SaaS系サービスとはインターネット経由で利用出来るソフトウェアのことです。フリーランスになると、Zoomなど仕事効率化のために、さまざまなSaaS系サービスを利用しているでしょう。
無料で利用出来るものがあったり、取引先に合わせて使ったりしたものがあるため、アカウントは作ってしばらく放置されているものもあるはずです。取引先が変わった時に久しぶりにログインしてみると、仕様が変わっていたり、そもそも使えなくなっていたりします。
そうならないためにも主要なサービスの変更は確認しておかなければなりません。そこでこの記事では代表的なSaaS系サービスと2022年9月時点での規約改定について紹介します。
SaaS系サービスの規約改定を確認する
まずよく使われるSaaS系サービスの規約改定について見てみましょう。ここでは2022年8月時点で近年行われた規約改定を確認します。アカウントはあっても使っていないサービスがあれば、確認してみましょう。
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Zoomは1対1の無料使用が40分の使用制限に
Zoomは今まで1対1であれば、無料アカウントでも時間無制限に使用できました。しかし2022年7月に規約が改定されたことにより、無料アカウントでは40分までしか使えません。今までは1台対複数の場合にのみ40分の使用制限がありました。
この改定のため、今後はZoomを使う場合は有料アカウントにせざるをえないと考えられます。ビジネスでZoomを使う可能性がある方は有料化を検討しましょう。
Slackのフリープランは履歴が90日までしか遡れない
Slackは2022年9月に値上げが行われ、フリープランの履歴は90日までに変更されました。ただしストレージは5GBまで制限されていたのが、無制限に利用できます。フリーランスの場合、メッセージの履歴は重要です。
以前のやり取りをさかのぼって、依頼先と確認することもあるはずです。その際にフリープランだと過去のやり取りが見られません。企業によってプランが違いますので、ワークスペースに参加した際に確認しておきましょう。
また重要なやり取りは履歴が消える可能性もあるので、スクリーンショットを撮っておくなどして保存しておきましょう。
GooglePhotoの無料・容量無制限プランが終了
2021年5月31日でGooglePhotoの無料・容量無制限プランが終了が終了しました。そのためGoogleフォトとGoogleの他のサービスを合わせて、15GBまでしか無料では保存できなくなっています。それ以上の容量が必要になる場合は、購入して容量を増やす必要があります。
Evernoteの課金強化で無料版は同期出来る端末が2台に
Evernoteは2016年8月の価格改定以降、無料版では同期出来る端末が2台に制限されています。その為PC、スマホ、タブレットと無制限に同期できなくなっています。「スマホで見られなくなっている」という状況も考えられますので、Evernoteを使う可能性がある人は確認しておきましょう。
ただしウェブ版「Evernote Web」であれば、同期出来る端末の制限に掛からないので、ウェブ版を使うのも良いでしょう。
SaaS系サービスの種類
SaaS系サービスの代表的なものをここで紹介しておきます。ここでは私が使っているサービスを紹介します。
Dropboxなどのファイル共有サービス
Dropboxなどのファイル共有サービスを使っているフリーランスは多いはずです。ファイル共有サービスを使えば、どの端末からもアクセスでき、USBメモリのように紛失する危険はありません。
また依頼先とファイルを共有することも可能です。ファイル共有サービスとしては、私はDropboxを使っています。Dropboxは自動で複数のパソコンのデータが同期されるので非常に便利です。PCで作業中のデータをスマホで確認することもできます。
OneDriveやBOXといったファイル共有サービスについては、私は依頼先に合わせて使っています。その為アカウントを作っているのですが、殆ど使っていないサービスは確かにあります。
フリープランなのでお金がかからず、アカウントのみ生きています。いろいろなファイル共有サービスを使ってしまうと、かえって管理が難しくなるので、1つのサービスに限定して使うことをお勧めします。
ただし取引先によっては別のファイル共有サービスを使っている場合もありますので、その際にはアカウントを作った上で管理をしっかりするようにしましょう。
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SlackやChatworkなどのビジネスチャットツール
SlackはIT業界を中心によく使われているコミュニケーションツールです。単に情報のやりとりをするだけでなく、他社のサービスと同期することで、さらに便利に使えます。例えばGoogleカレンダーに載っている予定をSlack上で通知するとか、Trelloなどのタスク管理ツールからSlack上にタスクの更新通知を送ることも可能です。
Slack独自の機能として便利なのは、リマインダーと返信のスレッド表示です。リマインダーは日時を指定してメッセージを送る機能で、タスク忘れを防げます。また返信のスレッド表示機能があるので、同時に複数のやり取りがしやすいです。
またビジネスチャットワークツールとしてChatworkを使っている方も多いはずです。Chatworkは連絡を取り合ったり、ファイルのやりとりをしたりするだけでなく、タスク管理も可能です。
ChatworkがSlackよりも優れているのはタスク管理機能です。メッセージでタスクを依頼されたときに、チャットワーク上でタスクとして記録できます。担当者や締め切り日も記入で来て、メッセージのやり取りをしながらタスク管理ができるのは非常に便利です。
またChatwork先払いというサービスがあって、取引先に送った入金前の請求書を買い取って、報酬を支払ってくれます。今すぐ入金してほしいというフリーランスにとっては非常に役立ちます。
ZoomやMicrosoft Teamsなどのウェブ会議システム
ZoomやMicrosoft Teamsなどのウェブ会議システムも使っている人が多いと思います。特にコロナ禍になってオンラインでのミーティングが増えました。この2つの他にもGoogle meetもシェアが高いです。
