フリーランスプログラマーで起業する前に己を知っておくスキルチェックリスト

プログラマーとして起業したいと考える際に、自身のスキルを改めて見直す必要があります。どの能力がフリーランスプログラマーの基準に達しており、フリーランスとして仕事を受注できるのか判断する必要があります。

また足りない部分については、今後高めていく必要もあるでしょう。ではどのようなスキルが必要なのでしょうか。ここではプログラマーに必要とされるスキルチェックリストについて解説します。

フリーランスプログラマーに必要とされる代表的なスキルチェックリスト
自分のスキルをランク分けしてみよう
プログラミングスキルはサイトを使ってもチェックする
保有資格や経験した業種、業務知識についてもまとめておく
自分のスキルを把握して足りない部分は起業前に伸ばしておく

フリーランスプログラマーに必要とされる代表的なスキルチェックリスト

フリーランスプログラマーとして必要とされるスキルチェックリストは、以下の通りです。

HTMLとCSS

HTMLとCSSはワードプレスなどのホームページを作成する際に必要とされるスキルです。ワードプレスは簡単に操作できるので、自分たちで立ち上げる人も増えています。またペライチなどの簡単なホームページ作成ツールもあります。

しかし企業の場合、他社との差別化が必要です。そのためワードプレスのテーマをそのまま使ってCSSを修正しない形だとよくありません。そこでHTMLやCSSを使って独自のホームページに変えていく作業が必要になるわけです。

ECサイトのようにホームページで差別化し、集客する企業から多く依頼があります。ワードプレスでのホームページ作成の場合、個人や中小企業からの依頼が多いでしょう。

私の知人のプログラマーもワードプレスでのホームページ作成をメインで行っていますが、仕事が途切れることはなく、反対に依頼が増えて手が回らないと言っていました。彼の場合、他社や他のフリーランスと違い、早く開発できること、顧客とやり取りしながら柔軟にインターフェースを変えられることがウリだと言っていました。

このように他社との差別化が、フリーランスには必要となってくるわけです。

JavaScript

ホームページ作成には前述したHTMLとCSS以外にJavaScriptも必要になります。フロントエンド開発で使われることが多く、ライブラリーやフレームワークが豊富なのも特徴です。アニメーションを用いてホームページを使いやすくしたり、申し込みページで住所を自動取得できたりします。

JavaScriptは需要も多く、ホームページ作成には欠かせません。ホームページを差別化するためにJavaScriptでできる技術力が高くなければならないでしょう。他に動きが必要とされる開発に必要です。webアプリやゲームアプリ、スマホアプリ開発で使われます。チャットボットでも使われています。このように用途が幅広いので、企業規模を問わずに仕事の依頼はあるでしょう。

Java

Javaは常に人気の言語で、需要も多いです。システムやウェブサービス、スマホアプリなどの開発に使われることが多いので、フリーランスプログラマーとして独立するのであれば、マスターしておくべき言語です。

Javaは大規模なシステム開発に使われることが多いため、大きなプロジェクトにフリーランスとして関われる可能性も高まります。たとえば、ウェブアプリやスマホアプリの開発、ゲーム開発に使われます。人気ゲーム、マインクラフトはJavaで作られています。

他にも配送システムや金融業界で使われる取引システムもJavaで作られています。家電などのIoT化でも使われるようになっています。このように汎用性の高い言語のため、企業規模を問わず依頼があります。ただしJavaの場合、マスターするためには時間もかかります。

C言語同様、コンパイラ言語はフリーランスとしてさまざまな案件に関われるようになるには、5年～10年以上のキャリアが必要です。技術的に不足している場合は、フリーランスになる前に業務として受けられるレベルにまで、マスターしておく必要があるでしょう。

Python

Pythonは人工知能や深層学習の分野で、多く使われている言語で、エンジニアの間でも人気が高まっています。プログラミングとして簡潔に記述でき、専門的なライブラリも豊富です。YouTubeやInstagramでも使われているため、今後もさらに需要が増すはずです。

このようにPythonをマスターすれば、人工知能や深層学習の開発、ウェブアプリ開発、データ解析などの仕事が受けられます。現在、AIやデータを使った業務効率化は様々な企業で行われているので、大企業からの仕事の依頼もあるでしょう。

Pythonについて、人工知能や深層学習の分野とセットで学ぶスクールも増えています。独立前にPythonだけでなく、人工知能や深層学習についても一緒にマスターしておく方が良いでしょう。

