コワーキングスペースはフリーランスが外で仕事をする際に大変便利な場所です。気分転換にもなり、仕事も捗ります。また打ち合わせもできて、セミナーに参加できるところもあるのです。
しかしコワーキングスペースにもメリットとデメリットがあります。この記事ではコワーキングスペースを利用するメリットやデメリット、さらには注意点について説明します。
私はコワーキングスペースを3年ほど月額会員として利用していました。そのコワーキングスペースは2020年のコロナの流行により閉鎖されてしまいました。そのため現在は月額会員としてではなく、別の場所をドロップインで利用しています。本記事は私のコワーキングスペース利用経験をもとに書いています。
コワーキングスペースとは
コワーキングスペースは専用の個室ではなく、利用者が場所を共有するスタイルです。基本的には空いているスペースを利用する形になっています。コワーキングスペースの場合、会員になって月額の利用料を払う場合と、ドロップインで使用した時間の料金を都度支払う場合があります。
ただしドロップインはすべてのコワーキングスペースで利用できるわけでは無いので、事前にチェックする必要があります。私はドロップインでいくつかのコワーキングスペースを利用していますが、費用も安く抑えられ仕事にも集中できています。
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コワーキングスペースとシェアオフィスの違い
コワーキングスペースはフリーアドレス制で、自由に席を利用できるのに対して、シェアオフィスは共有スペースだけでなく個室が用意されています。ただしコワーキングスペースでも個室が用意されているところもあるため、最近は線引きが難しくなっています。
コワーキングスペースで利用できるもの
コワーキングスペースでは以下の設備が利用できます。もちろんコワーキングスペースによっては無いものもありますので、事前に確認しておきましょう。
無料Wi-Fi
無料Wi-Fiはほぼ全てのコワーキングスペースで利用できます。仕事が遅滞なくできるようにオフィスで使われる業務用の高速Wi-Fiを使っているところが多いため、カフェのようにつながらなくなる可能性は低いです。
フリードリンク
フリードリンクもほとんどの施設にあります。フリードリンクの中身はコワーキングスペースによって違いがありますが、お茶やコーヒー、コーラなどはおよそどこでも揃っています。カフェに長くいると、ドリンク代だけで費用がかかってしまいますが、そうした心配がありません。またカフェは、会話が中心でそれなりに騒がしいですが、コワーキングスペースは仕事場が前提で基本的に静かなので仕事に集中しやすいです。
電源と机・いす
電源と机・いすはどこのコワーキングスペースでも利用できます。カフェだと電源がなくて困ることがありますが、コワーキングスペースは長時間の利用を前提にしているため、電源も利用できて便利です。
会議室
会議室がついているコワーキングスペースは多いですが、利用するためには別途利用料がかかるケースもあります。また事前に予約しないと利用できないこともあります。
会議室は非常に便利ですが、当日利用が出来ない場合もあるので事前に確認しておきましょう。
個室ブース
2020年のコロナの流行後、1人用の個室や個室ブースを設けているコワーキングスペースが増えています。声を出すため周囲へ音が漏れたり感染防止の観点からこうした配慮がなされたのでしょう。zoom等の会議が多くなってきたコロナ禍以降では必須の設備なのでチェックしましょう。
コワーキングスペースのメリット
コワーキングスペースを利用するメリットは以下の6つです。ただしコワーキングスペースによってはイベントやセミナーを実施していないところもあります。
仕事仲間が作れる
コワーキングスペースは共有スペースを利用しているため、交流ができるところも多いです。そうした交流を通して、仕事仲間のできる可能性があります。ただし積極的にメンバー間のコミュニティを活発に支援するところと、逆にプライバシーを保つために敢えてコミュニティに関しては否定的なところがあります。
各コワーキングスペースの特徴があるので、交流したいと考えている方はコミュニティ運営に力を入れているコワーキングスペースを利用すべきです。私自身はフリーランスが多く集まるコワーキングスペースを利用していたことがあります。
そこでは運営者が必ず今いる人同士を繋いでくれて、仕事仲間が増えました。今でもそこで知り合った仲間とは繋がっていて、時々会います。仕事仲間はフリーランスとして仕事を続けていく際に必要なので、交流があるコワーキングスペースをお勧めします。
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集中して仕事ができる
フリーランスが自宅で仕事をしていると自宅のソファーやベッド、TVなど誘惑が多く、仕事に集中できないことがあります。またカフェだと長居出来ません。その点コワーキングスペースであれば、長く滞在して仕事ができます。
私は漫画喫茶も仕事場として利用することがあります。こちらも長居出来て快適なのですが、仕事以外の誘惑が多いので不向きな方もいるかと思います。
テレワークができることをアピールしている漫画喫茶も多いので、仕事環境としては快適なのですが、漫画や動画見放題で集中力が無くなることがあるわけです。その点、コワーキングスペースは本当に仕事のみ。
結果として短時間で仕事も終わるため、漫画喫茶よりも滞在時間が短く、費用の節約や効率のアップに繋がっていきます。
仕事に必要な設備が整っている
上述した通り、机やいす、電源だけでなく無料Wi-Fiも揃っているため、仕事に困りません。オンラインでの打ち合わせのできるブースが用意されている場合、周りを気にせず打ち合わせができます。
またWi-Fiも業務用のものを使用しているケースが殆どのため、電波も強力で切断もほぼ起こりません。動画配信をリアルタイムでしていた人もいましたが、電波は全く問題なく配信できていました。
オフィスよりも割安で利用できる
コワーキングスペースはオフィスを借りるよりも格安です。最近では企業でも、オフィスを解約するところが増えています。利用したい時に利用する形の方が便利なのです。さらにコワーキングスペースの中には所在地で法人登記できるところもあります。
