フリーランスは会社に雇用されず、ひとりで仕事をします。その為、自由に仕事が出来る一方で、人との関わりが少なくなり、誰にも認めてもらえないということが起こります。そこで承認欲求という問題が出てくるわけです。

会社員時代は同僚や上司から評価されることで満たされていた承認欲求。会社で承認欲求が満たされていたということは、辞めてはじめて気づくことも多いです。その為、フリーランスの立場でも承認欲求を満たしていくためには、コツが必要になってきます。

ここでは孤独なフリーランスが承認欲求を満たすコツとして5つ紹介します。承認欲求が満たされていないフリーランスの方はぜひ実践してみてください。

フリーランスの孤独な作業は意外と辛い

会社員からフリーランスになると自由になります。自由になるというのは、時間が余るという意味ではなく、自分で管理出来る時間が増えるということです。その為、自由に仕事ができていると感じられます。

また働く場所も一緒に働く相手も選べます。嫌な仕事を無理して続ける必要もありません。ひとりでやりたい仕事をする。これはフリーランスの特権でしょう。一方で、家族以外と関わらない日々が増えてきます。

会社であれば一緒に仕事をしている際に、時には励まし合うことも出来たでしょう。そうした機会がフリーランスの場合、圧倒的に減ります。その為、承認欲求が満たされません。最初は承認欲求が満たされていないと気づかないことも多いです。

理由もなくイライラし、モチベーションが上がらない。仕事に対するやる気が下がってきて、家族にも不満ばかり言ってしまう。私自身も孤独な作業を続ける中で、仕事が単なる作業のようになってしまった経験があります。

そんな状態で出来上がった成果も良いものではありません。取引先との関係も単に仕事相手となり、承認欲求を満たされることもありません。そのような中でふと自分の仕事を褒められると嬉しいわけです。そしてふと「自分は承認欲求が満たされていないのかも」と思うわけです。

しかし承認欲求という言葉そのものに良いイメージがありません。SNSなどで「承認欲求が強い」というワードはともするとマイナスのイメージで語られます。しかし承認欲求が全くないという人もいないはずです。

その為自分自身に承認欲求があることを認め、それを満たすために必要な方法を模索すべきなのです。

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承認欲求のポイントは他人からの承認

そもそも承認欲求とは「他人から認められたい」という欲求であるとよく言われます。

承認欲求について長く研究している太田肇氏によれば、純粋な欲求だけでなく「何らかの動機に基づく承認の願望も含め「承認欲求」と呼ぶ(太田肇著 日本人の承認欲求―テレワークがさらした深層―(新潮新書)新潮社」と、承認欲求について定義しています。

このように承認欲求を広く捉えると、その幅が広く多くの人の行動に影響していると考えられます。つまり誰でも承認欲求は多かれ少なかれあるわけです。

承認欲求を他人からの承認と考えた場合、他人とコミュニケーションを取ることが真っ先に思い浮かぶでしょう。しかしコミュニケーションが取れれば承認欲求が満たされるというわけではありません。

コミュニケーションを取るだけであれば、メールでも良いですし、Slackなどのチャットツールを使ってもとれます。つまりフリーランスであってもコミュニケーションを取るだけであれば、問題なく出来るわけです。

それでも承認欲求が満たされないということは、単にコミュニケーションが取れるというだけでは不十分だということなのです。前述した太田氏によれば「人間は五感、あるいはそれ以上の感覚を使ってコミュニケーションを行っており、そのなかで意識していなくても承認欲求が満たされる」(前掲書)としています。

つまりメールやチャットツールではなく、人と対面で接することで、承認欲求が満たされるということなのです。先ほども述べたとおり、フリーランスは会社員と比べれば人と接する機会が少なく、承認欲求を満たす機会が少ないです。

その為、承認欲求が満たされていないと感じてしまうのでしょう。

フリーランスが承認欲求を満たすために必要な5つのポイント

フリーランスが承認欲求を満たすためには、他人からの承認を中心に、自分を認めてもらう必要があります。太田氏は「能力、実績、個性などがそれぞれ多様な次元で認められること」「多少なりとも人格的な承認が含まれていること」「見せびらかせる場」があることをあげています(前掲書)。