C・C++

C言語は歴史も長く、ソフトウェア開発の現場で広く使われてきました。ただしマスターするためには難解で、その分、C言語やC++ができる人は他のエンジニアと差別化出来ます。特にC++はオブジェクト指向を用いており、学習難度は高いです。

OSやソフトウェア開発、ゲーム開発、電化製品の組み込みなどで多く用いられます。他の言語に切り替えているシステムも多いですが、それでもまだ人気の言語です。フリーランスプログラマーとしては、開発に携われるレベルで独立したほうが良いでしょう。

その他の言語

その他にもPHPやRubyといった言語もあります。またGoogleが開発したGo言語を使用している企業もあります。フリーランスプログラマーとして独立する場合、今まで業務で使っていた言語をより深めるだけでなく、新しい言語を習得していく必要もあるでしょう。

フリーランスの場合、業務で使えないレベルでは「できる」ことにはなりません。仕事の幅を広げるという意味でも業務で使える言語を増やしていきましょう。

DB

顧客管理から人工知能や深層学習まで、データベースを扱うシステムは増えています。データベースとのやり取りだけでなく、データベースのテーブル設計からできる能力が求められます。

現在、DBの知識は様々なシステムで使われているため、企業規模を問わず、その能力は必要となってきます。

どれほど素晴らしいコードが書けたとしても、そもそものデータが無かったり、不足していたりしては上手く行きません。フリーランスプログラマーとして独立する際にはデータベースの知識が必要になるので、独立前にマスターしておきましょう。

ネットワーク・サーバー

ネットワークについてはネットワークエンジニアが専門に扱っています。そのためプログラマーはそこまで知識が必要ないと思われるかもしれませんが、ネットワークに関する知識がないと活躍するのは難しいです。

その理由としては、開発するシステムの殆どがネットワークと関係があるからです。webアプリで上手く動かないというときに、原因が分からないというプログラマーもいて、それだと仕事が頼めません。サーバーに関する知識も同様です。

これらの知識はプログラミングと同様、システム開発、ウェブアプリ開発、スマホアプリ開発でも必要です。これらの知識がプログラミングスキルにプラスされれば、大企業からの依頼もあります。そのためネットワークの基本的な知識は身につけておくべきでしょう。

コミュニケーション能力

プログラマーとして企業で働くのであれば、コミュニケーション能力はそこまで必要ではありません。しかしフリーランスの場合、それでは難しいです。依頼された企業の人としっかりとコミュニケーションを取らなければ、仕事ができません。

以前TOPエンジニアにインタビューした際に、「派遣されたら、そのお客さんの職場の席順と名前の座席表をもらい、顔と名前を即座に一致させて積極的にコミュニケーションを取っていた」と話してくれました。

フリーランスだからこそコミュニケーションスキルは必要です。周囲と円滑にコミュニケーションを取れる人に仕事は集まるでしょう。また継続的に仕事が依頼されるはずです。コミュニケーション能力は場数を踏めば、苦手な人でも上がります。積極的に人と話す場を作るようにしましょう。

提案する力

提案する力もフリーランスプログラマーには必要です。指示通りのプログラムをするだけでなく、「こうすればもっと良くなります」と言えた方が、評価が高いです。また提案力がある人はプログラミングするだけでなく、上流工程を任される可能性もあります。

時と場合によっては、会社の重要なポジションに技術担当として入ることも考えられるでしょう。自分の知人のプログラマーは起業もしていますが、別の会社の技術責任者として参画しています。

プログラミングとしての能力も素晴らしいですが、新しい企画を形にする力も高いです。そのため多くの会社から開発の相談もあるようです。プログラミングの技術だけでなく、提案する力も独立前に磨いておきましょう。

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自分のスキルをランク分けしてみよう

プログラミングのスキルは細かくランク分けする必要があります。会社に属しているプログラマーであれば、業務経験がなくても知識があれば仕事が出来ます。しかしフリーランスプログラマーの場合、「業務経験があって一人で作業ができるレベル」(Cレベル)でなければなりません。

また「要件定義から実施可能」(Bレベル)、「他のプログラマーに指導可能」(Aレベル)だとさらに評価が高まります。つまりこれら3つのレベルのプログラミング言語が、いくつあるのかをチェックしておかなければならないわけです。

