フリーランスとして成功するためには、資金調達や経営の相談が出来る税理士を探す必要があります。ただ最近ではマネーフォワードやfreeeを使えば、税理士はいらないという考え方もあります。また実際に税理士がいなくて困らないフリーランスの人も多いでしょう。
しかし資金調達や経営の相談が出来る税理士に頼むことで、フリーランスの成功確率が上がるのは間違いありません。ここでは税理士を探す方法や選ぶタイミング、ポイントについて説明します。
資金調達や経営の相談も出来る税理士を雇えばフリーランスとして成功する可能性が高まる!
先ほども述べたとおり、税理士ではなくマネーフォワードやfreeeで十分という人も多いです。確かにただ試算表を作成するだけであれば、それで十分です。それでも税理士に依頼するのは、資金調達や経営の相談も一緒にする税理士が増えているからです。
例えば資金調達において、銀行とのつながりがあれば、紹介してもらえます。もちろん紹介してもらえばすぐに融資がおりるわけではありません。しかし1人で交渉に当たるよりも紹介してもらった方が、融資につながる可能性は高くなります。
私の知人も銀行を紹介してもらい、希望の融資額を受けられました。銀行とのつながりがあれば、大体どれぐらいの金額を融資してもらえるかもわかるので、申請もしやすいというメリットもあります。
またフリーランスといえどもほぼ会社と同じです。どのように経費削減するのか、また売上をどう増やしていくのか考える際に、税理士は頼れる存在になります。なぜなら税理士は多くのフリーランスや会社にかかわっており、成功している人たちを見ているからです。
そうした成功事例をもとに、どうすればうまくいくのか、アドバイスがもらえるのは非常に有益です。私自身の場合も、節税のアドバイスや取引先の開拓などで協力してもらっており、10年以上同じ税理士に頼んでいます。
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税理士に依頼するタイミングは新規開業時がベスト!
税理士に依頼するタイミングには以下の3つが考えられます。ただ基本的には新規開業時に頼むのが良いです。
新規開業時
新規開業時に税理士に依頼するのがベストです。新規開業時は資金を調達したり、補助金や助成金を申請したりする必要があります。創業者融資のように創業してすぐにしか申請出来ないものもあります。
またフリーランスで独立した際は、事業に集中したいと考えるのが一般的でしょう。マネーフォワードやfreeeで代行出来るとはいえ、確定申告は非常に手間です。私は記帳も税理士に依頼しているので費用は掛かりますが、事業に集中出来ています。
ただ私もフリーランスになったばかりの時は、自分で記帳と確定申告をしていました。しかしかなり手間もかかりましたし、「このやり方で本当に合っているのか?」と不安にも思っていたのです。しかし税理士に依頼することで、その不安は無くなりました。
こうした事例は私だけに限りません。知人のウェブマーケターのフリーランスが税理士を探しているというので、紹介したことがあります。税理士がそのフリーランスの話を聞いたところ、外注費の処理と本来認められないものを経費にしているという問題があって、税務調査で指摘される可能性があったとか。
そのフリーランスも問題があることを自覚して、税理士に頼むことにしたようです。確かに税理士に頼むとコストはかかりますが、それ以上のメリットがあります。その為、新規開業時に税理士に依頼することをお勧めします。
法人化するとき
新規開業時に税理士に依頼していない場合、法人化の時に検討しましょう。法人化すると決算や経費の扱いが手間になります。また法人化後に従業員を雇う場合もあるはずです。
従業員を雇うと、給料計算や年末調整の手続きが増えるため、ひとりで経理を行うのはかなり困難です。法人化を検討している場合は、税理士を雇うようにしましょう。
法人化は、個人事業の所得が800万円を超えたあたりが妥当だとよく言われています。しかし知人の税理士に聞いたところ、それはケースバイケースだとのこと。たとえば法人化すれば厚生年金は加入義務のため、将来もらう年金額は増えます。
たしかに保険料の支払いの負担は増えますが、将来的なことを考えれば、厚生年金に加入しておいた方がよいという考えもあります。先ほどの税理士によれば、所得が800万円に満たなくても法人化している人がいると言っていました。
どのタイミングで法人化するのか、法人化することでどのようなメリットがあるのかなど、税理士の専門分野です。ネットで検索しただけでは出てこないような情報も教えてくれます。私が法人化の話を聞いた税理士は、著書もあるぐらい税務の知識が豊富な方でした。
法人化を検討する際には、良い税理士を探しておきましょう。
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融資や補助金、助成金を受けるとき
新規開業時に税理士を頼まなかった場合、融資や補助金を受けるときに検討しましょう。融資は創業時以外にも受けられます。特に日本政策金融公庫は融資が受けやすいです。その際に日本政策金融公庫の管轄支店を紹介してもらえます。
私のITコンサルの知人は日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用して、融資を受けました。税理士に頼んでいなければその存在すら知らなかったとのこと。融資を受ける条件なども詳細に伝えてもらい、すぐに融資を受けられたようです。
また銀行に融資をお願いする場合も、審査に受かりやすいポイントを教えてもらえたり、必要書類の作成に対してアドバイスが貰えたりするメリットがあります。こうした情報はなかなか手に入らないので貴重です。
他にも補助金や助成金の申請に対してもアドバイスをしてくれる税理士がいます。たとえば2020年3月から流行した新型コロナウイルスの対策により、さまざまな助成金や補助金が準備されました。私の知人の税理士は、そうした情報を顧問となっている企業にすぐ提供していました。
私自身も顧問税理士に補助金や助成金について相談し、申請出来るものは申請しています。補助金や助成金は申請対象になっていたとしても、申請の手間がかかるものも多いです。また申請したとしてもほとんど通らず、無駄に終わるものもあります。
