副業を許可している企業が少しずつですが増えてきています。しかし会社が許可したとしても、副業に対していい顔をしない上司もいます。本業で結果が出せていないのに副業をしていたら、さらに成果が出せなくなると思っているわけです。
しかし副業は本業に良い影響を及ぼす場合も多いです。その為副業の良い面を上司に理解してもらわなければなりません。そこでこの記事では、副業反対の上司に対してどのように言えば良いのか、やり返す言い訳として9つ紹介します。
なぜ上司は副業に反対するのか
そもそもなぜ上司は副業に反対するのでしょうか。ここでは代表的な3つの理由を紹介します。
本業への悪影響
副業をやっていると本業に悪影響が出るという考え方は多いです。また実際に副業をやりすぎて本業に悪影響が出ている人もいます。ひとつは本業の業務時間内に副業をしてしまうパターンです。
例えば副業で投資をしている知人は、業務時間であっても相場が気になって確認しているそうです。相場の動きが激しい時は、本業どころではなくなって、頻繁に確認しているのだとか。特にリモートワークで働く機会が増えて、本業の時間内に相場の確認や株取引をしてもバレないとのことです。
こうした事例を上司が知らないわけもなく、「本業時間内でもあっても副業をしているのでは?」と疑いの目を持つわけです。それ以外にも本業時間外で副業を行う場合、体調を崩すリスクがあります。
単純に労働時間が増え、体力的に辛い人もいます。また睡眠時間を削って副業する人もいるわけです。そうすると体調が悪くなり、本業でのパフォーマンスが落ちるというわけです。これも実際に起こり得ます。
私の知人のプログラマーも睡眠不足が続いて、日中の仕事の進みが悪くなっていました。上司は部下の仕事の生産性が下がっていることは把握できます。「副業のせいで生産性が下がっているのでは」と考えるわけです。
情報漏洩のリスク
副業で本業に関係する仕事を引き受けることで、情報漏洩のリスクがあります。例えばプログラマーが他社で似たようなアプリを開発するとなったらどうでしょうか。副業といえども、本業で得た知識や情報が活用されるはずです。
往々にして副業は本業と関係あることをします。例えばプログラマーはプログラミングの副業をすることが多いです。なぜならその方が報酬も多いからです。そうするとどうしても本業と似た案件が来て、そこで本業で得た知識や社内の情報が活用されるリスクはあります
副業の場合、案件ベースで報酬がもらえます。その為、本業と同じ案件であっても、「この仕事を受ければ○○万円になる」と考えて引き受ける人もいるでしょう。そうしたリスクを上司は心配しているのです。私は本業に近い領域で副業をしますが、全く同じ仕事は受けません。
こうした副業をする側の意識も必要となってくるでしょう。
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副業したことがない
そもそも上司には副業をしたことがない人も多いです。その理由としては、①副業を認める会社がすくなかったこと、②そもそも副業をする必要性を感じなかったことがあげられます。その為「副業をなぜするのか」という、そもそもの理由が分からないことも多いわけです。
副業をしたことがなければ、それに対する理解も少ないのは当然です。副業は本業に悪影響を及ぼすものという前提で話が始まることも多いでしょう。その為副業をしたい人は、副業をする理由について上司に丁寧に説明していく必要があるわけです。
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上司をやり返す言い訳9選
上司が副業に対して理解が無いという前提で、上司に対して副業の良さを伝えなければなりません。本業では結果が出ていなくても、「言い訳」として以下の9つを試してみましょう。
副業でのスキルアップが本業にいい結果をもたらす
副業でのスキルアップが本業にいい結果をもたらすことも多いです。例えばウェブマーケターの知人は副業で、本業とは違う領域の仕事を引き受けていました。そうした案件を引き受けることで、ウェブマーケティングの知識が広がるとのこと。
会社でウェブマーケティングの仕事をしていると、似た案件がどうしても増えてきて、スキルアップに繋がらないこともあります。副業であれば本業とは全く違った案件を選べます。
もちろん本人のスキルアップや収入アップが一番の目的です。しかし会社にとっても社員のスキルが上がることはメリットでしかありません。しかも副業でやってもらえば、教育のための費用もかかりません。