またもしこれらのレベルに達していない言語が多い場合は、仕事が取れる可能性は低くなるので、独立前に技術を磨かなければならないでしょう。各プログラミング言語やIT関連の技術に対して、まずは自分でA、B、Cでランク分けしてみましょう。

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プログラミングスキルはサイトを使ってもチェックする

プログラミングスキルについては、自己評価だけでなく、客観的な能力もチェックしておきましょう。現在、プログラミングスキルをチェックできるサイトが多くあります。ここではその中でも代表的なサイトを4つ紹介します。

paiza

paizaはプログラミングの学習サービスとして有名です。私自身も契約して勉強したことがあります。価格も安価で、独学でも勉強できる仕組みが人気です。そのpaizaではエンジニアのスキルチェックも出来ます。

無料で実施出来ますし、主な言語はすべてスキルチェック出来ます。ランクもS～Eまであるので、フリーランスプログラマーとしてのスキルチェックには最適でしょう。

Topcoder

Topcoderはプログラミングコンテストのサイトです。問題文は全て英語で、難易度と正解数によって自分のスキルが把握できます。言語がJava・C++・C#・VB・Pythonと少ないのがマイナス要因ではありますが、無料で利用できるので登録して活用してみた方が良いです。

Topcoderの場合、他者の回答も見られますので、それを参考にプログラミングの学習も出来ます。スキルチェックとスキルアップの両方ができるというメリットがあるわけです。

AtCoder

AtCoderは日本語で運営されているサイトで、毎週開催されているコンテストに参加出来ます。FランクからSSSランクまで9レベルあり、現在の自分のレベルが分かり、便利です。約3000問の過去問にも挑戦できるため、学習サイトとしても活用出来ます。

freeCodeCamp

freeCodeCampは英語のサイトで、GitHub lssuesが管理しています。無料で利用でき、世界中のプログラマーと交流出来ます。コーディングの結果がすぐに分かるため、どういう間違いが多いのかを把握できるサイトです。

日本語のコミュニティも存在しており、スキルアップのために活用していくのもお勧めです。

保有資格や経験した業種、業務知識についてもまとめておく

フリーランスプログラマーとして独立するためには、プログラミングに関する知識や経験を証明できなければなりません。そのために資格は有効です。公的に認められている資格を提示することで、自身の技術を証明出来ます。

例えばPHP技術者認定試験。初級から始まりウィザードまであり、初心者と上級者のレベルの違いを可視化出来ます。他にも世界的企業であるオラクル社が運営しているJava SEもブロンズ、シルバー、ゴールドの3つがあり、プログラマーとしての技術を示せる資格です。

またプログラマーとして幅広い知識を身につけていることを証明できる応用情報技術者資格や、ITコンサルを想定したITストラテジスト試験もあります。プログラマーとしてのスキルだけでなく、上流工程の能力についても可視化するために、取れる資格は独立前に取得しておきましょう。

また経験した業種とそこでの業務内容についてもまとめておきましょう。守秘義務もありますが、経験した内容をまとめておくことで仕事が取りやすくなります。フリーランスプログラマーには高いスキルと経験が求められます。

自社と同じ業種で活躍しているフリーランスプログラマーに依頼したいというのが、企業側の求めているところです。知人のプログラマーは簿記の資格を持っているため、在庫管理のシステム開発を依頼されることが多いそうです。

そのため、在庫管理システムの経験が増え、また別の会社から同じ開発案件が来るとのことで仕事が途絶えたことがありません。依頼する企業はシステム開発について良く知らないことも多いわけですから、同じ業種での開発経験があるプログラマーを頼りにするわけです。

企業名は出せないかもしれませんが、どのような業種でどのようなプログラミングをしたのかまとめておきましょう。

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自分のスキルを把握して足りない部分は起業前に伸ばしておく

ここまでフリーランスプログラマーとして起業する前にすべきスキルチェックリストと、webでプログラミングスキルをチェックする方法について解説してきました。フリーランスプログラマーはスキルが無ければ仕事がもらえません。

スキルが足りない部分について、経験しながら学ぶことはできないのがフリーランスです。そのため独立前に必要な経験は積み、取れる資格は取得しておく必要があります。まずは起業する前にスキルチェックを行い、自己分析をしてみましょう。

その結果、スキルがまだ足りないのであれば、起業するタイミングを遅らせてでも、スキルアップを目指すべきです。実務経験は今後のフリーランス生活で必ず生きます。起業前の期間を有効に活用してください。