中小企業は業界や景気の影響を受けやすく、それに応じた様々な経営課題に直面します。中には解決が難しく、自社内だけで対応しきれない経営課題と向き合うことも。

困難に直面したり、事業の拡大を見据えたりした際に活用したいのが経営コンサルタント。活用したことのない方にとっては馴染みのない言葉かもしれません。

しかし、中小機構が運営するJ-Net21でも経営コンサルタントの活用は有用であると紹介されており、中小企業にとって課題解決や飛躍のきっかけになる心強い味方でもあります。

本記事では、中小企業が経営コンサルティングを活用すると得られるメリットやサービス内容、人気のコンサルティング会社について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

中小企業向けのコンサルティングとは?

中小企業にとって、経営コンサルティングとはどのような意味合いを持っているのでしょうか。まずは概要から見ていきましょう。

中小企業がコンサルティングを必要とする理由

経営コンサルティングと聞くと、大企業が大規模な経営課題を解決するために利用するイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。しかし、実際は中小企業が直面する経営課題を解消することが多く、経営コンサルタントの顧客のほとんどは中小企業です。

中小企業が経営コンサルタントを必要とする理由はいくつか存在しますが、大きく「人材の不足」「ノウハウの不足」「経験の不足」といったものが挙げられます。

中小企業の多くは少子高齢化の波を受けて人材不足に喘いでいますが、こうした状況下で経営上の課題が生じ、解決のために潤沢な人的リソースを割くことは難しいと言えるでしょう。そこで、外部から経営コンサルタントを導入し、人的リソースとして活用するケースが考えられます。

また、生じた経営課題や今後の事業拡大に対するノウハウを有しておらず、社内のメンバーだけでは対処が困難なケースも少なくありません。こういった場合も専門家として経営コンサルタントを導入し、不足しているノウハウを補強することが考えられます。

一方で、直面する課題を解消できれば、その経験は今後の経営に活きる財産となるでしょう。その経験をより価値あるものにすべく、経営コンサルタントの直下にチームを新設し、社員とコンサルタントの二人三脚で課題の解消を行うケースも考えられます。

これらの背景から経営コンサルタントの需要は高まっており、多くの中小企業が経営コンサルタントを導入していると言えるでしょう。

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中小企業に必要なコンサルティング内容

中小企業に必要なコンサルティング内容として、以下のようなものが挙げられます。

  • 経営コンサルティング
  • 財務・会計コンサルティング
  • 人事・組織コンサルティング
  • ITコンサルティング
  • マーケティングコンサルティング

いずれの分野も難解な課題が生じやすく、それぞれの分野に精通した専門家としてコンサルタントを導入し、迅速かつ効果的な課題解決を求める動きが強まっています。

例えば経営に関して、「既存事業の利益率が低い状況下で新規事業を打ち出していいものか」という悩みを抱えている企業を想定してみます。同社が経営コンサルタントを導入した場合、経営コンサルタントは次のような流れで課題の検証や解決を行うでしょう。

  1. 既存事業の利益率が低い原因は何か調査する
  2. 利益率が向上した場合のキャッシュフローを試算する
  3. 改善後の状況で新規事業を打ち出した場合を想定する
  4. 新規事業の事業計画をもとにいくつかの予測ルートを立てる
  5. クライアント企業の利益が最大化するルートを導き出す
  6. そのルートに至るための必要条件を定義し、具体的なプランに落とし込む

これらの作業を社内で行うと大きなコストがかかり、仮説や検証の正確性にも疑問が残ります。そこで、経営に関する分析や仮説検証、アドバイスに精通した経営コンサルタントを導入すれば、悩みに対する正確な答えを素早く入手できるのです。

同様に、異なる分野で課題が生じた場合も、その領域に精通したコンサルタントを導入すれば素早く課題が解消でき、経営や実務にすぐ反映させられます。自社の状況を鑑みて、コンサルタントを利用すべき課題がある場合はなるべく早めに依頼を検討してみましょう。