つまり他人から承認される場が必要であり、そこで人格も含めて多様な次元で認められなければならないわけです。

また自分が承認される準備として、自分自身を認めることも重要になるはずです。ここではこれらの考え方を踏まえて、フリーランスが承認欲求を満たすために必要な5つのポイントを紹介します。

信頼出来る仲間を作る

信頼出来る仲間を作り認めてもらうことで承認欲求が満たされます。信頼出来る仲間を作るためにはコミュニティやセミナーに参加する方法が考えられるでしょう。私はフリーランスが多く集まるコミュニティに参加していますが、そこでは意図的に励まし合いながら仕事を続けています。

また私は「Address」というサービスを利用しています。「Address」とは定額全国住み放題のサービスで、全国210か所以上の家を利用できます。田舎で仕事をするワーケ―ション目的の人、移住先を探している人、旅行目的の人などが利用しているサービスです。

そのうちのひとつの家で日々、いろいろな人と出会っています。多様な人たちと出会う中で、価値観を共有し、それぞれの生き方を承認できているわけです。

そうすると自分だけでなく相手も元気になり、「これでいいんだ」とフリーランスとして仕事に集中出来るわけです。

実はこんな事がありました。セミナーで会ったある人が自分のことをフリーランスと自己紹介しませんでした。どうやら収入があまり多くないため、フリーランスと堂々と言えなかったようなのです。しかし多くのフリーランスと交流する中で、収入が多いか少ないかは関係ないと分かったとのこと。

収入が今は高くなくても、自分の仕事をしているならいいんだと思えるようになり、フリーランスと言えるようになったとのことでした。承認欲求が満たされた良い結果だと言えます。

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メンターを見つける

メンターを見つけるのも一つの方法になります。メンターは自分のことを全てさらけ出せるぐらい信頼出来る人です。またそうした自分を受け入れてくれる人です。自分自身にもメンターがいますが、否定するのではなく、肯定から入ってくれるため、承認欲求が満たされます。

仕事上の悩みは家族にも話せないこともあります。そうした悩みをメンターに話して、自分のことを認めてもらうのは非常に重要です。メンターは、特に専門家である必要はありません。自分がメンターになって欲しいという人にお願いします。

メンターの探し方としては、まず知人や友人、先輩に頼むという方法が考えられます。知人や友人、先輩であれば自分のことを理解してくれているため、メンターとして相談しやすいというメリットがあります。

周りにメンターになってくれそうな人がいなければ、コミュニティやセミナーに参加したり、ウェブ・SNSで検索して探したりするという方法もあります。全く知らない人は不安だという人は、知人に紹介してもらうのも良いです。

知人の紹介であれば、自分と全く合わない人がくる可能性は低いです。また知人が自分のことを先にメンターに話しておいてくれるため、最初から本題に入れるというメリットもあります。以上のような方法を使ってメンターを探してみましょう。

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SNSをうまく活用する

SNSはうまく活用することで承認欲求を満たせます。例えば私の知人は、Facebookで誕生日に仕事の近況報告や自分の開業日の区切りの報告の際に仕事の成果の情報発信をしています。その結果が周りから褒められたり、新規の仕事の紹介を受けたりして承認欲求が満たされたとのこと。

特にFacebookは実名制なので荒れることがなく、知らない人を「友達」にしていない限りは、本当の知り合いなので皆が本気で喜んでくれるとのことです。

私自身はTwitterでブログの書き方や自分で書いたブログ記事に関する情報発信をしていて、それがきっかけでさまざまな人とオフ会を開いています。そのオフ会では仕事に関する情報交換だけでなく、プライベートな悩みを話す場所にもなっています。リアルな世界では繋がりがない関係であるため、プライベートな悩みを相談しやすいのです。

