フリーランスは個人で活動するため、何かあった時の後ろ盾がないのは不安です。しかし、フリーランス向けの支援サービスを活用すれば、こうした不安に悩まされません。支援サービスには、案件紹介や業務サポート、福利厚生、オンラインサロンなど、さまざまなものが登場しています。

この記事ではフリーランス支援サービスの種類と、利用にあたっての注意点を解説。支援サービスを選ぶ際の参考や、新しいサービスへの加入を検討している人は参考にしてください。

フリーランス支援サービスの種類

フリーランス支援サービスの種類(見出し下画像)

フリーランス向けの支援サービスには、さまざまな種類があり、中には複数のサービスを受けられるものもあります。

おすすめのサービスについては「【知らなきゃ損】フリーランス専用のサービス9選│保険や福利厚生、税務まで」で紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

案件紹介・マッチング関係

エージェントやクラウドソーシングなどは、独立直後でも仕事を受注しやすいこともあり、フリーランスが最初に頼る支援サービスでしょう。こうしたサービスの多くは、利用登録するだけで福利厚生や業務サポートなどの支援サービスが用意されていることも多く、上手く活用したいところです。

例えばクラウドソーシングの大手「クラウドワークス」では、仕事のマッチングだけでなく、会員特典としてベビーシッターの利用体験やクーポン、会計ソフト「MoneyForward」の30日間無料利用などのサービスが用意されています。フリーランス向けのエンジニア案件を取り扱う「ギークスジョブ」でも、ITフリーランス向けの業務サポートやスキルアップなどが優待される福利厚生サービス「フリノベ」を提供。

案件紹介やマッチングサービスを利用する場合は、入会すると受けられる支援サービスの内容にも注目すると良いでしょう。

参考:クラウドワークス|クラウドワーカー会員特典
参考:フリノベ

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保険・補償関係

フリーランス向けの賠償補償や休業補償、所得保障保険なども、個人で働くフリーランスの味方となる支援サービスです。独立した保険商品だけでなく、複数の保険がセットになったものや、入会すると自動付帯されるものなどが存在します。

「FREENANCE(フリーナンス)」では、仕事中の事故や納品物の問題が原因となった事故などに対しての補償が会員になると無料付帯。その他、フリーランス特有の事情にマッチした保険もオプションで加入できます。

また、一般の保険会社が提供する所得保障保険も、障害や介護だけでなくフリーランスが休業を余儀なくされた際に適した商品も登場しています。例えば第一生命のネット完結型保険「デジホ」には、フリーナンス所得保障保険もラインナップ。労災補償や傷病給付が受けられないフリーランスに万が一の時に備えられます。

個人の責任が重く、もしものときに高額な負担となる可能性もあります。こうした保険で備えておけば、安心して働けるでしょう。

参考:フリーナンス
参考:第一声明|デジホ

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業務サポート・ツール提供関係

会計処理や確定申告のサポートといった支援サービスは、忙しいフリーランスにとって頼もしい存在です。税務処理に悩んだり、クライアントとの対応がこじれたりした時には、税理士や弁護士を紹介してもらえるサービスもあります。

直接的なサポートの他にも、業務で役立つ会計ソフトや画像編集ソフトなどの優待利用が用意されている支援サービスもあります。仕事で必要な設備を揃える際は、こうしたサービスを活用することで、経費も抑えられるでしょう。

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福利厚生関係

スポーツジムや娯楽施設、宿泊施設、外食などを優待利用できる福利厚生を提供している支援サービスもあります。

例えば、INTLOOP株式会社が運営する「High Performer Consultant(ハイパフォコンサル)」や「TechStock(テックストック)」などに利用登録すると、福利厚生サービス「fukurint」が利用できます。「fukurint」では家具・家電やビジネス什器のサブスク、フィットネスクラブ、娯楽施設など、さまざまな福利厚生が利用可能です。

こうした福利厚生サービスを効果的に活用できれば、リフレッシュや家族団らんの機会にでき、仕事の励みとなるでしょう。

参考:fukurint -フクリント-

自己啓発・キャリア相談関係

スキルアップ講座が優待利用できたり、キャリアカウンセラーの面談が受けられたりといったサービスも、フリーランス支援サービスです。

福利厚生サービスの中に含まれているものもありますが、エージェントに登録すると利用できるケースも多いので、案件を受注して経験を積むと同時にスキルアップもできます。

仕事場・バーチャルオフィス関係

フリーランスの場合、自宅を事業所とするケースも多いでしょう。しかし、仕事とプライベートの空間を兼用することで、仕事に集中できなかったり、長時間働いてしまったりと、オン・オフの切り替えが難しくなることも。

そんな場合はコワーキングスペースやシェアオフィスを利用すれば、自宅とは別に事務所を構えるより、安価で仕事場を持てます。私書箱や共用の打ち合わせ室、ビジネス書が無料で読めるなど、設備が充実している場所もあり便利な存在です。

