フリーランスになると案件獲得から、仕事の管理、バックオフィスまで1人で行う必要があります。そのため、会社員時代には使わなかったサービスも有効活用しなければなりません。

では、フリーランスを開業する前にどのようなサービスの準備をしておけば良いのでしょうか。この記事では13種類の厳選したサービスについて解説します。

案件獲得に必要なサービス

フリーランスになると自分で案件を獲得しなければなりません。そのため、案件獲得に必要なサービスに登録したり、SNSの活用をしていく必要があります。

【ポートフォリオ作成サービス】MATCHBOX/ジンドゥー/note

フリーランスの場合、必要なポートフォリオを、早く簡単に安くできるサービスを利用しなければなりません。そこでお勧めなのがMATCHBOX、ジンドゥー、noteです。

MATCHBOXは「採用のプロが作ったポートフォリオサービス」で、素早くポートフォリオが作成できるサービスです。マイナビクリエイターに登録することで、誰でも無料で作成できます。またWebサイトだけでなく、紙出力やPDF化も可能です。

採用担当者が知りたい情報を入力できるため、フリーランスの案件獲得にも役立つでしょう。

ジンドゥーも簡単にポートフォリオが作れますが、特徴としてはAIビルダープランがあるところ。AIの質問に答えるだけで、ホームページが作れるため、時間をかけずにポートフォリオが作成できます。

noteはテキストベースの非常にシンプルな仕様のため、今までの経歴や実績を簡潔に示すのには有効です。ブログ感覚で利用できるため、ポートフォリオだけでなく、自分の知識の発信も同時に行えます。

■MATCHBOX
無料
※今後有料プランが登場する可能性あり

■ジンドゥー

無料プラン
ジンドゥーのサブドメインでの利用
サーバー容量500MB

STARTプラン 月額990円(税込)
独自ドメイン可
広告非表示
サーバー容量5GB

■GROE 月額1590円(税込)

独自ドメイン可
広告非表示
サーバー容量20GB

note
無料

【案件獲得サービス】マッチングサービス

案件獲得にはマッチングサービスへの登録が必須です。副業解禁やフリーランスの増加により、マッチングサービスも増えてきています。マッチングサイトに登録しておくと、自分に合った案件募集があった際にメールで通知がきます。

独立後には、定期的に登録しているマッチングサイトをチェックして、自分に合った案件があるかどうかのチェックをしていかなければなりません。詳細は以下の記事をご参照ください。

▼関連記事▼
早いもの勝ちも勝因となるのか!?5大案件獲得サイトのメリット・デメリット徹底比較!
【フリーランス必見】案件とのマッチングに使えるプラットフォーム厳選10選を紹介

【SNS】Twitter・LinkedIn・Facebook

今後、フリーランスとして案件獲得をするためにはSNSの活用が必須です。特に登録して活用したいのはTwitter、LinkedIn、Facebookです。Twitterは拡散力も強く、幅広い年齢層が利用しています。

Twitterで必要なのはフォロワー数を増やすことです。そのためには有益な情報を定期的に発信する必要があります。フォロワー数は急には増えませんので、フリーランスになる前からアカウントを作成し、情報発信していきましょう。

LinkedInは自分の経歴や職歴を示すことが可能で、仕事でつながりを作りやすいSNSです。求められる仕事のレベルも高く、フリーランス同士での情報交換もできます。Facebookは利用者層が高めで、企業でも高い職責の人とのつながりも作れます。

Facebookは友だち同士でのやり取りがメインのため、出会った人とは名刺代わりに友達申請しておくとよいでしょう。さらに詳しいSNSの活用方法は以下の記事を参考にしてください。

著書?SNS?ブログ?フリーランスコンサルタントで独立前にしておくべき個人アピール策

仕事に役立つサービス

フリーランスは仕事を効率的に管理・実行する必要があります。また取引先に合わせて、使うツールを変えなければならないことも多いです。ここでは仕事に役立つサービスとして、フリーランスがよく使うもの、使えるようになっておいた方がいいものを紹介します。

【ツール】Google Workspace等Googleの各種サービス・office365(サブスク型)