自分の仕事と全く関係ない世界の人と出会えるのがSNSの魅力のひとつです。そこでお互いの仕事を紹介し合うと、純粋に褒め合えます。

このようにSNSをうまく活用して、リアルとの接点を持てば、承認欲求を満たすことにも繋がるでしょう。

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家族に認めてもらう

家族に認めてもらうのはとても重要です。自分の知人は大手企業に所属していましたが、フリーランスとして独立しました。家族はみな、応援してくれているとのことです。そうした応援がなければフリーランスとして独立しなかったでしょう。

家族に応援してもらうためには、仕事の中身や日々の成果についても日常的に家族に話すことが必要です。会社員時代は、仕事は家には持ち込まないという人も、フリーランスになったら思い切って話してみましょう。

自分が仕事で頑張っていることを認めてもらえたり励ましの言葉を身近な人からもらえると、承認欲求が満たされ仕事に対するやる気もアップするのが分かります。家族に認めてもらうためには、認めてもらう努力も必要です。フリーランスとして独立する前から家族の理解を得られるようにしましょう。

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自分を受け入れる

承認欲求は他人から認められることで満たされますが、その前に自分自身を受け入れてあげることが必要です。自分のことを受け入れていないと、相手からの承認を素直に受け入れられなくなります。

例えば「こんなに褒めてくれるけど裏があるのではないか」と思ってしまいます。そうならないためにも、ありのままの自分を受け入れることが非常に大事です。ありのままの自分を受け入れるとは、できない自分も自分として受け入れることです。

どうしても自分ができないとダメだと思ってしまいます。しかし今までの結果として、今の自分があるわけで、それが自分の全てなのです。精神科医の水島広子氏は「自分が好き」ということについて、以下のように述べています。

「自分が好き」ということは、「自分に批判的でない」ということであり、「自分のありのままを受け入れている」ということなのだと思います(水島広子著 「他人の目」が気になる人へ~自分らしくのびのび生きるヒント~(光文社知恵の森文庫).光文社)。

自分を好きになることで、相手のことも受け入れられます。その結果、相手も自分のことを好きになってくれます。それは承認欲求を満たすときにも効果的に働くわけです。

承認欲求を満たすことで生産性も向上する

リアルで人と関わることで、承認欲求が満たされることはすでに述べました。承認欲求が満たされると、仕事にも良い影響が出ます。まずモチベーションが向上します。モチベーションが上がれば、生産性も向上するでしょう。

仕事をする上でモチベーションは非常に重要です。モチベーションがある仕事は、やる気も違いますし、成果物の出来も違います。結果として仕事が評価され、次の仕事につながるという良い循環が生まれます。

私自身もメンターとコミュニティのおかげで、承認欲求を満たされました。その結果、今まではやらなかった仕事にもチャレンジするようになり、仕事の量も増えています。承認欲求が満たされたことで、生産性が向上したのは私だけではありません。

私の知人のウェブマーケターは、「あなたのおかげで売上が伸びたとクライアントから言われることには、報酬以上の意味がある」と話していました。フリーランスは仕事を選べます。決して報酬だけを重視して、仕事を選んでいるわけではありません。

自分のことをしっかりと評価してくれるクライアントであれば、報酬が多少低くても引き受けることがあるわけです。報酬が低かったとしても、承認欲求が満たされる関係であれば、モチベーションも高く、良い成果物が作れるというわけです。

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疲れた時は気分転換も大事

承認欲求を満たすために必要な5つのポイントを紹介しました。承認欲求は他人との関係の中で満たされるものです。しかし常にうまくいくわけではありませんし、人と会い続けていると疲れることもあります。

あまりにも人に会っていると「たまには一人になりたい」と思うこともあるでしょう。そうした場合は気分転換も必要です。自分なりの気分転換の方法を確立して、また人との関係を築いていくべきです。

私はサウナが好きなので、そこで一人の時間を持ってリセットしています。それが人間関係にも良い影響をもたらし、結果として承認欲求を満たすことにも繋がります。無理をせずに人と関わりを持ちながら、承認欲求を満たしましょう。