副業をしたいと考えたとき、できれば得意分野を副業にしたいと思う人は多いでしょう。そんな時、自分の得意分野を活かして、副業でフリーコンサルタントになる方法もあります。
この記事では副業でフリーコンサルタントを始める手順やメリット、注意点を解説。副業に挑戦してみたい人は参考にしてください。
フリーコンサルタントは副業にできる仕事
「コンサルタント」と聞くと、専門知識を持ったプロフェッショナルという印象があり、副業にするのは難しいと思われがちです。
実際、経営の根幹となる経営方針や経営戦略の助言、立案、導入を行なうコンサルティング業務は、専門の会社に依頼されます。こうした仕事は未経験者が副業で受けられるものではないでしょう。
しかし、コンサルタントを必要としている分野は多種多様であり、内容によっては副業で取り組めるケースも。
- システムエンジニアの経験を活かしてIT導入の提案をする
- 飲食店経営の実績を活かして飲食開業の相談に乗る
- 行政書士の資格を活かして開業時の書類作成をアドバイス・代行する
一例ですが、こうした自分のスキルや経歴を活かせる分野でクライアントの課題を解決できるなら、コンサルタントの経験がなくても副業にできます。
週末だけの起業も可能
フリーコンサルタントの仕事は、店舗を構えたり販売する商品を仕入れたりといった、イニシャルコストがかかりません。本業の業務が終わってからや休暇を利用して起業もできます。
毎日クライアントのところに常駐する働き方はできませんが、隙間時間や週に1~2回訪問で対応できる業務なら副業にできるでしょう。
就業規則には注意
フリーコンサルタントに限らず、副業に取り組む場合は本業で勤めている会社の就業規則に注意しましょう。副業を禁止していたり、条件が課せられたりするケースも少なくありません。
特に公務員の副業禁止は多くの人が認識している事柄です。これは国家公務員法、および地方公務員法が禁止の根拠となっています。
内容抜粋 | |
国家公務員法第103条(私企業からの隔離) | 営利目的の会社・団体役員、顧問、評議職を兼ね、自ら営利企業を営んではならない |
地方公務員法第38条(営利企業等の従事制限) | 任命権者の許可なく、報酬を得ていかなる事業、事務にも従事してはならない |
国家公務員法第103条では営利目的の仕事の兼業・経営を禁止し、地方公務員法第38条では許可なく報酬を得る仕事をしてはならないと記載されているため、副業禁止と解釈されているのです。
その他の民間企業でも、従業員の労働時間の把握が難しくなり、業務への影響が懸念されることから、副業を禁止、または制限しているケースが多くなっています。
参考:国家公務員法|法令検索
参考:地方公務員法|法令検索
参考:国家公務員の兼業について(概要)|平成31年(2019年)3月 内閣官房内閣人事局
公務員も民間企業も副業解禁の動きはある
法律により副業に対して厳しい制限のある公務員ですが、基準を設けて解禁し始める動きも出てきています。兵庫県神戸市や奈良県生駒市は、2017年から職員の副業を解禁する制度ができており、今後も変化していく可能性はあるでしょう。同時に、民間企業も多様な働き方を認めるよう、従業員の副業について就業規則を見直すかもしれません。
フリーコンサルタントに限らず、副業するなら事前にチェックしておきましょう。
参考:公務員の〝副業解禁〟自治体にもジワリ 神戸市、奈良・生駒市で基準明確化|産経新聞
参考:地域貢献活動を行う職員の営利企業等の従事(副業)の促進について|生駒市
副業は住民税でバレる?