自宅住所を明かしたくない場合は、バーチャルオフィスを利用する方法もあります。こういったサービスもフリーランスが安心して働くために必要な、支援サービスと言えるでしょう。

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コミュニティ・オンラインサロン関係

業務に行き詰まりを感じた時や新しい分野に挑戦する時など、誰かに相談したいシーンもあるでしょう。しかし、フリーランスは個人で仕事をするため、相談相手が身近にいないことも珍しくありません。孤独を感じ、メンタルヘルスに支障をきたすこともあります。

そんな時はフリーランス同士の繋がりを作れる、コミュニティやオンラインサロンの利用がおすすめです。コミュニティでは情報交換や仕事の相談をし合うほか、案件情報をシェアしたり、一緒に仕事をする仲間を募っていたりと、案件受注につながるケースもあります。

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複合的なサービスを提供しているケースもある

支援サービスには、複数のサービス内容をまとめて提供しているものもあります。先ほども例に挙げた「フリノベ」「FREENANCE」「fukurint」も複数の内容が1つになった支援サービスです。

他にもフリーランス協会では、フリーランス向けの情報発信やコミュニティ運営をしており、有料会員になると保険や福利厚生、各種相談など幅広い支援サービスが受けられます。

複合的なサービスはさまざまな内容が含まれていて便利な反面、すでに利用している他サービスと内容が被る可能性もあります。利用の際はサービス内容を確認し、重複するならどちらかに絞れないかを検討しましょう。

参考:フリーランス協会

フリーランスが支援サービスを利用するときの注意点

フリーランス支援サービスを利用するときの注意点(見出し下画像)

フリーランス向けの支援サービスにはどのような種類があるかを紹介してきましたが、利用時の注意点も解説しておきます。便利なサービスであっても、活用できなければ費用の無駄遣いに。支援サービスは効果的に活用し、活動に役立てましょう。

利用条件を確認する

フリーランスにとってありがたい保険や、仕事の上で役立つ支援サービスが多数用意されていても、利用条件に該当しないと適用されないものもあります。特に複合的な支援サービスは、有料会員のみに提供されるものや、オプション利用登録すれば使えるものがあるケースもあります。

例えば保険の場合、補償されるのは所定の限度額や適用範囲までです。福利厚生も本人のみが利用できるのか、家族も利用可能なのかなど、サービスごとに設定されています。

内容を見ただけで安易に利用を決めず、条件は必ず確認しましょう。

サービス内容が重複していないか確認する

支援サービスを利用する場合は、サービス内容に重複がないかも確認しましょう。

フリーランス向けの生命保険や医療保険、損害保険に加入する場合、現在加入している保険と重複していると保険料の負担がムダになります。

業務サポートや福利厚生も、すでに同様のサービスが受けられる状態になっているケースもあります。例えば支援サービスとは別で会計ソフトを年間契約しており、契約プラン内で帳簿付けの相談や確定申告サポートが受けられるなら、サポート内容が重複する場合もあるでしょう。クレジットカードブランドによっては、宿泊施設に優待で泊まれたり、個人賠償責任保険が付帯されていたりします。

サポートを充実させたいからといって、あれもこれもと支援サービスに加入していると、会費負担も重くなります。サービスに重複がないか確認し、無駄なく利用できるようにしましょう。

自分にとって本当に必要なサービスなのかを見極める

便利な支援サービスでも、活用できていないと必要経費や自己投資ではなく、浪費になってしまいます。

息抜きや健康増進を目的に、スポーツジムが優待利用できるサービスに加入していても、対象施設が近くになければ利用頻度が下がります。スキルアップになりそうなセミナーやスクールに通える場合も、自分の仕事に役立てられるものでなければ、ただの娯楽です。

そのサービスが本当に必要であるかを見極め、利用を決めましょう。

内容によって経費計上できるもの・できないものがある

支援サービスを利用する際に発生する費用は、経費として計上できるもの・できないものがあるのも注意点です。

経費にできるかの判断基準はケースバイケースであり、一概に決められません。その費用を支払うことがどのように仕事と繋がるのかを、第三者が納得するように説明できるかが、一つの判断ポイントになるでしょう。

法人企業が従業員のために用意している福利厚生の費用については、会社経費とみなされます。しかし、個人事業主やひとり法人の経営者自身に対する福利厚生は経費とならず、趣味・娯楽と解釈されるので経費にできません。

息抜きや家族との時間を充実させる目的の福利厚生は、経費計上できないと覚えておきましょう。

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フリーランス向けの支援サービスを活用しよう

フリーランス向けの支援サービスを活用しよう(見出し下画像)

フリーランス支援サービスの種類と、利用時の注意点を解説しました。ひと言に支援サービスといってもさまざまなジャンルがあり、活用すれば心強い味方となるでしょう。

しかし、役に立ちそうだからと手当たり次第に利用登録すると、会費負担がかかり、サービス内容を生かし切れません。必要な内容を吟味し、活動に役立つ支援サービスを利用しましょう。