「事業を行う上でコンサルは必要なのか?」「コンサルに依頼する注意点はあるのか?」といったお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?

安定した経営を進めていくためにも、コンサルを活用するかどうかは重要な判断です。しかし、コンサルを活用した方が良いケースを理解していないと、判断を誤ってしまう恐れもあります。

今回は、事業を行う上でのコンサルの必要性やコンサルに依頼する際の注意点について解説します。この記事を参考にすることで、事業を行う上で悩んだ際に適切なタイミングでコンサルを活用できるでしょう。

コンサルタントを活用する側ではなくご自身がコンサルタントを目指している方は下記の記事をご参照下さい。

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事業を行う上でコンサルティングは必要?

事業を行う上でコンサルが必要かどうかは下記によっても異なります。

  • 現状の課題が明確になっているか
  • 現状の課題に対する施策は適切か
  • 客観的に判断できる人材はいるか

上記に全てイエスと答えられるのであれば、現状でコンサルに依頼する必要はありません。しかし、普段の業務を行う中で上記全てに対応することは難しく、対応すべき課題に対応できていないことも多いです。

「現状の課題を解決できていない」または「現状の課題が何なのかもわからない」という場合には、コンサルの利用をおすすめします。社外の人間であるコンサルに依頼することで、今まで気が付かなかった発見も得られるでしょう。

コンサルタントへの依頼で得られるメリット

事業でコンサルタントに依頼すると得られる効果は下記の3つです。

  • 現状の課題が整理できて解決に繋げやすい
  • 精度が高いアドバイスを受けて改善できる
  • 効果検証までが早い

事業を営んでいると、自分では気が付かない問題点や解決方法が出てきます。当事者は気付かなくても、第三者から見ると問題点が明確なことも多く、コンサルタントに依頼することで問題解決に繋がるケースも多いです。

そのため、上記のようなメリットを得たいと感じた場合は、コンサルティングの利用も検討してみましょう。

現状の課題が整理できて解決に繋げやすい

事業でコンサルタントに依頼すると、現状の課題が整理できるため問題解決に繋げやすいです。コンサルタントは顧客に対するヒアリングを行い、ヒアリングした内容をもとに分析や整理を行います。その後、課題を抽出し問題解決への提案を行うのが一般的です。

そのため、客観的な施策を提案してもらうことができ、自分自身では気が付かなかった問題点が浮き彫りになることもあります。社外の知見も得られるため、現状の課題以外にも新たな発見を期待できるでしょう。

精度が高いアドバイスを受けて改善できる

事業でコンサルタントに依頼すると、精度が高いアドバイスを受けて改善できる可能性が高いです。現状の課題を整理する事はもちろんですが、問題解決における施策が正しくなければ課題は解決しません。

しかし、社内で適切な現状整理ができたとしても、適切な問題解決ができるとは限りません。コンサルティング会社に依頼すれば、これまでに蓄積したノウハウや知識をもとに、課題解決におけるアドバイスを受けられるため、より専門的かつ効果的な問題解決ができるでしょう。

効果検証までが早い

コンサルティング会社やコンサルタントに依頼すると、効果検証までが早いためスムーズにPDCAを回せるでしょう。PDCAとは下記の内容の略語であり、ビジネスを成長させるためには重要な手順です。

  1. Plan:計画
  2. Do:実行
  3. Check:評価
  4. Action:改善

効果検証はPDCAの「Check」の部分であり、適切な効果検証ができていないと改善案を間違い、その後も適切な計画を立てられないため課題が解決しません。

しかし、コンサルに依頼することで戦略設定から効果検証までをスピーディに行ってもらえるため、スピード感のある改善・改良が可能となるでしょう。

事業コンサルタントを活用した方が良いケース

事業コンサルタントを活用した方が良いケースは下記の3つです。

  • 何が課題なのか明確になっていない
  • 社内に問題解決に適した人材がいない
  • 数字での判断ができない

事業コンサルタントに依頼すれば、上記の問題は解決できる可能性が高いです。事業コンサルタントを利用せずにそのまま放置してしまうと、小さな問題が会社全体の問題に発展してしまうケースも考えられます。

上記に当てはまっている場合には、なぜ事業コンサルタントを活用した方が良いのか理解し、依頼を検討しましょう。

何が課題なのか明確になっていない

何が課題なのかが明確になっていない場合はコンサルタントを活用した方が良いでしょう。何の問題もなく事業が順調に進んでいる場合は別ですが、売上が下がっていたり資金繰りが厳しかったりといった問題がある場合は注意が必要です。

問題がある場合も、原因が明確であれば、解決に向けた施策を実行すれば良いため事業コンサルタントに依頼する必要はありません。

しかし、問題があるにも関わらず、何が課題なのかが明確になっていない場合は事業コンサルタントを活用すれば、スムーズに問題を解決できるでしょう。

社内に問題解決に適した人材がいない

社内に問題解決に適した人材がいない場合には、事業コンサルタントを活用した方が良いでしょう。課題が明確になっていても、適切な問題解決の施策を実行できなければ根本的な解決には繋がりません。

例えば、問題解決に向けた施策を打ち出しても課題が一向に解決されない場合、問題解決に適した人材が社内にいないと言えるでしょう。こうなると施策の立案段階から練り直す必要がありますが、問題解決のプロであるコンサルタントに依頼し、確実に解決するための道筋を立てるのが大切です。

数字での判断ができない

経営において数字での判断ができない場合には、事業コンサルを活用した方が良いでしょう。経営における数字での判断とは、行った施策に対してデータを集計し、数字をもとに改善・改良を繰り返していくことです。

