フリーランスになったものの、どのように仕事を獲得すればよいのか分からない人も多いはず。この記事では初心者フリーランスが仕事を獲得する方法を紹介します。単発の案件だけでなく、継続的に案件を発注してもらうためのコツも紹介しているので、初心者フリーランスの人は参考にしてください。

フリーランスの現状とは?

フリーランスの現状

感染症拡大によって在宅勤務という選択肢が増えた日本では、年々フリーランスの人口が増えつつあります。

ランサーズ株式会社が発表している「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によると、調査を開始した2015年のフリーランスの人口は約937万人であったのに対して、2021年のフリーランス人口は約1,577万人。

つまり、たったの6年間で68.3%もフリーランス人口が拡大しているということです。フリーランス間での競争も激化し、うまく差別化を図れなければ案件を獲得できない可能性が高まっています。

また、今回の調査では、オンラインで仕事を完結させた経験のあるフリーランスは53.2%にのぼります。さらに、オンラインで仕事をしているフリーランスのほうが10万円ほど平均年収が高く、一週間の勤務時間も1時間ほど短いようです。

自分で仕事を獲得する難しさはあるものの、案件の受注や納品といった仕事のすべてを自分でマネジメントし、フルリモートで対応できるため、フリーランスに適した効率的な働き方といえるでしょう。

初心者フリーランスが仕事を獲得する方法

初心者フリーランスが仕事を獲得する方法

初心者フリーランスが仕事を獲得する方法は主に以下の5つです。

  • クラウドソーソーシングサイトを利用する
  • 知人から紹介してもらう
  • エージェントを利用する
  • SNSやホームページなどのメディアからの問い合わせ
  • 都心から離れて案件を探す

クラウドソーシングサイトの利用

初心者フリーランスが仕事を獲得するためには、まずクラウドソーシングサイトを利用することが考えられます。クラウドソーシングサイトとは、複数の企業がフリーランスに対して仕事を発注するためのWebサイトです。

例えば、以下の媒体がクラウドソーシングサイトに当てはまります。

  • クラウドワークス
  • ランサーズ
  • ココナラ
  • スキルクラウド

いずれもサイトの仕様が異なるものの、募集している業務内容はライティングからプログラミング、動画編集まで多岐にわたります。

実際にフリーランスが仕事を獲得するために利用している場合も多く、総務省が発表している「平成30年版 情報通信白書のポイント」によると、2018年時点のフリーランス数のうち12%もの人がクラウドソーシングサイトを利用しているようです。

そのため、特に実績のない初心者フリーランスは、まずクラウドソーシングサイトを利用して仕事を獲得していくことをおすすめします。

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知人からの紹介

仕事を獲得するためには知人から仕事を紹介してもらうことも考えられるでしょう。フリーランス協会が発表している「フリーランス白書2019」によると、直近1年間で仕事の獲得につながった手段では「知人の紹介を含む人脈」が80.4%も占めています。

オンラインによるコミュニケーションが主流になった現代においても、まだまだ人との直接のつながりは欠かせません。

さらに、最も収入が得られる仕事の獲得手段として、43.3%もの人が「人脈」と回答しています。直接その人を知っていれば発注側も発注しやすいものです。オンラインだけで仕事を獲得しようとせず、ときにはオフラインでのやりとりも大切にしましょう。

エージェントの利用

初心者フリーランスが仕事を獲得するためには、エージェントの利用も効果的でしょう。フリーランス向けのエージェントサービスとは、特定のスキルを求めている企業に対し、エージェントが条件を満たしたフリーランスを紹介するサービスです。

クラウドソーシングサイトと異なり、営業活動をエージェントが代行するため案件を探す手間が省けます。

ただし、実績がないとエージェントが営業活動をしにくいため、ある程度の実績がないと案件が見つからない可能性がある点には注意してください。

より詳しい内容を下記の記事で解説していますので宜しければご参照下さい。

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SNSやホームページからの問い合わせ

インターネットが発展した現代においては、SNSやホームページを利用して案件を獲得することも珍しくありません。フリーランス協会が発表している「フリーランス白書2019」によると、WebやSNSなどでの広告活動をもとに仕事を獲得した経験がある人は30.7%にも及びます。

そのため、適切にSNSやホームページを運用していくと案件を獲得できる可能性が高まります。例えば、デザイナーの人がInstagramなどで自作したデザインの画像を投稿すると、スキルに興味がある企業からコンタクトがあるかもしれません。

