フリーランスとして独立する際に、妻に理解してもらうことは必須です。家族の協力があるかないかは金銭的にも精神的にもフリーランスの成功に大きく関係します。実際に家族に理解されずに、フリーランスとして精神的に辛くなっている人に何人も会ったことがあります。

ではどのように説得すればよいでしょうか。この記事では、妻に独立が理解されない理由と上手な説得方法について紹介します。

フリーランス成功のカギは妻の理解

フリーランスとしての成功のカギは家族の理解です。なぜならフリーランスの生活は会社員時代ものとは変わるからです。会社員の時のように毎日定時に仕事が始まって定時に終わる生活ではありません。

仕事があれば土日でも働くことがあります。それでいて出勤せずに家にはいるわけです。家にいるのに家のことはしない。土日も仕事と言って働いているわけです。旦那の生活の変化は妻の生活の変化にも直結します。

フリーランスになりたいと考える時、自分のことばかりになりがちです。生活も自分だけ変わると思ってしまっています。その為独立前に妻との話し合いをしないこともあるわけです。その結果は妻との衝突。実際にいきなり独立して、夫婦関係が冷え切ってしまったフリーランスの知人も多くいます。

夫婦関係が冷え切ってしまうと、フリーランスとしての仕事に影響が出ます。家で仕事が出来るフリーランスなのに、家に居づらくなって外で仕事をすることも。仕事をするモチベーションも下がってくるのです。

その為、苦渋の選択として住居兼事務所として家を別に借りたフリーランスの人もいます。その分費用はかかるのですが、仕事に集中できて良いとのことです。自分の自由を優先した結果、妻との関係は壊れてしまったわけです。

もし妻に理解してもらった上でフリーランスになると、協力し合えることが増えます。例えば年末調整。レシートの整理を手伝ってくれるだけで非常に助かります。家事の分担。自分が忙しい時は妻がやってくれます。逆に自分が家にいる時間が長い分、今まで妻が行っていた細かな家事を買って出て自分が行うことで関係性を良好にすることは可能です。

こうした関係性が妻と出来るだけで、仕事に集中出来る環境が整うわけです。そうすればフリーランスとして成功する可能性が高まります。

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妻に独立が理解されない3つの理由

妻に独立について理解してもらうためには、なぜ独立が理解されないのか、その理由を知る必要があります。ここでは妻に独立が理解されない理由として3つ紹介します。

金銭的な不安

妻は独立することで金銭的に大丈夫なのかという不安を持っています。会社員であれば毎月決まった給料が入ってくるのに、フリーランスになることで、安定して収入があるかどうか分かりません。

仕事は十分にあると言われても、実際は不安で仕方がないはずです。また独立費用が必要な場合もあります。融資を受けてフリーランスとして独立した場合、その返済もしなければなりません。貯金を切り崩しての生活も考えられます。

実際に仕事が上手く行かずに、最初の1年間は貯金を切り崩す生活をしていたフリーランスがいます。その状況を見て、妻は不安を感じて家庭内の雰囲気は悪くなったようです。金銭的な状況が改善する見通しもなく、結局離婚に至っています。こうした状況は決して少なくありません。

その為金銭的な不安を妻が感じて、独立に反対されるのは当たり前のことだと理解すべきです。自分一人だけで生活しているわけではないので、妻の金銭的な不安を取り除けるような具体的な説明が必要になるでしょう。

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将来的な不安

一般的にフリーランスとして10年生き残るのはかなり難しいと言われています。その為、奥さんにとっても自分の旦那が生き残っていけるという保障がないわけです。

特にお子さんがいる、あるいはこれから子どもを持ちたいという方にとっては、金銭的な問題は深刻です。養育費と教育費を合わせると、1人当たり2000万円以上が大学卒業までにかかると言われています。

