ファクタリングは、売掛債権を売却し現金化できる金融サービスで、請求書買取りサービスなどとも呼ばれる資金調達方法の1つです。
融資と比べると入金までのスピードが速く、取引先の信用力が審査されることから承認がおりやすいため、資金繰りが厳しい中小企業に多く利用されてきました。
近年では、フリーランス・個人事業主の利用も増え、専用のファクタリングサービスを展開している業者も増えています。
本記事では、ファクタリングについての基礎知識から、フリーランスにおすすめのファクタリング業者まで詳しく解説しています。フリーランスでファクタリングの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
そもそもファクタリングとは?フリーランスでも利用できるのか?
ファクタリングとは、「債権買取り」という意味で、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスのことです。法的には債券の売買(債権譲渡)契約に相当します。
売掛金とは取引先に対して将来的に金銭を受け取る権利のことを言います。ファクタリングは、この権利をファクタリング業者に売却し現金を得る資金調達の方法の1つで、合法な金融取引です。
仕事の報酬を支払ってもらうための請求書を取引先に出すタイミングに法的な決まりはありませんが、一般的に先払いではなく納品後に請求し後払いとなるケースが多いでしょう。そのため、実際に仕事をしてから入金されるまではタイムラグが発生します。
しかし、フリーランスなど事業の規模が小さい場合は、資金繰りがうまくいかず外注先への支払いができなかったり、大きな取引のチャンスを逃してしまったりすることも。
そんなときにファクタリングを利用すれば、取引先からの入金を待たずに請求書を現金化することができ、資金を調達することが可能になるのです。
ファクタリング業者に売掛金を買い取ってもらうには、手数料がかかります。手数料は売掛金に対して何割かをファクタリング業者が取引先の信用力などを審査し決定しています。
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フリーランスがファクタリング業者を選ぶときのポイント5つ
フリーランスが資金調達のためにファクタリング業者を利用する際のポイントを5つ解説いたします。
POINT①即日入金可能かなど入金サイトを確認する
スピーディな対応が可能であれば、大きな取引のチャンスも逃さず済みますよね。
ファクタリング業者へ契約を申し込んだ後の最短入金日は業者によって異なります。中には即日入金という業者もありますので、すぐに資金調達したい場合は即日対応の業者を選びましょう。
POINT②オンラインのみか対面でも可能か
昨今のコロナ禍で、いろいろな業界でオンライン契約サービスが開始され、対面契約でなくても抵抗が少なくなってきた人も多いのではないでしょうか?
ファクタリング業者も、スピーディな契約を売りにしていることからオンライン契約が可能、またはオンライン契約のみ対応可能な業者が増えています。
しかし、老舗の業者など対面での契約に対応している会社もあります。お金のことなのでやはり顔を見て会って話をしたいという人は、対面契約に対応しているかどうか確認しておくとよいでしょう。
POINT③必要書類が少ないと手続きが簡単でスピーディ
これまでの入出金の明細などを確認するための預金通帳や、売掛金の明細や取引先を示す請求書は、いずれの業者も提出必須書類です。そのほか、身分証明証や印鑑登録証明など、業者によって用意しなくてはいけない書類は異なります。
必要以上に書類の用意がないほうがスムーズな手続きができるので、即日対応など希望の場合は、必要書類も確認しておきましょう。
何の書類もなくてOK!という場合は違法な業者である可能性も。法外な手数料がかかったり、違法な契約を結ばせようとしたりしていることがあるので、あまりに簡単な手続きを謳っている場合は注意し、信頼できる会社を選びましょう。
POINT④買取り可能額の下限や上限を確認する
ファクタリング業者は、買取りの下限金額・上限金額を定めていることがほとんどです。
1万円~OKというところから、30万円~、上限は無制限という業者まで様々です。ご自身の事業の規模から、いくらくらいの買い取りが必要なのか、買取り可能額がマッチしている業者を選びましょう。
POINT⑤買取り手数料をチェックする
ファクタリングの利用にあたって、買取り手数料は重要なポイントです。必要書類が少なく即日入金とあっても、相場より高い手数料、また法外な手数料を要求されると、結果的に手元に残るお金が少なくなり、資金繰りは悪化します。
2社間取引の場合10~20%、3社間取引の場合1.0%~9.0%が相場といわれています。2社間の場合、取引の合意が3社間よりしやすい分手数料が高めとなっていますが、最近は2社間取引でも相場より安い手数料の業者も存在します。