今自分がどのような案件を副業でしていて、それが本業にどう役立つのか、上司に丁寧に説明してみましょう。
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副業で得た人脈が本業に役立つ
副業では人とのつながりも得られます。副業で繋がった人が人脈として本業にも役立つわけです。副業で仕事をすると本業についても紹介するのが一般的です。そうすると本業についても知ってもらえますし、本業の方で協業したいと言われる場合もあります。
私は副業をする際にも本業をアピールすることで、本業にも良い影響があるようにと意識しています。副業で応募したはずなのに、本業の方に興味があるということで、私が役員をしている会社を通して話をすることもありました。
副業をする人が会社に対して想いがあれば、副業で得た人脈を本業でも活用しようとなるはずです。人脈を活用している知人の事例があれば出しつつ、副業での繋がりが本業でも役立つことを上司に伝えましょう。
副業を解禁している企業の方が先進的
副業を解禁している企業が増えてきていますが、2020年の労働時間等実態調査(経団連)によれば約2割とまだ少ないです。ただし従業員の規模数が多い企業、5000人以上の従業員がいる企業では32%の企業が認めています。このように大手企業の方が、副業を認める傾向にあるのが現状です。
また業種別でも違いがあり、情報通信業では52%の企業が副業を認めています。一方サービス業は0%であり、大きな違いがあると分かります。こうした中で副業を認めることは先進的な企業である証明にもなるでしょう。
また大企業でないのに副業を認めることは、他社との差別化にもつながります。また情報通信業で副業を認めないとなると、遅れている企業だと言われかねません。こうした他社の状況を示しながら、副業を認めることが企業にとってメリットがあると上司に伝えましょう。
新しいビジネスに繋がる
副業は新しい仕事に挑戦する場としても活用できます。新しい仕事に挑戦することで、社員のキャリアアップにつながります。また社外で新しい仕事に取り組み、そのノウハウを本業でも活かせば、新しいビジネスに繋がる可能性もあるのです。
いきなり自社で新規事業を始めるのはハードルが高いです。他社で経験をして、その経験を自社の新規事業として生かすことは出来るでしょう。また既存のビジネスに対しても新しい発想を加えることで、違った事業展開につなげることが可能です。
例えば自社でボトルネックとなっている課題があった場合、他社での事例を模倣して解決することもできるわけです。自分はウェブマーケティングについて副業で学んだことを、私が役員をしている会社で活かしています。
新しいビジネスを始める際に、こうした知識は大いに役立ちます。本業の方の新しいビジネスに副業のどういう点が役立つのか、上司に対して説明してみましょう。
優秀な人材が集まる
3で副業をしている企業の方が先進的だと述べました。先進的な企業は社会的に注目されます。注目されて好意的に報道されれば、優秀な人材が集まります。また優秀な人材は「新しいことに挑戦したい」という意欲も高いです。
そうした社員に副業は最適です。企業に属しながらもチャレンジ出来るとなれば、優秀な人材が集まります。副業でのチャレンジを通して、優秀な人材の能力は向上し、会社にとってもプラスになります。
これを全て自社で実現しようとなると、かなりハードルが高いです。それぞれの従業員の挑戦したいことを一社で実現するのは不可能だからです。副業を解禁すれば、一定のルールは設けつつも、やりたいことに挑戦出来る環境はできます。
副業を解禁することで、会社に縛られない挑戦をしたい、優秀な人材が集まることを上司に伝えましょう。
離職率が下がる
労働人口が減っている日本において、離職率を下げることは企業の重要な課題です。5で優秀な人材が集まると述べました。しかし優秀な人材は離職する可能性も高いです。転職サービス「doda(デューダ)」が2020年7月~2021年6月の1年間に転職した768人に行った転職理由の調査結果は、以下のようになっています。
順位 | 転職理由 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 給与が低い・昇級が見込めない | 35.0% |
2位 | 昇進・キャリアアップが望めない | 29.4% |
