フリーランスは独立することが目的ではなく、独立後に成功することが目的です。独立して成功するためには独立前の準備が最も大事なのです。この記事では、フリーランスとして独立を成功するための準備として大切なベスト10を挙げています。これらの準備をしっかりと行い、フリーランスとして成功しましょう。

フリーランスの成功は独立前の準備にかかっている!

フリーランスとして成功するために必要になってくるのが、独立前の準備です。独立前の準備が、フリーランスとして成功できるかどうかを左右します

元ヤクルトスワローズの監督の野村克也氏が準備の大切さを説いていました。野村野球は準備野球だと言えます。勝負の結果はどうなるか分かりません。しかし準備することで勝負に勝つ可能性は高まります。

また準備した分だけ自信も増し、成功に繋がりますこうした野村克也氏の教えを受け継いだのが、2021年に日本一になったヤクルトスワローズの高津臣吾監督です。高津監督も準備の大切さを説いています。

2020年に最下位だったヤクルトスワローズが、2021年の日本一になれたのは、準備することの大切さを証明した結果です。

ヤクルトスワローズと同じように、皆さんも独立後、成功しなければなりません。その為には、準備しすぎるに越したことはありません。

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独立前の準備で必要なことBEST10!

ここでは独立前の準備で必要なことを10個挙げています。必ず実施した上で独立してください。

1位 独立後の資金の確保

独立後に資金切れになってしまっては生活できません。その為、独立後の資金確保は非常に重要です。特に開発案件を中心に受けているIT関係の仕事をする方は、開発業務に長期間かかるため、その間入金がないという場合もあります。

3ヶ月開発に携わる場合、納品した3ヶ月後に入金がありますが、それまで売上がない訳です。実際に銀行から資金を調達している人もいました。

そのため最近では取引先へ送った入金前の請求書を買い取り、報酬を先払いしてくれるサービスを利用している人もいます。サービス手数料を支払わなければなりませんが、入金がスムーズになります。

他にも開発に携わっていると、その間は営業ができないということがあります。その為ひとつの案件が終了し、すぐに別の案件が始まらないことがあります。つまり、次の仕事が決まるまでは無収入です。

そうした事態でも生活できるだけの資金を確保すべきです。無収入でも1年間生活できるだけの資金が理想ですので、事前に計算して準備しておきましょう。知人のITコンサルタントは1年間無収入で生活できる資金を準備すると同時に、1年間で成果を出せなければフリーランスはやめると決めて挑戦していました。

結果、フリーランスとしては成功しませんでしたが、1年間生活に困ることはなく、転職して今は会社員として働いています。家族もいましたので、独立後の資金確保が必須だったと言っていました。独立はいつでもできるので、焦らず資金を貯めてからにしましょう。

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2位 取引先の開拓

取引先がなければ仕事も取れず、収入も得られません。その為、取引先をいかに開拓するかが非常に大事になるわけです。取引先の開拓は一朝一夕にできるものではありません。独立する前から独立後に取引先としてなってくれそうな企業を探しておくべきです。

ただし今の会社の取引先を独立後に取ってしまうとなると、問題になるのは確実です。実際にこうしたトラブルは多く、裁判沙汰になった例もあります。今の取引先に別の企業を紹介してもらえるような信頼関係を築いておくのがベターでしょう。

逆に今いる会社が取引先になってくれる場合もあります。例えばあるITフリーランスの方は、勤めていた会社と業務提携して、独立後にそこから仕事をもらっています。会社としても新しい人にやらせるよりも、今までやってくれていた人に任せた方が、スキルや人物面もわかっているため、リスクも少なく効率よく仕事が進められるわけです。

また今いる会社と関係が良好だと、新しい取引先を紹介してくれる場合もあります。今の会社と良好な関係を築きながら、取引先を開拓し、フリーランスへの道を探っていきましょう。

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3位 テスト副業の実施

本当に自分はフリーランスとして生活できるのか、この仕事が自分にとって本当に合っているのかなど、フリーランスになる前の不安は尽きません。そのような方にはテスト副業がお勧めです。テスト副業は独立前に必ず行いましょう。以下の記事を参考にテスト副業にもチャレンジしましょう。