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都心から離れる

都心から離れてみるのも1つの手段です。都心は仕事や人にあふれる一方で、それだけ市場が成熟してしまっていることを意味します。そのため、実績のない初心者フリーランスが都心の市場で勝負していくとなると、かなり高度なスキルを保有していたり、ニッチな仕事をこなしたりしなければいけません。

しかし、都心から離れて考えると、スキルだけでなく、年齢や勢いといった部分が強みになり、仕事に繋がる可能性があります。

なぜなら、都心に若者が集まっている影響で、地方にいる若者は希少な存在となっているからです。また、そもそも市場が形成されておらず、地方で自ら仕事を創出したり、需要を汲み取って案件を獲得したりできる可能性があります。

初心者フリーランスが仕事を獲得するためのコツは?

初心者フリーランスが仕事を獲得するためのコツは?

いずれの手段を利用するとしても、適切なアピールができなければクライアントから案件はもらえません。

そこで、初心者フリーランスが仕事を獲得するために必要なコツを5つまとめました。これから案件の獲得に臨む予定の初心者フリーランスは、今から紹介する内容を参考にしてください。

  • 強みを適切にアピールする
  • 最初のうちは仕事を選びすぎない
  • ポートフォリオを積み重ねる
  • 請け負う業務を限定する
  • オフラインの出会いを大切にする

適切な強みをアピールする

フリーランスで仕事を獲得するには、クライアントへの営業活動が必要です。営業活動の際に自分の強みを端的にアピールできれば、案件獲得への第一歩につながります。

もし、強みのアピールができなければ、クライアントが魅力を感じず、案件を発注するに至りません。クライアントへ営業活動をする際は、事前に自分の強みを理解しておきましょう。

強みをアピールする際は以下のポイントを大切にしてください。

  • 趣味や特技、資格などを伝える
  • 過去の経歴を伝える
  • 過去手がけた作品があれば提示する
  • いずれの強みを紹介する際も、数値で提示する

フリーランスは実績がモノをいう世界。そのため、営業活動をする際は過去の実績や作品などを掲載できるとよいでしょう。

しかし、初心者フリーランスとなると、過去の実績や作品などはほとんどないはずです。そのため、案件でなかったとしても自分で何か作品を制作しておくことをおすすめします。

例えば、ライターであれば特定のジャンルに絞ったブログ記事であったり、エンジニアであれば自分でコーディングしたWebサイトであったりなどが考えられるでしょう。

自分で制作しているだけであるため報酬は発生しませんが、具体的な成果物を提出することでクライアントが実力を判断しやすくなります。クライアントが判断しやすくなれば、案件へとつながる可能性が高いです。

自分の実力の向上や実績作りのためにも、自分の仕事に関連する成果物は報酬がなくても制作しておきましょう。

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最初のうちは仕事を選びすぎない

フリーランスなりたての頃は仕事を選びすぎないようにしてください。最初の頃は仕事を獲得できるだけでも御の字です。案件を見つけるのが難しいなかで、最初から高単価の案件を勝ち取るのは至難の業でしょう。

特定の業界に精通しているフリーランスであれば高単価の案件を勝ち取るのも可能かもしれませんが、初心者フリーランスのうちは高単価の案件を狙うよりも、まずは実績を積み重ねていく方が大切です。

実績を積み重ねていけば評価があがり、将来的には高単価の案件も獲得できる可能性が高まります。

ポートフォリオを積み重ねる

フリーランスで活躍していくためには、ポートフォリオを積み重ねていく必要があります。ポートフォリオとはこれまで制作してきた成果物をまとめたものです。クライアントが実績を確認するのに役立ちます。

ポートフォリオを制作する際は成果物以外にも、以下の項目を掲載しておくのがおすすめです。

  • 名前や顔などのプロフィール
  • 対応可能な業務
  • 業務に対する料金プラン

成果物を掲載する際は、出来栄えが良いものを掲載してください。フリーランスになりたての頃はあまり良い出来栄えの成果物がない可能性もありますが、アップデートしていけば問題ありません。

過去の案件を成果物として掲載する際は、事前にクライアントに許可をとっておきましょう。契約の内容によっては秘密保持契約のために成果物の公開を禁止している場合があります。契約に違反すると罰金が発生する可能性も。事前に権利関係を確認しておきましょう。