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【中小企業向け】人気のコンサルファーム5選

ここからは、実際に中小企業に人気のコンサルティングファームを5つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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1.船井総研

船井総研は1970年に設立された、日本でも最大級の経営コンサルティングファームです。東証一部にも上場しており、安定した実績と積み重ねた信頼が、多くの中小企業から支持される理由の一つと言えます。

業種や業態、産業ごとに抱える経営課題は異なるため、同社ではクライアント企業に適した専門的なサービスを提供するべく、約100のチームを抱えているのが特徴。

経営課題の解決はもちろん、これまでのノウハウも活かしつつ助言やコンサルティングを行い、事業の発展にも繋がる有用なコンサルティングサービスを提供しています。

2.タナベ経営

経営コンサルティングファームの老舗として圧倒的な知名度を誇るタナベ経営。高度経済成長期の前から同事業を展開しており、数多くの国内企業を成功へ導いてきました。

中小企業への経営コンサルティングをメインとし、営業活動の効率化や改善、提案業務からコンサルティングまで一貫して行います。

北は北海道から南は沖縄に至るまで国内に10の拠点を置いており、全国の企業が相談しやすい環境が整っているのが特徴。上海には子会社も保有しています。国内外の各拠点から集まるノウハウを踏まえたきめ細かなサービスが人気の理由です。

また、全国に拠点を有しているため、各エリアに特有の特徴や情勢を加味したコンサルティングが受けられるのも嬉しいポイント。安心して経営課題を相談できる、中小企業の心強い味方です。

3.ビジネスブレイン太田昭和

1967年に設立されたビジネスブレイン太田昭和。同社は経営コンサルティングはもちろん、それ以外にシステム開発やマネジメントサービスを提供しています。豊富な実績を持つ監査法人系のコンサルティングファームです。

監査法人としてのノウハウを活かし、経営会計情報システムを用いた専門的なサービスを提供し、企業価値の向上を図ります。そのため、同社が開発したプロダクトやソリューションの種類は約20種類と非常に多く、自社に適したものを活用しながら課題の解決を実現できるのです。

また、同社のクライアント企業には中小企業だけでなく大企業も含まれます。規模を問わずコンサルティングを提供してきた経験や、数々の業種や業界で活用されてきたテンプレートの活用など、経験値だけでないデータドリブンなコンサルティングサービスが多くの企業に支持されているのです。

4.山田コンサルティングサービス

メガバンクの出身者や会計士といった財務のスペシャリストが中心になって設立されたコンサルティングファーム、山田コンサルティングサービス。企業再生や事業再生をメインのコンサル内容としており、もちろん戦略や経営コンサルティングにも定評があります。

他にも、リストラクチャリングや事業承継、M&A、成長戦略の立案、さらには人事コンサルに至るまで、非常に幅広い領域を横断しつつコンサルティングを手掛けているため、中小企業の課題を網羅的に解消できるのが魅力です。

また、同社が提供するコンサルティングサービスの一つに、中小企業専門のコンサル部隊を用意し、即応的なコンサルティングを実施できる体制が整っていることが挙げられます。課題を素早く解決したい中小企業にとって、心強い味方となるでしょう。

5.リブ・コンサルティング

国内の中小企業に対して経営コンサルティングを提供するコンサルファーム、リブ・コンサルティング。クライアント企業から集めた厚い信頼を活かし、数多くの企業から依頼を集めて成長しているファームです。

対応する企業の規模は中小企業だけでなく、大手向けのコンサルティングサービスも提供しています。社内体制として、中堅・ベンチャー向けのコンサルティング事業部と大手向けのコンサルティング事業部を設置し、きめ細かなコンサルティングが実施できる体制を用意しているのが特徴です。

中小企業がコンサルティングを依頼する際の費用とは?