Zoomは有料版であれば複数人で利用でき、画面共有、録画もできます。チャットでのやり取りやファイルのやり取りもできるため、非常に便利です。一方、無料版は40分間の利用制限がかかります。
TeamsはOffice系ソフトとの連携が簡単にでき、会議を開いていない間でも、チャットやファイルのやり取りが可能です。無料版では60分まで利用できます。Google meetは他のGoogleのサービスと連携しやすく、無料版でも1対1なら24時間利用できます。ただし3人以上の場合は60分の制限がかかります。
どれもアカウントが無くても、企業側から招待されれば会議に参加できます。取引先に合わせて柔軟に使い分けていけばよいでしょう。
Money Forwardやfreeeなどの会計ソフト
Money Forwardはフリーランスでも活用出来る確定申告ソフトです。銀行やクレジットカードの連携により、自動で明細を取得。仕分けも行います。さらに申告に必要な書類も自動作成出来るのです。
また請求書の作成や経費精算なども出来るため、日常の業務が非常に簡素化されます。月額1000円程度で利用出来るため、費用としてもかなりお得です。クレジットカードで常に買い物するようにすれば、自動でデータを取得してくれるので、私自身、非常に助かっています。
freeeもクラウド型の会計ソフトとしてよく使われるものです。Money Forwardで使える機能は一通り出来るのですが、楽天銀行からの自動取得ができません。私は会社の役員もしていますが、フリーランスよりも法人で使っている場合が多い印象です。
なぜならfreeeに対応している税理士が多いという事情もあるかもしれません。実際に会社で頼んでいる税理士もfreeeに対応しています。
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GmailなどのGoogleのサービス
Gmailを含むGoogleのサービスは、使っているフリーランスが多いはずです。Googleドキュメントやスプレッドシートはワードのようにファイルのやりとりをしなくても、リンクを送るだけで共有できます。その為、変更が即座に反映され、どのファイルが1番新しいのかといった問題が生じません。
GoogleのサービスはGoogleアカウントを持っていれば利用できます。私もGoogleドキュメントやスプレッドシートは顧客とのやり取りに頻繁に使います。
また、フリーメールを使うならGmailのメリットは多いです。フリーメールであっても迷惑メール対策に大変優れています。またラベル機能の便利さやmeetとの連携など、無償でもグーグルワークスペースの機能を使えます。
そのため企業や教育機関でも有償版のGoogle Workspaceが多く利用されています。
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Evernoteなどのノートアプリ
Evernoteは情報の管理と共有が出来るノートアプリです。ノートの中に文字だけでなく動画や写真、さらにはウェブページ丸ごとクリッピングで保存することも可能です。まさに紙のノートのように活用できます。
Evernoteを使えば、1つのテーマに対して様々な情報をノートの中に入れて保存。それを他の人と共有して議論することが可能になるわけです。
このように大変便利な機能が揃っているのですが、私は現在使っていません。理由としては機能が増えるたびに逆に使いづらくなっているからです。ノートであれば文字情報だけしっかりと管理できれば良いです。
Evernoteの代わりに最近使われることが多いのがNotionです。Evernoteからの一括乗り換えボタンも装備していて、個人や法人での利用者が急激に増えている印象を受けます。私の取引先の中にも使っている企業があり、操作性に優れていて連携アプリが豊富にあることが魅力だと述べていました。
頻繁に使うSaaS系サービスの規約改定には注意
SaaS系サービスの規約改定は今後も行われる可能性が高いです。特によく使っているSaaS系サービスの規約が改定されていないかは、常に確認しましょう。規約改定の場合、それぞれのサービスにログインした際に表示されていることが多いです。
そうした通知は見逃しがちなので、ログイン時に確認するようにしましょう。私は通知を確認するだけでなく、GIGAZINE(ギガジン)やWIREDなどのサイトを確認するようにしています。
またTwitterでIT系の仕事に従事しているアカウントを探して、フォローしておくのもひとつの方法です。そうしたアカウントはIT関係のニュースを提供してくれることが多いです。Twitterは情報が早いので規約改定の情報も早く入手出来るでしょう。
こうした情報入手をしっかりと行うべきだと感じる出来事が私自身にもありました。その出来事とは、Zoomの無料アカウントが40分制限になったことです。今までは無料アカウントでも1対1では時間無制限で利用できていました。
たまたま無料版の会社用のアカウントで使用したところ、40分で中断してしまい使えなかったのです。個人用の有料アカウントを持っていたのですぐに切り替え、大問題には至らなかったのですが、規約改定に気づけていなかった自分に驚きました。
これがもし仕事をする直前で気づいて、しかも無料アカウントしかなかったらどうでしょうか。その場でアカウントを有料化するなどの手続きが必要になり大いに慌てたと思います。そのような事態にならないためにも、代表的なSaaSサービスの規約変更には注意しておかなければならないのです。
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取引先とSaaS系サービスの情報共有を!
フリーランスの場合、取引先にツールを合わせることが多いです。その為取引先とSaaS系サービスの規約改定については情報共有しておく必要があります。例えばSlackであれば、取引先がワークスペースのどのプランを使っているかによって、履歴をさかのぼれるかどうかが変わります。
取引中に重大な変更がなされる場合もあるので、その場合は、必ず取引先と情報共有しておきましょう。