フリーランスの方でも、行政が提供している給付金を利用できるのをご存じでしょうか。近年はコロナウィルスによる影響もあり、フリーランスを対象にした給付金制度が幅広く整備されています。
ただ、給付金制度の情報は一般のメディアではほとんど報道されていません。給付金制度の存在自体を知らなかったという方も少なくないと思います。
そこで本記事では、フリーランスの方でも利用できる給付金について詳しく解説していきます。フリーランスの給付金について知りたい方、これから給付金を利用したいフリーランスの方は、ぜひ最後までご覧になってください。
フリーランス対象の給付金を活用するメリット
フリーランス対象の給付金を活用するメリットとして、返済義務がない点が挙げられます。金融機関からの融資の場合だと、借入金を返済しなければなりません。また利子も付けて返済しなくてはいけず、経済的に大きな負担になるケースがあります。
融資で一時的に資金繰りが改善されても、返済の負担によって中長期的に資金繰りが悪化してしまう可能性もあるでしょう。
これに対して、給付金であれば返済する義務はないので、返済の負担を抱えずに資金繰りを改善可能です。融資の利用に抵抗がある場合でも、給付金であれば安心して利用できます。
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フリーランスで受け取れる給付金一覧
それでは早速、フリーランスで受け取れる給付金について確認していきましょう。
フリーランスで受け取れる給付金は下記の通りです。
- 事業復活支援金
- 新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金
- 月次支援金
事業復活支援金
事業復活支援金とは、新型コロナウイルス感染症の拡大・長期化に伴う需要の減少、供給の制約によって、売上が大きく減少している中小法人・個人事業者等を対象にした給付金制度です。中小法人・個人事業者が事業の立て直しを行えるよう、給付金が支給されます。
フリーランスが利用できる区分は、下記の2つになります。
- 個人事業者等(事業所得)
- 個人事業者等(主たる収入が雑・給与所得)
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<個人事業者等(事業所得)>
個人業者等(事業所得)の区分では、フリーランスを含む個人事業者が広く給付対象となります。具体的な給付対象は下記の通りです。
下記の1と2をいずれも満たす中小法人、個人事業主等
- 新型コロナウイルス感染症の拡大や長期化に伴う需要の減少又は供給の制約により大きな影響を受けていること
- 1の影響を受け、自らの事業判断によらずに対象月の売上が基準期間の同月と比べて50%以上又は30%以上50%未満減少していること
フリーランスの方の場合は、上記条件に加えて下記の条件も満たす必要があります。
- 2019年以前から事業を行っており国内に住所を有する者であって、基準期間をその期間内に含む年のうちいずれかの年及び対象期間において、個人事業収入(売上)を得ており、今後も事業の継続及び立て直しのための取組を実施する意思があること。
- 新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、自らの事業判断によらず、対象期間内に基準期間の同月と比較して、月間の個人事業収入が30%以上減少した月が存在すること。
対象期間・基準期間は下記の通りです。
対象期間 | 2021年11月~2022年3月 |
基準期間 | 2018年11月=2019年3月、または2019年11月~2020年3月、またが2020年11月~2021年3月までの期間のいずれか |
事業復活支援金の給付額は下記の区分に応じて決定されます。
区分 | 給付額の上限 |
基準月の月間の個人事業収入と比較して、 対象月の月間の個人事業収入の減少が50%以上 | 50万円 |
基準月の月間の個人事業収入と比較して、 対象月の月間の個人事業収入の減少が30%以上50%未満 | 30万円 |
給付額の具体的な計算式は下記の通りです。
給付額=基準期間の月間個人事業収入の合計-対象月の月間個人事業収入×5
※基準期間の月間個人事業収入の合計は、下記の計算式で算出します。
基準期間の月間個人事業収入の合計=基準期間の11, 12月を含む年の年間個人事業収入÷12×2+基準期間の1, 2, 3月を含む年の年間個人事業収入÷12×3
フリーランスの方でも、下記の要件に該当する方は事業復活支援金の給付対象外となるので注意してください。
- 事業復活支援金に関する給付通知を受け取った者
- 持続化給付金、家賃支援給付金、一時支援金、月次支援金に係る不正受給を行った者
<個人事業者等(主たる収入が雑・給与所得)>
フリーランスの方の中で、業務委託契約等に基づく事業活動からの収入を主たる収入として、税務上「雑所得」または「給与所得」で確定申告されている方は、こちらの区分に該当します。フリーランスの方で事業所得がある場合は、「個人事業者等(事業所得)」の区分になるので注意してください。
給付対象や対象期間、基準期間、給付金額は事業所得の区分と同様です。
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新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金