Googleのサービスは無料で利用できますが、フリーランスの場合、Google Workspaceを有料で利用するのがお勧めです。

有料プランをおすすめする理由は、自社のドメインメールがGmailで使えるからです。確かにフリーメールよりも自社のメールの方が信用度は増します。また有料プランにすることで、Googleドライブの容量が増えます。

Googleドライブの容量が増えると、画像や動画が多く保存できるようになります。画像や動画での情報発信をする機会が多い方には容量アップは必須です。さらにビデオ会議も利用できるため他社のファイル共有サービスよりもお得です。

また同時にoffice365も、サブスク(1年間更新月々約1,000円・PC5台までインストール可能)で導入しています。officeの買い切り版は3万4000円ほどするので、複数台PCを持つ人はサブスク型がお勧めです。

■Google Workspace

Business Starter 月額748円(税込)
ビジネスメール
100人まで参加可能なビデオ会議
ユーザー1人あたり30GBのストレージ

Business Standard 月額1,496円(税込)
ビジネスメール
150人まで参加可能なビデオ会議
ユーザー1人あたり2TBのストレージ

Business Plus 月額2,244円(税込)
ビジネスメール
500人まで参加可能なビデオ会議
ユーザー1人あたり5TBのストレージ

Enterprise 問い合わせ必要

■office365

Microsoft 365 Personal 年間1万2,984円(税込)
1ユーザーのみ
同時に5台のデバイスで利用可能
1TBのクラウドストレージ

Microsoft 365 Family 年間1万8,400円(税込)
1~6ユーザー用
同時に5台のデバイスで利用可能
ユーザーあたり1TBのクラウドストレージ、最大6TB

【チャットサービス】Chatwork/Slack

チャットサービスとして代表的なのがChatworkとSlackです。Chatworkを使っている企業とSlackを使っている企業があるため、どちらも使えるようになっておく必要があります。

Chatworkは日本の企業が開発したツールなので、操作方法が分かりやすいです。また単にチャットのやり取りだけでなく、タスク管理もできるので業務上のやり取りがスムーズに行えます。Slackはプログラミングコードを見やすい形で送信できるため、IT企業で多く使われています。

両方ともスマホにも対応していて、プッシュ通知にも対応可能なのでスピーディーに顧客対応できるツールです。

【Web会議サービス】Google meet/Zoom/Teams

新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインでの会議が増えています。そのため顧客が使用するWeb会議サービスであるGoogle meet、Zoom、teamsは全般的に使えるようになっておいた方がよいです。

Google meetは無料で利用でき、Googleの他のサービスとの相性も良く、Gmailからすぐに会議が開始できたり、Googleカレンダーで会議の通知を送ることも可能。

Zoomは無料だと40分しか利用できなくなったため、有料化する必要があります。また、ホワイトボードの機能を使えるため、会議中に文字で情報を伝えやすいです。さらにZoomは投票とアンケート機能もあるため、ウエビナー開催のツールにも向いています。

Teamsは単にWeb会議ができるサービスではなく、チャットのやり取りや資料の共有ができます。そのうえマイクロソフトのサービスのため、Office 365とのスムーズな連携も可能です。

使用しているWeb会議サービスは企業によって違います。会議直前で困らないように確認しておきましょう。

あなたのそのSaaS系サービス、利用停止になっていませんか?

■Google meet

無料版
24時間 100人まで接続可能
※3人以上の会議の場合は1時間に制限

Business Starter 月額748円(税込)
・ビジネスメール
・100人まで参加可能なビデオ会議
・ユーザー1人あたり30GBのストレージ

Business Standard 月額1,496円(税込)
ビジネスメール
150人まで参加可能なビデオ会議
ユーザー1人あたり2TBのストレージ

Business Plus 月額2,244円(税込)
ビジネスメール
500人まで参加可能なビデオ会議
ユーザー1人あたり5TBのストレージ

■Zoom

無料版
100人まで接続可能 40分までの使用制限あり

プロ 2200円(月払い・税込)
30時間 100人まで接続可能

ビジネス 2970円(月払い・税込)
30時間 300人まで接続可能

エンタープライズ 要問合せ
30時間 500人まで接続可能

■Teams

Micorosoft Teams 無料プラン
100人まで接続可能 60分までの使用制限あり

Microsoft Teams Essentials 473円(月払い・税込) 
30時間 300人まで接続可能

Microsoft 365 Business Basic 715円(月払い・税込) 
30時間 300人まで接続可能
※Office のアプリとサービスが使えます