これはあくまでも全て公立学校に通った額で、私立大学に通うことになった場合、さらに教育費がかかります。お金がいくらあっても足りないという時代に、わざわざ安定した会社員の生活を捨てて、なぜ金銭的に不安定なフリーランスになるのかと思うわけです。

妻側からしたら「家族のことを何も考えていないのでは?」と疑ってしまいます。特に妻が会社員だとなおさらです。妻は会社員の良さを実感しているはず。将来的なことをどう考えているのか、答えられるようにしておかなければなりません。

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世間体や未知のものに対する漠然とした不安

フリーランスを経験している妻は少ないはずです。その為フリーランスに対して、漠然とした不安があります。フリーランスになると未知の状況が始まるわけですから、これから大丈夫なのだろうかと考えてしまうわけです。

その上、世間体に対する不安もあります。わざわざ正社員を辞めてフリーランスになって大丈夫?という周りの声が気になるわけです。未だにフリーランスに対する理解は進んでいないからです。

例えばフリーランスで日中に外を出歩いていると、「あの人は仕事をしていないのでは?」と思われることがあります。私自身も「仕事は休みですか?」とよく聞かれました。

また大企業を辞めてのフリーランスは、何か会社で問題を起こしたのではないかと疑われる可能性もあります。妻側からしたら今の生活に満足しているのに、なぜわざわざフリーランスになるのか理解できないというのがあるわけです。

世間体も含めて漠然とした妻の不安に対して、しっかりと向き合っていく必要があります。

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「妻の壁」を乗り越える上手な説得方法

妻の不安について3つ述べましたが、それらに対してしっかりと答えていかなければなりません。ここでは妻の壁を乗り越えるための上手な説得方法について紹介します。

独立したい理由をはっきりと伝えて理解してもらう

独立したい理由を妻にしっかりと伝える必要があります。なぜフリーランスになりたいのか、妻に理解してもらわなければなりません。フリーランスの独立理由として多いのは、「自由に働きたい」「好きな仕事をしたい」「やりたいことがある」でしょう。

その場合、妻に理解を得るには特にしっかりと説明が必要です。なぜ会社では好きな仕事ができないのか、なぜ自由に働けないのか、しっかりと説明しましょう。例えば「自由に働きたい」には家族との時間を持てるようにしたいというのもあります。

会社で毎日帰りが遅い生活では家族関係が悪くなってしまいます。転職という方法もありますが、家族との時間を多く取るためにフリーランスになるのであれば、妻も説得出来る可能性が高いです。実際にそれで家族関係が良くなったフリーランスもいます。

他にも組織にいることが辛くて独立したいという理由も考えられます。その場合、組織にいてどのようなことが辛いのか、妻の理解を得なければなりません。私の知人のITコンサルは、会社の人間関係が辛いために独立したと言っていました。

転職するのもひとつの方法なのですが、転職先でも同じように人間関係で苦しむのではないかと思って、フリーランスを選択したようです。会社の人間関係で悩んでいる姿を妻は見ており、フリーランスを認めてもらえたようです。

このようになぜ自分は独立したいのか、妻に理解してもらえるように話をしましょう。

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妻に協力して欲しい内容を明確にする

フリーランスの家庭生活は妻にとって未知の領域である可能性が高いです。その為フリーランスになった場合、生活がどのように変わるのか、妻に協力して欲しいことは何か明確にしましょう。

例えばフリーランスになることで、土日は仕事になる場合もあります。もし子どもがいた場合、土日も妻に子どもの面倒を見てもらわなければなりません。妻もフルタイムで働いている場合、「私に休みの日はないのか」と不満に感じる可能性は高いです。

そうした場合に、平日は子どもの面倒を自分が見るとか、別の日を休みにするなど、ルールを設けて置かなければなりません。そうすることで妻の不満は解消されます。家事分担も同様です。フリーランスだからといって、ずっと仕事をしていて良いわけでありません。