会社によっては、数字ではなく感覚や感情で事業や施策を行うこともあり、こうしたケースでは成功しても失敗しても何が良くて何が悪かったのかが分かりません。

数字で判断ができなかったり、失敗した場合に原因が分からなかったりすると、施策を次に活かせず、安定した経営ができません。しかし、事業コンサルタントを活用すれば事業の改善ができるだけでなく、今後の経営にも活きる知見が得られるでしょう。

事業コンサルタントを活用しなくても良いケース

事業コンサルタントを活用しなくても良いケースは下記の3つです。

  • 問題点は明確で解決方法も分かっている
  • コンサルタントのメリットやデメリットを理解していない
  • なんとなく依頼を検討している

上記に当てはまっている場合には、事業コンサルを活用する必要はありません。損をしてしまう可能性が高く、適切な施策が受けられない可能性があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

問題点が明確で解決方法も分かっている

会社での問題点が明確であり、解決方法もわかっている場合には、事業コンサルを活用する必要はありません。なぜなら、事業コンサルの目的はヒアリングを通して会社の課題を見つけ、適切に改善することだからです。

事業コンサルがやるべきことをすでにできているのであれば、事業コンサルを活用する必要はありません。

しかし、問題が明確で解決方法が分かっていても、解決方法が間違っている可能性はあります。施策を実行しても問題が解決されない場合は事業コンサルを活用し、より適した解決方法を提案してもらいましょう。

コンサルのメリットやデメリットを理解していない

事業コンサルを活用するメリットやデメリットを理解していない場合は事業コンサルに依頼するのは控えましょう。事業コンサルを活用するメリットとデメリットは、下記の通りです。

事業コンサルを活用するメリット事業コンサルを活用するデメリット
・現状の課題が整理でき解決に繋げやすい
・精度の高いアドバイスを受け改善できる
・効果検証までが早くPDCAを回せる
・コンサルの依頼費用がかかる
・依頼しても必ず効果が出るわけではない

コンサルを活用すると様々なメリットを得られますが、費用も含めたデメリットが生じます。これらを理解せずに依頼すると思うような結果に繋がらず、不満が残る可能性があるでしょう。メリットやデメリットを把握した上で事業コンサルの活用を検討するのが大切です。

なんとなく依頼を検討している

なんとなく事業コンサルの依頼を検討している場合は事業コンサルを活用するのは控えましょう。なんとなく依頼を検討する理由としては、下記のようなパターンがあります。

  • 周りが事業コンサルを活用して事業改善した
  • 友人や知人から勧められた
  • 一度利用してみたいと思っている

事業コンサルを活用する必要がないのになんとなくで活用してしまうと、無駄な費用を支払うことになります。事業コンサルを活用するのは「現状の打破や今後の不安解消のためにどうしても必要だ」と感じた時のみにしましょう。

事業でコンサルに依頼する場合の注意点

事業コンサルタントに依頼する場合の注意点は下記の3つです。

  • 依頼内容が得意分野だとは限らない
  • 依頼費用がかかる
  • コンサルタントと意見が合わない恐れがある

事業コンサルタントに依頼する場合は、あらかじめ上記のポイントを理解しておきましょう。依頼した後に後悔したりコンサルタントとトラブルになったりする恐れもあるため、以下の章で詳しく解説します。

依頼内容が得意分野だとは限らない

事業で生じる問題には様々なものがありますが、事業コンサルタントの得意分野が自社の業種と被っていないと、問題をスムーズに解決できない可能性があります。コンサルタントへ依頼する場合は、コンサルタントの得意領域も含めて依頼先を調べるようにしましょう。

コンサルタントへ依頼するからには、自社のメンバーをより効率的に動かしたり、素早く課題の解決を済ませたりしたいもの。自社メンバーが都度手を煩わせたり、業界特有の問題でまごついたりしてしまうと、コンサルタントへの依頼で得られるはずの時間的なメリットが少なくなってしまうでしょう。

自社の業種とコンサルタントの得意領域が被っているか確認しつつ、適切な依頼先を選ぶのが大切です。

依頼費用がかかる

事業でコンサルに依頼する際には、依頼費用がかかることに注意しておきましょう。依頼費用はコンサル会社やコンサルの内容によって異なりますが、経営や事業に関するコンサルティング費用高くなりやすいと言えます。

相場としては月に30〜60万円の費用が必要となることも少なくありません。

決して安い出費ではないため、本当に依頼する必要があるかどうか、費用対効果も含めて検討しましょう。

コンサルタントと意見が合わない恐れがある

事業コンサルタントに依頼した場合は、コンサルタントと意見が合わない恐れがあります。依頼したコンサルティング会社によっては、経営方針に合っていない提案や対応をされる可能性もあるため注意が必要です。

一度依頼した後に「合わないから」という理由でコンサルティング会社を変更しようと思っても、契約期間の縛りで解約できない可能性があります。コンサルティング会社との相性も加味して依頼先を選びましょう。

コンサルタントを活用して事業を成功させよう

今回は、事業を行う上でのコンサルの必要性やコンサルに依頼する際の注意点について解説しました。経営を進めていくと、思いがけない悩みや原因がわからないトラブルが発生することもあります。

トラブルが発生した時に社内の人間だけで解決しようとしても客観的に判断できないため、長いあいだ問題が解決しないかもしれません。

早急に問題を解決するためには、適切なタイミングでコンサルを活用することが重要です。コンサルタントを上手く活用して事業を成功させるためにも、今回解説した内容を参考にしてみましょう。

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