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4位 履歴書・職務経歴書・ポートフォリオの作成

履歴書や職務経歴書、ポートフォリオは新たに取引先を得るために必要です。特に顧客やマッチングサイトからはポートフォリオを要求されることが多いです。ただし会社で従事していたプロジェクトをポートフォリオとして載せられない場合があります。

例えばIT業界の場合、「アプリ開発に自分が携わっていたということを公表してはならない」という秘密保持の契約を結んでいる場合があります。そのためそのことをポートフォリオとして公開して、そのアプリを開発している会社から削除を要求されたフリーランスの方もいました。

ポートフォリオとして何を書いて良いのか、独立する際には現職の会社と相談するのもひとつの選択肢です。もしポートフォリオとして名前を出せない場合は、「会計ソフトの開発」など一般的な名称で提示しておきましょう。

5位 仕事やプライベート等を相談できる相手を探す

フリーランスになると想像もしなかったような悩みが増えてきます。仕事で失敗した時、会社に属していれば上司が相談相手になってくれたり、会社も責任をとってくれます。しかしフリーランスになると、自分で責任を取らざるえません。

そのプレッシャーは会社員時代の比ではありません。家族もいれば余計に高まります。仕事がうまくいかなければ、明日から収入がなくなることもあります。実際に企業側の予算の都合で途中で契約を切られたウェブマーケティングのフリーランスの方がいました。

その方の場合、フリーランス仲間が別の仕事を紹介してくれたため、フリーランスを継続できたとのことです。これは非常事態でも協力してくれる仲間がいることが重要だという事例です。

またフリーランスの場合、契約で揉めることもあります。さらに、しっかりと契約書を結んでいても、入金が遅れるということもあります。そうした際にどのように取引先と交渉すれば良いか、アドバイスももらえるとかなり心強いです。

場合によっては弁護士などの専門家を紹介してくれる人もいます。最近ではフリーランスのコミュニティーも増えているので、そうしたコミュニティーに参加してみましょう。

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6位 資金調達や経営の相談もできる税理士を探す

会計だけであれば、わざわざ税理士を頼まなくても、会計ソフトを使えば行えます。税理士に依頼すれば、毎月の費用に加え決算時にはさらに追加で費用を支払います。

しかし私は、フリーランスの方も税理士と契約することをお勧めします。特に資金調達や会社経営に長けている税理士がお勧めです。

資金調達の方法は、融資だけではありません。補助金や助成金もあります。こうした情報をたくさん持っている税理士もいて、利用できる補助金や助成金についてアドバイスしてくれます。

また融資においても、例えば国民政策金融公庫の担当者を知っていて紹介してくれることもあります。私自身も紹介してもらったことで、非常にスムーズに資金調達ができました。顔が広い税理士であれば、取引先を紹介してくれることもあります。

こうした税理士を探すのは非常に時間がかかります。フリーランスが集まる場所に出向くなどして、様々な税理士に会って比較してみましょう。

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7位 SNSに登録して運用する

フリーランスで仕事を得るひとつの手段として、SNSを活用している人は多いです。知人のITコンサルタントは、SNSを集客ツールとして活用しています。ITコンサルタントを探す際に、ウェブで検索するよりもTwitterなどのSNSで検索して探している人も多いとのこと。

その人がどのような情報を提供しているかを見れば、その人の能力がどの程度のレベルなのかわかるのです。SNSは有益な情報を発信し、フォロワーを増やすことで、多くの人にリーチできます。

こうしたフォロワーを増やすなど発信力を増すためのSNSの運用には時間がかかります。その為独立する前から運用していくべきです。ただし会社員の時からSNSを運用するのは時間がないので難しいという人もいます。

しかしTwitterでは予約投稿ができます。あるビジネスコンサルタントの人は、1日に投稿する分を、夜にまとめて予約投稿していました。

他にもビジネス専用SNSであるLinkedInがあります。こちらは世界で5億人以上が登録しており、転職活動や就職活動に使っている人が多いですが、フリーランスの方でもLinkedInで仕事をもらえることがあります。

LinkedInで仕事を取るためには、プロフィールを作りこみ、コンテンツを作成して拡散する必要があります。プロフィールは基礎プロフィールをすべて入れるのはもちろん重要です。その中でもヘディングには専門領域がわかるようにキーワードをいれる必要があります。
さらにプロフィールの職歴にはタイトルに専門に関するキーワードを入れて、ヒットしやすいようにしましょう。サマリーには仕事で大事にしていることやスキルについて記載します。あなたの性格についてもサマリーに書いておきます。