Microsoft 365 Business Standard 1496円(月払い・税込) 
Microsoft 365 Business Basicの内容+ウェビナーの開催ができます

Microsoft 365 Business Premium 2629円(月払い・税込)
Microsoft 365 Business Standard+セキュリティの強化

【ファイル共有サービス】Drop Box/OneDrive/Google Drive

情報管理は非常に重要です。情報の紛失や漏洩は信用問題にかかわります。実際にUSBにデータを入れていて、無くしてしまうという事件も起こり大問題になりました。またフリーランスの場合、その責任をひとり背負わなければなりません。

そのため情報管理をしっかりと行うために、ファイル共有サービスを利用すべきです。ファイル共有サービスとして代表的なものは、Drop Box、OneDrive、Google Driveです。使用感は以下の記事に書いていますので、参考にしてください。

情シスにはもう頼れない!フリーランスの業務情報管理術

■Drop Box

Dropbox Basic(無料)
容量は2GBまで

Dropbox Plus(12ヶ月一括払・月額税込1,320円)
容量は1TBまで

Dropbox Business Standard(12ヶ月一括払・月額税込1,650円)
容量は無制限

■Google Drive

15GB(無料)
100GB(月額税込275円)
200GB(月額税込418円)
2TB(月額税込1,430円)
10TB(月額税込1万4,300円)
20TB(月額税込2万8,600円)

■OneDrive

無料プラン
5GBまで

OneDrive 100GB(月額税込224円)
100GBまで

Office 365 Solo(月額税込1284円)
1 TBまで

【タスク管理サービス】Trello/Notion

フリーランスの場合、自分でタスク管理を行う必要があります。特に複数のタスクを管理をする際にはタスク管理サービスの利用がお勧めです。私が使っているのはTrelloとNotionです。

Trelloはタスクをカード形式で管理でき、「作業中」や「完了」などの項目へタスクカードを動かすことで管理できます。どの作業がどの状態にあるのか、一目で分かるため便利です。一方、Notionはメモ帳として非常に便利で、カレンダーやダッシュボードも組み込めます。

そのため自分用のタスク管理ツールが簡単に出来るメリットがあります。作業をしながら気づいた点をメモしていくこともできるため、新しいアイディアを形にする際にも便利です。

■Trello

FREE 無料
ワークスペースあたり最大10枚のボード
無制限のストレージ (10MB/ファイル)

STANDARD 月額$6(年1回払いの場合)
ボード無制限
無制限のストレージ (250MB/ファイル)

PREMIUM 月額$12.5(年1回払いの場合)
STANDARDプランに加え、複数のプロジェクト管理が必要なチーム用

ENTERPRISE 年額$210.0(年1回払いの場合)
セキュリティ強化が必要な場合

■Notion

パーソナル 無料
5人のゲストとの共有可能

パーソナルPro 月額$4(年1回払いの場合)

無制限のファイルアップロード可能
無制限のゲストと共有可能

チーム 月額$8(年1回払いの場合)

パーソナルProプラン+無制限のチームメンバー、同時編集可能
エンタープライズ 要問合せ
チームプランのすべての機能+高度な管理機能

【ワークスペース】シェアオフィス/コワーキングスペース

フリーランスになると働く場所を自分で決められることが多いです。もちろん自宅で仕事することもできますが、仕事とプライベートを分けられなくなるという問題も出てきます。そこでシェアオフィスやコワーキングスペースの利用がお勧めです。

自宅の近くにシェアオフィスやコワーキングスペースがあるのか、料金はいくらかかるのかなど、フリーランス開業前にチェックしておきましょう。シェアオフィスとコワーキングスペースのメリット・デメリットについては以下の記事を参照にしてください。

自宅、賃貸、シェアオフィス?フリーランスの今どきの失敗しない&損しないオフィス選び

コワーキングスペースにはメリットもデメリットもある!利用の際の注意点とは?