フリーランスだとどうしても仕事時間が長くなりがちで、妻の負担が増すことが多いです。その為意識的に家事で自分がすべきこと、何時からは家のことをする、妻との時間を取るなど、約束事を決めておかなければなりません。

また他にもフリーランスになると、書類や領収書の整理などの細かい作業が必要になってきます。そうした作業を妻に手伝ってもらえるととても助かります。フリーランスになると増える業務を伝え、妻に協力して欲しいと伝えてみましょう。

妻にしてほしいこと、自分がすることを明確にすることで、妻の理解も得られやすくなるでしょう。

金銭的な見通しを伝える

フリーランスになって妻が最も不安に感じるのは金銭面です。本当に稼げるのかと不安に思うのは当然です。その為金銭的にどのような見通しが立っているのか、妻に示す必要があります。

そこでおすすめなのがテスト副業です。実際にテスト副業をした結果、どれくらい稼げたのか、その数字を示します。売上が今の給料と同じぐらいかそれ以上だと分かれば、妻も安心するはずです。またその企業の中から独立後も取引してくれる企業があれば伝えましょう。独立後に仕事がゼロになるわけではないと安心するはずです。

副業が出来ない場合は、独立した際に取引先になってくれる企業をピックアップしましょう。最も強いのは今いる会社が取引先になってくれることです。私の知人のプログラマーは、以前いた会社からの仕事がほとんどだと言っていました。

フリーランスになっても今の会社が取引してくれると分かれば、妻も安心するはずです。何の見通しもなくフリーランスになるのは、妻には理解しがたい行為です。少なくとも最低限の収入が稼げる取引先を見つけ、妻を説得してフリーランスになりましょう。

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フリーランスとしての期限を切る

フリーランスになると予想通りに稼げることは少ないです。実際に思った以上に売上が伸びないことはたくさんあります。その為、妻だけでなく、自分のためにも期限を区切ってフリーランスに挑戦すべきです。

私の知人は目標額を設定し、1年で達成できなければフリーランスは辞めると言って独立しました。残念ながら1年で目標は達成できませんでしたが、今までいたIT業界に転職して今も働いています。

このように期限を区切っていれば、妻も応援しやすいですし、自分にとっても売上もないのにフリーランスを続けていくことはありません。フリーランスの期間が短ければ転職も可能です。

期限を区切って、その間に目標の売上を達成できなければ転職すると妻に伝えて、理解を得ましょう。

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ひとりで説得できないときは他人を頼れ

妻を説得する為の方法を述べてきましたが、それでも妻を説得できないこともあるはずです。その場合は他人に頼るのもひとつの方法です。他人と言っても、会社の上司や親友ではありません。

フリーランスの先輩に説得を依頼しましょう。最も良いのは妻も知っているフリーランスの先輩です。その先輩から実際にどのように仕事を得ているのか、どれくらい稼げているのか等を話してもらいます。

フリーランスになる前の夫の話は現実味がありません。しかし実際にフリーランスとして稼いでいる人の話は、妻に理解してもらえる可能性が高いです。ただしフリーランスの良い話ばかりをするのは駄目です。

フリーランスには仕事が無くなるリスクもありますし、仕事ができなくなることも起こり得ます。そうした際の対策をどうしているのか、先輩に話してもらいましょう。

もし知っているフリーランスの先輩がいなければ、フリーランスのコミュニティに参加して、良い先輩を見つけます。実際にフリーランスで稼いでいる人に話をしてもらうことで、妻もフリーランスに対して理解を深めてくれるはずです。

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独立前の話し合いの時間を十分取ることが大事!

ここまでフリーランス独立前の妻の壁の乗り越え方について説明してきました。会社員がフリーランスになるのは、安定を捨てることを意味します。妻からしたら不安になるのは当然です。

不安な妻を説得するのには時間が必要です。独立はいつでも出来ます。妻の理解を得ずに独立すると、妻との関係は悪化します。妻の理解を得るために、独立前の話し合いの時間は十分持つようにしましょう。

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