請け負う業務を限定する

仕事を選びすぎては良くありませんが、請け負う業務はある程度限定するのがおすすめです。自分が専門としない業務まで請け負うと効率が悪くなり、後々自分を苦しめることになります。

例えば、ライターの場合は文章を執筆してから入稿するまでを一般的な業務内容としている場合が多いです。上記の業務までに収まっていれば問題ありませんが、仕事によっては単価を高める代わりにサムネイルの作成や画像の加工まで依頼されることもあります。

慣れない作業まで請け負ってしまうと、結果的に時給が下がってしまうかもしれません。高い単価に釣られて普段請け負っていない業務までこなすのではなく、自分の得意としている作業の範囲内に業務を収めるようにすると、結果的に単価が良くなる場合もあります。

オフラインの出会いを大切にする

インターネットが発展した現代ではクラウドソーシングやSNSなどオンラインから案件を獲得するのが主流かもしれませんが、オフラインで出会ったクライアントは特に大切にしてください

いくらオンラインでのコミュニケーションが発展しているとはいえ、やはり顔を合わせたコミュニケーションに勝るものはありません。

特に対面での仕事の受発注はその人の性格がよく見えるため、うまくいけば定期的な案件につながる可能性が高いです。さらに、対面でのクライアントから好印象を与えられれば、他の人を紹介してもらえる可能性も高まります。

継続的に案件を受注するためには?

継続的に案件を受注するためには?

単発で案件を終わらせないためにはいくつかコツが存在します。これから継続的な案件を狙う初心者フリーランスの人は、下記で紹介している3つのコツを参考にしてください。

  • クライアントを複数持つ
  • 直接契約を結ぶ
  • 早めのレスポンスを心がける

複数のクライアントを持つ

継続的な案件を望む場合はクライアントを複数持つべきです。フリーランスの仕事は突然発注が止まる可能性があります。そのため、1つのクライアントからまとまった金額で案件を受注していると、突然収入が途絶えるかもしれません

そこで、複数のクライアントと契約しておくことをおすすめします。複数のクライアントと契約できれば、たとえ1社と契約が途切れてしまったとしても、収入がゼロになることはありません。

フリーランスとして継続的に案件をこなしていくためには、自分で仕事のリスクヘッジを行う必要があります。

直接契約を結ぶ

長期継続の案件を獲得するためには、なるべく誰かの仲介ではなく直接契約を結ぶかたちで業務に当たることが大切です。

例えば、クラウドソーシングサイトを利用すれば案件が見つかりやすいですが、サイトの利用料として売上から手数料を取られてしまいます。クラウドソーシングサイトの大手「クラウドワークス」では以下のシステム手数料がかかります。

報酬金額システム手数料の割合
20万円超の部分5%
10万円超20万円以下の部分10%
10万円以下の部分20%

参考:ワーカーシステム利用料│クラウドワークス

例えば10万円の売上を獲得した場合、そのうち2万円が手数料として差し引かれます。いつまでもクラウドソーシングサイトに頼っていると、売上を最大化しにくく、実績も作りにくくなってしまうのです

できれば直接契約で仕事を獲得することをおすすめします。直契約であれば手数料をひかれることがありません。

とはいえ、クラウドソーシングサイト経由で契約を結ぶと規約違反になる可能性もあるため、なるべく知人や友人から仕事を獲得するようにしましょう。

早めのレスポンスを心がける

フリーランスとして信頼性を獲得するためには、早めのレスポンスも大切です。なるべく即日で返信することでやりとりがスムーズになり、双方のコミュニケーションに対するストレスが軽減されます。

特に何も実績がない初心者フリーランスのうちは、レスポンスが早いことが自分の強みにもつながります。早めの対応を心がけて、競合のフリーランスとの差別化を図りましょう。

フリーランスが案件を獲得するために大切なこと

フリーランスが案件を獲得するために大切なこと

初心者フリーランスが案件を獲得するためには、まず実績を積むことです。数をこなせば実力も伴うので、次第に案件が獲得しやすくなります。開業してから1年間はがむしゃらに案件に申し込んで、自分の実力を向上させる期間として過ごしましょう

フリーランスにとって非常に重要な案件獲得のノウハウを下記の記事にまとめていますので、併せてご覧ください。

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