手数料はご自身の業績ではなく、取引先の信用度が決定の大きな要素です。またリピート利用すると手数料が優遇される等の特典を設けている業者もあるので、複数の業者で相見積もりし比較してから決めるとよいでしょう。
フリーランス対応のおすすめファクタリング業者5選
フリーランスに対応しているおすすめのファクタリング業者をまとめました。利用可能額や手続き方法を確認し、マッチしている業者を選ぶ参考にしてください。
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【QuQuMo】下限も上限もなし
入金完了まで最短2時間という速さが魅力のサービスです。審査と手続きがネット完結でき、買取り金額に下限上限がないので事業規模に関係なく利用しやすい点がポイントです。
【ペイトナーファクタリング】最短10分のスピード対応
フリーランス・個人事業主向けのファクタリングサービスで、利用下限は1万円からと小口債権でも利用できることが特徴です。オンライン手続きで審査完了まで最短10分、平日なら午前中の審査完了で当日入金まで可能と、スピーディさが魅力です
【GMOフリーランスファクタリング】会員登録不要でスピーディ
単発利用でスピード重視ならGMOフリーランスファクタリングがおすすめです。会員登録不要で提出書類は請求書のみ、最短30分で審査が完了します。
【ビートレーディング】オンラインでも対面でもOK
フリーランスと法人どちらでも利用可能な老舗ファクタリング会社で、実績は業界トップクラス。2022年3月時点の累計取引先は37,000社に上ります。対面でもオンラインでも契約可能で、「注文書ファクタリング」に対応しており、資金繰りの大幅な改善が期待できます。
【FREENANCE】あんしん補償が付帯される
GMOフリーランスファクタリングと同じ運営会社のサービス「FREENANCE」は、フリーランス専用のユニークな金融サービスです。報酬受け取り専用口座を開設すると、無料で損害賠償保険(あんしん保障)が付帯されます。サービスの1つに即日払い(ファクタリング)があり、フリーナンス口座を利用すると手数料が安くなります。
サービス名称 | 運営会社 | 手数料 | 利用可能額 | 手続き | 特徴 |
QuQuMo (ククモ) | 株式会社アクティブサポート | 1.0%~14.8% | 無制限 | オンライン | 事業規模に関係なく利用しやすい |
ペイトナーファクタリング | ペイトナー株式会社 | 10% | 初回:1~25万円2回目以降:~100万円 | オンライン | 即日入金でスピーディ |
GMOフリーランスファクタリング | GMOクリエイターズネットワーク株式会社 | 9.5% | 1万円~(上限なし) | オンライン | 請求書のみで審査完了まで最短30分 |
ビートレーディング | 株式会社ビートレーディング | 2社間:4~12%3社間:2~9% | 無制限 | 対面/オンライン | 注文書ファクタリングに対応 |
FREENANCE | GMOクリエイターズネットワーク株式会社 | 3~10% | 1万円~25万円 | オンライン | 損害賠償保険がサービスに含まれている |
ファクタリングは審査が甘い?融資との違いとは
ファクタリングの他に資金調達方法と言えば「融資」が挙げられます。
融資は、将来に向かって数十年負債を返済してくことになるため、借りる側の財務状況や信用度、事業の成長性が審査され、場合によっては審査に通らず融資を受けられないこともあります。
融資とは違い、ファクタリングで重要視されるのは取引先の信用度です。そのためご自身の業績が赤字で融資には落ちたとしても、ファクタリングであれば利用できる可能性は十分にあると言えるでしょう。
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フリーランスがファクタリングを利用するメリット
ファクタリングは、融資と比べて個人事業主が利用しやすい資金調達方法です。申し込みから審査・資金調達まで数週間ほどかかる融資と比べると、わずか数時間で買取り金の振り込みが完了するなどスピーディな点がメリットです。
また必要書類が少ない、オンラインで契約が完結できるなど、面倒な手続きや結果を待つ時間も短縮され、資金繰りが難しいフリーランスでも利用しやすいのでメリットが大きいと言えるでしょう。
フリーランスがファクタリングを利用するときの注意点
ファクタリングを利用するにあたって注意したい点を3つご紹介します。
最も注意すべき点は、手数料でしょう。ファクタリングの手数料の相場は、2社間ファクタリングで約10%~20%、3社間で約1%~9%といわれています。
