会社勤務であれば、仕事の受注は営業担当が行ってくれますが、フリーランスは自分で仕事を取りに行く必要があります。どのようにして仕事とマッチングし、安定した受注を獲得するかは、収入を安定させるためにも重要です。

この記事ではフリーランスが仕事とマッチングする方法を紹介し、サービスを選ぶときのポイントやメリット・デメリットを解説しています。よい案件とマッチングするために必要なことも取り上げていますので、フリーランスの方は参考にしてください。

フリーランスが仕事とマッチングする方法4選

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フリーランスが仕事とマッチングする方法は、大きく分けて次の4つです。

  • ブログやSNSでの発信
  • クラウドソーシングの利用
  • エージェントの利用
  • 業務委託求人を扱う求人サイトの利用

それぞれの特徴や注意点を見ていきましょう。

ブログやSNSでの発信

フリーランスがブログやSNSを使って仕事を探している旨と受注できる分野を発信すれば、依頼主とマッチングできる場合があります。

発信内容が目に留まるよう工夫しなければなりませんが、基本的に費用はかかりません。おすすめの媒体はSNSや無料ブログサービスで、効果的に活用すれば手軽にマッチングできるでしょう。

ただし、依頼主の素性が分かりにくく、突然相手と連絡が取れなくなる恐れもあります。仕事を受ける際は、報酬や仕事内容だけでなく、相手の連絡先も確認して不利益を被らないようにしましょう。

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クラウドソーシングの利用

仕事を受注したい人と発注したい人をマッチングするクラウドソーシングサービスもフリーランスが仕事を見つける上で活用したい方法です。

さまざまな案件があり、未経験でも仕事を見つけやすいため気軽に仕事を受注できます。

クラウドソーシングでは、クライアント側が募集している案件に対してフリーランス側から応募する方法と、受注者のプロフィールやスキル出品を見たクライアント側から見つけてもらい、発注を受ける方法があります。

クラウドソーシングサイトごとにマッチング方法は異なり、どちらも用意されているケースと、どちらか一方のみのケースがあります。クラウドワークスやランサーズは前者、ココナラは後者と言えるでしょう。

しかし、その手軽さから案件の質に差があるのも事実。「仕事を引き受けてから聞いていた内容と違うものを頼まれた」「作業量に対して報酬が合っていない」といったトラブルもあるので注意しましょう。

また、クラウドソーシングでの報酬は「コンペ型」「時間報酬型」「時間報酬・月額報酬が」の3つがあるので、それぞれの特徴を理解しておきましょう。いかに詳しく解説します。

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コンペ型

コンペ型はクライアントが提示する案件に対し、所定の成果物を提出して採用されれば報酬を得られる形式です。不採用になると報酬は受け取れず、実績にもなりません。

専門性が高く、高額な報酬の案件に多く見られ、競合が多かったり強かったりするとコンペに落選し、報酬を受け取れない可能性も高くなります。デザインやイラスト、キャッチコピー制作などの案件に多い形式です。

固定報酬型(プロジェクト型・タスク型)

提示された条件を受注者・発注者が合意し、所定の作業完了や成果物納品によって、決められた報酬を受け取るのが固定報酬型です。完了後、事前に提示された報酬を確実に受け取れます。

固定報酬型のなかには、プロジェクト型とタスク型と呼ばれるものがあり、プロジェクト型はある程度の規模・期間を要する案件が多いです。エンジニア系の開発案件や記事を執筆するライター案件など、専門的な案件でよく使われています。

一方のタスク型は、アンケート回答やその場で完了する簡単な案件に多く見られ、報酬額も低めに設定されているのです。

時間報酬・月額報酬型

時間報酬・月額報酬型は、毎月一定量の作業を引き受けたり、指定された時間に対応したりする案件で使われます。固定報酬型と似ていますが、時給・月給でのお仕事と考えると、違いが分かりやすいでしょう。