そうした情報も税理士が事前に入手して教えてくれました。税理士すべてがこうした情報に詳しいわけではありません。ただ他の士業とのつながりがある税理士は、そうした情報を持っています。
融資や補助金、助成金を受ける際には税理士に相談し、申請前に税理士と契約しておきましょう。
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資金調達や経営の相談も出来る税理士は紹介してもらうべき!税理士を探す方法とは
ではどのように資金調達や経営の相談が出来る税理士を探せばよいでしょうか。ここでは3つの方法を紹介します。
成功している知人が頼んでいる税理士を紹介してもらう
1番良い方法は成功している知人から、頼んでいる税理士を紹介してもらうことです。その人が成功しているということは、その税理士も優秀なはずです。実は税理士は同業者の独自のネットワークを持っているケースが多いのでそれを利用するのです。
知人のプログラマーはプログラミングだけでなく、仮想通貨等の投資でも収入を得ていますが、税務関係については慣れていない税理士だとかなり難しいとのこと。その分野に明るい税理士を頼んだため、安心して任せられるとのことです。
補助金や融資に関しては日々新しい情報があり、金利が低くお得に融資を受けられることもあります。そうした情報をいち早くキャッチして、融資を受けるかどうかのアドバイスをしてくれる税理士は心強いです。
ITコンサルの知人も、最初の資金繰りで苦しんだ際に、税理士にアドバイスをもらっていました。その結果、融資を使って苦境を乗り切り成功しています。
ネットで著名な税理士を探す
成功している知人がいない場合、ネットで著名な税理士を探すのも1つの方法です。例えばSNSで情報発信している税理士を検索してみましょう。その税理士をフォローして、発言をチェックします。
クライアントにしっかりと向き合って税理士業務をしている様子が伺えれば、優秀な税理士である可能性があるでしょう。他にも自宅の近くで開業している税理士をウェブで探す方法もありです。
「地域名+税理士」で検索して、ホームページをチェック。取引先がしっかりと記載されていて、ホームページの作りも新しくなっていれば、しっかりと仕事をしている税理士の可能性が高いです。
税理士はすぐに決めるものではないので、何人かの候補に会って比較してから決めるようにしましょう。
交流会で会った税理士の中から探す
フリーランスの仕事を得るために、ビジネス交流会に参加することがあります。ビジネス交流会に参加するのは、フリーランスの人たちだけでなく、税理士をはじめ、士業の方も多く参加しています。
私も交流会にいくつか参加しましたが、多くの士業の方と名刺交換しました。その中には非常に良い税理士もいました。ネット検索では不安という方は、そうした交流会で知り合った人の中から選ぶのも良いでしょう。
この基準で選べば大丈夫!税理士を決める5つのポイントは
税理士はどのような基準で選べば良いのでしょうか。ここでは5つのポイントを紹介します。
従業員を雇っているかどうか
税理士を判断する際には、従業員を雇っているかどうかが重要です。個人でやられている優秀な税理士もいるでしょう。しかし従業員を雇って税理士事務所を経営している人の方が、事業を継続していくことの大変さについて実感を持って理解してくれます。そういう税理士の方が、相談にも親身になって乗ってくれます。
クライアントに同じ業種の人がいるか
税理士といえども得意な分野と苦手な分野があります。例えばウェブコンサルの人が、ウェブに詳しくない税理士に頼むと、事業の内容を説明するのに非常に時間がかかります。また説明したとしてもよく分かっていないことも多いです。
実際に私の知人はウェブマーケティングで広告関係の仕事をしていますが、ウェブでの広告の仕組みについてほとんど理解していない税理士に依頼。その結果、経費の取り扱い等の説明に時間がかかったようです。
月額の費用と業務内容が適切か
税理士を選ぶ際は、月額の費用と業務内容が適切かどうかも判断の基準になります。月額の費用については、業務量によって判断している税理士が多いです。大体の相場はあるので、何人かの税理士と比較しながら選ぶようにしましょう。
資金調達に対するコネクションや知恵があるか
前述したように、ただ経理を担当してもらうだけであれば、マネーフォワードやfreeeで置き換えることが可能です。しかし資金調達に対するコネクションや知恵は、税理士によって大きく異なります。
資金調達については、税理士を選ぶ際に実際に相談してみるのが良いです。コネクションがある人は、その場で教えてくれます。また他に良い方法がある場合は、アドバイスをくれる税理士も多いです。
まだ仕事を頼んでいなくても、親身にアドバイスしてくれるということは、実際に依頼すればさらに親身になってくれる可能性が高いでしょう。
他の士業とのつながりはあるか
他の士業とのつながりがあるかどうかも判断のひとつになります。例えば弁護士。取引先とトラブルになったときに頼む必要があるかもしれません。また契約書上での相談や従業員の労務上の相談などをお願いするケースがあります。その際に全くコネがないと、弁護士を選ぶのも大変です。
もし税理士に知っている弁護士がいれば紹介してもらえますし、どのようなトラブルになっているのかも説明してもらえるでしょう。実際に取引先と支払いのトラブルがあった知人は、税理士に弁護士を紹介してもらい、請求通りの支払いが確定しました。
フリーランスはどうしても弱い立場になりがちなので、こうした専門家とのつながりは非常に大事になってくるわけです。
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ダメだと思ったら税理士のチェンジもあり!
ここまでなぜ税理士を頼むべきなのか、またどのように選べば良いかについて説明してきました。ただしっかり選んだつもりでも、税理士と合わないという場合はあります。
そういう場合はすぐにチェンジしましょう。税理士はたくさんいますので、自分に合った税理士を見つけて、フリーランスとして成功してください。