バックオフィスに関するサービス

フリーランスとして独立した場合、バックオフィスも自分で管理していかなければなりません。ここではバックオフィス管理で役立つサービスを紹介します。

【会計サービス】freee/マネーフォワード

会計サービスでよく使われるのはfreeeとマネーフォワードです。これらで、日々の経費の管理だけでなく、確定申告も行えます。ただfreeeとマネーフォワードはどちらを使うか迷う方も多いでしょう。

フリーランスが使う場合、料金面ではマネーフォワードが安いです。また連携している電子マネーの数もマネーフォワードの方が多いです。さらにfreeeでは出来ない楽天銀行との連携が可能になっています。

一方、freeeは自動仕分けが可能なので、手間を省略できます。またfreeeの方がシェアが高いので、対応している税理士も多いです。

■freee(個人事業主)

スターター 月額1,298円(税込)

請求書作成可能

スタンダード 月額2,618円(税込)

請求書作成可能
消費税申告可能

プレミアム 年額4万3,780円(税込)

請求書作成可能
消費税申告可能
消費税集計可能
経費精算可能

■マネーフォワードクラウド確定申告

パーソナルミニ 月額1,078円(税込)
請求書作成のみ可能(上限15件)
経費精算可能

パーソナル 月額1,408円(税込)
請求書作成可能
消費税集計可能
経費精算可能

パーソナルプラス 年額3万9,336円(税込)
パーソナル+電話サポート

▼関連記事▼
フリーランスも経費を使える!利用可能な経費の種類や節税のポイントを解説
フリーランスの確定申告はどうすればいい?手順や注意点について詳しく解説!
フリーランスで確定申告が必要なのはいくらから?申告方法や注意点を解説
フリーランスを成功に導く、資金調達・経営の相談も出来る税理士を探すには?

【保険サービス】フリーランスの保険

フリーランスには会社員と違って働けなくなった場合やビジネス上の損失を出してしまった場合の補償はありません。そのため万が一のために保険に入っておくのもひとつの方法です。フリーランス協会が運営する「フリーランスの保険」は1万円の年会費(月々833円)で、賠償責任保険や弁護士保険が使えます。

「誤って情報漏洩や著作権侵害をしてしまった」「病気や怪我、家族の介護などで働けなくなった」「損害賠償を発生させてしまった」「物を壊してしまった」などのトラブルに対応できます。

▼関連記事▼
フリーランスは社会保険に加入できる?フリーランスの社会保険事情について詳しく解説!

【契約書サービス】電子署名

仕事を受ける際には必ず契約書を結ばなければなりません。その際、書面での契約ではなく、電子署名で契約するケースも増えています。電子署名であれば簡単に契約書にサインができますし、オンラインでのやり取りで契約が完結するので非常に便利です。

フリーランスの場合、企業に対して電子署名で契約をお願いするケースも出てきます。そのため契約している電子署名サービスがあると便利です。電子契約書ツールは多くありますので、以下の記事を参考に自分にあったサービスを選んでください。

口約束は災いのもと!契約書の徹底と使える電子契約書ツール5選

【請求書先払いサービス】FREENANCE(フリーナンス)即日払い/Chatwork 先払い

請求書を出したのに入金が遅れることや、今すぐに現金が欲しいというケースも出てきます。その際に使えるのが請求書先払いサービスです。請求書先払いサービスを利用すれば、手数料を払うことで、即日現金が受け取れます。代表的なサービスとしてはFREENANCE(フリーナンス)即日払いとChatwork 先払いです

FREENANCE(フリーナンス)即日払いは手数料3%~10%で、最短で当日に振り込まれます。手数料はFREENANCE(フリーナンス)を利用する回数が多くなると下がっていきます。

あなたがFREENANCE(フリーナンス)を使っていることは取引先には分からない仕組みになっていますので、安心です。ただし事前にFREENANCE(フリーナンス)専用口座を開設して、請求書の振込先を専用口座にする必要があります。

一方、Chatwork 先払いはサービス手数料が10%で、最短10分で支払いが可能です。こちらは請求書をアップロードするだけで、審査してもらえます。このように資金が不足した場合に備えて、請求書先払いサービスを使う準備をしておくのも良いでしょう。

月額数千円も乱立!顧問弁護士はフリーランスに必要か

まとめ

フリーランスは自分で案件を獲得し、タスク管理もしていかなければなりません。効率的に業務を行うためにはサービスの利用は必須です。ここで紹介したサービスを活用して、フリーランスとして活躍してください。