在宅で対応できる技術系の案件や、事務代行・経理代行などで採用されるケースが多いです。

エージェントの利用

就職・転職希望者向けのエージェントだけでなく、フリーランス向けのエージェントも登場しています。エージェントではスキルや経験を登録し、条件に合う案件を紹介してもらえるので、自分で営業をする手間がありません。

また、クライアントは身元の明らかな企業であり、エージェントが仲介に入るためトラブルに発展するリスクが低く、条件交渉や問題発生時にエージェント側が対応してくれることもあります。

さらに、キャリア相談や経理サポート、フリーランス向けの福利厚生サービスが利用できる場合もあり、サポート体制が充実しているのも特徴です。

ただし、紹介される案件の内容や報酬などの条件は、各自のスキル・経験によって変化します。実務経験のない分野の仕事は紹介されにくく、好待遇な案件を受けるには相応のスキルが求められるでしょう。

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業務委託求人を扱う求人サイトの利用

求人サイトによっては、雇用契約だけでなく業務委託契約の仕事を掲載している場合もあります。意外かもしれませんが、求人サイトをチェックし、業務委託契約の求人に応募するフリーランスの方も少なくありません。

一見するとクラウドソーシングと似ていますが、こちらは求人サイトに掲載料を支払って求人情報を載せている企業の案件です。相手の素性が分からないという心配はなく、トラブルになる可能性も低いでしょう。

フリーランスがマッチングサービスを選ぶときのポイント

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フリーランスが仕事を探す際、使うサービスを1つに絞る必要はありません。それぞれの特徴を知り、複数のサービスを活用して、効率よく仕事とマッチングしましょう。

サービスを選ぶ際は、運営元の信頼性や情報の取り扱っている案件量、サイトの使いやすさなどで判断します。

信頼できる運営元であるか

マッチングサービスを利用する場合、信頼できる運営元であるかは重要です。マッチングサービス経由で仕事を受ける際、住所氏名や電話番号の登録、身分証明書の提示などを求められます。

こうした個人情報の取り扱いが杜撰な運営元であると、情報漏洩からトラブルに巻き込まれないか心配です。「利用規約に個人情報の取り扱いについて明記されているか」「目的外に使用しないといった内容が盛り込まれているか」なども確認しておきましょう。

なお、個人情報の取り扱い体制が適切である、と認められた事業者に付与される「プライバーマーク」を取得している運営元であればさらに安心です。

また、運営元がどのような事業を展開しているかも知っておくと、信頼性が高まります。運営企業の評判や経営体制も参考にし、信頼できるサービスを利用しましょう。

利用者実績や案件数が豊富にあるか

仕事とのマッチングを求めて利用するのに、肝心の実績・案件数が少ないサービスでは役に立ちません。

フリーランス向けのエージェントも多数登場しており、マッチングサービス自体も多様化しています。どのような分野の仕事を受けたいのかを明確にし、希望する案件を豊富に扱うサービスを使いましょう。

サイトは使いやすくサポートが充実しているか

運営元が信頼できて案件数の多いサービスであっても、案件検索が使いづらかったり、サポート体制が悪かったりすると、使いづらいサービスとなります。

マッチングサービスの多くは、利用者登録をしなくても公開案件が閲覧できます。あらかじめサイトの操作性を確認し、使い勝手や絞り込み検索で選べる条件設定を見ておきましょう。

案件受注から報酬受け取りまでのサイクルや、トラブル発生時のフォロー体制も確認したいポイントです。掲載情報のほか、口コミも参考にして、使いやすいサービスを選びましょう。

フリーランスがマッチングサービスを使うメリット

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フリーランスがマッチングサービスを活用すれば、営業活動の手間を省いたり、仕事を受注しやすくなったりするでしょう。また、サービスによってはサポート体制が整っており、フリーランスが抱える不安を解消してくれます。

営業活動の手間を省いて仕事に集中できる

クラウドソーシングならスキル出品やプロフィール情報からのスカウト、エージェントならスキルと実績に合わせた案件を紹介してもらえるので、営業活動をせずに仕事を受注できます。