登記する住所を自宅にできない、したくない方で法人登記を考えている方はコワーキングスペースの住所に登記するのも良いです。ただし空き枠の問題や追加で費用が必要なケースもあります。
イベントやセミナーがある
イベントやセミナーはコワーキングスペースによって開催しているところとしていないところがあります。メンバー間のコミュニティ強化の一環でイベント、セミナーを開催しているコワーキングスペースもあります。
実際に私もコワーキングスペースでフリーランス向けのイベントに参加したことがありますが、知り合いたい方やコミュニケーションを取りたい方がわざわざ来るので、多くの方と知り合う機会にもなりました。
また私は参加しただけでなく、セミナー自体を実施したこともあります。私はほとんどセミナーを主催したことが無かったので、良い経験になりました。コワーキングスペースでセミナーを実施すると、集客の負担が少なく済みます。
その際には運営者がコワーキングスペースの利用者に声を掛けてくれて、20人ぐらいが参加してくれました。セミナーで利益を得ることが目的ではなかったのですが、売上になったのは嬉しかったです。大きなセミナーで発表する前にコワーキングスペースでのセミナーの実績を積むのはお勧めです。
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コワーキングスペースのデメリット
コワーキングスペースにはメリットもありますが、デメリットもあります。ここでは3つのデメリットを紹介します。
情報漏洩の危険がある
コワーキングスペースは他の人とスペースを共有するわけですから、情報漏洩の可能性があります。パソコンの画面が他の人から見えないようにするのはもちろんのこと、席を離れる際はパソコンの画面をオフにするか、持ち歩くようにしましょう。
また書類を扱う仕事をする人は、書類を無くさないように常に携帯しておくか、コワーキングスペースでは書類を扱う作業をしないようにするなどの工夫が必要です。他にもパスワードでのセキュリティ設定がないWi-Fiなどはスパイウェアによる情報漏洩も考えられるため、パソコンのセキュリティ対策はしっかりと行っておきましょう。
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周りの声が聞こえて集中できない場合もある
コワーキングスペースは共有スペースも存在するため、多少なりとも周りの声が聞こえてきます。とくに個室ブース以外でオンラインミーティングをしている方が近くにいると、声だけでなく話の内容まで分かることも多いです。
周りの声が気になる方は、個室ブースが用意されているコワーキングスペースを利用するのがお勧めです。私はいつも個室ブースを利用しています。共有スペースに比べて解放感はないですが、周囲の音を気にせず集中でき、オンラインでの打ち合わせもできます。
個別ブースは常に空いているわけではないので、利用したい場合は利用状況を確認しておいた方が良いでしょう。
周りに気を使って利用する必要がある
コワーキングスペースは他の方と一緒に利用するため、周囲を気にする必要があります。例えばブース利用について、「30分以内で済ませて下さい」とか言われたり、張り紙がしてあったりするコワーキングスペースもあります。
そうしたルールが無かったとしても、ブースの利用には気を使います。ブースでない場所でも、混んできたりすれば気を使って利用する必要があるでしょう。
コワーキングスペースを利用する際の注意点
コワーキングスペースを利用する際には以下の3つの注意点があります。
料金プランと設備をチェックする
料金プランはコワーキングスペースによってかなり異なります。会員しか利用できない所もあれば、ドロップインが可能な所もあります。他にも会議室の利用に費用がかかることも多いです。
ここ最近コワーキングスペースは増えているので、料金プランを比較して利用するか決めましょう。私の場合、ドロップインで一時的に利用することが多いため、事前に利用できるところを調べています。
また個別ブースを利用したい人、会議室を利用したい人などは、必要な設備があるかどうかも確認しましょう。とくに会議室は、行ったら利用できないということもあるので、注意してください。
設備としては机といすも仕事をする際には重要です。あまり良い椅子でないとずっと座り続けていられません。姿勢も崩れてしまいます。長時間の仕事をするのが辛い椅子のところもあるわけです。また机も大きさが重要で、ディスプレイももう一台おけると大変便利です。
スペースが広い机が用意されているところで、ディスプレイを持ち込んで仕事をしたら大変捗りました。机と椅子の使い心地は使ってみないと分からない部分もありますが、気になる人は実際に現地で座らせてもらって体感してみることをお勧めします。
利用目的に合った場所を選ぶ
コワーキングスペースは交流を勧めている所もあれば、交流をあえてしない所もあります。仕事に集中したいのか、交流も含めてコワーキングスペースを利用したいのか、目的をはっきりさせましょう。
利用者層や雰囲気をチェックする
コワーキングスペースによって利用者層が違います。最近ではテレワークを取り入れる企業も多いので、フリーランスだけでなく、会社員の方も利用しています。また費用や場所柄によって若い層が多いのか、ミドル・シニア層が多いのかも違います。
定期的にコワーキングスペースを利用したいと考えている場合は、利用者層をチェックしてから利用するようにしましょう。実際、年齢層が近かったり、フリーランスが多かったりした方が交流は楽しめます。
カフェやファミレスの有効活用もあり
コワーキングスペースはフリーランスにとって、大変便利な場所です。ただドロップインで利用できるところが限られたり、毎日同じところでは気分が乗らないこともあります。
私自身はコワーキングスペース、漫画喫茶、カフェ、ファミレスと気分と利用目的によって場所を変えています。オンラインミーティングがあるときはコワーキングスペース、リラックスもしたい時は漫画喫茶、短時間の作業ならファミレスやカフェです。
私はこのように場所を変えるだけで気分が変わり、仕事が捗ります。場所を選ばず働けるフリーランスであればこそ、働く場所を工夫して楽しく仕事をしてください。