取引先から支払われる額から手数料を引かれて現金化するため、手元に残るお金が少なくなります。相場より高い手数料の場合や、無計画な利用は資金繰りを悪化させる原因になるため、手数料についてよく理解して利用しましょう。
また、あくまで売掛債権を買い取ってもらうサービスであるため、売掛金を上回る資金調達はできない点にも注意が必要です。事業を拡大したい場合などは融資を申し込むなど使い分けるようにしましょう。
最後に、ファクタリング業者には、法令による規制が現在のところありません。そのためファクタリング業者を装った悪質な貸し付けを行う貸金業者が横行しており、金融庁が注意喚起しています(金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」)。
貸金業は、財務局長または都道府県知事に届け出て貸金業として登録をしないと事業を営むことができません。貸金業登録をせず違法に営業しているヤミ金などが、ファクタリング業者を装って貸金業を行っていることがあるので、必要書類が極端に少ない、手数料が相場より高いなどの場合は利用しないように注意しましょう。
通帳なしや請求書のみでも利用可能?最低限必要な書類とは
ファクタリングの契約には、申込時に提出する書類がいくつかあります。下記の書類はほとんどの業者で提出が必要な書類です。事前に確認しておき、スムーズな契約ができるように準備しましょう。
必要書類①請求書
売掛債権が実在することの証明になるので、どのファクタリング業者でも必要です。支払期日や取引先の情報も確認します。
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必要書類②預金通帳
ファクタリング業者は、取引先の信用力を審査し未回収リスクを評価します。そのため、預金通帳でこれまでの入金頻度や金額を確認します。通常、直近3~6か月分程度のコピーの提出が求められます。
必要書類③身分証明書
身分証明書は、免許証やマイナンバーカードなど、通常いろいろな場面で提出を求められる公的書類で十分です。法人の場合は、代表者の身分証明書が必要になります。
はじめてのファクタリングでよくある疑問
はじめてファクタリングを利用する場合によくある質問をまとめました。専門的な用語もありますが、契約にかかわる事なので理解したうえで利用しましょう。
買取り型や保証型って何?
買取り型とは、売掛債権をファクタリング業者が買い取り現金にするサービスで、取引先からの支払い前に請求書等を現金化できるシステムです。
保証型は、取引先の支払いをファクタリング業者に保証してもらい回収不能リスクを軽減できるサービスのことです。利用者は保証料を支払い、取引先が倒産などで支払いできなくなった場合でも売掛債権を回収することができます。ファクタリング業者に保証してもらうことで、貸倒れによる損失を軽減できます。
買取り型のファクタリングを利用する場合は、取引先との契約書に「債権譲渡禁止」の記載がないことを確認する必要があります。
また、支払期日までに支払ってもらえなかった不良債権は買い取ってもらうことができないので、注意が必要です。
保証型は、買取り型に比べて現金化するまでに時間がかかる点がデメリットといえるでしょう。また、取引先の信用力が審査されるため、引き受けてもらえない場合もあります。保証開始後に取引先の信用力が急激に低下した場合は、保証の廃止を通知されることもあるため、100%の保証ではないことを念頭に利用を検討しましょう。
2社間や3社間って何?
2社間ファクタリング(2者間という場合もある)とは、ファクタリングの利用者とファクタリング業者の2者間で契約する方式の買取り型ファクタリングのことです。取引先に知られることがないので、利用者の資金繰りなどが相手に伝わり取引に影響が出る心配がありません。2者間での合意なので、契約もスムーズで入金までがスピーディです。
3社間ファクタリングは、ファクタリング利用者、ファクタリング業者と取引先の3者間で契約の合意をするタイプの買取り型ファクタリングです。
2者間の場合、売掛金が取引先から入金されたら、利用者からファクタリング業者へ支払いを行いますが、3社間の場合は、取引先からファクタリング業者へ直接入金が行われます。
また手数料も2社間より安くなる傾向にありますが、3者間での合意のため、提出する資料や段取りが複雑になったり、取引先に自身の資金繰りが厳しい印象を与えたりする可能性があります。
まとめ
フリーランスの資金調達方法の1つ、ファクタリングサービスについて解説しました。もとは中小企業に利用者の多いサービスでしたが、近年は事業の規模が小さいフリーランスや小口債権でも契約できる業者が増え、資金繰りの改善や大口案件獲得のために利用する人も増えています。
フリーランスでファクタリングの利用を検討している方は、ぜひおすすめの業者も参考にしてみてください。
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