営業にかかる時間を削減できれば自身の仕事に集中でき、売上やスキルアップにもなるでしょう。

ただし、クライアントから指名されるフリーランスになるには、自己PRやポートフォリオを整えておく必要があります。定期的に内容を見直し、最新の状態にしておきましょう。

フリーランスになりたてでも受注がしやすくなる

フリーランスになった直後は、受注実績がなかったり、人脈がなかったりと不安定な状態です。マッチングサービスを使えば、そのような状況でも仕事を受注しやすくなります。

このとき、受注を焦る気持ちから、相場に合わない条件で仕事を引き受けないよう注意しましょう。

「はじめだから仕方がない」「少しでも実績を増やせれば」と、過剰に安く仕事を受注した結果、その条件から抜け出せなくなる可能性もあります。その分野の仕事が全体的に安く見積もられる要因にもなるので、適正価格での受注を心がけましょう。

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トラブル発生時にサポートが受けられることもある

仕事を受注する中で認識のずれや意見の相違などから、トラブルになる場合もあるでしょう。話し合いで解決できれば問題ありませんが、報酬の未払いや業務途中での条件変更など、厄介なトラブルに発展することも。

このようなときにマッチングサービスの運営元が間に入ってくれれば、フリーランスにとって心強いでしょう。また、受注する際の条件交渉も、マッチングサービス側が引き受けてくれる場合もあります。

こうしたサポートは、エージェントサービスに多く見られます。不利益にならないようにフォローしてくれるマッチングサービスは、安心して仕事を受注するために重要な存在です。

フリーランスがマッチングサービスを使うデメリット

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フリーランスにとって心強いサービスともいえるマッチングサービスですが、デメリットも存在します。利用にあたっては、デメリットについても理解しておきましょう。

報酬から手数料が差し引かれる

クラウドソーシングもエージェントも、報酬の一部が手数料として引かれるのはデメリットです。とはいえ、サービス提供元も慈善事業ではないので、手数料の発生は致し方ないとも言えます。サービスの利用やサポートを受けるための、必要経費と考えましょう。

どうしても手数料を引かれたくないならば、マッチングサービスを経由せずに直接契約するしかありません。

ただし、マッチングサービス経由で取引していたクライアントに働きかけ、直接契約に切り替えてもらうのは利用規約違反になる可能性もあります。直接契約を結んでも問題ないか確認し、違反行為とならないよう注意しましょう。

継続的な仕事にならない

マッチングサービスで受注した仕事は、プロジェクト終了後は取引がないケースもあるでしょう。継続的な受注でないなら、プロジェクト終了後に新たな仕事を探さなければなりません。

毎月新しいクライアントと契約するのと、年単位での仕事を依頼してくれるクライアントと継続的に契約するのとでは、後者の方が効率よく働けます。収入も安定し、「仕事が途切れたらどうしよう」「もうすぐプロジェクトが終わるから次の仕事を探さなければ」といった、フリーランスの不安も解消できるでしょう。

マッチングサービスは、継続的な仕事ができるかも考えて利用する必要があります。

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クライアントの素性が分からない

エージェントや求人サイトで「クライアント側の素性が分からない」というケースはほとんどありません。しかし、クラウドソーシングでは、本人確認や事業所の詳細を登録していないクライアントも存在します。

万が一トラブルが起きた場合、相手の素性が分からないと解決が困難なケースもあるでしょう。不利益を避けるには、相手を見極めてから仕事を受ける必要があります。

フリーランスがよい案件とマッチングするために必要なこと

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フリーランスがよい案件とマッチングするには、事前準備や営業活動が必要です。また、やりにくい仕事からは手を引き、複数のマッチング方法を使って自分に合うやり方を見つける工夫もしましょう。

ポートフォリオを用意する

魅力的な案件は、いつ・どこで・どのような形でめぐり合えるか分からないものです。チャンスが回ってきたとき、すぐに実績を提示できないと、マッチングが失敗したり、誰かに先を越されたりするかもしれません。