新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金は、厚生労働省によって提供されている給付金制度です。支給対象の要件は下記の通りです。
- 緊急小口資金等の特例貸付を利用できない世帯
- 収入が下記の①+②の合計額を超えないこと
①市町村民税の均等割が非課税となる収入額の1/12
②生活保護の住宅扶助基準額 - 資産が、上記①の6倍以下(ただし100万円以下)
- 今後の生活の自立に向けて、下記のいずれかの活動を行うこと
・公共職業安定所か、地方公共団体が設ける公的な無料職業紹介の窓口に求職の申し込みをし、誠実かつ熱心に求職活動を行うこと
・就労による自立が困難であり、この給付終了後の生活の維持が困難と見込まれる場合には、生活保護の申請を行うこと
新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の支給額は下記の通りです。
世帯人数 | 支給額 |
単身世帯 | 6万円 |
2人世帯 | 8万円 |
3人以上世帯 | 10万円 |
支給期間は「3カ月間」となっています。申請期間は「令和4年12月末日」までに延長されていますので、支援金を利用したい方は早めに申請を行うようにしましょう。
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月次支援金
月次支援金は、2021年4月以降に「緊急事態措置」または「まん延防止等重点措置」に伴う飲食店の休業・営業時間短縮または不要不急の外出・移動の自粛によって大きな影響を受けて、売上が大きく減少している中小法人・個人事業者を対象した給付金制度です。
フリーランスの方も月次支援金の給付対象に含まれます。
具体的な給付対象者の要件は下記の通りです。
- 緊急事態措置またはまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業または外出自粛等の影響を受けていること
- 緊急事態またはまん延防止等重点措置が実施された月のうち、措置の影響を受けて月間売上が2019年または2020年の同じ月と比べて50%以上減少していること
フリーランスの方の場合は、下記の要件も満たす必要があります。
- 2019年以前から事業を行っており国内に住所を有する者であって、基準年および対象月において個人事業収入(売上)を得ており、今後も事業の継続及び立て直しのための取組を実施する意思があること
- 対象措置実施期間を含む2021年の各月のうち申請の対象としようとする2021年の月は、該当月の月間の個人事業収入がその月の対象措置影響により、基準月の月間個人事業収入と比べて50%以上減少した対象月であること
月次支援金の給付金額は、各対象月について「10万円を超えない範囲」において、下記の計算式によって算定されます。
給付額=基準年の基準月の月間個人事業収入-対象月の月間個人事業収入
フリーランス対象の給付金を活用する際の注意点
フリーランス対象の給付金を活用する際は、下記の点に注意を払いましょう。
- 書類不備がないよう余裕を持って準備する
- 不正受給は絶対に行わない
- 情報収集を積極的に行う
書類不備がないよう余裕を持って準備する
給付金の申請では、各種書類の作成・提出が必要になります。給付金ごとに必要な書類の種類は異なるので、不備がないよう準備を進めなければなりません。また提出方法についても指定されているケースがあります。
提出書類に不備があると、再提出が求められます。期限間際に提出して不備がある場合は、給付金の申請が完了できないことも。書類不備がないことが一番ですが、もし不備があった場合でも対応できるよう、期限にゆとりを持って書類を提出しましょう。
不正受給は絶対に行わない
フリーランスの給付金は要件さえ満たせば誰でも利用できますが、不正受給は絶対に行ってはなりません。返済義務のない給付金は魅力的な制度である分、情報を偽って不正受給を試みる人が少なくありません。近年は不正受給対策として審査時の書類チェックも厳しくなっています。
情報を偽って申請しても、書類チェックの段階で発覚すると考えて良いでしょう。必ず要件を満たせる給付金を申請して、不正受給の状態にならないよう注意してください。
情報収集を積極的に行う
フリーランスの給付金を活用したい際は、情報収集を積極的に行いましょう。給付内容や対象者、申請期間などの要件は更新されるケースが少なくありません。
給付金に関する情報は、残念ながら一般メディアでは大々的に報道されないことが多いです。給付金に関する情報は自身で主体的に収集していかねばなりません。
給付金を扱っている経済産業省や中小企業庁、厚生労働省などのサイトを定期的に閲覧して、給付金の情報をチェックしていきましょう。
情報を集めてフリーランスも給付金を活用しよう
フリーランスの方でも利用できる給付金は多くあります。要件さえ満たせばどなたでも利用できるので、売上や資金繰りでお困りの方は給付金の利用をぜひおすすめします。
本記事で紹介した給付金の情報は2022年10月時点での情報です。今後、給付金の内容が更新される可能性もあるので、最新情報は必ず公的機関のサイトで確認しましょう。
本記事をきっかけに、フリーランスの方が給付金を積極的に活用して頂けると幸いです。
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