ここからは、実際に中小企業がコンサルティングを依頼する際にかかる費用について見ていきましょう。費用が捻出できる場合はぜひ依頼を検討してみることをおすすめします。

経営コンサルティングの費用相場

まず料金体系は、契約の種別によって大きく3つに分けられます。

  • 顧問契約(定額制)
  • 時間契約(従量制)
  • 業務委託契約(成果報酬)

定額の顧問契約の場合、月間20~50万円が相場となります。

また、時間契約の場合は1時間当たり5,000~10万円とコンサルタントや依頼内容によって大きな開きがあるため、時間契約を検討している場合は実際に見積もりを出してもらうと良いでしょう。

業務委託契約(成果報酬)の場合は、依頼した業務が完遂したり、売上や利益が発生した場合にその何%かを報酬として支払うことになります。成果を何と捉えるか、報酬額をどのように設定するか、という点でトラブルにならないよう、あらかじめ双方で確認しておくとよいでしょう。

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失敗しない!コンサルティングファームの選び方とは?

ここからは、実際に経営コンサルタントへの依頼を検討している方に向けて、失敗しないコンサルティングファームの選び方について紹介します。

コンサルタントへ依頼する際には高額な費用が発生することもあるため、依頼先を選ぶ際は慎重になることも少なくありません。ここで紹介する内容を参考にしつつ、依頼先を絞り込んでみると良いでしょう。

自社の業種や規模でのコンサル実績があるか

コンサルティングファームを選ぶ際に最も重要なのが、自社の業種や同様の規模の企業でのコンサル実績があるか、という点です。

望ましいのは「同じ業種」「同じ規模」「同じエリア」で、「同じ課題」に対する実績があることでしょう。自社が依頼する内容と同様の課題に取り組んだ経験があれば、自社が依頼した場合もスムーズに課題を解決できる可能性が高いと言えます。

問い合わせ後に設けられるヒアリングの際に確認してみたり、見積もりを依頼する際に過去の実績について尋ねてみたりすると良いでしょう。

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費用対効果は問題ないか

先述したように、コンサルティングサービスを依頼すると、多くの場合は高い費用がかかります。その費用に見合った効果が得られないと、いたずらにコストをかけるだけになってしまい、自社にとっての本懐が達成できない可能性があるでしょう。

言い換えれば、費用対効果が見合ってさえいれば、費用が高くとも依頼する価値があります。費用対効果を見極めるために大切な要素は、「抱えている課題の深刻度」と、「自社内だけで課題を解消できる可能性」です。

課題が深刻で、解消できた場合のメリットが大きければ、それだけかけられるコストも大きくなります。また、自社内だけで課題を解消できる可能性が高い場合は、わざわざコンサルタントに依頼する必要はありません。

まずはこの2つの要素について検討し、その上で割ける予算を決定しましょう。その後、実際に見積もりを出してもらう中で「どのようなサービスを依頼するのか」を打ち合わせつつ、予算内で依頼できるのか判断するのが大切です。

担当者のコミットメントは高いか

コンサルティングファームの中には、コンサルタントのコミットメントに開きがある企業も少なくありません。そもそもファームには複数のコンサルタントが在籍しており、担当コンサルタントによって向き不向きや相性が存在します。

当然、自社と相性のよいコンサルタントに依頼したいものです。また、コミットメントが高いコンサルタントと巡り合えれば、親身に相談に乗ってくれるだけでなく、実際のコンサルティングにおいても高いパフォーマンスが期待できるでしょう。

担当者のコミットメントが高いか否か、という点も踏まえて、自社に最適なコンサルティングファームを選ぶことをおすすめします。

経営コンサルタントは中小企業の強い味方

中小企業にとって、各分野の専門家であるコンサルタントは経営を支える強力な味方になり得ます。本記事で紹介した内容を踏まえ、課題解決に難航している企業様はぜひコンサルタントへの依頼を検討してみましょう。

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