住民税で副業が勤務先にバレるという話を耳にすることもあるでしょう。これは、会社の給与から住民税が天引きされていると、起こりうる話です。
副業により年間20万円以上の収入を得たなら、確定申告が必要になります。確定申告をすれば、本業の給与と副業収入を合わせた所得が確定し、所得に合わせた住民税が徴収されます。
このとき、給与額に対して住民税額が多い状態であると、会社側は不審に思うでしょう。給与以外に何らかの収入を得ている、つまり副業をしていると会社に気付かれます。
これは確定申告時に、住民税を「給与から差引き」ではなく「自分で納付」にすると防げますが、会社に知られずに副業を続けるのは得策ではありません。副業に取り組むなら、就業規則に違反しないか注意しましょう。
副業フリーコンサルタントの報酬目安
副業フリーコンサルタントの報酬目安を紹介します。金額設定の際、参考にしてみてください。
ただし、スキルと実績によって相場より高い報酬を得られることもあります。自分の市場価値を定期的に見直し、受け取る報酬の最適化を図りましょう。
スポット型コンサル
スポット型コンサルは、時間単位で相談を受けたり、週末や空き時間での対応で完結できたりする単発業務です。本業の隙間時間でやりやすい方法ですが、本業収入に匹敵する金額を稼ぐのは難しい部分があります。
1時間あたりの相談料を設定して報酬を決めることが多く、1回の相談で1万円~3万円というケースが多いでしょう。
固定報酬型コンサル
固定報酬型コンサルは、数週間~数か月程度の期間で対応するケースです。この場合、まとまった金額を一括で受け取るか、月額いくらで○か月間といった報酬になります。
月額の目安としては、数万~20万円程度が多く、スポット型よりもまとまった金額を稼ぎやすい形態です。
ひと月に得られる報酬が多くなる反面、スポット型よりもクライアントと関わる時間が増えます。固定報酬型で仕事を受ける場合は、本業との両立に注意しましょう。
スキル・実績次第で報酬は大きく変化する
大まかな報酬目安を紹介しましたが、フリーコンサルタントは本人のスキル・実績次第で得られる報酬が変化する仕事です。
最初から高額な報酬を求めるのは難しいですが、スキルアップを続けて実績を積めば、相場よりも高い報酬を得るのも不可能ではありません。
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副業フリーコンサルタントの始め方
コンサルタントは特別な資格や許可、店舗の準備など不要で始められる仕事です。しかし、副業でしっかり稼ぐには、事前の準備や確認が重要になります。
どの分野でフリーコンサルタントになるかを決める
コンサルタントには様々な分野があるため、どこで・どんな価値提供する存在になるのか、明確な方向性を打ち立てておきましょう。自分の得意分野は何か、スキルや経歴を活かしてどんなことができるか、事前に自分自身を棚卸しして検証します。
自分の仕事の軸がない状態では、営業活動もままなりません。「この人は何をしてくれるのか」「どんな価値を与えてくれるのか」などが伝わらないと、クライアントは発注してくれないでしょう。
「ぜひ依頼したい」と思われるよう、自分のセールスポイントを見極め、コンサルタントとしての方向性を確立します。
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会社の規定を確認
記事の最初の方でもお伝えしましたが、無用なトラブルを避けるため、副業に関する会社の規定を確認しておきます。全面的に禁止なのか、条件次第では可能なのか、就業規則の内容をチェックしましょう。
また、会社が副業を禁止していたり、条件を課していたりするのは、副業が本業に影響しないかを懸念しているためです。問題なく両立できるよう、どの程度なら副業に時間を割けるのか、本業の繁忙期には副業の量を調整できるかなども含めて確認しておきましょう。
副業について家族の理解を得る
副業を始めるなら、家族の理解も得ておきましょう。
副業をする以上、プライベートな時間が削られるのは避けられません。家族との時間や休暇を楽しむ余裕がなくなる可能性もあるでしょう。副業で大きな収入を得られても、家族関係に問題が生じるのは避けたいところ。
自分が副業をすることについて、家族は理解してくれるのか、どのくらいの時間を副業に使うのか、家族と事前に話し合って理解してもらいましょう。
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副業に必要な準備を整え、開業届を提出する
フリーコンサルタントは、大きな元手が要らない仕事です。しかし、副業で必要となるツールや設備はあらかじめ準備します。
例えば、副業収入を確定申告するには会計ソフトが便利。情報漏洩への対策として自宅PCのセキュリティも万全にしたいところです。営業ツールとして、フリーコンサルタントの名刺が必要なら作成します。
また、これらの準備にかかった費用は、基本的に副業の経費として処理できます。副業収入の節税にもなるので、支払い明細や領収書などは保管しておきましょう。
開業届の提出は絶対必要ではありませんが、青色申告による節税を考えるなら出しておきます。