3位 | 会社の評価方法に不満があった | 26.8% |
4位 | 社内の雰囲気が悪い | 26.7% |
5位 | 肉体的または、精神的につらい | 24.3% |
6位 | スキルアップしたい | 24.0% |
7位 | 業界・会社の先行きが不安 | 23.9% |
8位 | 社員を育てる環境がない | 23.7% |
9位 | 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) | 23.5% |
10位 | 尊敬できる人がいない | 23.2% |
この調査結果を見れば分かるように、1位は「給与が低い・昇級が見込めない」で35%です。副業をすれば副収入が増えますので、給与面の不満が解消する可能性もあります。すぐに給与アップは難しい会社が多いわけですから、副業を認めるのは有効な手段です。
またスキルアップをしたいために転職する人は24%と、約4分の1です。スキルアップ出来る環境を自社ですぐに用意できない場合、副業制度の導入は大変有効です。
こうしたデータを示しながら、スキルアップしたい社員のために副業を認めた方が良いと上司に伝えましょう。
モチベーションアップにつながる
副業はモチベーションアップにも繋がります。その理由は会社に在籍しながら自分が本業以外でやりたいことに挑戦出来るからです。やりたいことができているという感覚は非常に重要です。他にも本業以外で人に認められることも、モチベーションアップに関係します。
特に副業は自分で仕事を取るため、個人として評価されます。「○○さんに頼んで良かった」と言われる経験は本業では少ないです。本業の場合は「○○社に依頼して良かった」という場合が多いでしょう。
副業で得たモチベーションアップは本業にも良い影響をもたらします。自分自身のスキルに自信を持てば、本業でも自信が持て、良い仕事が出来るわけです。
私も副業で仕事が評価されることで、本業でも頑張ろうと思えた経験が多くあります。ウェブマーケティングの仕事でホワイトペーパー作成をしていたのですが、「とても早く上がってきて助かります」「資料から要点を考えてまとめてくれて見やすい」と言われたことがありました。
そうした言葉はモチベ―ジョンアップに繋がり、良い成果物を納品できました。その結果、副業だけでなく、本業でも成果を上げられたのです。副業がモチベーションアップにも繋がることを、事例を用いながら上司に伝えてみましょう。
副業で得たお金を自己投資に使える
副業を始める理由の一つにお金があります。給与アップを待つよりも副業をした方が、お金が得られるのは間違いありません。副業で得たお金を何に使っても自由です。ただそこで得たお金を自己投資に使うことで、自身のスキルアップに繋がります。
自己投資は会社の為が第一ではなく、自分のために行うものです。自己投資をどれだけしたかで、その後のキャリアが変わってくるのは間違いないからです。ただ社員のスキルが上がれば、会社にとってもメリットがあります。
上司にも副業で得たお金を自己投資に使い、会社の役に立ちたいと伝えてみましょう。会社に対する想いを汲み取ってくれるはずです。今はオンラインで受けられるスクールやセミナーも増えていますので、具体的な名前を出して説明すると説得力が増すでしょう。
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家族サービスに使えるお金が増える
副業で得たお金は家族サービスにも使えます。家族サービスに使うことは会社に関係ないと思われるかもしれません。しかし家族関係が上手く行くことで、仕事もしっかりと出来るというもの。家族の理解無くして仕事は出来ません。
すぐに給料が上がらない中で、副業でお金をもらい、それを家族サービスに使う。家族は嬉しいわけです。家族から副業を認めてくれる良い会社と言われる可能性も高いです。家族サービスにお金を使うことで、家族の理解を得たいと素直に上司に伝えてみましょう。
上司と真摯に向き合うことが大事!
上司が副業に対して否定的な態度を取ることは、決して珍しいことではありません。前述したとおり、日本で副業を認めている企業は約2割。多くの企業がまだ副業を認めていません。そうした中で、上司の批判をしても関係が悪くなるだけです。
なぜ副業が必要なのか、副業が会社にとってどのようなメリットがあるのか、副業をやる意味を伝えてみましょう。真摯に向き合うことで伝わることも多いはずです。