自分のスキルや過去の実績をいつでも提示できるよう、ポートフォリオは常に最新の状態にまとめ、チャンスを逃さないようにしましょう。

適正単価を知る

よい案件は、適正な価格で取引されているものです。安すぎる単価で引き受けるのも、高すぎる単価を提示するのも問題です。

案件内容に対して報酬額が相場に合っているか判断できるよう、日頃から相場を調べたり、フリーランスと情報交換をしたりして情報収集する癖をつけておきましょう。

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積極的に営業活動する

フリーランスは、自分自身で営業を行う必要があります。よほど名前の知られた存在でない限り、「待ち」の姿勢ではよい案件と出会えません。

自分のスキルが必要とされている場所を探して営業したり、ブログやSNSなどで仕事を募集している旨を発信したり、積極的に働きかける努力をしましょう。

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相性の悪いクライアントとの仕事は控える

よい案件は必要以上の負担にならず、クライアントと心地よい関係を築けるものです。

仕事を引き受けてみて違和感を覚えたり、途中で条件が変わったりと、対応に疑問を感じる相手は要注意。クライアント側に問題があるケースもあれば、コミュニケーション不足で上手く話が進まないケースもあります。

どうしても仕事がやりにくく、負担が重すぎるのであれば、無理に取引を続ける必要はありません。フリーランスのメリットは「クライアント(仕事相手)を選べる」という点にあります。相性の良し悪しも踏まえ、気持ちよく働ける案件を探しましょう。

選り好みをし過ぎるのも問題ですが、合わない相手との取引は区切りのよいところで終了し、新しい案件を受けられる状態にしておいたほうが、長期的に見たときにプラスに働くことは多いです。

複数のマッチング方法を活用する

マッチング方法にもそれぞれの長所・短所があるので、1つに絞らず、案件を受ける窓口として複数のチャネルを利用しましょう。

同じフリーランスでもクラウドソーシングが合っている人もいれば、エージェントの方がよい仕事を受けられるという人もいます。自分に合った方法を見つけるためにも、複数のサービスを活用しましょう。

フリーランスが仕事をする際は契約内容にも注意

フリーランスが仕事をする際は契約内容にも注意(見出し下画像)

フリーランスが仕事を受ける際、業務委託契約を交わす場合もあるでしょう。この業務委託契約には、「請負契約」と「委任契約・準委任契約」が存在します。

それぞれ特徴があり、仕事内容に合った契約であるかを確認したうえで、契約を結びましょう。

請負契約

請負契約は、仕事の完成(成果物の完成)が報酬を得る条件となる契約です。

納品した成果物に問題があり、クライアント側の要求する水準に達していなければ、修正対応が終わるまで報酬を受け取れません。

プログラマーやイラストレーター、ライターなどの仕事に多い契約です。

委任契約・準委任契約

委任契約・準委任契約は、所定の業務・行為の実行が報酬を得る条件です。そのため、成果物の完成や業務によって果たされる結果については問われません。

委任契約は不動産売買や賃貸契約、遺言書作成など、法律にかかわる行為を依頼する場合に結ばれます。準委任契約は、それ以外の行為を依頼する場合の契約です。

フリーランスが準委任契約で行う仕事には、コンサルタントやマーケティング、SNSの運用代行、スクールの講師などが挙げられます。

様々な方法を視野に入れて運命の案件とマッチング

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フリーランスが仕事とマッチングする方法には、SNS、クラウドソーシング、エージェント、求人サイトの4つがありました。それぞれの長所と短所を理解し、複数のサービスを活用すれば、効率よく仕事とマッチングできるでしょう。

特にエージェントサービスでは、単価交渉やトラブル発生時のフォローなど、フリーランスをバックアップしてくれるサービスが充実しています。受注したい内容の案件を多く扱い、信頼できるエージェントを活用し、よい案件とマッチングできるようにしましょう。