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案件を探して仕事を受注する
仕事が受けられる状態になったら、案件を探して受注します。案件探しには次の方法が考えられるでしょう。
- 友人・知人の依頼を受ける
- 見込み客に営業をかける
- クラウドソーシングを利用する
- 副業向けのエージェントを利用する
自分のコンサル業を知人が必要としているなら、最初のお客さんになってもらってもいいでしょう。知り合いに口コミを広めてもらえる可能性もあります。
見込み客への営業は、個別に訪問するだけではありません。SNSやブログを使ってコンサルタントとしての意見を発信すれば、営業活動になるでしょう。SNSによっても利用者の世代や集まる人の属性は異なるので、自分の仕事を必要としてくれる人が多い場所を選びます。
クラウドソーシングやエージェントの利用も、仕事とのマッチング率を高められます。ただし、スキル・実績がない状態では高単価な案件を受けるのは難しいので、自分のレベルに見合った案件からステップアップしていきましょう。
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副業でフリーコンサルタントをするメリット
副業でフリーコンサルタントを始めると、次のメリットがあります。
- 短期間で収入アップが狙える
- 複数の収入源が持てる
- 本業では得られない経験を積める
- 副業を通じて人脈が広がる
それぞれ、くわしく解説します。
短期間で収入アップが狙える
本業の給与を上げるには、会社で決められた人事評価を上げなければなりません。評価方法は会社によって異なりますが、目標の達成や会社への貢献が必要となり、給与が上がる機会は限られています。また、自身の業務成績や評価がよくても、会社の業績不振により、給与アップが見送られることもあるものです。
しかし、副業でフリーコンサルタントの仕事をしていれば、いつでも収入アップの可能性があります。自分のスキルや実績次第で収入を伸ばしやすく、やりがいも感じやすいでしょう。
本業以外の収入源を持てる
本業の給与以外に収入の柱ができれば、経済的にも安心できます。万が一、本業が上手くいかない状況に陥っても、副業の収入で補ったり、副業を本業にしたりも可能です。
こうした安心感から、本業でも余裕を持って仕事ができ、好循環を生み出せるでしょう。
本業では得られない経験を積める
副業では、クライアントや受注する内容を全て自分で決められます。会社から指示される仕事だけでは得られない経験の機会となり、自身の成長機会となるでしょう。
また、本業の経験を副業に活かし、副業の経験を本業にも活かすといった相乗効果も期待できます。
副業を通じて人脈が広がる
副業で関わったクライアントを通じて、本業の仕事関係者以外との接点を持つ機会が生まれます。良い刺激をもらえる同業者に出会えたり、新たな仕事を依頼してくれるクライアントと繋がれたりするでしょう。
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副業でフリーコンサルタントをする時の注意点
メリットの大きい副業フリーコンサルタントですが、注意点もあります。後々問題にならないよう、注意点についても理解しておきましょう。
本業に影響が出ないようにする
副業に精を出すあまり、本業に悪い影響が出ないようにしましょう。
副業をする以上、自由な時間が減り、休日もゆっくりできない状態になります。負担増から本業でのミスが発生すれば、会社の信用や人事評価にも影響するでしょう。
体調面も含め、無理なく両立できる範囲で副業するのが大切です。
個人情報や機密情報の取り扱いに気をつける
コンサルタントの仕事では、クライアントの売上や経営状況、個別の課題など重要な情報を取り扱う機会もあるでしょう。
もしも個人情報や機密情報を漏洩させてしまえば、信用失墜は避けられません。高額な賠償請求を受けるリスクもあり、注意すべき事柄です。
書類は鍵付きの書棚にしまう、誰もが閲覧できる場所にデータを置かない、などの対策を取りましょう。
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副業収入は確定申告を忘れずに行なう
会社からの給与は所得税や住民税、社会保険料が天引きされており、各自で納める必要がありません。しかし、副業で得た収入は、確定申告しなければ納税できません。
副業収入が20万円を超える場合、確定申告によって納めなければならない税金が発生するので、忘れずに行ないましょう。
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メリットと注意点を理解して副業フリーコンサルタントを始めよう
自分の得意分野なら、フリーコンサルタントの副業を始めるのも可能です。どの分野でコンサルティングするのか、本業との両立は可能かを事前に検証し、準備を整えて挑戦してください。
上手くいけば経済的な余裕やスキルアップの機会となり、より豊かな生活に繋がります。メリットと注意点をを理解し、副業フリーコンサルタントを始めましょう。