プロフィールをしっかりと作りこむことでRecommendation(推薦)やEndorsement(支持)をもらえます。これらも仕事を得るために重要な要素です。最初はなかなか難しいので、知人にお願いしてRecommendationを貰ってもよいでしょう。

その後、作成したコンテンツをきっかけにコミュニケーションをとったり、コネクションを増やしたりしていきます。最初はコネクションが少ないので、グループを活用してコンテンツを拡散しましょう。

このようにコンテンツのリアクションをきっかけに、コネクションを広げていきます。積極的にコミュニケーションを取ることで、受注にまで繋がるわけです。

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8位 必要な書類のひな形をそろえる

フリーランスになると必要な書類も自分で用意する必要があります。その為には雛形が準備されていると非常に楽です。例えば請求書はフリーランスとして活動する際に必要になるため、雛形として準備しておく必要があります。

会社によっては指定の請求書のフォーマットを送ってくる場合がありますが、ごく少数です。自分が使いやすいものを用意しておきましょう。また見積書や領収書も必要になる場合があります。

見積書には工数や費用を明記して、取引先と共有する必要があります。自分のサービスにあった見積書や領収書も作っておきましょう。

9位 銀行口座・クレジットカードの準備

銀行口座は事業用の口座を1つ準備すべきです。そこで入金と出金をまとめておけば、非常に管理がしやすくなります。

私自身最初は生活用と事業用が混在していていたため、経費として何を計上しているのかよく分からなくなりました。その後、銀行口座を分けたことで、経費として使うものを分けられただけでなく使っているものの全体像が見え、経費削減にもつながりました。

このように、生活と事業は分けた方がメリットがあるので、フリーランスとして独立する前に事業用の口座を作っておきましょう。またフリーランスが法人化する際に法人用の銀行口座が必要です。

法人口座を作るためには審査を通る必要があります。法人口座は個人口座を作るよりハードルが高い審査基準があり、とくに都市銀行や信用金庫ではバーチャルオフィスに法人登記している場合は、法人口座を作れない場合もあるので注意が必要です。

その場合はネット銀行を活用することになりますが、都市銀行の法人口座があった方が信用面で有利になる場合があるので、独立前に都市銀行で個人口座を作って資金を入れておきましょう。そうすることで、法人口座の開設がスムーズにできる場合もあります。

クレジットカードも独立前に作成すべきです。なぜならフリーランスは収入が不安定なため、審査に通りにくいからです。特に独立後すぐだと収入の見通しも立たないわけですから審査に通らないことが多いでしょう。独立する前に作成しておいてください。

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10位 仕事に必要な道具やツールを揃える

仕事に必要な道具やツールは独立前に揃えておくといいでしょう。例えばウェブカメラとマイク付きイヤホンです。でもウェブカメラはノートパソコンに付いていることが多いですし、マイク付きイヤホンがなくてもパソコンで打ち合わせができます。

しかしウェブカメラで映る画像は非常に鮮明で綺麗ですし、マイク付きイヤホンの方が音声もきれいに相手に伝わります。最近では仕事の最初からウェブでの打ち合わせになることがほとんどです。

見た目が9割という本もあるように、画面を通したとしても、見た目は非常に重要ですし、相手にしっかりと音声が聞こえるというのも重要な要素。少しでも相手に好印象を与えるためには、ウェブカメラやマイク付きイヤホンで良いものを用意すべきです。

また連絡ツールとしてSlackやChatworkを使っている企業が多いです。私も多くの企業と取引をしますが、SlackやChatworkでやりとりしています。取引を始める際に、Slackで使っているメールアドレスや、ChatworkのIDを要求されることがあります。

全く使ったことがないと、最初からやりとりに困るという事態に。SlackもChatworkも無料で導入できるので、まずはIDを作って使い方を勉強しておきましょう。

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BEST10のすべての準備を整えることでフリーランスで成功できる!

準備をしっかりとできなかったために、フリーランスで失敗。借金だけが残って、会社員時代よりも収入が落ちたという人もいます。そのような失敗をしないためにも、これらの準備をしっかりと行い、フリーランスとして必ず成功してください。

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