や報酬が高かったりといった実力主義的な業界であるとも言えます。こうした状況に魅力を感じる方にとっては、大きなやりがいを得られる職業でしょう。

本記事を参考に、経営コンサルタントへの転職で有利になる資格や、実際の実務内容を理解し、今後のキャリアを切り拓いてみてくださいね。